経済産業省
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株主総会のあり方検討分科会(第2回)‐議事要旨

日時:平成26年10月29日(水曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

(株主総会のあり方検討分科会委員)
尾崎座長、安藤委員、石田委員、岩崎委員、岩田委員、上田委員、江良委員、澤口委員、島田委員、高山委員、武井委員(代理森田氏)、田中委員、鶴岡委員、中川委員、永池委員、松井委員、松本委員、安井委員、山田(治)委員
(企業情報開示検討分科会委員)
深澤委員

議題

  1. 本分科会のテーマに関する全般的討議
    • 持続的な企業価値の創造に向けた企業と投資家との対話を促進する観点から、望ましい株主総会プロセスのあり方について
    • その他
  2. 「検討に際しての論点」の討議

議事概要

意見交換における主な発言は以下の通り。

  • 座長より、資料2に基づく「検討に際しての論点」の投げかけの後、委員間で議論。その際の概要は以下のとおり。
  • 企業の株主は法人・ファンド・個人・財団・国であり、法人・ファンドにはそれぞれ株主と受益者がいることから、企業の最終実質株主は個人・財団・国となる。財団・国は例外的な存在と考えると、最終的な受益者は、個人に帰結する。この考え方に基づくと、最終受益者である個人を念頭に考えるべきと考えている。
  • アメリカでは、目論見書の内容が分かりにくいということが1998年に問題になったことから、SECが「A plain English Handbook」を作成した。このなかでは、平明な英語を使うべき、グラフの作成方法について比較し易さの観点から、0から始まる棒グラフで作成すること等の簡単ではあるが示唆に富んだ内容となっている。
  • Warren Buffetが寄稿した序文において、「40年以上公開企業の文章を読んできたが、理解できないことがしばしばある。最大の理由は分かりにくい用語や構成のせいだ。私はバークシャー・ハサウェイのアニュアル・レポートを書く時に、二人の姉妹に向けて話しているつもりで書くことにしているが、これは有用な秘訣だ。」と言及している。株主総会を含め、企業が株主とコミュニケーションをとる際に、どのように文章を記載するかが重要である。最終的な受益者である個人が分かるようにすべきであり、また、機関投資家であっても、最終的に判断するのは個人であることから、全ての個人が分かるようにする必要がある。
  • 株主総会の運営に関しては、株主総会前に、予め信託銀行から、総会の進め方に関するシナリオが企業側に渡される。リハーサル等もあり、信託銀行の行員が株主役になり、質疑応答の練習を行い、アドバイスを行う。株主総会には、信託銀行、弁護士も出席し、事前にアドバイスを受けるが、一般的に、早く総会を終わらせる、質問を多く受け付けない、問題が起きる前に株主総会を終わらせるようにするといったものが多い。
  • 議長の立場としては、経験が少ない議長が多いことから、株主と対話をしようという気持ちがあっても、信託銀行、弁護士、事務局等のアドバイスに従い、株主総会を早く終わらせる結果になるかもしれず、対話を行ううえでの、大きな問題である。
  • 信託銀行、弁護士等にどのようなひな形を配布し、どのようなアドバイスを行っているかを質問してみるのも良い。
  • 株主総会における議案は、殆どの上場会社の株主総会で、可決される。概ねすべて可決されるということを念頭に置きながら、それで本当に対話が行われているかという視点が必要ではないか。そのような視点に立つと、株主総会前に、企業と株主がコミュニケーションをとり、議案を作成する際に、そのコミュニケーション結果を反映させるということが重要なのではないか。例えば、取締役選任議案は会社が提案した内容を株主総会で承認し、株主総会で選任された取締役の互選により社長が決められる。これは、株主不在で議案が作られるということではないか。このため、事前に、株主と対話する必要がある。株主からの意見等があることにより、会社の緊張感が生まれるのではないか。
  • 議決権行使助言会社や信託銀行等は、企業と株主との間のコミュニケーションを促進して、アレンジすることも、新しい役割、ビジネスとして考えられるのではないか。
  • 株主総会において、株主との対話が重要視されていないわけではないが、どちらかというと、総会運営のアドバイスが中心となっている。一般的に、オーナー企業よりも、サラリーマン経営者が多く、任期が来たら退任というケースが多い。そのような状況において、経営者は、会社法とは何か、株主総会とは何か、株主総会運営はどのように行うか等から学ぶ状況にあり、株主とどのようにコミュニケーションするかという段階までは議論が至っていないというのが現状である。
  • 株主総会の運用ルールについては、当検討会でも議論して欲しい。
  • 例えば、議長不信任動議は、法的には議長に採否の自由がなく、この動議が株主から提出されると、議長は指名して発言させなければならないと解釈されている。小規模の株主総会であればその通りと思われるが、株主が一定数以上の大規模な会社については、そのような運用をしてしまうと、株主総会の合理的運用ができなくなる。
  • 株主が一定規模、例えば1万人を超過するような上場会社については、運営ルールそのものを考え直すことも議論する必要がある。
  • 一般論として、円滑な株主総会の運営を行うことに主眼が置かれていると考える。
  • 議決権行使助言会社に企業と株主との間のコミュニケーションを促進の役割を求めることは立場上、難しい。議決権行使助言会社の顧客は株主であり、企業の側に立ち企業と株主との間のコミュニケーションを促進する役割を求めることは、企業へサービスを提供することになる。このため、信託銀行、IRやガバナンスのコンサルティングを提供している会社等に、コミュニケーションの促進やアレンジに関する役割を求めることになるのではないか。
  • 海外の機関投資家の持株比率が高い企業については、株主総会だけではなく、通年プログラムで株主とのコミュニケーションを実施している企業もある。
    平時のコミュニケーションという議論があり、その点について、この場で議論すべきではないかもしれないが、平時のコミュニケーションの積み重ねの結果として、株主総会におけるコミュニケーションのあり方が変わることから、平時のコミュニケーションについても、議論の中に含めることとする。
  • 企業の最終実質株主が、個人に帰結するという意見は、理解できる。しかしながら、実務を担当していた感覚では、個人の方と機関投資家では、関心事や株主総会への出席の割合も異なっており、やはり両者を分けて議論した方がよいのではないか。
  • 分かり易く書類を作ることは、非常に重要。機関投資家の立場からは、株主総会が対話の場というよりも、一年を通しての平時のコミュニケーションが対話の場となっている。一方で、個人株主にとっては、個人投資家向けの会社説明会はあるものの、株主総会が、経営者と対話できる重要な場となっている。このため、当社では、株主総会ではスライドを使ってプレゼンテーションを行うなど、会社の業績等を分かり易く説明するようにしている。
  • 開示書類の整理と、Webの活用が必要と考える。Web上の書類が法定上のものとして認められるか否かは、非常に重要となる。
  • 株主数が数万、数十万と多い場合の株主総会の運営方法については、議論の余地がある。
  • 有益な対話の機会とするためにも、株主提案に関する一定の規制、ルールを設けることは必要ではないか。
  • 従来、海外の機関投資家に着目した議論が多かったが、個人株主割合も3割程度あり、株主総会の出席者の殆どは個人株主である。このため、事前のコミュニケーションについては主に機関投資家を対象とし、株主総会当日は個人株主に主眼を置く、という整理をして対応に努めているのが現状。
  • 企業側の視点として、現行の法制下においても、株主との対話に関して、企業側に努力する余地があるのではないか。
  • 株主総会招集通知について、Web開示を積極的に行うことができる。従来は、株主に対して招集通知発送前に、Web開示をすることについて、抵抗感があったと思われるが、東日本大震災以降、招集通知発送前にWeb開示を行うことができる状況にある。
  • 当社の実務として、日本語版招集通知のWeb開示が5月22日、英語版のWeb開示が5月28日、紙面の招集通知発送を5月30日に行い、株主総会は6月24日に開催している。この結果、株主総会の相当前に、株主に対して情報発信ができている。このような方法を、多くの企業で採用する余地がある。
  • 株主総会の開催日の集中日を避ける努力が企業側で不足している。
  • スチュワードシップ責任を負っている機関投資家は、真摯に議決権行使を行う必要がある。機関投資家は、企業の事業を評価し、投資を行うか否かの意思決定を行うべきであるが、機関投資家と企業とは必ずしも十分に対話していないように思える。平時からのコミュニケーションを行えば、仮に、招集通知の発送から株主総会の開催日までの期間が短い場合であっても、迅速に議決権行使に関する意思決定を行うことができるのではないか。
  • 議決権割合の高い、機関投資家や海外投資家は、通常、株主総会に出席していないと考えられる。このため、議決権行使と株主総会の出席とは、必ずしもリンクしていない。
  • 株主総会の日程を延ばすことだけが、対話の促進に繋がる方法ではない。決算が終わり、早目に株主総会を開くという考え方があっても良い。株主総会開催日の集中と、株主総会開催日の延期を必ずしも同一の議論とすべきではない。
  • 定時株主総会の基準日の株主データを証券会社からほふり(証券保管振替機構)に集約し、株主名簿管理人に、このデータが渡される。その後、株主名簿管理管理人では、それぞれの株主から提出される申告書に基づき、各株主の属性を区分し、属性毎の税率を確定する作業を行うが、ここまでで1ヶ月程度の期間を要する。この後、株式数及び発行会社が決定した配当単価に基づき配当金及び実際の税額の算出を行う。
  • 株主側の配当金の受取り方法は、振込と領収証による窓口受取りの方法があり、それにより、送金するためのデータのやり取りや、印刷物の手配があり、発行会社や印刷会社と調整を進めていく。
  • このように、基準日の株主を決定してから決議通知の発送まで、3ヶ月程度を要するという実態がある。
  • このように、定時株主総会の開催、配当金の支払い等において、ほふり、ゆうちょ銀行、銀行、信託銀行、印刷会社等関係者が多く、株主総会に係る議論に当たっては、これら関係者のシステム構築や関係者によるスキーム構築等を考慮する必要がある。
  • 我が国の会社法上、株主総会は、法律に規定する事項及び定款に定めた事項を決議することができる、というのが原則となっている。これは昭和25年に入った規定であるが、この背景は、株主は会社の所有者的地位にあり、会社の全ての意思決定は本来株主が決定するべきであるという前提に立っている。ただし、株主や株主総会が全部決めることに限界があることから、取締役会は、株主が行う意思決定の一部の委譲を受けているという建付けになっている。この前提で、必要に応じて定款において株主総会の決議事項を追加することができる仕組となっている。株主総会の権限事項及び取締役会又は代表取締役の権限事項は表裏の関係にある。このため、株主総会で何を決めさせるかを考えることは、裏返して言うと、経営者に何を決めさせるか、どういう権限を持たせるかを考えることに等しい。経営者の権限は、株主から権限を委譲されたものというのが、日本の考え方であり、非常に特徴的な点である。
  • 一方で、米国では、経営決定権限は、そもそも取締役又は取締役会が持っているものであり、株主総会から委譲をされているものではないと考えられている。これは、19世紀末から20世紀にかけて、株式会社の規模が大きくなる中で、会社の業務事項の決定は、取締役が自らの責任において行うべきだという考え方が浸透したことによる。ただし、州の会社法では、取締役又は取締役会が有する権限について、株主総会で決めることを特別に認めるよう定款で定めることができるものとされている。これは、考え方の方向性としては日本と逆である。
  • ドイツでは、株式会社の取締役は自己の責任において会社の経営を行うものとされ、株主から独立した固有の業務執行権限を有している。株主総会は、日本同様に法律及び定款で定められた事項について決定することができるとされているが、業務執行に関する事項は定款であっても株主総会は決めることができない。この考え方は、米国同様に、19世紀末から20世紀にかけてドイツの株式会社が巨大化する中で生まれたものである。米国と違う点は、株主の指図は高度な経営意思決定を行ううえで好ましくないという価値判断から、これを排除するという考え方がより明確に出ている点である。仮に株主が業務執行に関与したい場合は、有限会社制度を採用すべきこととなる。
  • このように考えたとき、株主総会の権限について考え得る一つの論点は、取締役会又は取締役の業務執行に関する権限は、株主との関係でどのように位置づけられるかという点である。この点については、日本の従来からの考え方のように、取締役会又は取締役の権限は、株主総会から委譲されたものという考え方もあり得る。あるいは、少なくとも一定規模会社の場合は、会社経営は、経営の専門家である経営者に委ね、株主総会は基本的に介入できないといいう方向も一つの考え方である。
  • なお、米国で、経営判断原則が発展した背景には、先のように専門家である経営者の判断を尊重しなければならないという考え方が存在したこともあるだろう。そしてこの考え方は、株主代表訴訟のあり方等にも影響を及ぼしうる。
  • 日本における株主提案権について、取締役会設置会社については、持株要件が付いている。この制度は、昭和56年商法改正により導入され、その後30年強の期間、運用されてきた。商法改正時のスタンスとして、株主総会は、社会とのつながりを示すものであって、会社が開かれた存在であることのシンボルになっているという発想があり、そして株主総会の運営を開かれたものとするために、法改正が行われた。また、総会屋の排除及びシャンシャン総会とならないように、会議体機能を正常化し、意思決定に株主の意向を反映させるという発想もあった。このような背景から、利益供与規定による総会屋の排除、議長権限の明定、取締役等の説明義務、株主提案権、株主総会に出席しない場合でも会社の意思決定に関与するための書面投票制度等の改正が行われた。
  • 改正当時は、株主提案権については、持株要件があることで、ある程度の濫用は防げるのではないかと考えられていた。改正作業の当時から、会社として適切ではない株主提案を排除できないか検討されていたが、結局、濫用的な提案に対する特段の立法措置はなされず、会社としては株主の意見に真摯に対応すべきだと考えられてきた。こうした考え方は、当時の時代背景からは合理性があったと思われるが、現在の事情に照らしてその合理性があるかどうかは再検討の余地がある。
  • なお、株主提案権の使われ方として、「社会運動の一環として利用」、「経営陣と対立する大株主により利用」という2つのケースがこれまで多く見られ、この点の評価については、様々議論があると思われる。
  • 現在の問題は、その濫用が目に余るのではないか、という点である。例えば、荒唐無稽な提案や企業として処理に困る提案が大量になされるというものである。なお、その提案の多くは、定款変更を求めるものである。すなわち、経営裁量を縛るような内容を定款に書かせて企業に影響力を行使していくという提案が多かったというのが特徴である。このような状況がある中で、持株要件以外に歯止めをかけることができないことが本当に良いのか、が問題である。むろん一般条項による排除は可能であるものの、それでは制約が非常に厳しいため、現場が対応に困る状況があり得ると言うことになる。こうした点が、株主提案権のあり方を考えるときに問題となるのではないか。
  • アメリカの提案権は、総株式の1%又は2,000USD以上を継続して1年間株式を保有することが持株要件となっている。2,000USD以上という要件は、比較的緩いものではあるが、株主提案は1つに限定されている。この点では日本と比べると、厳しい制約となっている。
  • ドイツは、基本資本金の5%又は500,000EURの持株要件が課されており、形式要件的に、日本に比べて、かなり厳しいものになっている。また、業務執行事項について、関与することができないことから、内容も限定される。
  • ドイツの株式法では、スーパーバイザリーボートとマネジメントボードの2つがあるが、ここでいう取締役はどちらを指しているか。
  • ここでいう取締役は、マネジメントボードを指している。
  • 米国の状況に関して、取締役会の権限が大きいが、取締役の構成で過半数が社外取締役であることを背景として取締役に大きな権限を与えているのか、社外取締役の存在と取締役の権限は別の考え方によるものか。
  • 取締役会にある程度固有の権限を与えようという考え方が固まっていくのは、1930年代ころまでである。この当時も社外取締役は存在したが、現在のような意味でのコーポレートガバナンスの意味合いは強くなかったと思われる。今日につながる社外取締役の考え方については、1960年代から70年代にかけて、米国企業の不祥事が増加し、社外取締役を導入して、取締役会の監督機能を果たすことが求められたことに由来していると考えられる。
  • 株主の立場を代表する社外取締役が多い取締役会で、取締役の権限が与えられているのであれば、合理的であると考えられる。
  • 特に金融危機以降、取締役の持つ権限の一部を株主総会に権限を取り戻そうという動きがあるように思う。Say on Payのように、経営陣の報酬が、株主総会の議題とされるようになった。このように、米国では取締役会の権限と株主総会の権限の間で変化は見られるか。
  • 取締役・取締役会と株主総会との権限分配に関する動きは、米国における特徴的状況である。米国では、専門的な事項は取締役が判断しなければならないと考えているが、他方どこかで、投資家や株主の意見を経営に反映しないといけないという考え方がある。つまり、経営者は全ての権限を持っているが、それだけでは会社のコントロールは成り立たない。株主の意見を経営に反映させる余地を残したいという考えが、株主提案権という形に現れているのだろう。
  • ドイツのコーポレートガバナンスコードの規定で、「株主総会の議長は株主総会を滞りなく運営する。このために、議長は、通常の株主総会を4時間から 最大でも6時間で終了すべきである」とある。一方で、株主提案権は、制限されている状況があるなかで、実際は、どのように運営されているのか。
  • かつてのドイツは、銀行に株式を寄託している株主が多く、真の株主が総会に出てこないことが一般的だった。最近は、銀行が真の株主に代わって議決権行使をすることはなく、また株主運動家が出てくるなど、株主の影響が直接会社に届くような動きが強まっていると想像する。なお、時間に関する規定は、勧告規定や義務規定ではなく、緩やかな運用の目安であり、厳格に運用されているものではないと考えられる。
  • 法律の立て付け比較だけで分からないことは多い。例えば、公募増資のルールは日米で、殆ど同じ。一方で、公募増資の際に、希薄化はアメリカでは殆ど起きないが、日本では多く行われる。この根本を考えると、米国の経営者が多くの株式を持っていることが多く、米国では、経営者が株主の立場に立った考え方に立つことが多いのではないか。一方、日本では、経営者が株主であることは必ずしも多くなく、そのような、背景も考慮する必要がある。
  • どのような株主を想定するかという点について、会社法においては、株主名簿に名前が出てくる人が株主という考え方が伝統的にあるが、現在は株主名簿に名前が出てこない機関投資家、ノミニー等を通じて実質的に資金を出している人、運用している人の存在感が大きい。このような実質株主が株主総会を対話の手段として使うことができるのか、できるとすれば、どのように対話をするか考える必要がある。
  • 機関投資家は、5営業日前までに議決権行使の決定を行い、その後は、資産管理信託銀行に任せ、その後の管理は資産管理信託銀行が行うと思われる。機関投資家による議決権行使の取り纏めを行っている資産管理信託銀行の実務が重要なポイントになると考えられる。
  • 株主総会の決議は、殆ど、議案のとおりそのまま決議されるが、最近、予想外に否決されるケースもある。また、得票率の開示が行われており、IRコンサルティング会社や証券会社は、それを受けて取締役の得票率等の集計やランキングの作成を行っており、株主総会において如何に得票するかということが非常に重要なものとなっている。
  • 会社は誰のものかということについて、欧米のように、「Your Company」という表現は必ずしも日本では馴染まないかもしれないが、「Your Capital」という表現は使ってほしい。株主が拠出している資金を、事業経営のコアキャピタルとして経営していると言うことなので、それに対して答えて欲しいと考えている。
  • 投資先に求めるものとして、2つあり、1つは、コンプライアンス経営、企業の社会的責任であり、サスティナビリティに繋がる。もう1つは、ROEであり、資本収益性に代表されるような価値創造に関するもの。後者については、必ずしもROEだけではなく、会社が考える存在意義や企業価値を追い求めて良いが、そのことと必要なROE水準を達成するということを両立して欲しいと考えている。
  • 取締役の選解任のための情報としては、このような点が含まれている必要がある。コンプライアンスについては、一定の体制が敷かれて、招集通知資料等に記載されているが、価値創造についての記載は不十分であり、例えば、ROEの目標値やその達成状況、達成するための会社のビジョンや戦略等を説明する必要がある。
  • ディスクローズの目的は2つあり、利用者に伝達する点と、作成者側が情報を伝達するために考える、意識を強く持つという側面がある。後者の観点から、こうした点について情報提供がなされていくと、我々の期待している方向に明確に進んでいくのではないか。
  • 株主総会の運営を考えた場合、どのような株主を想定するかという点は一番重要。これまでのご指摘のように、個人を非常に意識した運営も一つあるはず。
  • 株主総会の運営、議決権行使、投資家との対話という3つのテーマを1つのソリューションで解決しようというのは中々難しいのではないか。
  • 機関投資家の目線からみた企業との対話については、株主総会の当日に行うのは物理的に難しい面があるが、平時の対話により補っている部分が多い。しかしながら、議決権行使についてはスケジュール的にタイトなものがあるので、この点、時間的な余裕を少しもらえれば随分ありがたく、どのような工夫があるのか、検討が必要ではないか。
  • どのような株主を想定するかという点について、株主総会の招集通知については、個人を想定すれば良い。個人を対象にすれば、分かり易いものになる。機関投資家であっても、例えば、法律に詳しいわけではない。難しい文章が招集通知に書かれていることが多いが、会社に内容を質問しても、会社側も答えられないことが多い。
  • 当社では、機関投資家である株主との対話については、年間を通して機会を多くつくっている。一方で、株主総会は個人株主が多く出席しており、個人株主に質疑を行ってもらえるような雰囲気作り、環境作りをしている。
  • 総務省のデータでインターネットは平成25年末で1億人以上の利用状況になっており、80%を超える人口普及率になっているという結果が出ている。その中で、例えば、60歳以上で70%が利用している。インターネット取引口座についても、全利用者の40%以上は60歳代以上が使用しており、60代の23%、70代の18%が使用している。紙媒体での提供を求める株主について手当はしないといけないが、少なくともデジタルデバイドの問題については、高齢の方にもかなりインターネットが普及してきているのが実態であり、こうした状況等も含めて、様々議論すべき。
  • 株主総会は、法律で決められたことを最低限きちんとやるというところがまずは出発点。法定書類の記載事項で十分な情報があると思っているので、まずはそれを最低限きちんと開示していくと言うことが大前提。その上で、株主構成の違いにより、情報提供の方法も各社で様々苦労・工夫をしており、例えば、役員選任議案について、社外役員の独立性が問題となる場合には独立性の基準を記載し、具体的な当てはめなどを盛り込んでいる。
  • また、投資家にとって分かり易い招集通知を作る必要があるとともに、発送前開示について、もう少し工夫したらどうかと思うが、他方で、大震災の際の例はあるものの、依然、招集通知の発送前にWebで開示することについて、違和感を持つ会社も多い。発送前開示を行うことが出来ることを、例えば、東証規則等で定めてはどうか。
  • 株主提案権について、総株主の議決権の100分の1以上の議決権又は300個以上の議決権という持株要件があるが、単元株引下げにより、300個の議決権はハードルが低い。
  • 株主提案について、株主総会で総株主の議決権の10分の1以上の賛成が得られず、否決された場合、最低、3年間は同一議案として提出できないということになっているが、実態は、この条文は適用されたことはないのではないか。実務のためにガイダンスが必要ではないか。
  • 議決権行使については、適時開示されているものを、どれだけ早く議案として提出するかがポイント。議案の内容は、ほぼ、適時開示と同内容のため、適時開示の内容をいかに議案という形で早目出せるか。実際に送付するのは、物理的に難しいという話もあることから、ウェブの活用等は検討していく必要がある。
  • 基準日の問題と株主総会の問題については、株主総会に出席するのは、本来的には株式を持つ人が株主として株主総会に出席すべき。そうした観点から、基準日と株主総会の開催日は出来るだけ詰めた方が良いのではないか。
  • 当社では、過去3回、早期Web開示を行ったが、株主からのクレームは1件もなかった。また、個人株主も機関投資家も、早期Web開示されれば、議決権行使が楽になるという意見があった。
  • 株主総会が分散されると、本当に、機関投資家は株主総会に出席するようになるかに疑問がある。機関投資家は、年間を通して、企業と対話をしているため、株主総会に出席する必要性を感じていないように思う。
  • 一方、個人株主については、年間を通じて企業と対話する機会がないため、株主総会で、対話をしてほしいと思う。
  • 株主総会の集中がばらけた場合に、機関投資家は株主総会に参加するというインセンティブが本当にあるのか、あらためて確認したい。
  • 株主総会が機関投資家にとって対話の場になっているかというと、実際は対話の場になっていない。株主総会の日程が分散されても、コスト、ベネフィットで考えると、総会自体への参加に価値を見出す人は、現状では少ないのではないかと思う。
  • Web開示については、ありがたく、促進するための施策をお願いしたい。Web開示のみを利用して、原本を利用しないケースも増えている。
  • 取締役の選解任について、どのような情報が必要かという点については、どのような役割を役員個人が果たしていて、その結果がどうであったかという基本的な情報が中々会社から出てこないのが実情。企業側は、そのような情報について招集通知に書き辛いという実態があるとは思うが、この点について工夫・改善のための議論を深めてはどうか。
  • 有価証券報告書の記載内容については、株主総会で活用したい。現状だと間に合わないケースが多いということは理解しているが、この点については、改めてどのようにすればそれが可能になるのか、検討を進めてはどうか。
  • 株主提案権については、機関投資家の立場からも、本当に会社の価値向上につながるものと思えないような提案が、相当数提出されているように感じる。海外の投資家からも、不思議な市場に思われると思う。株主提案権について全てを制限するということではないが、もう少しバランスの良い方向にもっていくことを検討しても良いのではないか。
  • 招集通知の早期発送について、招集通知発行会社としては、できる限り早く発送したいとしている。議決権を行使するタイミングをみると、外国人機関投資家は、Web開示して、3日目、4日目には議決権を行使している。一方、国内の投資家は、株主総会の2、3日前頃まで議決権を行使しないケースが多い。早くWeb開示をするのであれば、できる限り早く、議決権を行使して欲しいと思う。
  • 株主提案権の制限は、慎重にすべき。日本では、経営者が株式を持っていないことが多い中で、株主が会社に対する影響を残すことを担保することは非常に重要。
  • 極端な考え方としては、取締役の選任議案については、一定の要件を満たす株主に持たせ、会社は、取締役の選任提案はできないようにする。この結果、取締役のバックグラウンドを企業側から株主に説明させることに繋がる。実際に、株主提案どおり実務を行うことは難しいが、株主提案の効果はそれほど重要と考える。
  • 株式数が一定規模以上の上場会社については、小規模な株主総会を前提としたルールや運用が、企業にとっても大多数の株主にとっても合理性が低下しており、多少、比重を変えても良いのではないか。例えば、大規模な上場会社の場合、事前の議決権行使の重要性の比重が高まっているのではないか。こうした点についても是非議論したい。
  • 海外機関投資家は企業の方針等については、企業と対話を事前に実施しているが、株主総会の1つ1つの議案については、議決権行使助言会社等に任せており、手を動かしたり何千何百社を見たりしない。一方、日本の機関投資家は何千何百社の議案の1つずつについて検討していることから、かなり限界的な状況の中対応しており、海外機関投資家に比して、投資するタイミングが遅くなるという事実がある。

以上

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最終更新日:2014年12月16日
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