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FinTechの課題と今後の方向性に関する検討会合(FinTech検討会合)(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年10月19日(水曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省別館1階114会議室

討議テーマ

  1. FinTechが経済、社会、企業経営等に与えるインパクトをどう認識しているか。特に着目すべき変化は何か。
  2. そうした環境変化の中、企業(金融機関及びFinTech企業等)として、どのようなことを経営課題として捉えているか。
  3. 今後の環境変化に対応するために、必要な環境整備や政策は何か。

議事要旨

1.FinTechの捉え方について

A)FinTechにかかわる重要な技術としては、ブロックチェーン、顔認証、生体認証について触れるべきであるという意見があり、そもそも先ずインターネットが前提であることには留意すべきではないかという意見もあった。そうした技術の活用結果が、コストカット、UI/UXの向上であるという意見があった。

  • FinTechについては、先ずインターネットを前提とすることが重要である。
  • 報告書には、ブロックチェーン、顔認証、生体認証という技術について追加すべきではないか。
  • 技術活用の結果として、システムコスト、マッチングコスト等が下がること、ユーザーがサービスをより使いやすい、楽しいと思えるようなカスタマーエクスペリエンスの向上が重要である。
  • FinTechはインターネットの上に乗っかっているものなので、オープンネットワークについてもう一度考え直すべきではないか。そういう意味では、そもそもFinTechの根っこにあるインターネットやオープンネットワークは何が良かったかというと、機会費用、マッチングコスト、フリクションコスト等を徹底的にゼロにすることである。

B)第4次産業革命とFinTechの関係について、ある程度ポイントを示すべきであるという意見がある一方で、社会全体の効用アップに繋がるという面だけでなく、一定のマイナス面についての視点も必要ではないかという意見があった。

  • FinTechの捉え方について、FinTechの全てが第4次産業革命に繋がるわけではないが、第4次産業革命とFinTechの分野がどのように関係して、経産省としてできるポイントについてある程度焦点を絞って書くということに意義があるのではないか。
  • FinTechが第4次産業革命と言われているが、良くなる面と悪くなる面は必ずあると思うので、社会全体の効用アップの対価として何を覚悟するのかといった視点はあっても良いのではないか。
  • FinTechの捉え方については、ある種の金融サービスの高度化、コストの低下により、産業全体の活性化が図られる点が重要で、現状で見えている部分は、消費者に対して利便性の確保ができるというところが書きやすいが、対企業、対ビジネスに対してどういう利便性があるのかについてもう少し書き込めると良いのではないか。

2.FinTech社会に向けた道筋について

A)先ず、FinTech社会の道筋を、FinTech社会が実現したら実現するゴールとして見るのか、ゴールとするFinTech社会をつくっていくためにとるべき政策を示すものとして見るのか、整理すべきという意見があった。また、FinTechはゴールへのツールとして捉えるべきではないかという意見があった。

  • FinTech社会の実現に向けた道筋のイメージは、FinTech社会が実現したら実現すると思われる事項として見るのか、それとも、FinTech社会をこのようにつくっていくためには、こういう政策課題があり政策的手法を取ろうとして見るのか、では大分違うと思うので整理して頂きたい。
  • 政策提言としては、何らかの技術があって、新しい可能性があるというレポートではなく、特定の政策目的に向かってそれを収斂させていくということなので、何を目指したいのかということから逆算して、そこに向かうためのツールとしてFinTechをどう捉えるべきかが書けてあれば十分ではないか。
  • FinTech社会の実現に向けた道筋の章がきちんと書けているかが、課題の発見につながり、ロードマップに結びついてくるので、読んだ人が十分に理解できる形にすべき。

B)PDCAが回せるように各企業等がきちんと追いかけていけるようにKPIをきちんと設定することが必要であり、FinTech1.0、2.0のように、デジタル化とFinTech産業の進捗にあわせてKPIを設定していくが必要であるという意見があった。

  • KPIについてはできるだけきちんと設定した方が良い。PDCAを回していかないと目標に到達しないので、PDCAが回せるような数値を各企業・各団体・各自治体等がきちんと追いかけていけるようにする。結局はそれの積み上げになるかもしれないが、そうしていかないと、目的に向かって一歩進んでいるのか後退しているのかが分からないのではないか。
  • FinTech1.0と2.0のように2つのステージがあり、1.0はFinTechでも何でもなくて、電子化にしようということ。これは当たり前のところで、紙だとスムーズにいかないので、電子化してデータ化しようというのがFinTech1.0だと思う。それは、色々な業態ごとにあると思うが、電子化する、例えばインターネットバンキングを増やしていくとか、本人確認を電子化するとか、そういった電子化する上での指標が1つ目である。FinTech2.0というのは新しい産業を生み出すというところなので、その新しい産業については融資や決済等色々あると思うが、それぞれの領域でKPIを設定するということである。

C)KPIを設定するうえでは、安倍政権の三本の矢のようにシンプルで分かりやすいメッセージ性があるものにすべきではないか、つまり、細かくKPIを設定するよりも、ゴールとして、例えば女性の管理職比率を30%にする等の分かりやすいマインドセットを変えるためのものとしてKGIとして設定して、その達成手段はある程度自由に任せる方が良いのではないかという意見があった。

  • 企業でも国でもリーダーがビジョンを示し、こういう国にする、そのための数値はこうだというシンプルでわかりやすいメッセージ性がないと、様々な立場が存在する中ではなかなか分かりにくいと思うので、KPIの設定というのは必ず必要。
  • 安倍政権の三本の矢のようなメッセージは、非常にわかりやすくて必要だと思うので、FinTechを推進する上で本当に大事なKPIを設定していくという方法が良いのではないか。また、KPIを設定するときには、全てについて具体的にどうすれば到達できるかという目標ではなかなか見えないこともあるので、その辺を含めたバランスだと思う。
  • 非常に現実的なKPIを置いて、5年でこのぐらいを目指すとか10年でこのぐらいを目指すというのはあるのかもしれないが、こうしたデジタル社会への大きな変化を産業界の人たちに大きく認識してもらうためのKPIというのは、例えば女性活用について、役員の何分の1を女性にというように、ある種象徴的にマインドを変えるという意味で目標になるものを設定するのが良いかもしれない。
  • KPIに関しては、例えば女性の管理職比率を30%にするとか、或いは2年で2%のインフレ率にするといった、分かりやすいマインドセットに変えるようなものは良いだろうが、細かくプレーヤーごとにKPIを課すとなると、却って成長の筋道を限定してしまうと感じる。KPIに縛られて、「できてないじゃないか」と言われると、逆に企業の自由な発想を奪っていく方向になりかねないのではないか。よって、ゴール、すなわち山の頂上は1つだが、登り方、あるいは登るスピードはその時々によっても変わってきて、各民間企業の競争のもとでの自由な発想があっても良いと思うので、少し配慮してゴールを設定すべきだと思う。
  • FinTech社会の実現で何かマイルストーンを入れるとすれば、FinTechに関する新しい新規参入がどのぐらい増えたかというのも非常に重要なKPIではないか。
  • ユーザーニーズを起点に、サービスを一つ一つ創っていく、今までできなかったことを可能にしていくという努力の積み重ねが必要だと思う。一方でそれをゴールとして完璧な数字一つで表すのはなかなか難しいのではないか。質の向上のような社会全体の実現を目指すべきであるという打ち出し方の方が分かりやすいと思う。
  • FinTechが、社会全体の色々な機会費用等のコストを低減することによって、消費或いは産業を活性化するもので、いわゆる政策提言的なゴールだとすれば、KPIがつくりにくいと思う。余り細かいこと、例えば人材を育成するというのは大事だと思うが、何をすればできるかというと、これまた目的と手段というのが必ずしも一致しないので、KGIはできてもKPIとなると難しいと思う。
  • 中国ではクラウドではアリウンが官公庁を含めて使われていてほぼ独占状態らしいが、彼らは政府の意向をもって、すなわちあるKPIのもとでそれを作っていってそうなったわけではなく、結果的に、一番便利であるとみんなが感じて使っていった結果、独占状態になっている。
  • 中国は、従来の金融機関が官公庁の規制のもとできちんとやっていなかったところで、突然、AlipayやWechat Payのようなものが出てきて、成功しているということで、持たざる者の幸運というのがあったのではないか。
  • 日本では、今から日本版Alipayのようなものをいきなり始めようとしても、既存のシステムを無視できないので、既存の屋上屋を重ねざるを得ない事態になるという課題がある。日本版のFinTechの育ち方については、ゴールしか定義はできず、KPIとして細かく切っていくとすると余計に混乱するのではないか。
  • KGIだけを定めてそれに向かって何をするかというのは提言としては入れない、或いは、FinTechについてみんなにもっと分かってもらうぐらいに留めておいた方が当面は安全ではないか。

D)最終的にゴールとして重要なのは、ユーザーにとって利便性のある世界、すなわち、オープンでセキュアな便利なサービスがどんどん出てくる世界を日本という国の特徴を踏まえてつくっていくということではないかという意見があった。

  • 色々な議論がある中で一番大事なのは、ゴールのイメージである。ユーザーが使いやすいサービスを提供するということをゴールとするのだと思う。インターネット、オープン化というのが完全に世の中の流れである中で、世の中の全てがインターネットでつながり巨大なデータができて、そのデータをもとにしてより最適な経済活動が増えていくという前提に立つと、経済活動の裏側にある金融だけがクローズドな世界をつくるということはグローバルに見るとあまり考えられないことだと思う。
  • ユーザーにとって、スムーズなお金の流れをどう創るかということが多分一番大事なことなので、大きな話をすると、全てがインターネットにつながる世界で、金融をクローズドではなくオープンにしながらユーザーにとってセキュアで便利なサービスを生み出すエコシステムをどう創るのかということである。
  • 日本という国の特徴を踏まえて、FinTechという潮流の中でどのようにあるべきかという記載があっても良いと思う。例えば、世界で一番高齢化が進んでいく国であるとか、世界で一番金融のインフラが整っている国であるとか、安心で安全な国である、といったネット空間でも具備しなければならないものが他国に比べてかなり進んでいる国だと思うので、そういう点をどう捉えていくかがポイントだと思う。

E)FinTechにより、キャッシュレス化が実現し、UI/UXが改善されたことが、直ちに個人消費(GDP)の拡大につながるとするのは、限界事例を除いてロジカルに説明できないのではないかという意見があった。一方で、FinTechが新たな産業になることでGDPの拡大に貢献する可能性はあるという意見があった。

  • 例えば、個人消費の拡大のところで、キャッシュレスの実現がなぜ個人消費の拡大につながるのかについて分解していく必要がある。PDCAが回せるように、ロジカルに分解していき、コントロール可能な関係する指標に落とし込むことが必要。
  • キャッシュレスの実現により到達するものは、端的には利用者の利便性の拡大なので、そこを目指してキャッシュレスを実現するとか、クレジットカードのより安全な利用環境を整備するというのはあるが、それを無理やり個人消費の拡大に結びつけてしまう必要はないのではないか。
  • 個人消費の拡大のところでは、決済などのお金の流れは、物流と逆側にあるものであり、例えばアマゾンとかメルカリなどのサービスによって、スムーズな決済ができる市場を実現することによって個人消費が活性化するという一面はあるのではないか。
  • 今の日本でも十分にキャッシュレス化は進んでいると思うが、個人消費はそれほど伸びていないことからすると、キャッシュレス化は個人消費拡大についての直接の要因ではないのではないか。日本では、現在、資金のアベイラビリティが制約となって個人消費が抑制されているということは、Suicaがあったおかげで小銭が無かった時にジュースが買えたというような限界事例を除けば余り無いのではないか。
  • FinTechにより、UI/UXが改善されたから快適になってたくさんお金を使うかというと、多分そうはならない。むしろ、改善されたUI/UXの部分に何らかの価値があると考えた方が良くて、GDPの数字に表れる個人消費にターゲットを置くよりも、そうしたFinTechによって改善したことにターゲットを置いた方が良いと思う。
  • 典型的なものでは、例えば身体障害者の方々が社会に参加することも、インターネットが発達したことによって大きく増えたが、直ちにGDPが増えるわけではない。もしかするとGDPは、少しくらいは増えるかもしれないが、その方々の経済活動ということで考えると、質的な改善の方がより本質であって、FinTechによって直ちに個人消費が増えると考えない方が良いような気がする。
  • UI/UXが改善していく結果として、もしかしたらFinTech企業のサービスに対する対価を払うようになって、それが新しいビジネスをつくり出すといったメカニズムが働いているような気がするが、そこはなかなか統計にはならないので、もしKPI的に考えるとすれば、日本の国内におけるFinTech企業向けのファンドレイジングであるとか、或いはFinTech企業の売上げといったところをターゲットにした上で、それが本当に例えばGDPを増やすかどうかというのは神のみぞ知るとするべきでないかと思う。そういう意味で、KPIの設定の仕方自体がそのような考え方にすると良いのではないか。
  • ゴールとしては、より社会の利便性が高まり、自由度が高まって、ここに書かれているような国民生活が実現していくことであり、恐らくそれは結果としても、例えば経済成長が見込むことができるといった経済的なプラスが生じる世界だと思う。
  • FinTech産業自体の成長もある意味では経済全体の成長の一つにはなり得るというところも少し書き込めると良いと思う。

F)家計の効率的な資産形成や企業の飛躍的な生産性向上について、例えば、高付加価値活動へのリソースシフトや既存の企業への投資が促進される等、補足できる部分はあるのではないかという意見があった。また、人材育成、FinTech産業育成という観点でも捉えるべきではないかという意見があった。

  • 家計の効率的な資産形成のところについて、投資人口の増加によって、確かに資産形成に投資を組み込む人たちが増えるかもしれないが、それが必ずしも効率的であるという担保はないので、なぜ効率的になっていくかが必要。
  • 飛躍的な生産性向上のところは、売上改善であるとか、オペレーションの効率化であるとか、高付加価値を創出するようなビジネスができるとか、そういうのも加えることができるのではないか。
  • 企業の方は、飛躍的な生産性の向上のところで、バックオフィス効率化だけでなく、例えば、今出てきている店のレジに代わるようなアプリにより、新規の顧客と既存の顧客の分析が簡単にできるようになることで売上が改善するとか、上流から下流のオペレーションの効率が上がることが考えられる。入口から決済までのオペレーションが自動化されることによって時間が余り、高付加価値に価値を創出する活動を人間ができるようになる。
  • 対企業、対ビジネスについては、ニュービジネス、新規参入について、利便性が高まることで色々なビジネスが出てきて、成長につながるという点、既存の産業への投資が促進される点を強調できると良いのではないか。
  • 今ある産業についてどう飛躍的に生産性が向上されるか、資金繰りが改善されるかということが書いてあるが、どんな新しいビジョンモデルが出てくるか、どんな新しい形態の企業が出てくるか、というようなことも非常に重要な論点ではないか。
  • 主に資金の流れということで書いてあるが、リスクシェアもFinTechによって随分色々変わっていくのではないか。その人、或いはその企業に合った色々なビッグデータで分析して最適な商品をどんどん提供できるようになるとすれば、社会全体のリスクの程度がどのように下がるのか等については、金融の議論をしているので、どこかに書いてあった方が良いのではないか。
  • FinTech社会の効果と実現に向けた目標値について、FinTech協会もアンケートを実施しており、その中で最も多かった声に人材育成がある。やはりFinTech社会を実現するためには、FinTechを理解して使い手が増えるということが非常に重要である。また、FinTechを実現する人という意味でも、高度な人材育成、特にIT人材の育成は非常に重要であり、学校教育の段階から力を入れていくことが重要である。英語力の向上も含めて、こういったものを重視していくべきだという声が非常に多くあった。そういう観点から、人材育成に関する目標値、それからFinTech産業育成という観点の目標値も加えると、産業全体の発展という意味でFinTechをもう少し大きく捉えられるのではないか。
  • FinTech社会の実現に向けた道筋について、1つは、やはり企業の経営陣にITに非常に強い人たちが入っていくということは非常に重要だと思う。ITをうまく使いこなして、どうやって生産性を向上していくかについては、企業の人材をいかに育成していくかが非常に重要な部分ではないかと思う。

3.必要な政策対応について

A)FinTechサービスはユーザー本位であり、ユーザーは機能ベースでサービスを捉えているので、規制も機能ベースの横断的な仕組みとしていくべきではないかという意見があった。また、規制を省庁横断的に捉えるという部分に議論の本質があるのではないかという意見があった。我が国の場合は、英国のように民間と政府とが同じ目線で一体となって進めるべきだが、民間に比較して政府の歩みが遅いのではないかという懸念も意見としてあげられた。

  • ユーザーにとって便利なサービスをつくるには、インターネットのようなワンストップでできる世界観を規制緩和によってつくっていくことが今後重要な点ではないか。
  • 海外のサービスについて、日本で何故できないのかということについて、ユーザー目線で考えることが重要で、サプライヤー側の理屈で、これができる、できないというよりは、こんなサービスがあったら良いとか、外国ではできるのに何故日本ではできないのかということからドライブすべきである。
  • ユーザーのニーズに応えるためにどんなサービスを提供できるのかという考えのもとでサービスをつくっていくのだが、そのサービスをつくるときには、それが何法にかかるか、或いはどこが所管しているかというのは、等価の選択肢になっているに過ぎない。
  • 特にペイメントの分野については、経産省、金融庁、どちらの所掌にもかかってくるので、省庁横断的に議論することが必要である。そうしたセクション間をまたいだ議論は現実には難しいだろうが、その部分に本質があるのではないか。
  • FinTech社会の実現に向けた道筋の部分も、金融庁と色々意見交換をしたとあったが、結局この中で司の問題で書けなかったことについて、抽象的なもので良いので大きな方向性を出すことは重要ではないか。
  • 役所間で分担された中での業界のターゲットのような話ではなく、更に踏み込んで議論することが重要。
  • ユーザーは、機能ベースで判断しているので、規制についても、性能という観点で全体を揃えた状態にして、こうした性能にはこうしたルールが必要であるという考え方が重要。すなわち、法的な仕組みがこうだという話ではなくて、ファンクションに注目して、必要なルールを定めるという考え方で規制をつくっていくことが必要。
  • 新経連で集まった意見のうち、声が多かったものを簡単に挙げていくと、本人確認については、リスクベースアプローチや再委託が欲しいということ、対面原則、書面原則の交付、判子はもうやめてもらいたいということ。金融の媒介、代理業、については、代理業を横断的にできるような仕組みが欲しいということ。あとは、資金決済法でスムーズに決済を行なうための制度や上限金額の議論。P2Pレンディングを可能とすることを求める声などがあった。新しいお金の流れをつくる上で、日本だと法制度的にできないものはたくさんあるので、検討事項として残して頂きたい。
  • アメリカや中国のように、実態が先行して、後から規制がやむなく変わっていくという方式は、日本にはそぐわず、どちらかというと英国のように、政府サイドと民間サイドのスタートアップ、既存金融機関が一緒になって、同じ目線で物事を進めていくというアプローチが良いのではないか。スタートアップと金融機関は良い関係が続いており、具体的なプロジェクトがどんどん出てきているが、政府がついてこられていない状況を憂慮している。
  • 今まで総論的に、FinTech賛成と言われてきたが、民間サイドで色々なプロジェクトが前に進んでいるが、ことごとく挫折している状況にあることを懸念している。

B)非対面取引が普及していくことから、例えば、金融取引上重要な本人確認もレベルを下げることなくオフラインで可能にする規制緩和は重要であり、具体的な仕組みとして、認証APIや携帯電話不正利用防止法、マイナンバーの活用等について検討してはどうかという意見があった。

  • 本人確認は金融取引上、非常に重要であったので対面原則であったが、今後セキュリティを担保しながらオンラインで可能にすることが重要であり、それは技術的には可能になると思うので、どのように規制緩和していくかについて検討が必要。
  • 非対面取引において、FinTechのサービスがよりシームレスに、或いはフリクション無しにユーザーに利用してもらうためには、本人確認手続を容易化することが重要であり、それは本人確認のレベルを下げるということではなく、社会全体で見ると、本人確認は既にどこかでなされていることが殆どなので、その情報を可能な限り共有するという発想である。
  • 金融機関の本人確認結果について、認証APIのような形で共有頂く仕組みができないかというのは一つの重要な課題だと考えている。もう一つは、依拠先を増やすという観点で、携帯電話会社への本人確認の依拠ができるようになれば良いと思う。これも業界的には省庁横断的なことであり、今の状況では、なかなか難しいということは認識しているが、携帯電話不正利用防止法以降は携帯電話会社で本人確認を必ず行なっており、また、携帯電話を持っていない人は殆どいないという状況であるので、そうした確認結果を連携させてはどうか。マイナンバーカードで公的個人認証が可能になる動きがあるので、これによって全ての口座開設ができるようになればもっとFinTechが普及すると思う。
  • インターネットファーストを掲げて、非対面を前提とせずに、判子、原本を要求するといったフリクションを無くすことが重要であり、これが解決されないとそもそもFinTechサービスを生み出せない。

C)APIについては、セキュリティとビジネスの問題を踏まえて、どこまでオープンにするのかを検討して、明確な基準を定めることが重要であるという意見があった。その際、色々な部分で標準化が求められるようになるが、我々がオープンネットワークに慣れていないことには留意する必要があるという意見があった。

  • APIについて、セキュリティの問題と競争原理を踏まえて、何をAPIとして開放して、何をどこまでアクセスさせるのかということをしっかりと検討した上で、オープンにするAPIを定義すべき。
  • インターネットが普及している環境の中で個人情報等が守られる仕組みの導入が重要だが、課題として、これまで我々はクローズドなネットワークで仕事をすることに慣れてきてしまっているので、オープンなネットワークの中で色々なものがさらされていることを前提に思考できないということである。
  • この情報はオープンにして良いが、この情報はオープンにしてはダメだという境界がばらばらなので、誰もが納得する基準が出てきて初めて、FinTechがさまざまな技術を使って第4次産業革命につながっていくという道筋が描けるのではないか。
  • どんどんネットワーク化して、オープンな世界になっていくので、色々な標準化等も求められるようになってくるのではないか。具体的に何か指標というのは難しいが、そういうものが求められるようになり、今までのようにクローズドな発想ではもう保たなくなる。

D)想像を超える新しいサービスが出てくる中で、試験的に導入できる仕組みをつくることが重要であるという意見があった。具体的な仕組みとしては、金融サービスについては特区という形では難しいのではないかという点には留意が必要であり、治験のように当事者の合意によって進める仕組みが良いという意見がある一方で、システミックリスクのある金融サービスについて当事者合意で足りるかについては留意が必要であるという意見があった。

  • こういうサービスをやりたいが、なかなかできないということを申し上げると、論点が矮小化されて、この条項のここをうまく使えばできるのではないかといった返しが来るわけだが、我々が言いたいのはそういうことではなくて、色々なものが世の中からこれから出てくるときに、いかに試せる世界ができるかということである。
  • 想像を超えるサービスが出てくるので、民間のプレーヤーによる自由競争が起こり、より良いサービスが生まれるように、ある程度規制をつくり過ぎずスペースを空けておくことが大事だと思う。今はどこにスペースができるのかまだ分からない状況であり、将来的に新しい事業をやろうとする際に障壁になるという可能性に備えて、例えば金融庁や経産省において、フレキシブルに対応できる枠組みを用意して頂きたい。
  • サンドボックスの議論については、どういう対象に何をやるかが重要だが、現実問題として、金融サービスで特区のような形で行なっても、どこまで利便性が出て、その評価をすることは難しいのではないか。
  • あるサービスについてサンドボックス的に導入されているというワーニングを出して、一般的に許可されたものではないことを前提に使ってもらうものであると周知することが重要ではないか。一方で、金融サービスは波及しやすいものなので、当事者だけの合意で足りるかについては留意が必要。
  • 例えばこの新薬はまだ治験が全部済んでいないのでこういうリスクがあるといった形の免責条項つきのサンドボックスという仕組みがあれば新しいことがどんどんできる。どういうサービスがユーザーに評価されるサービスか分からないので、海外を含めてどんどん新しいサービスが出てきて、どんどん実験をして、良いものであれば本格運用に向けて進めていくという事象ドリブン的なものができる仕組みを創るというのが一つの道筋ではないか。

E)技術革新が進んだ現状を踏まえて、既成概念について見直すことが必要ではないかという意見があった。

  • 為替や保険といった概念について、技術革新が進んだ現状を踏まえてもう一度考え直しても良いのではないか。従来の概念にいつまでもとじ込められていることで、できないことが相当あるのではないか。

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最終更新日:2017年1月31日
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