経済産業省
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アパレル・サプライチェーン研究会(第1回)-議事要旨

日時:平成27年12月24日(木曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

委員
荒木秀夫 (株)佐川急便 代表取締役社長
尾原蓉子 (一社)ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション 会長
軍地彩弓 (株) gumi-gumi 代表取締役/「ヌメロトウキョウ」エディトリアル・ディレクター
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング 代表取締役
茶村俊一 日本百貨店協会 会長(J.フロントリテイリング(株) 取締役会長)
下村彬一 日本繊維産業連盟 会長(東レ(株) 相談役)
日光信二[代理出席] 帝人グループ執行役員 製品事業グループ長
廣内武 (一社)日本アパレル・ファッション産業協会 理事長((株)オンワードホールディングス 代表取締役会長)
藤本隆宏 東京大学大学院 経済学研究科教授 ものづくり経営研究センター長
山田哲也[代理出席] 日本繊維輸出組合/日本繊維輸入組合 副理事長
(三菱商事(株) 生活製品本部 S.P.A.衣料部長)
経済産業省
鈴木淳司 経済産業副大臣
糟谷敏秀 製造産業局長
小林洋司 製造産業局審議官
寺村英信 製造産業局繊維課長
西垣淳子 商務情報政策局クリエイティブ産業課長
菅野将史 製造産業局繊維課 課長補佐
長谷川貴弘 製造産業局繊維課 課長補佐

議題

  • 研究会冒頭、鈴木副大臣よりご挨拶。
  • 寺村課長より、研究会の趣旨、目的などについて資料に沿って説明。
  • 議論(テーマごとに整理)

議事概要

サプライチェーンの再構築と設備投資

  • 特殊な縫製技術を持っている地方の工場が、中国の研修生と、平均年齢70代の高齢の従業員で成り立っているため、技術の継承が難しくなっている。工場が孤立しているからであり、産地内の企業間連携や、クラウド化で商品発注ができるようなシステムを作る必要がある。
  • 我が国のアパレル産業のサプライチェーンは80年代までは各段階がリスクを分担する垂直分業が成り立っていた。すべてのものづくりの原点。
  • 高い完成度・デザイン性は利益にならないため、それらを重視するのではなく、消費者が価値を創造できるテキスタイルのファストファッション化が必要ではないか。
  • 日本のアパレル産業はSPA型ビジネスで国内に売ろうとする一方、世界のブランド商品を直に買い付けするビジネスの規模が小さい。買わずに売ることはできない。
  • SPA型では、作り手側と買い手側を繋ぐ、クリエーションとユーティリティの繋がり方のパターンを見つけることが必要。
  • リスクテイクを明確化し、取引の信頼性を確保することが必要。SCM委員会で検討され、改善は見られるものの、商品の返品など商慣行の課題はまだまだ多い。
  • モノの魅力を発揮できるものづくりが必要。後追い的な部分がまだまだ多いので、ビジネスとして実施できるようにするために、生産工程をしっかり確保する必要がある。
  • 自動車産業、建築産業は統合的で長期的。海外は短期的で比較的分断されている。しかし繊維では歴史的な経緯もあってか逆。国内が分断されていて、海外はよく纏まっている印象。産業間で知識の共有をしていくことが一つのヒントになるのではないか。
  • 日本はアトリエ系で、ものづくりが得意。デザイナー育成のシステムを整備し、世界で勝負できるデザイナーを育てることが必要。
  • 日本で出てきて欲しいのは、ストリートでトレンドが決まってフォローしていくというもの。そのためにはリードタイムを短くしていくことが重要。
  • 日本のものづくりに携わっている川上の企業も、強いところは海外で勝負している。海外の目利きがやってきて買うなど、勝負ができている。
  • 創和テキスタイルは1人で60台の機械を受け持っていて、8割が稼働している。イッセイミヤケは山梨の傘の生地屋や漁網屋など、異業種からうまく素材供給者を見つけてくる。日本の作り手を使いこなせるかは川下の目利き能力次第なので、そういったプロデューサーを育成することが重要。
  • 縫製技術はもはや中国起点となっている。日本の縫製技術者は多くが60代以上。長年培ってきた縫製技術を日本にとどめるため、若手の育成を進める策が必要。

オムニチャネル化と製造・物流の効率化について

  • EC販売では、深夜0時~2時の注文が多く、「いつでも、どこにでも」といった配達を構築するためには、3PL事業者としては、24時間稼働が課題となってくる。24時間稼働となると、物流センターとしては、納品も出荷も24時間で対応しなくてはいけない。
  • 産地の集約化合理化も大事だが、産業主導から生活者主導へシフトしなければならないのではないか。ECにより、生活者主導の売り方にシフトすることが可能だと思う。
  • デジタルで人の体を測量・採寸し、その人の体型にあった商品を提案してくれるシステムを見に行ったが、提案されたのはサイズが合うもの3点だけだった。店舗に数多くある商品の中から、求めている商品をピックアップできるという点で意味があるのだが、顧客のニーズや買い方に連動していない。このようなサービス化も含めて、今後の小売業の在り方や、顧客と供給側をどのようにつないでいくかといったことも議論が必要。
  • 何でも相互乗り入れしていつの間にかお金が貯まる戦略ができていない。相互乗り入れでオープンにすればするほどビジネスチャンスが大きくなる。
  • 日本の経営者、特に団塊世代はいまだにクローズド戦略。本当にクリエイティブでありながら、消費に繋がる部分を爆発させるために、どこに集中投資するのかを考えて欲しい。ものづくりやクリエイティブが一方的に優れているから日本が一番というのは間違いであり、対等な立場であるSNS的なプラットホームを進めないといけない。
  • 百貨店は消化仕入れで店舗別商売であるため、ECに出られない。外資の免税店が入ってくると、現在のTax-Freeのインバウンド需要で売上げを上げている百貨店は、ビジネスが成り立たなくなる恐れがある。省庁間(国交省、経産省)で連携が必要。
  • 供給側が消費者に教えてやるという形ではなく、消費者目線で、オープンプラットホームの考え方が必要。例えば物流と商品受け取り拠点について、提携グループ毎の受配サービスではなく、グループの垣根を越えた利便性の高い共通的な仕組みが望まれる。
  • 急激に消費者はECに流れている。特にオムニチャネルについては、アメリカで構築されてきた背景があり、ここ3~4年、良く言われるようになってきた。国内の百貨店は在庫を持たないので米国のオムニチャネルと違う。
  • 大丸松坂屋百貨店では、3年前より、売上げ仕入れ方式である百貨店と在庫を持つアパレルとがタイアップをした「クリック&コレクト」というサービスをスタート。100ブランド程度について取組を進めているが、通信販売の非効率性(留守が多い、返品が多いなど)に耐えられるだけのビジネスにはなっていない。
  • アパレルから統一のサイトを作って、倉庫に同じものをプールするという提案を貰っている。ECに今後取り組んでいかないといけない状況である。
  • 「カエルパルコ」は、店頭販売員がECで、商品をお客様に提案する。かつて葉書での案内をしていたものをECで行っている。購入、取り置き等コミュニケーションをとる方法でもあり、百貨店の販売形態に親和性が高いが、オムニチャネルとは質が異なるもの。メーカーと在庫を統一していくオムニチャネルは、進めているもののハードルが高いのが現状。
  • 商売の最上位概念は消費者。アパレル産業の活性化がゴールではなく、消費者にとってストレスフリーに購入できるビジネスモデルができることで産業が活性化される、という優先順位である、という共通認識を持つべき。
  • 流通が多様化し、質の良いアパレルが成長する一方、百貨店の衣料品がさらにきつい状況になった。少子高齢化でパイが少なくなったのに、商業施設の出店は増え、不毛な戦いに陥っている。整理することが必要。
  • 日本は、アパレル市場構造のうち、コモディティ、ファストファッションでは勝負できないため、プレタポルテの分野でものづくりの良さを取り入れ勝負することが必要。
  • 魅力発信のためのブランド構築によるマーケット創出とセレクトショップによる提供を相互に連動させ、東京をファッションハブとして確立させることが必要。

輸出拡大と海外拠点の活用

  • SACAIのデザイナーの阿部千登勢さんは、日本のものをそのまま海外にスライドするのでなく、日本の商品ならではの価値を創り上げてきたことが評価された。ヨウジヤマモトや川久保玲も日本をデザインに入れ込んで成功。これからは、日本ブランドを海外にアピールしていかないといけない。
  • 銀座でインバウンドに売れているのは、バーバリーなどの海外ブランドで、実際には日本への実入りが少ない。Made in Japanで頑張っている若手デザイナーのブランドを輸出できる仕組みを作るべき。
  • 大手アパレルと違って、資本のない若手デザイナーは、海外からの評価は高いものの、越境ECへの対応ができていない。国がバックアップできないか。
  • 多くのセレクトショップはインポートの比率が高いが、「studious」は日本のブランドだけを置いており伸びている。今後、香港や中国にも出店予定。
  • 有名ブランドがMade in Japanの生地や縫製を採用しているが、表に出てこない。日本の縫製技術や生地の品質の高さのアピールが足りない。
  • 輸入衣料品の生産は、中国からベトナム、インドネシア、カンボジアに移っている。しかし日本に持ち帰るだけで、地産地消ができていない。
  • 4~5年後に引き続きアジアで物づくりができる保証はないと感じている。一方で、日本は、衣料品製造が縮小したが、素材、糸、縫製で素晴らしい技術が残っているのは事実。アジアや、その次の産地に出て行くときに、日本のものづくりのノウハウをどう活かして戦うかということは、課題として重く受け止めている。
  • 日本のメーカーや産地の活性化は大事だが、同時に考えなければならないのは持続性。例えば、一つの案として、政府などがノウハウを持った日本のメーカーを束ねて企業連合を作り、海外に大きな工場を作るのはどうか。日本の工場はマザー工場として商品作りを継続しながら、ノウハウや人材を共同で海外工場に活用する。国内産業の空洞化を招く恐れがあるが、自ら行いそこから海外に売りに出ていくのであれば、検討価値があるのでは。
  • 一般的に繊維は衰退産業と言われるが、繊維輸出は数年前に100億ドルを達成し、歴史的に見れば伸びている。
  • 輸出・海外事業に力を入れるべき。芸術作品としてではなく、ビジネスとしての繊維を考える必要がある。国内の消費は限られているので、日本で作って海外に売る、もしくは、海外で作ってそれを売っていくことが必要。
  • 輸出もインバウンドも、知られているブランドしか売れない。まずは、日本のブランドを世界に浸透させることが必要条件。
  • グローバル化は避けられないので、今一度強化が必要。TPPに関して、ベトナム発のヤーンフォワードを見据え、サプライチェーンを構築することが重要である。そのために、ベトナムのFS、協力工場、技術指導といった体制をどう支援していくかが検討課題。
  • 日本は機能性織物等の生地の開発力が強み。子供服・衛生材料以外にも、「安心・安全」をキーワードにして世界へアピールできる場がほしい。
  • 海外輸出においては、「感性」、「クオリティ」、「コスト」を解決する必要がある。持続的にMade in Japanを輸出することは、大変ハードルが高いが、挑戦していかないといけない。
  • 産業として国益をもたらすためには、現地化(グローバル化)が必要。中国のマーケットはヨーロッパからだと入りやすいということもあるので、アプローチを上手くすれば、大きく育つ可能性がある。

以上

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FAX:03-3501-0316

 
 
最終更新日:2016年1月26日
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