経済産業省
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日本の「稼ぐ力」創出研究会(第6回)‐議事要旨

日時:平成26年10月15日(水曜日)8時00分~10時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

伊藤座長、翁委員、加藤委員、川村委員、土居委員、冨山委員、野坂委員、野路委員、樋口委員、平野委員、増田委員、町野委員

議題

地域経済の持続可能性の確保に向けて

議事概要

事務局より、資料3に基づき説明がなされた後、委員間で行われた討議概要については以下のとおり。

  • 経済的なつながりの大きさから今回分析単位を設定いただいたが、県を越えた領域や複数の市町村が一体となった領域があることを踏まえると、今後、政策を展開するに当たっては、別途検討する必要がある。
  • 従来は、国が提言を出し、それに自治体が賛同し従っていく形が多かったが、このやり方には限界がある。例えば、医療や農業、さらにはサービス産業、第三次産業の問題を考えていく上で、地域ごとの特性は相当違っており、それぞれ地域が主体的に政策を選択する必要があるが、国が地域をどのようにサポートするか考えなくてはいけない。データ等情報を提供するのか、好事例を示すのか、資金面で支援するのか。これまでの国の携わり方についても、併せて検証していく必要があるのではないか。
  • 経済圏の大きさによる生産性の違いは、製造業よりもサービス産業において顕著であるとの分析結果を通じて、人口や産業の集積のメリットが働いていることが示されるとともに、市場の新陳代謝を促進することで、規模の小さい経済圏でも生産性向上を実現できることも示唆されているが、サービス需要にはさほど違いがないため、住民が必要とするサービスからの撤退を優先せざるを得ない場合も生じる。こうした場合には、自治体自らが直接的にサービス供給者として参画するのか、あるいは、何らかの形で民間を活用する形となるのか、考える必要がある。
  • 経済圏というものは、結果として生まれたものであって、意図的につくられたものではないという見方もある。つまりは、生産性が高かったために、大規模化を実現でき、更に経済圏も形成できたということだ。同様に、産業特化と地域の力も同時決定性を有するが、とある産業への特化を地域に強いることができない以上、国は自治体をどのように支援することで特化を促そうとしているのか。
  • 東京については、これからも、高い生産性と良好な生活環境とを並行して実現していただきたいが、医療に増して介護の問題が深刻となる。都内には現在、待機介護高齢者が4万3、000人いると舛添知事が発表しているが、2030年以降、その待機介護高齢者は更に拡大が見込まれるためだ。地価の高いところで施設を増やすことは難しいし、地域包括ケアも成り立たないところでどのようにそうした事態に対処するのか。資金を介護中心につぎ込むべきか、あるいは周辺の自治体と連携するべきか、対策を具体的に分析する必要がある。
  • 製造業が中心の地域では、生産性向上のための取り組みが現実に行われており評価できる一方、サービス産業の、特に域内市場産業が中心の地域への対策は大変悩ましい。規模や集積構造・人口規模・密度と、サービス産業の生産性向上とを関係づける際には、原因と結果の前後関係をよく考える必要があるが、いずれにしても、ある程度の集積構造をつくり出し、拠点性を生かしてサービス産業の生産性を上げていくということが必要になる。そしてこの集積構造を、人口が全体として減少する中でどのように維持すべきか、知恵をこらさなければならない。
  • 株式会社では、ROEを上げることを考える必要があるため、対人型のサービス提供には難しさもある。ローカルマネジメント法人は、こうした株式会社や、NPOに並ぶ選択肢をふやすという意味で、非常に興味深い提案である。一方で、サービスの提供主体に関する提案、すなわち組織論にまでさかのぼった提案をするのは時間のかかる話でもあり、その前段階として、規制緩和や金融といった他の論点への回答を用意した上で、文脈をつなげて議論することが重要。
  • 実際のデータをベースにした議論は、首長レベルのヒアリングでもあまり多くない。実際に政策展開する上では、ファクトをベースに積み上げることが全ての出発点である。
  • 生産性の指標についても、理解が浸透していない。農林水産業と観光業は、日本の二大低生産性産業であり、年収が恐らく200万を切ってしまう産業である。そうした産業を漫然と振興しても、若年定住人口が増えるとは思えず、かえって地域からどんどん若い人がいなくなってしまう。ファクトを押さえずにイメージ論の議論をしてしまう結果、非常にかみ合わない議論になってしまうので、こうしたデータを津々浦々まで共有していただきたい。
  • 住みやすさの見える化の議論は非常に大事である。定住人口が減ってしまう背景には、子育て世代が地方で暮らせないという現実問題がある。子供2人を無理なく育てられ、大学まで出すことのできる世帯年収水準を有することが、最大の住みやすさ基準だと考えている。定性的な、田舎暮らしが好きということに頼るだけでは、人口のメガトレンドが起きるとは到底思えない。例えば盛岡では、東京と異なり、大体世帯年収が500万円あれば子供を2人育てられる。住みやすさ指標というのは、このように所得・世帯年収をベースに議論しないと、神学論争的な議論になってしまうおそれがある。
  • 金融機関の役割が重要であることは、これまでも強調しているところではあるが、開発や研究に用いる、長期性の準エクイティ性の成長資金が重要。金融機関に対する現状の監督・検査基準のベースで考えると、こうしたエクイティに準じる直接資金は極めて出しにくい。現在の資本性劣後ローンのうち、開発型のお金に回っているケースは多くなく、どちらかと言えば再生局面の延命資金で使われている場合のほうが多いように思う。政府系金融機関の日本政策投資銀行や商工中金などにも関係するが、資金の本来の使い方について考える必要がある。
  • 人材の議論をするときには、経営人材などトップギア人材の議論と、現場の人材の議論が混在しがちであり、峻別する必要がある。その上で、前者のエリートの人をまず地方に持っていくことが重要。条件の悪い場所で赤字となる要素をカバーするためには、平均的人材を送り込むだけでは足りない。
    なお、コンサルタントやアドバイザーは、サービス産業の生産性を上げることにはあまり役立たない。生産性を上げるポイントは、毎日、従業員の行動を一挙手一投足直していくことにあるため、月に1回、コンサルを受けることでは変わらない。経産省もこれまで、協議会を作り、ややコンサルタントに近い人材を派遣するというモデルを実施しているが、サービス産業においては全く機能しない仕組み。エリートの人材をその会社に転職・転籍させて、24時間365日張りつけることが必要である。
    働く人の教育の問題も重要である。サービス産業はほとんどがジョブ型雇用であり、スキルがほとんど普遍的・会社横断的であるため、会社に教育意欲が湧きにくい。地方では特に、高等教育における職業訓練を強化していただきたい。
  • 地域における具体的な施策の進め方やその主体は重要な論点だが、地方財界との距離感も議論すべき課題である。
  • 産業構造に基づく経済圏の分類や、地域経済構造分析システムは、ぜひ本当に幅広く使っていただきたい。特に、住みやすさの見える化は非常に重要。住みやすさは、お金だけではなく、非金銭的な部分も非常に重要だという問題意識の中からつくっており、所得だけでないもう一つの価値というのもみせていくことが必要。
  • ただ、この見える化の分析を、移住を促すために使うとなると、難しいかもしれない。必ず雇用があることを示すには、まだまだ検討が足りていないためである。さらに、単に農村への移住を促すというよりも、ある程度拠点都市に移住させるようなインセンティブをもたせるような形で利用することも大事ではないか。
  • 人口減少により全体のパイが小さくなる中で、保育などのサービスを提供するためには、市町村などで区切ってきたこれまでの行政の区域を超えた検討が必要にある。ローカルマネジメント法人は非常に重要な試みであり、こうした議論の一つの起爆剤となることに期待する。
    医療・介護の話もこれに関連する。保険者機能が本当に働いているかどうかという問題と同時に、こうした小さな区域の単位の中で医療保険や介護の仕組みを維持できるかと言えば、高齢化が進む中で、小さな市町村単位ではもう賄い切れないだろう。どの程度の区域・経済圏の中でこれを担っていかなければいけないのかということを考えていく必要がある。
  • 大規模経済圏の拠点型の都市については集中的に資源を投じて集積を行い、多様性を広げていく一方で、小規模経済圏では特化を促し、専門性を高めていくなど、その規模に応じて、異なる戦略を明示的に示す必要があるのではないか。
  • 民間では、データを分析し課題を抽出した上で、目標を設定し、アイデアを出す順序で仕事を進める。他方で、自治体では、まずアイデアから施策が始まってしまう。このため、アイデアが出た後の試験研究・開発・実施というPDCAを回すという循環にも支障が生じてしまう。
  • 石川県で、間伐材を利用したバイオマス発電を応援しているが、現場では間伐材の原価計算すらできなかったのが実態。大がかりな取組をせずとも、不足しているところに教育を施すことで、十分状況は改善される。
    自治体が政策を打ち出すに当たっては、現地に赴いて調査こそしても、データを取っていないのが今の実態。そのような状況で単に「見える化」と言っても、具体的に何のデータを取得し、どのように役立てるのかを考えなければ、単なるアイデアの一つに過ぎず、ばらまきの一環につながってしまうのではないか。
  • 試験研究は重要だが、自治体には研究開発支援予算がなく、国のレベルでもその用意については、省庁間で大きく隔たりがある。このためコマツは、石川県において、県と地銀との3者で農林業のための研究開発支援基金を作ったが、農業や林業に携わる事業者は地銀と関連性が薄く、研究開発費用を寄附しようにも支障が生じた。こうした問題点も含め、地方の役割、国の役割を明確にする必要がある。
  • ここで想定しているのは、1年や2年を要する研究開発であり、5年や10年といった長期のものではないため、他業種との連携も比較的行いやすくなる。こうして連携する際には、農業法人そのものに企業が参入することよりも、農業法人と他の業種の企業が連携して生産性向上の取組を共に進めることの方が有効だ。例えば、農業法人と流通業の企業が連携する場合には、その企業が農業生産法人に入るのではなく、その生業に基づく流通革命を行うことによって、連携相手である農業の付加価値の向上につなげることができる。
  • 特に、サービス業においては、中小企業にしか対応できないマーケットがある。地方大学や産総研の地域センターが、製造業やサービス業を営む中小企業を橋渡しすることが重要。しかしながら、特に大学はあまり乗り気でないため、トップダウンで推し進める必要がある。
  • 日本創成会議から「消滅する市町村」という大変ショッキングなデータが示され、市町村の政策立案に向けて火がついたが、地域経済構造分析システムや地域の良さを示す指標が新たに出ることによって、検討の加速や対象の明確化の必要性がより一層強く認識されるようになることに期待する。新たな指標を早急にまとめていただき、提示していただきたい。
  • 問題は、指標を打ち出した上で、具体的にどのように活用するかということ。製造業が地域経済を支えていることは事実であり、農林漁業にも製造業も絡ませた形で発展させることが望ましいが、製造業の集積を一気に進めることは難しい。従って、農林漁業中核型の生産性を高める施策を取ると同時に、製造業がある地域と広域連携することが現実的だと考える。
  • 一人当たりの域内総生産を拡大させること自体の方向性は正しいが、一定の人口や産業の集積があることが前提。サービス産業において生産性を向上させること、新陳代謝を進めることは、域内総生産を拡大させる上で重要だが、地域経済に大変な痛みも伴うことが予想される。人口減少が進行する中で、痛みを最小限にとどめソフトランディングを図るためには、いわゆる一本足打法的な発想ではなく、できるものは何でもやるという姿勢が大事であり、ローカルマネジメント法人という発想はその一環として可能性があると考えている。制度設計は難しいと思うが、何らかの政策的誘導が求められるだろう。
  • 金融の空白地域の大きさは、驚くほど大きく、これをできる限り無くしていかなくてはいけない。地域の金融機関にも、まだ努力の余地が残っている一方で、メガバンクにも地域のことをより考える必要がある。双方からこの空白地域を埋めていくような方策が重要である。
  • 日本の産業の強みは、大企業から中小企業に至る非常に裾野の広い産業群が有機的に結び合って、開発、生産、そして調達、あるいは流通ということに極めて網の目のようなネットワークをつくり上げている、サプライチェーンにある。他方で、例えば韓国は、サムソンやヒュンダイといった、国際的に強い競争力をもった企業を有していても、それを支える産業群がない。また、メキシコやブラジルといった中南米の諸国についても、大企業の進出はかなり活発になってきているものの、それを支える中小企業群というのが国内で育っていないという悩みがある。グローバル経済圏・ローカル経済圏のいずれについても共通だが、日本の産業の再生、今後の成長を考える時には、優れたサプライチェーンの存在を常に念頭に置く必要がある。
  • 日本全体の生産性を同じ水準にすべきという議論が起こりがちであるが、ローカル経済圏にはローカル経済圏としての生活の質や利便性があるのだから、都市圏と地方を比べて地方の生産性が劣ることを単純に比較したり、製造業とサービス業とを比べてサービス業の生産性が劣ることを議論したりすることは、必ずしも妥当ではないのではないか。今の日本の人口動態や産業経済の動態を踏まえ、経済の持続可能性を考える上では、そこを切り分けて考えたほうが現実的であり、有効だと考える。今回の分析には、そうした思想が盛り込まれており、共感出来る。
  • 銀行の本来事業は金融仲介機能にあるが、日本においては、コンサルティングバンキングすなわちそれ以外の非金融サービスが高度に発達している。まず1つは、経営計画をつくったり、将来に向けてのサクセッションプランをつくったりする、経営管理のサポート。2つ目には、事業展開の支援を行ったり、起業の相談に乗ったりする、事業コンサルがある。アンケート調査によれば、銀行へ期待する役割として、新たな販売先の開拓に対して最も高い関心をいただいているとのことであり、金融に対する期待はその次にしか過ぎない。つまり、金融仲介能力については既に満足いただいているということ、また金融の需給が供給過剰になっていることが示されている。
    したがって、事業コンサルティングを重要な取組と位置づけるに当たっては、販売先の開拓や技術開発・商品の向上に向けてどのように支援できるかが課題となるが、銀行は、幅広いお客様との取引を通じて、各業界の動向を把握するとともに、産業社会の動向をキャッチして還元できることに利点を有している。例えば、規制改革やTPPといった話題、また、産業界の再編に関する情報を提供するだけでも、中小企業のお客様にとっては有益となり得る。同様に、産官学連携における、コーディネーターとしての機能や、海外進出の手助けも果たすことも可能であるほか、高い技術力をもった中小企業と大企業とのビジネスマッチングも、銀行の膨大な取引情報をデータベース化することによって、一種のオープンイノベーションのような形で実現することができるのではないか。こうした非金融サービス、コンサルティングバンキングの提供能力を今後益々高めていくことが必要だと考えている。
  • 金融機能の観点では、スタートアップの会社に対するリスクマネー供給のあり方が課題である。エクイティ投資家とデットプロバイダーとの間には利益の相反がある以上、銀行の提供すべき業務からは外れるべきものであるが、幅広い金融仲介機能を果たしたいとの思いから、ベンチャーキャピタルを設置した。ベンチャーが開発した事業、技術、商品、サービスに大企業が価値を見出し、そのエグジットがM&Aに設定されることが増加傾向にあるため、日本でも、ベンチャーキャピタルが活動しやすい環境が整いつつある。
  • 地域金融機関が実施するビジネスマッチング等については、金融機関の能力強化、ローカル経済圏に対する貢献力の向上という観点で、メガバンクとしてもサポートしていきたい。
    他方で、ローカルベンチマーキングの提案について、ローカル経済圏を支えている地域の中核企業の評価軸は、一般事業法人としての収益性や効率性に加えて、地域における雇用や地域インフラとしての公共性の観点も加味されるべきであると考える。それぞれの自治体が目指すべき方向性も踏まえて設定していくことが有用だろう。
  • リーマンショック後、あるいは東日本大震災後の危機的な事態に対して100%保証が拡大され、業種も拡大されてきたことは見直すべきであるし、その中で銀行の目利き力を強化することは重要。しかしながら、日本の保証制度は、自国で中小企業を育てようとしている海外諸国から見てお手本となるような制度であることを、忘れてはいけない。
    また、保証料率については、貸し倒れ率に連動すべきものであることを踏まえ、アメリカのCRA(コミュニティ・リインベストメント・アクト法)に近い考え方を受容すべく、何らかの動機づけを行うということは有効であっても、それを直接インセンティブとすることは適当でないと考えている。
  • 中央省庁から各自治体には、これまでも多くの職員が出向してきたかと思うが、そうした中にあっても、各地域における分析が必ずしも十分でなかったということは、認めざるを得ない。別の見方をすれば、自治体側からして不都合な現実から目を背け、補助金を引き出すことができれば良いという側面もあったのではないか。これを機に、ぜひデータに基づく政策立案が定着することに期待する。
  • ローカル経済圏の生産性向上のためには、2つの新陳代謝が非常に重要。
    まず、全ての自治体・経済圏が人口減少の中で生き残れるわけではないということを認識する必要がある。延命させるために手をさしのべるよりは、きちんと新陳代謝を働かせることが重要。地域のよさの「見える化」を実施することで、住み心地が良く、仕事のある地域に移住を働きかけることができる。このように地域間競争を促すことは、地域活性化にもつながるのではないか。
    次に、サービス産業のような、小規模事業者がたくさんあるような業種においてもビジネスが成り立つよう、事業統合や企業合併を進め、新陳代謝を行うことが重要。ローカルマネジメント法人も、一つの手法として位置づけることができるだろうが、保育や介護、公営交通機関といったサービスを営む主体が非営利のままで良いか否か議論する必要がある。確かに、NPO法人でも頑張っているところはあるが、生産性向上の動機付けには営利性の追求が必要である。
  • 介護保険は、制度発足以来、株式会社が参入できるということになっているが、小規模事業者が多過ぎる上に同じ介護報酬の下での運営となるため、規模の経済も働かず、割高なコストのもと画一的なサービス提供に止まってしまっている。こうした事業者をうまく統合・合併、フランチャイズ化することで、生産性の向上を図ることができるのではないか。また、ガバナンスが弱さや内部留保の大きさという観点で問題を抱えている社会福祉法人についても、非営利・既得権温存の体質から改革を図る必要があり、営利法人との競争や営利法人化というようなやり方も十分に考えられる。これは、保育や公共交通も同様。
  • 我が国の信用保証制度は確かに優れた点も有しているが、赤字が出た分に関して税金で補てんしている箇所もある。民間のリスクテイクと信用保証協会間の信用保険制度のあり方について、総合的に見直すことが必要。
  • 社会保障・税一体改革の集大成というべき地域医療構想は、これからの医療を形づくっていく上で肝になる部分。将来の医療需要をきちんと各都道府県に計算させ、目指すべき医療提供体制を各都道府県できちんとコミットするということになることが期待されている。最終的には都道府県のコミットが必要となるが、地域医療構想がしっかりと浸透すれば、これまで無計画的に配置されてきた病院のベッドを計画的に配置することが可能となる上に、入院医療を適切にコントロールすることが可能となり、過度な医療費を抑制することができる。
    地域医療構想の検討においては、ピアプレッシャーとして、保険者もきちんと意見を述べることが重要。この意見が弱いと、医療提供者側の意見がより反映される形につながり、保険料を負担する側の国民にとっては、割高な保険料を払う必要が生じたり、税金をたくさんつぎ込む必要が生じたりする可能性がある。
  • 企業内で2割程度を占めるエリート人材を地方にもっていく機運が高まりつつあり、更にそれを支援する取組が必要。日本の中間層は、命令されずとも自分で考えられる優れた能力を持っているのだから、地方のこうした人材を動かし、活用するためには、大企業からエリート層が地方へ出向き、指導することが重要である。
  • 地域における事業の新陳代謝を進めるためには、その地方の中で一番生産性の高い会社が頭を取り、幾つかの事業をM&Aしたりベストプラクティスを共有したりすることを通じて、時には異なる地域の会社も巻き込みつつまとめて持ち上げることが必要。自治体行政はどうしても補助金の獲得を優先して考えてしまうが、創造的破壊のためには新陳代謝が重要であり、ゾンビ企業の倒産を防ぐような施策の方向性を修正することが大事である。
  • ローカルマネジメント法人は、NPOというよりも株式会社に近い制度設計にしたほうが良い。
  • 新陳代謝は重要だが、制度的に大きなネックがある。まず1つ目は、信用保証制度について。局面によっては非常に効果的な制度ではあるが、生産性の低いところほど信用保証の利用率が高いというような分析結果もあり、制度設計を変えていくことが重要。2つ目は、雇用の問題について。破綻したところ、または事業が成り立たなくなったところから人材を誘導し、労働政策として就労促進を図る制度をつくることが大事である。例えば、新しく雇用を引き受けたところによりインセンティブがつくような支援を行えば、新陳代謝を後押しできるのではないか。
  • 利益追求という、株式会社型での組織形態にはそれなりに意味があると思っている。ローカルマネジメント法人を活用することで、保育や介護、社会福祉法人などの分野においてよりガバナンスを適切にし、資金調達をうまくできるようにするための支援のツールとして使えれば良いのではないか。
  • 地域では、産業連関を踏まえ、製造・販売の工程において域内・域外を問わず連携を深める取組が非常に重要になる。こうした連携の仕方について知恵を絞る観点で、地域金融機関が果たす役割は非常に大きい。年に1回、ビジネスマッチングの機会を設定することにとどまらず、どのように連携を促すのか、より真剣に取り組んでいただく必要があるのではないか。
  • 医療計画について、保険者が意見を述べられるようになったことの意義は非常に大きく、健康保険組合などの保険者機能を強化することについては賛同する。医療機関の適正な配置やコストの低減に関して、保険者が果たす役割は非常に大きいと思っており、制度設計をより一層進めていくということが必要である。
  • アベノミクスの効果で、仕事は増えつつある一方、先が見えないことで不安感も増している。その中で円安が進行し、同時に海外の賃金も上昇していることで、電子部品業界では海外生産の見直しを考える企業も出てきているのが現状である。
    自国での生産という観点において、我が国は、ものづくりの際に、その材料・部品を全部自国内で手に入れることができるという強みを持っている。段々と弱くなってきているが、この強みを保ち、さらに高める必要があるのではないか。他方で、特に製造現場において、雇用できる人材の不足が深刻化している。ロボットを活用することも一つの選択肢だが、まずは働ける人を確保することが重要である。
  • 今回は、稼ぐ力を創出するための議論のはずだが、どこから稼ぐのかという論点に欠けているため、メリハリがない。新たな需要を生み出している新興国から稼ぐのか、競争に打ち勝って欧米から稼ぐのか、それとも生産性を向上させ、国内の経済スパイラルそのもののスピードを加速させることで国内から稼ぐのか。稼ぐ元を明確にしなければ、どのような力をつけるべきかという論点も明確にならない。
  • 稼ぐ力は、最終的に人材であり、議論を掘り下げる必要がある。短期間で効果を出すためには、日々張り付いて指導することが必要かもしれないが、数年間要しても良いのであれば、月1回のコンサルティングでも効果が期待できる。しかしながら、学校方式の教育には限界がある。企業に交付される教育助成金も、学校形式での人材教育に限定され、張り付き型のコンサルティングは対象外となってしまう。現場での教育の重要性について、ぜひ認識していただきたい。

以上

問い合わせ先

経済産業政策局 産業再生課
電話:03-3501-1560
FAX:03-3501-0229

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最終更新日:2014年12月2日
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