経済産業省
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準天頂衛星を利用した新産業創出研究会(第5回)‐議事要旨

日時:平成23年12月13日(火曜日)15:00~17:00
場所:経済産業省本館2階東6会議室

出席者

産業界側委員
今井委員、川端委員、神田委員、坂下委員、瀧口委員、中島委員、名児耶委員、横浜委員、前川委員、森本委員(代理)

経済産業省
製造産業局審議官、研究開発課、産業機械課、航空機武器宇宙産業課、宇宙産業室、観光チーム参事官

オブザーバー
宇宙開発戦略本部事務局

議題

  1. 測位衛星を用いた産業界の取組について
    (横浜委員)
  2. 準天頂衛星みちびき実証実験の報告
    (永瀬委員)
  3. 準天頂衛星を利用した新産業創出研究会報告書(骨子案)について
  4. その他

議事概要

1.測位衛星を利用した産業界の取組について

横濱委員より、資料1「JR北海道における衛星測位技術の利用状況」を説明。意見は以下のとおり。

  • 実証実験においてL1-SAIFを使用したということだが、サブメートル級の精度で十分か。
  • 地図データの作成という用途であればcm級の精度が必要であるが、移動体での使用で、線路上にいるという前提なのでサブメートル級で十分となる可能性はある。
  • TTFF(Time To First Fix:GPS受信機で最初の位置情報が算出されるまでの時間を意味する初期位置算出時間)が早く、役に立ったという話であるが?
  • トンネルを出てまもなくすぐに測位結果が得られる傾向がでている。一般のGPSでは測位位置が数十から百数十メートルずれることがよくあったが、L1-SAIFではこれが改善しており、参考系とはいえ、安全性という観点では極めて有効である。

2.準天頂衛星みちびき実証実験の報告

永瀬委員より、資料2「準天頂衛星みちびき実証実験の報告~北海道網走監獄 実験報告書 IMESシームレス測位実験~」を説明。意見は以下のとおり。

  • 屋内測位でフロアはどの程度認識できたか?
  • 今回の実証実験の中では100%認識できた。受信機の性能によるものと考える。ソフトウェアロジックと受信機の電界強度判定・衛星番号判定で判定しているが、異なったロジックを使った場合にフロア認識がどうなるかはわからない。また、木造建屋でも同じになるかは、まだわからない。
  • 測位精度について国際標準で規定されているか?
  • 国際標準の有無については知らないが、実際のところチップメーカーが超寡占状態であり選択する余地が限られているので、あまりばらつきはないと思う。
  • チップメーカーへの働きかけが必要だとのことだが、利用者側からの要求という形で要求していくことと考えてよいか?
  • チップセットのプラットフォームで日本産が選択できるように産業を育成していくべきと考える。
  • IMESのアンテナについて、ビームフォーミングはしているか?
  • ビームを絞るといったことをやった上で実験をしている。今回は実験なので、こうしたが、ビームフォーミングを行うと設置コストが高くなるため、実際には実用的でなく採算があわないと思われる。無指向性となるだろうから、受信機性能を上げる必要がある。受信機側で採用信号を判定できるようにし、その上でソフトウェア判定を行うようにする。ソフトウェア上のロジックはSDKなどでブラックボックス化するのが良いだろう。特殊用途の受信機、ソフトウェアは、おのおの開発すれば良い。

3.準天頂衛星を利用した新産業研究会報告書(骨子案)について

事務局より、資料3「報告書のとりまとめに向けて」を説明。意見は以下のとおり。

  • 「はじめに」に、報告書をとりまとめるにあたっての研究会のスコープ、何を報告書にまとめるかという点を明確にしておくのが良いと思う。

事務局より、資料4「準天頂衛星を利用した新産業創出研究会報告書骨子(案)」を説明。意見は以下のとおり。

  • 航空分野では、MSASでGPSを活用している。航空機における準天頂衛星の利用に関しては、国際民間航空機関(ICAO)で定めている国際標準に新たな規格として準天頂衛星システムを用いたシステムを追加するようにお願いしたい。搭載受信機メーカーからは、MSASや米国のWAASだけでなくインドのGAGAN、中国のCOMPASSにも対応する拡張性を検討しているとの情報を得ており、準天頂衛星の利用も十分可能性があると考えている。航空分野では、国際標準への対応は必須である。
  • 報告書のまとめ方について、誰を対象にどういう目的で報告書を作成するのかを確認したい。研究会で発表した内容は、我々の観点から、やっていることを紹介しておりボトムアップ的なものになっている。トップダウン的に広い視野でまとめていった方がよいと思う。
  • 報告書の目的は、準天頂衛星システムの利用を拡大していくために、課題を抽出した上で検討し、官民連携の下、政府、産業界がやるべきことは何かを共有することと考えている。
  • 鉄道分野では、参考系と保安系に分類されるが、保安系はハードルが高い。最終的な目標を持ち続ける必要はあるが、小さな目標を段階的に進めていくことが重要であると考える。
  • 最終的な目標にむけて、ロードマップを示していくことが必要ではないかと思う。
  • 箱物ではなく新しい社会インフラを立ち上げようということだと理解している。みんなに使われるようなインフラにするためにはどうすればよいかという観点が必要。また、国際競争力の強化というミッションについては、国内だけでは市場が限られており、アジアでも使ってもらうための指針、ロードマップ、具体的な対策を盛り込むべきだと考えている。
  • 準天頂衛星は、広告配信やマーケティング等の既存産業の構造を大きく変える可能性があると思っている。この技術を使って標準化をし、世界に対して日本のデファクトスタンダードとして確立していきたいと考えている。アプリケーションベンダーの観点で言えば、測位システムが安く利用できれば良い。準天頂衛星システムを早く使えるようにして世界に広めたい。
  • 第五章の海外展開の可能性を考えるには、GLONASS、ガリレオ、COMPASSなど他国の衛星の整備状況も考慮に入れることが必要。
  • また、準天頂衛星システム及び他国の測位衛星システムの整備スケジュールを準天頂衛星を利用したビジネスモデルの展開と時間軸上で関連づけてロードマップを示せればよりわかりやすいものになると思う。準天頂衛星システムの強みである高仰角特性、サブメートル級/センチメートル級補強機能、新しいL5信号の補強のポテンシャル等を活用して、このタイミングで技術課題がクリアになる、このタイミングで適用アプリケーションが展開できるというロードマップを作成できれば、より説得力があると思う。
  • 新産業創出としては、永瀬委員の実証実験の例もあるように、効果があり芽がでていると思う。プラットフォームを描き、みんなが乗れることを示していくことが大事だと思う。また、精度に関する記述も必要ではないか。
  • 米国では、GPSが原因で事故が発生した場合、誰が責任を負うかという議論がされていると聞いている。同様に、わが国でも準天頂衛星を使って事故が発生した場合は、誰が責任を負うかという話も議論すべきで、少なくともこういう課題があるということは報告書に記載すべきである。
  • 世界で使えるフォーマット、スタンダードを作って世界に持っていけるような形にすることが重要である。
  • 鉄道分野では、インテグリティモニタによる危険側故障率、故障検出時間などの数値で表されるものもあるが、IEC61508に書いてあるようなアーキテクチャまで規定するような安全性が満たされていることを示す必要がある。数値よりアーキテクチャ上の問題点をクリアする方が制約として厳しいことを追加して記載してほしい。
  • まとめ方については、報告書骨子案のように、大きく、「現状サービス」、「期待できるサービス」、「海外への展開可能性」、「戦略」と分けて、それぞれで分野ごとに記述する方法と、分野ごとにまずわける方法がある。どちらがいいか考えるべき。
  • 報告書の章立て、各分野の記述の並びや共通の課題のまとめ方、順番等については、今後、検討したいと考えている。
  • いまのところ、課題を挙げはしたが、それについては投げっぱなしになっている。課題の対応は、来期以降ということかもしれないが、WGを構成するのも必要ではないか。
  • とりまとめに向けては、いただいた意見を参考にスケジュール感や内容を詰める必要があると思う。

問い合わせ先

経済産業省製造産業局航空機武器宇宙産業課宇宙産業室
電話:03-3501-0973
FAX:03-3501-7062

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最終更新日:2011年12月26日
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