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持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会(第8回)-議事要旨

日時:平成29年3月16日(木曜日)13時00分~15時00分 
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

  • 今後の政策対応等の検討
  • ガイダンス策定について

議事概要

1. ガイダンス(案)について

  • ガイダンス(案)の構成について意見が示された。
    • ガイダンスには経営者として常日頃から考えていることがまとめられており、経営者のハンドブックのような形で活用できる。また、投資家の関心事項を想定し、質問に回答できるよう、経営者の頭を整理することに繋がるのではないか。
    • 企業経営者が考えていること、それらの関連性を整理しつつ、さらに対外的にどう伝えるのか整理できている企業は多くない中、企業にとって有用と考えられる。同時に、投資家と共通言語で話せるプラットフォームとして企業と投資家の双方の目線合わせにも有効である。
    • 情報開示の環境に変化が見込まれる中、非財務情報を含めて、財務情報に繋がる背景を体系的に情報発信していくことを示す内容が望ましい。
    • 企業経営者が自社の「稼ぐ力」についてしっかりと定義し、投資家と対話していくにあたって良い枠組みだと思う。一方で、内容に“綺麗ごと”が多い印象がある。ポジティブな項目のみならず、敢えてネガティブな項目を含むことが有効ではないか。例えば、日本企業が苦手とする売却に関して、売却基準等を入れてみたらどうか。
    • ガイダンスについて、語尾が「すべき」という表現が多い点が気になる。押しつけがましくならないよう、より適切な表現を検討してはどうか。
  • ガイダンス(案)の「視点」について意見が示された。
    • ガイダンス(案)は、投資家またはマーケットからの視点と解釈している。企業にとって経営手法は個別具体の事情に応じたものになる。
    • ガイダンス(案)の書き方や視点は、投資家の視点で書かれていると解釈している。持続的成長に向けての長期投資を進める上で、企業が投資家に評価してもらいたい点といった企業経営サイドの視点も入れる必要があるのではないか。
    • 投資家の視点のみならず、稼ぐ力を長期的に創出・維持しつつ資本市場に伝えるという企業経営の視点を示していると、作り手として理解している。
    • 投資家として企業経営者が日頃から考えていると思われる点を整理し、経営の観点を意識したガイダンスになっていると思う。
  • ガイダンス(案)の「価値観」について意見が示された。
    • 価値観について、歴史の長い企業のみを手本にすることを謳う表現になっている。新興企業にとっても、このビジネスモデルの考え方はあてはまるため、対象が過度に限定的にならない表現にしてはどうか。
  • ガイダンス(案)の「ビジネスモデル」について意見が示された。
    • ビジネスモデルの時間軸を明確にする表現がいいのではないか。ビジネスモデルは変化することで、企業の持続可能性や企業価値の創出に繋がる。どのようにダイナミックにビジネスモデルが変わるのか、その視点が明確になった方がいいのではないか。
    • ESGから財務価値の創出を目指すか否かについて、経営者の判断・意思決定に資するものであれば、経営者として大きな意味がある。この視点はビジネスモデルの箇所に明記されてもいいのではないか。
    • 企業価値とビジネスモデルの関係性や整合性は投資家としても重要視しており、仮に適切に示されていれば投資家にとって安心感に繋がる。ビジネスモデルの冒頭に『価値観に沿ったビジネスモデル』などを含めてはどうか。
    • 投資家としては、国際競争でどのように生き残っていけるのかという観点で企業を見ているため、競争環境に関する項目にその観点を含めてはどうか。
    • 企業経営者として、ガイダンスを利用することにより、従来の経営計画との「違い」が生まれることを期待している。その違いが端的に出てくるのが、ビジネスモデルではないか。特にビジネスモデルが財務のみならず、非財務面の要素にどのように繋がるかを表現できることに価値があるのではないか。
  • ガイダンス(案)の「ガバナンス」について意見が示された。
    • ガバナンスの冒頭にサクセッション・プランの記述があり、大事なことではあるが唐突感がある。構成について再検討すべきではないか。
    • サクセッション・プランは将来の視点であり、そこに冒頭から入る流れは時間軸やロジックとして分かりづらい。
    • ガバナンスとビジネスモデルは密接にリンクしているものであり、その関連性をガイダンス上で分かり易く示すことが望ましい。
    • 持続可能な成長のためには戦略的意思決定の監督・評価が重要である。
  • ガイダンス(案)の「戦略」について意見が示された。
    • ガイドラインで1つ抜けているものは企業文化・企業風土である。企業経営者は、企業文化・風土をいかに良い状態にし、企業内の人材のモチベーションを良い状態に保つのかについて常に気にしており、極めて重要な事項である。
    • 企業文化について、価値観と並ぶものではないと思うが、いかに活用していくのかという観点から、戦略の章のところにある無形資産の活用の中に織り込んではどうか。

2. 報告書(案)について

  • 報告書(案)のメッセージの方向性について意見が示された。
    • 設備投資は将来的な売上増加やコスト低減といったメリットに直結するイメージがあり、その一方で、ESGや無形資産投資は性質を異とするため、その投資による長期・短期の成功・成果の定義を報告書内で明らかにすることが望ましい。
    • ESG投資を客観的な裏付けなく礼賛する内容になっており、投資家に対する悪影響に繋がる可能性がある。原案はESGを考慮した特定の投資手法の有効性やメリット等が直接的に表現されており、この表現は改めるべきではないか。
    • 報告書の構成でそれぞれの項目に割かれている分量にばらつきがあり、分量の多寡が重要性と連動していると誤解を生む可能性がある。項目毎の分量のバランスについて第三者が読んだとき、どう映るか考慮し、全体で当研究会での議論の重みが正しく伝わるよう配慮すべきではないか。
  • 報告書(案)における「背景の整理」について意見が示された。
    • PBRの国際比較について、無形資産の価値が評価されないことが日本企業の低いPBRに繋がっているかのように記述しているが、企業の業績・結果に対する市場の評価が正当に表れているだけではないか。
  • 報告書(案)における「企業における現状整理と課題」について意見が示された。
    • 研究開発効率の国際比較について、事業利益は様々な要因の影響を受けるため、直接的に「研究開発効率の低さ」と解釈できるものではない。
    • 研究開発投資の効率性について、GDP比率3%程度の投資規模を維持している一方、日本経済の成長率は下降基調にあり、マクロで研究開発投資の収益率は落ちている。他方、個別事例を見ると、これとは反対の結果を示す研究結果もあるため、この点は注意すべきである。
    • GDP比率を用いたデータについて、日本のGDPは長期に渡り停滞しており、GDPを用いたデータの利用は注意する必要がある。
    • 将来の展望が不確かな中、初期投資を要する研究開発の資金をどのように調達するのか、他の無形資産投資も含めてはどうか。
  • 報告書(案)における「投資家における現状整理と課題」について意見が示された。
    • 受託者責任におけるESGの解釈について、米国ERISA法以外の諸外国の事例も紹介してはどうか。また、これまで十分に議論されていないが、日本でも受託者責任とESGの関係につき検討することが望ましいのではないか。
    • 情報取得に要する時間的コストの記述について、多くの機関投資家はどの情報をどの開示媒体で調べるべきかは分かっているにもかかわらず、現状の記載内容では各開示媒体記載事項の特徴を理解していない機関投資家を前提にとするものとなっており、違和感がある。
  • 報告書(案)における「政策・提言等」について意見が示された。
    • 投資家の短期志向の要因として、四半期開示のみをその原因とする内容となっているが、機関投資家の運用方針はじめ様々な要因がある。また、過去の経済産業省によるアンケート調査によると、資産運用会社の経営者の運用者に対する「評価基準」が短期志向の原因として挙げられていた。
    • 伊藤レポートにおいて短期志向の原因として大きく4つの問題点に焦点を当てていた。四半期開示が短期志向の全ての原因であるかのような表現はミスリーディングである。
    • 他省庁における議論・報告と内容が重複するものを、ましてやこの研究会でほとんど議論していない内容を、この研究会の報告書に含めるべきではない。
  • 報告書(案)とガイダンス(案)の関係性について意見が示された。
    • この報告書のメッセージは、ESGの重要性に触れたいのか、投資家とのあるべきコミュニケーションに触れたいのかが明確でない。ガイダンス(案)の中身とも一致していないのではないか。
    • ガイダンス(案)の内容をベースとして、報告書(案)の内容を合わせることが望ましいのではないか。

以上

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お問合せ先

経済産業政策局 産業資金課

最終更新日:2017年4月18日
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