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グローバルサービス創出研究会(第5回)-議事要旨

日時:平成29年3月8日(水曜日)14時00分~16時00分 
場所:経済産業省 本館17階東8 共用会議室1

出席者

(50音順、敬称略)

大石委員、神谷委員、北尾委員、北川委員(座長)、北野委員(代理:松本氏)、清宮委員、鈴木委員、張委員、野沢委員、松﨑委員

議題

  • 企業の海外展開の事例
  • 企業の海外展開における課題等
  • 今後の世界のサービス産業について
  • 海外展開に挑戦、海外事業の拡大を目指す事業者へのメッセージ

議事概要

研究会の総括として、公開成果発表会を開催した。事務局より研究会の目的・概要・主な成果を説明の後、上記の議題についてパネルディスカッションを行った。
パネルディスカッションにおける委員からの主な発言は、以下のとおり。

企業の海外展開の事例

  • 北尾委員(株式会社公文教育研究会)、松本代理(キュービーネット株式会社)、清宮委員(株式会社力の源ホールディングス)、松﨑委員(株式会社良品計画)が、各社の海外展開戦略や最新の海外展開状況について概略を説明。

企業の海外展開における課題等

(1) ヒト・人材

  • 日本流のサービスや日本に根差した企業文化を、現地で「翻訳」できる人材が必要。
  • 日本で留学生を積極的に採用・教育すべき。有能な留学生の確保のためには、留学生を引きつけられるブランドと、留学生のモチベーションを維持する仕組み作りが大切になる。
  • 海外でマネジメントできる日本人人材を育成するためには、マーケティング、会計、財務等の感覚をつかませてから現地に出し、小さな組織で責任を持たせること効果的。
  • たとえば、ある会社では、20代後半の優秀な社員を選定して海外に派遣し、現地でOJTを施せるレベルに育てるプログラムを持っている。
  • 現地人材は、価値観や日本流への適用能力等を見極めて採用することが大切。自社の特色と理念をしっかり理解してもらうためには、日本での研修も有効。

(2) カネ・経営

  • 現地のマネージャーが資金繰りに気をとられないよう、一定の事業規模に至るまで借入金に頼らない範囲の出資を行うか、リターン回収を厳密に計画することが大切。
  • 自社の最強フォーマットで戦わないと、競争に勝ち残ることは難しい。グローバルでビジネスプロセスシステムを共通化すれば、効率が高くなる。
  • 進出先の状態に応じた投資形態の使い分けが必要。フランチャイズ、ライセンス等も選択肢に加えるべき。フランチャイズ、ライセンス等で運営する間に、マジョリティ出資に切り替える際に必要になる優秀な経営人材を見極められる。
  • 外食産業の海外展開はライセンス契約が一般的だが、ブランディングの上で重要な場所は直営にして確実に質を保つという考え方もある。
  • 中長期的な視点での資金計画が必要。たとえば、調査、一号店出店の環境整備、一号店の安定運営、複数店化、多店舗化にフェーズを分けるなど。海外展開戦略、戦術、成長ステージをクリアにし、ワーストシナリオやリスクも考慮に含めることが重要。
  • 現地における各種法規制への対応が課題。政府による支援として、たとえば相手国に対する規制緩和の働きかけ、各国規制情報の整理・情報提供が求められる。
  • アカデミアによる貢献としては、定性的、感覚的に正しいとされていること、相関があるとされていることを、定量的に示す等の取組が考えられる。

(3)ブランド

  • ブランドの重要性は、端的に言えば「高く売れる」こと。
  • ブランド力があると、賃借料や出店料、棚料の交渉でも有利になる。
  • ブランド力を高め、維持していくためには、経営全般を通した仕組みづくりが必要。知財や品質を守るのみならず、適切なマーケティングが実践されてブランド力の強化につながる。
  • 強いブランドでないと生き残ることは難しい。強いブランドとは、しっかりとしたブランド・アイデンティティをもち、差別化できているブランドのこと。
  • 自社ブランドの独自性と強み、他社との違いを示し、消費者に共鳴してもらう戦略が必要。
  • 世界共通の基本的価値基準を設定し、均質なサービスを提供できることもブランド。

今後の世界のサービス産業について

  • 日本のサービス産業の生産性は、米国と比較して依然として低い。労働集約的な状態から脱し、システム化して、効率性や付加価値を高める仕組みづくりが必要。
  • サービス貿易の重要性は増大している。日本のモノの貿易に対するサービス貿易の比率は、主要国の中では低い方であるが、サービス輸出の伸びは製品輸出の伸びを上回っている。
  • ステージによって消費者のニーズが異なる。例えば、日本食が浸透している市場では「本物」が求められる一方、浸透途上の市場では現地の好みに合わせた日本食に人気が集まる。従って、進出先を検討する場合は、どのような戦い方をしたいかを決め、進出先市場のステージとポテンシャルを見極めて、意思決定を行う必要がある。
  • 規模が大きくても、自社の強みを発揮できない市場では、生き残っていくことは難しい。自社のビジネスに即して戦略を検討することが重要。
  • 新興国/地域の進出先選定にあたっては、人口密度も重視すべき。アジアではフィリピンやベトナム、インドに注目。小売業界ではATカーニーがGlobal Retail Development Indexというランキングを出しているが、やや市場としての規模に引きずられている印象がある。
  • 中東の人が集まるマレーシアは、イスラム圏への進出の足がかりになる国。
  • 先進国/地域の方が、規制や物流インフラにおいて障害が少ない。特に北米で成功すれば、日本に対するハロー効果も大きい。
  • 新興国/地域では、規制面が十分に整備されておらず、急なルール変更に悩まされることも多い。進出にあたっては、自社の商品・サービスが届く実質的な市場規模を意識し、物流やお金の流れ、規制等を入念に調査すべき。価格設定も細やかさが必要。
  • 進出先の決定にあたり、自社の製品・サービスと進出先の文化や国民性との親和性も大事。ビジネスも人と人とのつながりなので、経済合理性にプラスしたアナログの感覚も必要。

海外展開に挑戦、海外事業の拡大を目指す事業者へのメッセージ

  • 自社の最も強いフォーマットで戦うべき。海外進出は一つ一つの小さな成功体験の積み重ねが大切。
  • 自社の強みや価値観の明確化、その価値観を共有できる現地経営人材の獲得、撤退ラインの設定とワーストシナリオの想定の3点が大切。
  • 価値観は変えない一方、ルールは状況に応じて柔軟に変えていく姿勢が求められる。
  • 「なぜ海外展開するか」という軸をぶれさせないことが最も重要。その上で、環境変化への対応力、世界共通の教育システムを整備すべき。
  • 展開先に関する事前調査が必要。「調べ過ぎ」はない。市場性とともに、規制が多い場合は、営業ライセンスの必要性、関連法の有無、物流や海外送金の容易性等を確認すること。しっかり事前調査を行い、最後は現地をしっかり見てから進出先を決断することが重要。
  • グローバルでは日本の常識は通じない。海外展開は、戦略論と組織論の両睨みで、ブランディングやマーケティング、組織、人事など、総合的な視点で進める必要がある。

以上

関連リンク

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商務情報政策局 サービス政策課

最終更新日:2017年4月20日
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