経済産業省
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新ものづくり研究会(第2回)‐議事要旨

日時:2013年10月29日(火曜日)10時00分~11時50分
場所:経済産業省 本館17階 第1共用会議室

出席者

新宅座長、朝比奈委員、小笠原委員、京極委員、柴沼委員、田中委員、新野委員、野口委員、渡邊委員

議題

  1. 3Dプリンタ等の最新動向についてのプレゼンテーション
    小岩井 豊己 株式会社コイワイ代表取締役(ゲストスピーカー)
    京極委員
    新野委員
  2. ものづくりにおける革新について議論

議事要旨

出席者からの主なコメントは以下のとおり。

  • 3D造形装置は万能ではない。鋳造業においては、ある程度の水準の鋳造技術がなければ3D造形装置を用いた鋳物づくりはできない。例えば、3D造形装置で全く同じものを作ろうとしても、ドイツと日本では気候や湿度などが異なり、仕上がりは違ってしまう。各社がこれまで蓄積してきたノウハウにさらに工夫をこらすことで、3D造形装置プラス従来の鋳造技術という新たな鋳物づくりのカテゴリーが生まれていくと思う。
  • 本日のプレゼンテーションを行ったコイワイにおける鋳造業での3D造形装置活用の成功事例は、3D造形装置自体ではなく、デジタル化以前に培ってきた優れた型設計や鋳造技術の蓄積が寄与している。日本企業はものづくりの固有技術については自信を持ってよいだろう。これをいかにデジタル化したものづくりに生かしていくかがポイント。
  • 3D造形装置を用いてある程度のレベル以上のものづくりを行うためには、各社が自らのノウハウを織り込み他社とは違ったものが作れるようになるべきである。
  • 中小企業が3D造形装置を活用しようとすれば、コイワイの手法がノーマルだろう。また、3D-CADの設計を誰がやるのかが肝となる。かつてCAMデータは工場の生産技術部門で作っていたものだが、CADの発展とともにフロントローディングが進み、今では生産技術部門は設計部門に組織替えしてしまい、エンジニアの仕事も変わっていった。3D造形装置を活用したものづくりが普及していくと、さらにエンジニアの仕事が変わっていくだろうから、人材教育も必要になるものと思われる。
  • 3D造形装置はコストが高く、これを使った事業の自由度も制約される。装置市場は海外メーカーによる寡占状態にあり、日本企業が装置を使ってものを作れば作るほど海外メーカーが儲かる構図になっている。
  • 半導体分野では、製造装置や材料は日本企業が強いが、実際に半導体生産で儲けているのは台湾企業であるといったケースがある。日本は製造装置や材料に力を入れるべきか、それともそれを使ったものづくりに力を入れるべきか、については議論が必要だろう。
  • 3D造形では装置、ソフトウェアともに海外企業がおさえているため、日本企業が作りたいものを作りにくい状況になっているのではないか。今こそ、装置とソフトウェアをどうすべきかを日本は考えるべきである。
  • 従来の経験では、機器のカスタマイズや保守の市場をオリジナル機器メーカーが独占するてこになっているのはソフトウェアであることから、日本企業が他社製造機器を使い勝手の良いものにカスタマイズしていく上では、ソフトウェアが障害となる可能性が高いだろう。
  • 海外の装置メーカーは使用する材料をメーカーの指定品に限定しているが、ユーザーが自由に材料を使うことで生じる装置の故障を避けたいという気持ちもわかる。基本特許が切れ始めている中、日本メーカーが新たに3D造形装置を開発しても、材料がメーカーから限定されるという問題は解消されないだろう。
  • 3D-CADソフトは、ユーザーのノウハウがフィードバックされながら使い勝手が向上し、普及が進み、誰でも3D-CADの設計が容易にできるようになったという経緯がある。3D造形装置でも、そのあたりの自由度を増やしていくべきだろうか。
  • 造形装置単体で発想すると、インクで儲けるといった従来の紙のプリンタのようなビジネスでしか収益を上げることができなくなる。ノウハウや知見がどこにフォーカスされているのか、それを造形装置の活用にどのようにつなげていくのか、どのようにノウハウを共有化させていくのかといった、アプリケーションやネットワークを一緒に考えていく必要がある。
  • 紙のプリンタでは、プリンタメーカーと互換性のあるカートリッジメーカーとの間で特許紛争があったが、同じことが3D造形装置でも起こる可能性がある。日本の立ち位置をどう考えるべきか。日本企業が3D造形装置の改善に関わることによってその成果を享受するという戦略もありえるが、そのためには共同開発における日本企業のポジショニングをシビアに行っておかなければならないだろう。
  • 「スケーラブル」(※大規模な変更を加えることなく、処理の質的・量的変化に対応できること)は今回の研究会において重要なキーワードであると思う。消費者向けであっても専門家向けであっても、3D設計データのフォーマットは同じである。イノベーションは異なるもの同士が結びつくところから生まれるが、インターネット上では、スマートフォンからスーパーコンピュータまであらゆるコンピュータが繋がっている。3D造形も、このイメージに近い状況にならないか。

以上

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最終更新日:2013年11月18日
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