経済産業省
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準天頂衛星を利用した新産業創出研究会(第3回)‐議事要旨

日時:平成23年9月1日(木曜日)15時~17時
場所:経済産業省本館2階西8会議室

出席者

産業界側委員

川端委員、神田委員、坂下委員、瀧口委員、中島委員、永瀬委員、名児耶委員、板東委員、前川委員、森本委員(代理)

経済産業省

製造産業局審議官、研究開発課、産業機械課、自動車課、航空機武器宇宙産業課、宇宙産業室、情報プロジェクト室、観光・集客チーム、流通・物流政策室

オブザーバー

宇宙開発戦略本部事務局

議題

  1. 基盤情報としての地図の役割等について
     (株式会社ゼンリンの取組について)
  2. 測位衛星を用いた産業界の取組について
     (前川委員)
     (川端委員)
  3. その他

議事概要

1.基盤情報としての地図の役割等について

ゲストスピーカーとして、株式会社ゼンリンより、資料1を説明。意見は以下のとおり。

  • 6ページのところで、準天頂衛星を利用したアプリケーション創出には高精細化とかコンテンツリッチ化が重要と書かれているが、どういうあたりになるのか。
  • 例えば、ナビゲーションというアプリケーションを考えていくと、より詳細な案内をしようと思えば、太い道路だけではなくて、裏道とか細い道路まできちんとネットワークを引いて、その上を正確に走らせる必要がある。建物で、新館や本館といったように分かれている場合、例えば本館側の到着地点はここであるというポイントをきちんと示すことが必要。そのような観点から、相対位置をきちんと整備した上で、より精細な地図を作っていくことは必要。また、準天頂衛星にすごく期待する点は正確なプローブ情報が取れていくということ。正確な軌跡を残せるということは、それをベースにして地図をより正確にしていくための材料とすることが可能。
  • 2つ質問がある。1つは、アジアはVICSのようなものがないので、プローブ情報の渋滞情報の普及が期待される。普及の際に、あと何があれば加速すると考えられるか。もう1つは、ISOのTC204のワーキング3というところで、ローカルダイナミックマップというものが国際標準化を進められている。これについては、どのように考えているか。
  • 日本はこれほどまでに精細な地図を持っている特殊な国。アジア地域はまだ不十分。したがって、衛星から取れたプローブ情報を地図にプロットしても地図からずれていってしまうことになる。そのため、より精細な地図というものは必要になってくると思う。2つめにはついては、改めてお答えしたい。
  • 標高データの整備は、2次元の計測に比べると非常にコストがかかると聞いているがどうか。また、準天頂衛星が上がり、高度方向の精度が上がることでどのようなメリットがあるかを教えてほしい。
  • 1つめの標高データの整備コストは確かに高い。実際、スポットで高精度の計測車両を走らせて補完していくため、通常の地図整備に比べてかなりコストがかかる。そこで、ユーザから要望のある特定の高規格道路とか、交差点といったところしか測っていない。それを全国一律に整備していくのは難しい。高度方向の精度については、標準偏差がどの程度の値でおさまるかという点が重要。
  • 地図の高精度化により、ITSにおけるシステムなどに大きな影響があるかと思うが、どのように考えるか。
  • いろいろなアプリケーションがあるが、安全面を考える際には、位置の精度は非常に重要。やはりサブメートル級の精度は必要となってくる。
  • 測位衛星を使って補強データを出したときに、補強データがどのくらいの精度を保証しているか、アラートリミットを幾らに設定するかという重要な問題がある。本日の議論の中心はそこにあると思う。これは、ニーズによってそれぞれ異なる。自動車と鉄道と飛行機、それぞれで全て異なってくる。今、SPACが出しているものに関しては、インテグリティがどれくらいだというのがわかっているが、車とか鉄道とか、それぞれの分野についてこのぐらいだということを協議して、ニーズとして引き上げていく場をどこかに作っていければと思う。

2.測位衛星を用いた産業界の取組について

前川委員より、資料2を説明。意見は以下のとおり。

  • 位置情報を取得する時間はどのくらいが必要と考えられるか。また、チップの価格はどのくらいになるのか。
  • もちろん、早ければ早いに越したことはないが、ミリ秒のオーダーになってくる。究極的なものは10ミリ秒といわれている。
  • 今は補強信号の配信そのものが最大で1秒。チップに関しては、L1-SAIFに関しては将来的には1,000円を切るような価格で出ていくと思っている。今のチップが大体数百円なので、そのくらいにしたいと思っている。その時に、1秒なのか、もうちょっと早くするのかというのはまた仕様の問題にもなってくる。
  • 欧州の標準化との関係はどのようになっているか。
  • 日本は早く始めたこともあって、光ビーコンやDSRCは日本独自の技術。路車間、車車間通信においても周波数帯の違いなどがある。ただ、通信方式の考え方とかそういったものは世界標準に準拠するような形で動いている。
  • 利用国間のルール作りやシステム提供の意思表示といった点があるが、やはり、これは地上インフラの整備なども必要になってくるのではないか。
  • ケースバイケースであると思う。欧州やアメリカでも車車間が先なのか、路車間が先なのかというのは、いろいろな議論がある。アメリカは、ある一定時期から作られる車に関しては、強制的に搭載しなさいというところから始めて、インフラはその後からついてこいという考え方。欧州はまだインフラありきのところがある。このあたりは、いろいろと議論のあるところ。

川端委員より、資料3を説明。意見は以下のとおり。

  • 支援については、各事業者のニーズによって保守サイドではかなり普及というか、要は開発されている。問題は次のステップ以降。その際のハードルは非常に高く、百数十年ある運転保安の考え方を準天頂衛星によるシステムに置き換えたときに同等以上でなければならないとすると、安全性の議論がこの後も出てくると思う。精度に関して、鉄道では、サブメータ級からもう一つ踏み込んだセンチメータ級が必要。
  • 列車を、どれくらい離れた受信機が2つ独立していると区別できるかという基準で考えた場合に、同じレールの上に乗っている2つの列車を区別できる「トレインセパレーション」と、違うレールの上に乗っている2つの列車を区別できる「トラックセパレーション」という2つの考え方がある。一般的には、トラックセパレーションの方がずっと厳しい。線路の幅を考えれば、1.6mの偏差でだいたい6シグマくらいいる。そうすると1シグマが20cmくらい。また、その精度を上げる際に、複雑なアルゴリズムが入ってくると顧客に対して、なぜこの方法が安全かを説明するのに大変苦労することになる。
  • 1シグマが20cmというのは、準天頂衛星のセンチメートル級では、ミートしていると思う。ただ、インテグリティリスクについては、衛星インフラを使ったシステムではなかなか難しいかなと。その時に例えば車載側システムと併せて、システムとして担保するということは考えられるか。
  • そのような仕掛けをして、また演算で上げようと思えば上げられると思うが、問題は、そういう上げ方をしたときに、演算自体の健全性などをどのように説明できるかどうか。国内の安全性の場合、10のマイナス9乗や11乗といったような話が出てくるが、最終的には数字でなく、要は仕掛けの問題という点もある。

問い合わせ先

経済産業省製造産業局航空機武器宇宙産業課宇宙産業室
電話:03-3501-0973
FAX :03-3501-7062

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最終更新日:2011年9月26日
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