経済産業省
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準天頂衛星を利用した新産業創出研究会(第6回)‐議事要旨

日時:平成24年2月9日(木曜日)16時30分~18時30分
場所:経済産業省本館2階東6共用会議室

出席者

産業界側委員
今井委員、川端委員、神田委員、坂下委員、瀧口委員、中島委員、永瀬委員、名児耶委員、横濱委員、前川委員、森本委員(代理)

経済産業省
製造産業局審議官、産業機械課、宇宙産業室、自動車課、情報プロジェクト室

オブザーバー
宇宙開発戦略本部事務局

議題

  1. 欧州Galileoにおける利用創出について
  2. 分野毎の企業・団体等からのヒアリング内容について
  3. 準天頂衛星を利用した新産業創出研究会報告書(案)について
  4. その他

議事概要

1.欧州Galileoにおける利用創出について

衛星測位利用推進センターより資料1「欧州Galileoにおける利用創出」を説明。意見は以下のとおり。

  • Galileoプロジェクトの進捗状況を教えてほしい。
  • 当初のスケジュールに比べ予算の関係で遅れている。現在のスケジュールでは、衛星18機による初期運用が2014年頃、最終的な30機による完全運用が2019年から2020年頃となっている。また、初期運用にむけた衛星18機の契約が完了していると聞いている。
  • アイデアコンテストを行い実際にプロモーションしているとの話だったが、事業として実際に動いている事例はどのくらいあるのか?
  • かなり小規模のプロジェクトまで含めると1200件程度で、毎年どの位の数になったかが報告されている。
  • 市場開拓について5~6名でプロモーションを実施しているとのことだが、具体的にどのようなことをやっているのか?
  • マーケットアナリシス、測位利用促進のイベント開催など少ない人数で非常に幅広いことを実施している。GSAの具体的な活動については、SPACのWebにも掲載されている「第7回衛星測位と地理空間情報フォーラム」のGSAの講演資料を参照してほしい。
  • 14ページのARを用いたヘッドアップディスプレイは具体的にどのようなものか。
  • アメリカのアイデアで実際にデバイスとしても実現しており、画面に自分の行きたい方向が指示されるものである。
  • このコンペティションは、Galileoのアイデア大賞となっているが、既存のGPSでは利用できないのか?
  • 今の段階ではGalileoは使えないので、実際にはGPSでの利用になっている。
  • 最終ページの「公的な利用創出」は、アイデアコンテストによる利用創出のことか?
  • 欧州においてGSAが推進しているFP7に対応するようなフレームワークプログラムで13ページに示しているような資金投入による利用創出のこと。
  • 鉄道分野に関するプロジェクトを長い期間実施しているが、成果があまり得られていないことから、わが国の利用創出とアプリケーション開発の推進体制を確立するにあたって、欧州のやり方をそのまま参考にして良いかは検証していく必要があると思う。
  • SOLサービスを見直し中とあるが、どのような方向で見直しを行うのか?
  • ICG-6で欧州よりSOLについて見直しを行うという報告があったが、具体的な内容は把握していない。
  • 26ページの「Endorse implementation of new Galileo SOL」がどういう意味が教えてほしい。
  • EGNOSのSOLはむしろ航空に特化していて、Galileoについても当初はSOLを提供するという話であったが、ICG-6で欧州よりSOLについて見直しを行うという報告があったので、詳しいことはわからない。国際標準とマッチしないという言い方もしていた。
  • 救助犬の事例があったが、犬の嗅覚で捜索したエリアを地図上に表示し捜索範囲を重複しないようにすることで、短期間に広いエリアを捜索することを可能にしている。犬という発想は新鮮だった。

2.分野毎の企業・団体等からのヒアリング内容について

事務局より、資料2「分野毎の企業・団体等からのヒアリング内容説明資料」を説明。意見は以下のとおり。

  • 課題や期待されるサービスについて調査した中で、海外展開に関するものにどのようなものがあったか?
  • オーストラリア等で精密農業が行われている。また、鉱山でのトラクターや農業機械の自動運転も行われている。また、鉄道に関して、列車制御については日本では難しいという議論があったが、チベットで信号制御にGPSが使用されている事例があった。また、日本と同様に韓国でも運転操作支援にGPSが利用されている。
  • 地震予測のための山や傾斜地の形状の定常観測や津波予測のための高精度なGPS測位のような安全・安心に関係するアプリケーションはあったか?
  • ヒアリングした中では指摘のような内容はなかったが、建設・測量分野での利用の現状ではセンチメートル級の高精度な測位を前提としてGNSS測位の利用を行っている。
  • 鉄道や自動車分野では、精度・安全性・信頼性の保証等のSOLに関する課題を克服する必要がある。

3.準天頂衛星を利用した新産業研究会報告書(案)について

岡野宇宙産業室長より、資料3「準天頂衛星を利用した新産業創出研究会報告書(案)」を説明。意見は以下のとおり。

  • WAASやEGNOSといった他国のシステムと相互運用を行う必要があり、いかに担保して進めていくかを考える必要がある。航空関係は、ICAOに沿って進めていくという一文に集約されるが、この点は重要である。
  • 第3章3節(2)の「ロードプライシングへの応用」は、準天頂衛星システムが必要かどうかは微妙なところである。また、ゲートなしで実現可能かどうかは疑問である。Galileoの資料にもあるとおり、エンフォースメントの観点では最低限、カメラはいるのではないか?
  • 第4章2節(3)についても、準天頂衛星システムが必要かというと疑問がある。アジアでどこまで準天頂衛星システムが必要なのかというのをアピールする必要がある。社会インフラと結び付けて展開することによって全体的な効率が向上するというような工夫がないと、単体ではコストがアップするようなことにもなるのではないか。
  • 第5章は、冒頭の部分で今までの課題を受け、ポイントを整理して書いた方が良いのではないか。5章の部分は唐突感がある。
  • 第3章4節(1)の「路線管理における地盤変位の観測」については、誤解を招く部分があるので、改めて事務局に修正文を送る。また、(2)の「列車走行制御への利用」では、地上インフラが不必要となれば、大きなコストダウンも期待できるので、この点についても触れるべきではないか。効率化が図れても、コストがかかるようでは利用できないものは多い。コストダウンできることは重要なこと。
  • 第3章8節の「シームレスな屋外測位と屋内測位の実現」では、鉄道には触れられていないが、鉄道でもトンネルや高架の下での測位の要求はあるので、全く同じではないかもしれないが、重要なところである。
  • 準天頂衛星システムの特徴を前面に出した方がよいのではないか?CompassやGalileoと比較して、アジア地域ではこのようなことに役立つという利用者にもっとアピールできる要素、具体的には強みを打ち出すようにしたらよいと思う。
  • 全般的な話として、明確に書く必要はないが、この報告書が誰向けのものかという点を整理した方がよいと思う。また、実効性を考えて、誰が、どうやってという点をなるべく落とし込む必要がある。例えば、第5章第1節(2)の「準天頂衛星システムの具体的な方向性の明示」では、国際標準や合意形成を進めるのは誰かという点など。
  • 報告書全体としては、これまでの研究会で紹介された幅広い分野の事例などが網羅的に盛り込まれており、よくまとめていただいたという印象がある。
  • 普及については、衛星側だけでなく受信機の開発も重要である。受信機について、触れられているのは良いと思う。
  • 第5章第1節(3)「準天頂衛星初号機「みちびき」を用いた事業モデルの構築」では、事業モデル実証の話がでているが、スマートフォンのように、既にできているものが流入してくることもある。後追いになることは否めないが、新たに事業モデルを作るだけではなく、あるものは認めていくという姿勢も大事だと思う。
  • 第3章第8節の「規格化による精度・安全性・信頼性の保証」は、ほぼ全分野で共通と思うが、航空と地上では条件が違う。地上では航空よりもマルチパスの影響は大きいため、航空より精度担保が難しい。資料1のGalileoの例でもサービスボリュームの識別が難しいという記述があった。航空分野と地上分野での誤差要因の違いを考慮し、分野ごとに仕組みを作っていく必要性を記述したらより明確になると思う。
  • 第4章第4節の「電離層活動を考慮に入れた補強信号の作成アルゴリズムの開発」に関して、磁気緯度が日本は米国に比べて低く赤道付近のような電離層の活発なエリアに属しているので、補強信号の作成アルゴリズム開発は全分野共通の課題であると思う。現在、ICG・Asia Oceanic Regional workshop でJAXA、諸機関が行っている取組も、課題に対する取組として記載してはどうか。
  • 第3章第7節(1)の「時刻同期への利用」に関係して、金融決済で使われる高速トレーディングでは、50ナノ秒~100ナノ秒単位での時刻精度が必要で、これだけの精度は衛星を使わないとできない。欧州、米国はこのような規格を決め、自国のシステムで実現しようとしている。こういった世界でアジア・オセアニア地域への貢献にも有効である。
  • Galileoの紹介の例でもあったように、EUのFP6までは各分野において個別にやっていたため、投資対効果がよくなかったが、FP7から民間と政府が出資し、特別な分野に集中投資することで成果が出始めている。今後、政策パッケージ等を作る際に参考にしたほうがよい。中国の整備が思ったよりも早く行われているので、日本もスピーディに整備すべきである。
  • 第3章第2節の「公共測量作業規程の見直し、改訂の検討」は、唐突感がある。課題はこれだけではないと思う。利用者側の話など、他にもあるのではないか。
  • 第4章第1節(2)の「大規模鉱山における測位不能な時間帯・場所の解消」では、海外の露天掘りがクローズアップされているが、日本にもアーバンキャニオンといった問題はあるので、そういったことも記載する必要があるのではないか。
  • 第3章第4節の「鉄道分野」について、位置情報は非常に重要で、位置を把握しながら列車を運行している。GPSあるいは準天頂衛星システムによる測位情報がどういう形で入ってくるかについて議論する必要があると思う。保安系に接続しない利用の仕方であれば、衛星測位はオーバーレイで利用でき、そのメリットは十分に出てくると思われる。ただ、衛星測位を人命にかかわるような保安系に使用するにはハードルが高いというのが一般的な考え方。
  • 第3章第8節の「規格化による精度・安全性・信頼性の保証」で、鉄道の欧州規格がEN50216となっているが、EN50126が正しい。
  • 第4章第1節の経済効果で、自動車関連の2020年予測(4,527億円)は数字が一人歩きしているような気がする。自動車はいろいろな場所を自由に走行するので、自動運転や車車間通信等の測位精度の保証が必要な利用分野では、場所によって利用可能な場所と利用できない場所があることを考慮する必要がある。ナビゲーションの置き換えコストだけでなく、その他の必要なコストを含め、高精度により期待される新しいサービス、仕組みやモビリティ社会のような新しい車社会がどれだけ発展するかを検討し、必要なサービスの見極めをしていかないと経済効果を正確に出せないと思う。
  • 報告書を使わせていただく立場からいうと、文字が多く、図や絵が少ないため一般の人に説明するときに使いにくい印象がある。わかりやすくするために、図や絵を入れてほしい。
  • 現在ある分野をベースに書かれている。サプライサイドだけではなく、利用者サイドからの記述があってもよいと感じた。また、日本としては、防災に関して意識が高まっていると思う。防災というくくりで記載してもいいのではないか。
  • 意見をいただいた中で、誰向けかという点については、政府として今後やっていくべき課題を述べている。ただ、政府だけではできないものもあり、方向性としての意味合いもある。また、報告書としては、広く潜在的なユーザにもアピールしていくことも想定している。いずれにしても本日いただいた意見を踏まえながら、ブラッシュアップを行っていく。

問い合わせ先

経済産業省製造産業局航空機武器宇宙産業課宇宙産業室
電話:03-3501-0973
FAX:03-3501-7062

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最終更新日:2012年2月29日
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