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FinTechの課題と今後の方向性に関する検討会合(FinTech検討会合)(第2回)‐議事要旨

日時:平成28年7月28日(木曜日)13時00分~15時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

討議テーマ

  1. FinTechが経済、社会、企業経営等に与えるインパクトをどう認識しているか。特に着目すべき変化は何か。
  2. そうした環境変化の中、企業(金融機関及びFinTech企業等)として、どのようなことを経営課題として捉えているか。
  3. 今後の環境変化に対応するために、必要な環境整備や政策は何か。

議事概要

i. 国家としての金融の位置づけの明確化

  • FinTechの推進施策を検討するには、先ず、国家としての金融の位置づけが重要であり、英国やシンガポールのように「金融業」として前面に押し出していくのか、社会インフラとして経済活動を支えるものとして最適化を目指すのかを議論することが重要であるという見解が示された。我が国の場合、ものづくり産業も盛んであること等から、社会インフラとしての金融像が想定されるという意見があった。
  • 次に、目指すべきゴールとして、例えば「スマート金融立国」を設定すること、そしてそのゴールを達成するために各プレーヤーへの達成すべき目標としてのKPIの設定が重要であるという見解が示された。また、KPIを設定する際に、責任者を明確にしてKPIをどう達成するかの議論が必要であるという見解も示された。KPIの例としては、主要施設・サービスでのキャッシュレス決済対応比率、投資人口の拡大等があげられた。

ii. インフラとしての金融

  • インフラとは、意識せずに恩恵にあずかれるものであり、ITではクラウド環境がまさにインフラ化しているという見解が示された。

iii. 海外動向

  • FinTechへの投資額は米国・中国の2強であり、分野では融資系・決済系・資産運用系が中心であるが、FinTechへの期待感が高すぎたこと等により、上場後は株価が低迷していることで投資家心理がシビアになってきているという見解が示された。
  • シリコンバレーでは、ITを活用して社会に蔓延る不便・不満を抜本的に解決しようとする行動原理のもとで、FinTechは顧客目線で高すぎる手数料や金利に切り込む存在であり、そもそも儲かりにくいビジネスである。他方で大企業のイノベーションにプレッシャーを与えるFinTechの存在そのものが社会FinTech全体としてプラスであるとの考えのもと、マネタイズを後回しにして利便性を追求するベンチャーにVC投資が回っている。
  • ビットコインは投資対象として注目されたが、今後はM2M、IoT時代のデータ取引の超少額決済手段として有用であり、製造業の盛んな日本では注目されるという意見があった。

iv. 既存金融機関の経営課題と対応策

  • 既存金融機関の固定費(人件費・店舗費・システム費)が収益に対して非常に大きくなっているコスト構造が明らかになったことで、競争力のある産業にするために、ITを活用した業務効率化、例えばモバイルバンキング等が重要であるという見解が示された。一方で、我が国の金融機関の場合、米国のように店舗数を急激に減らすことで失われる雇用との関係は留意が必要であるという意見があった。
  • 既存金融機関の収益拡大の手段として、必要とされる金融サービスを受けられない人が多い新興国への金融インフラ、例えばモバイルバンキング、の輸出が重要であるという見解が示された。
  • デジタル・ディスラプションは脅威であるものの、事実として存在することを認識しつつ、金融サービスの代替需要が見込まれることを踏まえてデジタル・レジリエンスをどう図るか検討することが重要であるという見解が示された。その手段としては、社内ベンチャー振興等のイノベーション環境の整備だけでなく、自社だけでは到達しないレベルに達するために、ベンチャー企業との連携・取込みが重要であるという意見があった。

v. ベンチャー企業の課題

  • ベンチャー企業にとって、既存の金融機関との連携は事業拡大には重要であるが、連携を成功させるためには、ベンチャー企業側にイノベーションだけでなく、コンプライアンスやセキュリティに精通した経営者が必要であるという見解が示された。

vi. 今後の環境変化

  • 技術の大幅な進展に伴い、既存の制度環境に当てはまらないプレーヤー、サービスが出てきたこと、これから出てくるであろうことに合わせた環境整備が必要であるという見解が示された。その際には、セキュリティ設計についてもイノベーションが必要であるという意見があった。

vii. 必要な施策

  • 技術革新のスピードが速いFinTech振興には、実証実験をするというサンドボックスという概念が重要であるという見解が示され、その際には規制にかかる、かからないでレギュラトリー・サンドボックス、サンドボックスと分類されることに留意が必要であるという意見があった。
  • レギュラトリー・サンドボックスの活用には、新ルールについて白黒をはっきりさせることではなく柔軟に修正しながら取り組み、必要に応じて不要な規制を改廃することが重要であるという見解が示された。
  • 一方で、既に我が国では創薬の分野におけるインフォームド・コンセントという仕組み等の既存の制度から離れた形で実験をする仕組みは既に存在し、こうした制度を金融サービスに応用する議論が必要であるという意見があった。また、人の行動形態へのインパクトの分析には、1,000人程度を対象にするファースト・サウザンドという仕組みも示された。

以上

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最終更新日:2016年9月5日
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