経済産業省
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アパレル・サプライチェーン研究会(第5回)-議事要旨

日時:平成28年5月10日(火曜日)15時00分~17時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

委員
井出陽一郎[代理出席] 日本百貨店協会 専務理事
尾原蓉子 (一社)ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション 会長
軍地彩弓 (株)gumi-gumi 代表取締役/「ヌメロトウキョウ」エディトリアル・ディレクター
小島健輔 (株)小島ファッションマーケティング 代表取締役
下村彬一 日本繊維産業連盟 会長(東レ(株) 相談役)
鈴木純 日本化学繊維協会 会長(帝人(株)  代表取締役社長執行役員)
林弘志[代理出席] 佐川急便株式会社 営業開発部 担当部長
廣内武 (一社)日本アパレル・ファッション産業協会 理事長
山田哲也[代理出席] 日本繊維輸出組合/日本繊維輸入組合 副理事長
経済産業省
糟谷敏秀 製造産業局長
小林洋司 製造産業局審議官
寺村英信 製造産業局繊維課長
宮坂智芳 製造産業局繊維課通商室長
西垣淳子 商務情報政策局クリエイティブ産業課長
菅野将史 製造産業局繊維課 課長補佐
長谷川貴弘 製造産業局繊維課 課長補佐

議題概要

  • 寺村課長より、骨子案等ついて説明。
  • 議論

SPAとファストファッション等の扱い

  • 骨子案の1ページにて、ファストファッションがアパレル産業に大きなインパクトを与えたとされているが、ファストファッションではなく「SPAモデル」もしくは、「SPAやファストファッション」とするのが正確ではないか。
  • ファストファッションとSPAは違うものである。SPAとは、企画、原料、製造、販売までサプライチェーン全体を自社でコントロールするリテールビジネス。サプライチェーンの内製化。ファストファッションは、トレンドをいち早く掴み、いち早く商品を作って、売るといったビジネスモデル。売り切りごめん型で売っていくもの。この2つは、厳密に言うとイコールではない。我が国のアパレル産業に大きな影響を与えたのはSPA。SPAの例としては、ユニクロや良品計画である。ファストファッションはフォーエバー21などであり、ユニクロのGUはファストファッションとSPAの融合だと思う。
  • アパレル産業への影響を与えた要因を考え始めると、全体としては、消費スタイル変化とグローバル化と環境変化(ECなど)も入ってくる文脈であると認識。深く考えると広がり過ぎる。ファストファッションはSPAの一つだと思う。SPAはGAPのモデルをつかったもの。従来と違うタイプのビジネスモデルができたということで良いのではないか。
  • SPAは日本語で言えば製造小売業。従来のアパレル産業と違うという文脈であれば、ファストファッション、SPA、EC等を入れても良いが、サプライチェーンビジョンという観点を考えると、SPAとする方が適切かと思った次第。
  • SPAは、小売が製造まで行うことで流通コストをカットし、ローコストで商品を販売するモデル。SPAモデルが台頭した背景には、バブル崩壊後20年続いたデフレの中で、世の中がカジュアル化し、顧客が単価の安い商品を好むようになったことがある。
  • 他方、従来のアパレル企業は、百貨店流通と委託販売の仕組みの中で育ってきた。良質な中間層向けの消費構造があり、それを支えたのが日本のものづくりであり、ものづくりも育ってきた。こうした状態に、急速にブレーキがかかったのが現状である。アパレル・サプライチェーンの議論において、ファストファッションとSPAは言葉の問題。ファストファッションは素早く作って、素早く販売、安い単価で供給する仕組み。これを小売が行えばSPAということだと認識。

オーバーストアの問題、百貨店の取組

  • 骨子案2ページの「オーバーストアの問題等」については、規制緩和を受け、誰でもどこでも出店できるといった「無秩序な出店」-これが引き金になっていると認識している。自治体(首長)が、工場が立ち退いた後の空き地にショッピングセンターを誘致し、今後はそこに住宅地を作り、住民が移住し、病院も移転する。これにより、中心市街地が過疎化する。無秩序な競争が引き金になっていると思っている。
  • これをどうするかと考えるときに、もう一度規制するのではなく、デベロッパーや自治体が、住民や消費者にとってのベストのセレクションが何なのかを考える必要がある。経産省や国交省が連携して、秩序だった出店に向けた意見交換する場が必要。人が住んでいるところからGMSが抜けたら、そこに住んでいる人はどうするのか、ニューファミリーが70歳になったときに、そこに子供がいなくなってくる。今の体制の大きなまちづくりは機能するのかと考えると、コンパクトシティを中長期的に盛り込むことが重要ではないか。直接的に述べる必要はないと思うが、こうしたことが予見できるといったことをビジョンに入れてはいかがか。
  • 「オーバーストアの問題」として、2007年の規制緩和の問題がある。大手のGMSでは、グループ内で出店調整ができず、グループ内で競合物件を出店している状態。ガバナンスが効いていない。巨大ショッピングセンターの集中開発により、小さな商業施設が圧迫されている。1企業が流通秩序の崩壊をさせようとしている。それに反して、地方行政はGMSの引っ張り合いをやっている。これを抑える必要がある。
  • また、2007年の定期借家契約の制定以降、デベロッパーによるテナントの収奪構造は加速化している。テナントは利益ないが、デベロッパーが利益を得るといった構造。こうした商業施設開発に対して、対策が必要ではないか。
  • 骨子3ページの中段に「合理的でない商慣行がサプライチェーンを劣化」といった点については、相対的に見れば事実だと思う。しかし、百貨店の立場からすれば、取引先はイコールパートナーであり、かつての優越的地位の乱用などがないように、現在はアパレル・ファッション産業協会(以下、JAFIC)と百貨店協会で、お互いwin-winとなるよう、少しずつではあるが、色々なアクションを実施し、改善している。外から見たら遅いと言われるかもしれないが、「リスクの負担を押し付け合っている」という一言で済まされると、こうした改善に向けた取組がないものと理解されてしまう。(合理的でない商慣行が)「一部で見られる」や「散見される」という形にしてもらえると我々の活動が読み取れるのではないか。
  • 日本のものづくりやシステムは世界にも通じる強み。できあがったビジョンが書物にならないように、しっかり読み込んで、リテーラーとしてサプライヤー(JAFICを中心に)と連携し、絵に描いた餅にならないようしたい。
  • 不合理な取引関係や時短など従業員の問題について、話し合いの場を設け、業界としてあるべき姿を実現するため活動している。成果がどう出ているのかといった点は判断しづらいが、チャレンジはしている。

百貨店の役割

  • 百貨店は、日本のブランドの流通システムについて貢献せず、自社の収益だけを得てきた。他方、米国はエクスクルーシブ・バイイング。商品を買い取り、店間移動を行いながら、自社の責任で販売してきた。日本の百貨店は、ナショナルブランドはアパレルにお願いし、在庫運用もアパレルに押しつけてきた。したがって、百貨店には在庫運用のノウハウない。インポートの買い取り品でも、ジャパン社やエージェントとの契約関係により、個店帳合いの強制があるから、例えば、東京の商品を大阪の店舗に持っていけないという状態。百貨店がディストリビューションの義務を果たさなかったことは大きい。オムニチャネルが進行するなかで、百貨店はディストリビューションを行っているアパレルに対して、POS端末やEC端末の持ち込みを拒否している。アパレルは端末あるから在庫問い合わせできるのに、持ち込ませない。そのため、百貨店は日曜日に在庫の確認ができない。在庫の管理ためのPOS端末の持ち込みを拒否してはならないといった規制があってもよい。百貨店がブランド流通の責任を果たしていない。ブランドの流通を入れる側としても売る側としても、この問題を解決する必要がある。ブランドの責任と利益を得るリテーラーが存在しない。
  • ブランドの成長に対して百貨店が十分に役割を果たしてきたかどうかと考えると、百貨店はナショナルブランドの展開を軸にしながら、ビジネスを行ってきた中で、画一したブランドづくりになってきた。同質化は事実として認める。
  • しかし、いくつかの百貨店ではプライベートブランドや付加価値の高い商品づくりに取り組むところもある。また、地場産業との直接取引し、商品を作り、自販するという仕組みを作っているところもある。こうした「イノベーション」に取り組むところもいくつかある。こうした努力には注目してほしい。ナショナルブランドにシフトし、画一したブランドづくりになったのは事実。
  • また、日本とアメリカでは消費動向が違う。日本の百貨店では、それぞれの地域特性に合わせた商品づくりや売り場が必要。東京と大阪で売れるものが違う。各店舗での収益を高めるために、地域に根付いたMDをやってきた。各店の収益を重視してきた。したがって、在庫を回すといったことができていなかった。こうしたビジネスモデルが、在庫の消化の低下につながっていたのは事実だが、このような背景があったことは認識してほしい。
  • 大都市、地方中核都市は、売り場面積も大規模であり、コト作りやブランドの集積、他にはない付加価値商材の提供といったことができた。ナショナルブランドとプライベートブランドのミックスの中で集客が上手くできた。他方、地方は顧客の対象は中産階級以上となるが、品物の幅が広いところ(都市部)に投資するとなってしまい、地方都市の品揃えが減っている。裏返しではあるが、自社で商品を買ってきて売るといった意識がやや薄らいでしまい、結果、商品提供をアパレルにお願いしてしまうといった状態である。また、サプライヤーも商品が売れないとなると、枚数を入れずにある程度の数字でとなり、悪循環が生まれている。大都市と地方都市の差が出てきている。
  • 地方の百貨店ではものが売れないから、アパレルも商品を入れない。これにより、ますます売れないといった悪循環が生まれている。しかし、アメリカでは、郊外の百貨店でもある程度の品揃えがある。郊外で売れなかったら本店都心で売る。つまり、店間移動で売っている。この仕組みが重要。日本の地方百貨店の問題を解決するのが、オムニチャネルサテライト販売ではあるが、百貨店がこれを邪魔する。高島屋でサテライトビジネスの仕組みが入ったのは素晴らしい。百貨店の在庫処理機能(ディストリビューション機能)の強化と自己責任の負うことをしないと地方は再生しない。

小売流通における問題について

  • 洋服がまったく売れなくなった。小売流通に求めることは集客であるが、これが急激に落ちている。購買手法が多様化したということである。そういったことは無視できない。百貨店であれ、ショッピングセンターであれ、小売流通が正規の姿で生き残らないと、アパレル単独で生き残れない。そう考えた時に、時短の問題、労働時間の問題、バーゲンの時期の問題といったことについても考える必要があるが、これに対する指針がない。消費者目線で考えれば、強制力はないとは思うが、こういった問題に対してもあるべき形といったものを示してほしい。

ICTの重要性

  • 骨子では、将来展望として、EC、海外市場にチャンスがあるなどが上げられているが、そこにインフォメーションやインターネットのテクノロジーに関することを記載して欲しい。ICT関連のテクノロジーを理解して使わなくてはならない。トップの方のITリテラシーが非常に低いと言われているが、それは大手に限らないこと。大手でも零細の機屋などでも、やろうと思ったらできる。とにかくスピード勝負。世界がシステムを作る前に、日本企業が力をつけないと遅い。テクノロジーが5年から10年で、どう発展するか、それが業界に対してどのようなインパクトを与えるのか、そして、我々がそれをどう取り込めるかということについて、特にトップへの啓蒙的なアプローチについて、盛り込んではいかがか。
  • イノベーション、革新、変革のような言葉が無い。それは、今、我々が行わなければならないというビジョンを描くと同時に、前に踏み出す、それも従来の路線で踏み出すのではない。先程テクノロジーの話をしましたが、ビックデータの分析をするにも、人が大変不足している。なぜ、その様な人達が必要となるかは、革新を起こすには、最先端の最も効果的なものを戦略的に選び、企業としてアクションを取ることとなる。そのために、先程、トップのリテラシーの話をしたが、革新を起こす、イノベーションを起こすことを認識し、言葉として報告書に2、3回出てきて欲しい。

人材育成の重要性

  • グローバル企業が増えて、そうした企業が日本にもはいってくるようになると、優秀な人材の争奪戦は激化。質のみならず量的にも人材を取られてしまう。どのような人材が将来必要になるかを明確にすべき。アメリカのFIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)が2004年に、グローバル化、ICTが伸びるということで、業界有識者や教員、学生に至るまで様々な主体の意見を吸い上げてビジョンを書いた。そのビジョンの中では、グローバリゼーションやテクノロジーの重要性が上げられたのだが、リベラルアーツの重要性も上げられた。具体的には、専門家は幅広い業域、他の学域まで習得する必要があるといったものであった。これまで、デザイナーは、服のデザインだけができれば良かったが、それがクリエティブディレクション、ホームページ作成、さらにはITを活用したソリューションサービスにまで仕事の幅が広がっている。
  • また、教師の養成が必要である。2020年の教師はどうあるべきか。現状、教師は、10年後に活躍するであろう人材を10年前の知識で教えている。これは単に文科省の仕事ではなく、我々業界も真剣に考えていかなくてはいけない。FITでは、教師に必要な資質を5つ上げている。(1)グローバリゼーションを正しく理解していること、(2)指導構想力。指導する仕組みをどう構想するか、(3)学びを豊にする。学生が啓発されるような指導力、(4)プロフェッショナリズム。新しい人材についての見識を持っているか、(5)テクノロジーリテラシーである。
  • さらに、2013年に「ビヨンド2012」というビジョンを出した。アカデミックアンドクリエイティブエクセランスという改訂版を作った。アカデミックな分野とクリエイティブな分野を組み合わせて、卓越した人材を育てる。そして、イノベーションセンターを作り、世界のテクノロジーと企業家精神を調整しながら、創造性をアクションにつなげるインキュベーションをやる。さらに「Empowerment Student Community」これは、生徒自身がお互いに学び合い、刺激しあうといったもの。
  • 必要な人材のイメージ、それを育てるにはどうしたらよいか、そして企業がこうした人材を評価し、使いこなすにはどうしたらよいかといったことを考える必要がある。

若手デザイナー、中小小規模事業者への支援

  • サプライチェーンの問題については、大手は自ら改善するしかないと思う。大手のアパレルや百貨店では、旧態依然のものを変えていくため、動き始めているし、したがって、次の時代に対するビジョンが盛り込まれているかがポイントだと思っている。国がやることと企業がやることが分かれる。ファッションは多様性がある世界なので一様な解決策を示すことは難しいかもしれないが、国内製造業の力が、あと数年で数十パーセント減少するという中で、救済しなければならないブランドや工場が地方にすごくある。
  • これまでの政策なのかオーバーストアが放置されていた結果なのか、工場が業界の変化に付いていけなかった。まずは救済が必要である。潰れそうな工場に対して、今回のビジョンが答えになるか気になる。
  • 若手のデザイナーと話をすると「仕事を発注しないと潰れてしまうような高い技術力を持った工場がある。こうした工場を残そうと奮闘しているが、自社の力だけではどうしょうもない」と言っている。こうした工場に対する支援策もあるが、支援を受けるためには大量な資料を書かされる。報告書を書くために人を雇うので、結果的に支援が意味を成さなくなっている。これから5年間で支援を受けなければならないとつぶれてしまうような工場をどうしていくか。
  • 今年、JFWの参加企業は激減した。あまり有力なブランドが出ておらず、実力があるところは海外を目指している。世界のファッションウィークの中で東京が最後であり、そこでコレクションをやることにリスクを感じている。したがって、パリ、ミラノに進出するブランドがある。みな、一生懸命手弁当でショーをしている。アンダーカバーは海外で売れているが、なけなしのお金でショーをしているし、今話題のアンリアレジも商業的には成り立っていない。日本産地を背負っているような若手ブランドが全く報われていない。これからの未来を作る人たちにお金が回る仕組みを作らないといけない。
  • しっかりとものづくりをしている人を、テクノロジーを使って喚起していくことだとは思うが、今の骨子の書きぶりでは少し弱い。テクノロジー支援は小さな産地やデザイナーが活用できるようなものを作っていくべき。
  • 今まで、経産省はファッションショーの費用を出すだけで、夢を満足させることに税金を使ってきた。これを二度と繰り返してはならない。「救済」という言葉をビジネスに持ち込むのは止めるべき。クラウドファンディングを活用すれば良い。短期間にクラウドファンディングを活用して成功した企業は多い。製造事業者は、流通システムをつくる人、マーケティングする人を嫌う傾向があるが、対等の機能として認めて、上手く活用する必要がある。
  • 商品には、工業製品、工芸品、作品がある。工業製品には、マーケティング、流通システムがしっかりとしている。作品にはオークションシステムがある。しかし、工芸品の流通システムはあまりできていない。工芸品については、生産機能、つまり産地が崩壊すると逆転し、ブランディングできる。日本の皮革産業は消滅に瀕している。それによって、エルメス的なチャンスが訪れている。ココマイスターという企業が30億円の売上をアフィリエイトで得て、イタリアなどの良い皮の輸入を独占。縫製まで独占することで、工芸品流通は供給不足ビジネスモデルが成り立つ。こうしたファクトリーダイレクトビジネスの成功例として、鎌倉シャツが上げられるが、時計分野で爆発的に伸びているのは、メイカーズウォッチノットである。ノットは、クラウドファンディングで立ち上げ、フェイスブックのオペレーションで拡散。スピングループカンパニーは直販と卸のビジネスモデルを展開し、うまくいっている。
  • LVMHのように工芸品に特化した生産・流通を独占的に世界市場に向けて展開する国策会社を作るべき。これができる体質の会社は2社ある。オンワードホールディングスとアッシュペーフランス。この2社は日本に入れる仕組みでやってきたが、その仕組みは逆転できる。特に、アッシュペーフランスの仕組みを逆転し、工芸品の企業をその仕組みに乗せてあげればよいと思う。アッシュペーフランスのシステムに国が何か支援すべき。
  • アッシュペーフランスは、2万社を集めて展示会「rooms」を実施している。手工芸のような小さい企業も出展できる。インドネシア、タイなどから海外ブランドも招致していて、タイなどにはPRのための事業所を展開している。日本のブランドをアピールすることも重要。工芸品や手仕事などの小さい会社もカバーできるものであり、アッシュペーに協力する必要があるのではないか。

情報発信のためのワンプラットフォームの重要性

  • 海外に向けたオープンプラットフォームを構築する必要がある。J∞QUALITYのサイトも多言語化できておらず、海外の人にアピールできていない。
  • ファッションブランドや売り場、観光も含めて、ワンプラットフォームにして、海外にいかにアピールしていくか。2020年のオリンピックに向けて、日本にくる観光客も増えてくる。こうした人たちは、日本のブランドやその売り場を探せばよいか分からない。そのようなサイトは、既に開発されている。トリップアドバイザーなどともリンクして、日本の産業などをアピールするワンプラットフォームを作るべき。韓国は素晴らしいワンプラットフォームがあり、これを国主導で運営している。

海外へのファッションの発信

  • 海外では、「メイド・イン・ジャパン」ブランドは意外と「高いクオリティ」として認められていない。海外にいけばメイド・イン・イタリーも、刺繍はインド、イタリアなどある。メイド・イン・ジャパンのPR力は弱くなっている。海外に向けてアピールする場が足りない。ショー単体は大事ではない。継続しないと見向きもされない。日本のブランドは、支援がなくなると来なくなるといわれる。継続性のためには、インターネットでPRする拠点を作る必要もある。日本は助成金を出したきりで、効果が不明瞭(イベントを地元紙が取り上げない)という問題を改善しなければならない。報われるべき人が報われる仕組みを作るべき。
  • 先日、ミラノサローネを見てきた。これは、ミラノコレクションの後に行う工芸品の展示即売会。35万人が2.5km四方の大規模な会場に集まる。また、市内郊外ショールームがあり、町全体を上げて行っている。そして、世界の人がそこに集まり、そこで商売が生まれる。日本の工芸品を扱う企業も多く出ていた。日本にも、そういった場があってもよいと思った。
  • 骨子案の「アパレル産業の定義」に“ファッション”という言葉がない。素材産業的な分野と製品に付加価値を生み出すのがクリエーション力であり、それがファッション。これにより独自性を生み出すことが必要だということを付け加えてもらいたい。
  • ファッションショーをやって半年先のトレンドを作ってという慣習も一部見直されている。ITの普及により、消費者はショーの情報をすぐにつかみ、ショーで発表された商品をすぐに欲しがっている。それに対応しているデザイナーも出てきている。こうした動きも飲み込む必要がある。
  • 従来、ファッションというと、洋服を中心としたアクセサリー、雑貨といった商品分野ではあったが、こういったものだけでは、ファッションは発信できなくなってきた。洋服は単独で存在しえない。東京を複合化した大ファッション拠点として発信しないと人は来ない。国を上げて、東京をファッションの発信拠点することをまずはやるべき。アジアでは東京だということを発信する。また、未来志向型のものを含めて複合的にやるべき。

ファッションの定義

  • アパレル産業=ファッション産業ではないと認識。ファッションは広範囲な概念であると考えている。アパレルはファッションの一つの分野。特に、衣料品を中心にした分野であると考える。ファッションにはクリエーションがあって、両軸で成り立っている。
  • 衣料品のコストを下げ、品質が良く、感性が高く、国際競争力が高いものを提供することの理屈は正しいが、その製品はハイコストになるため、実現には不可能で簡単にはできない。そこを商品の付加価値として、消費者に認めてもらうためには、ふさわしい付加価値を付ける必要がある。その付加価値とは、クリエーションであり、ファッションであると思っている。
  • 服だけでなくライフスタイルに広がり行動にまで至っている。その全体がファッションである。そこで、日本が他の国にない日本的な意識を持ってリードすることはできる。それを起こす、従来のアパレルだけに限られたファッションを、体験や広範囲な多面的な感性だとかに広め、そこに新しい価値が生まれる。価値創造のためのイノベーション、革新。それが、ものの革新のみでなく、売り方やITの活用であろうと考える。新しい価値創造へ向けての革新とファッションは繋がっている。

日本のものづくり

  • メイド・イン・ジャパンが売れないから、生産拠点が海外に移った。国内回帰となると、ハードルが高いことに挑戦しなければならない。そのためには、付加価値を客に認めてもらうものづくり・商品を開発して展開することが答えであると考えている。日本の若手デザイナーのクリエーションは育ってきている。このクリエーションの力と日本のものづくりの力をジョイントして、一気にというわけにはならないが、特定の分野で地道に広げていくことを具体的に進めていきたい。

国内外市場の獲得に向け、J∞QUALITYの推進が重要

  • J∞QUALITYをどう運営し、活用して行くのかが重要だと考えている。J∞QUALITYプロジェクトが将来に渡り強い武器になるかどうかについては議論が多いところ。ここまで進めてきた意義は認めても、運営は力足らずである。例えば、インターネットの掲示を一つ見ても、外人には分からず、日本人しか分からない内容がかなり多いとか、商品認証点数も少ないといった課題がある。
  • J∞QUALITYをこれからのアパレルの試金石と考えている。当初、J∞QUALITYは日本の消費者を対象としたプロジェクトであったろうが、これまでの議論を踏まえると、J∞QUALITYは国内需要、インバウンド需要、さらに認知されれば海外展開にも役立つ。官民ともに協力し、J∞QUALITYの成果が得られるよう考えていく必要がある。
  • J∞QUALITYに対するイメージとしては、個々のアパレルブランドが海外に打ち出すには、個々の企業では力があると必ずしも言えない。アパレルが一丸となって、「日本クオリティ」が世界に認識されるのであれば、J∞QUALITYそのものが一つのブランドになるのではないかと考えている。例えば、イタリアやフランスは個々のブランドはしっかり浸透しているが、日本人の立場からみれば、(他のブランドも含めて、)イタリア産、フランス産と聞くとイメージは悪くない。海外の人達に、日本製というだけで、そのようなイメージをもたせることはできるのか。日本の個々のブランドを支える意味でも、海外で日本製品への意識を高めるために、J∞QUALITYのプロジェクトを強力に進めるべきである。そのためには、中味を充実させる必要がある。その点について、研究会の中で皆さんの意見をまとめていただきたい。現在の国産製品の市場占有率が3%は寂しい、第一段階として10%を取り戻すことを目標と考え、のやり方、進め方などを考えていく必要がある。
  • 海外市場に日本のものが認知されるのが、一番重要である。日本市場における話もあるが、海外では日本製品が認知されていない。インバンドを含め、いかに認知されていくかが重要。これを強く押し出して欲しい。

サプライチェーンの問題

  • 問題は、日本にはスピーディに対応できる生地問屋がなくなっているため、ファッションのスピーディさに対応できないことだが、スピーディに対応できる部分と、価値を追うことの両方求めた方がよいと考える。

国・業界それぞれが取り組むべきこと

  • この会議は、政策立案の参考とするため意見を委員から得ることと、民間の我々がアパレル・サプライチェーンをしっかり研究し、アパレル産業を振興させるということ、この2つが目的と理解。議論の方向をどのようにまとめていくのか、実際にどのように実行していくのかという点についての議論が前回の研究会までにはなかった。しっかりと方向付けして、修練していかないと、結局いい放し、聞き放しとなる恐れがあった。議論をまとめ、政策としてどう役立てていくのか、同時に、民間のアパレル産業がどのように活用して行くのかという点で、もう一段踏み込んで、アパレル・ファッション産業協議会の廣内委員の意見を聞いて、たたき台に反映していただきたいとお願いした。
  • 骨子を拝見した。まとまってきており、大まかではあるが今後我々がやるべきことが出始めているとの印象を持った。しかし、更に踏み込むが必要と思っている。やや課題が多すぎると思われる。全部やろうとしても不可能。アパレル・サプライチェーンが新たに立ち上がるためには、もう少し課題を絞り、その課題の中で民間が何をなすべきか、それに対し国が何をサポートするのかを具体的に決めていく必要がある。また同時に、それに関する工程表を考えて欲しい。
  • 骨子案において、国が政策として取り組む事と事業者が取り組む事の棲み分けが分かりづらいと思われる。国が担うべきものは、(1)国内外の規制の見直しであり、国や政策によらないと実現できないことであり、他国との交渉事である。(2)国内外の情報や、事業機会を探せる場あるいはシステムの提供、これはかなり公共性の高いものであるため、政策や国でないとできないこと。(3)人材育成支援。特に小規模の製造事業者のノウハウを継承して行く、日本の企業が持つものづくりの強みを受け継いでいくことでも、人材育成の支援は国でないとできないこと。この3点を軸に政策を考え整理することが分かりやすいと思われる。
  • (規制の見直しについて)国内では、労働時間をどうするのか。正規労働者と非正規労働者の扱いをどうするのかなど、良い意味でも悪い意味でも事業を規制している。自由度を高めるところは高める、正しく規制をかける場合はかけるとの整理が必要と考える。海外では、日本企業が海外進出をする場合、外国資本に対する規制があると思う。また、海外で事業を行おうとする時、きちんとした商品調達がそのマーケットで適切に行えないと意味がない。その様な事業規制や非関税障壁を、国と国との交渉により、日本にとっての自由度を獲得していく。これらの取組に力を入れて行っていただきたい。
  • 現状の骨子案では、企業が取り組むべき事例が列挙されているだけといった印象だが、こうした事例がもう少し企業が深掘りして実行できるようなネタになると良いと思う。
  • 目の前の困っている企業を助けるのは、企業努力に委ねるべき部分がかなりあると思っている。企業が事業を行う場合の自由度を上げていくのが国として取り組むべきものと考える。
  • 本報告書のペーパーは、現状と課題をしっかりと認識でき、データ類なども豊富でビジュアル的にも分かりやすい。各団体、企業のトップがこのデータをもとに議論を起こすような使い方をすると良いのではないか。今回の研究会で上がったテーマについては、業界全体の問題と意識して、運動にしていかなければならない。

以上

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最終更新日:2016年5月18日
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