経済産業省
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自動走行ビジネス検討会(第1回)-議事要旨

日時:平成27年2月27日(金曜日)15時30分~18時15分
場所:経済産業省本館17階東8第1共用会議室

出席者

(五十音順)

有本 建男(政策研究大学院大学 教授)
大村 隆司(ルネサスエレクトロニクス株式会社 執行役員常務)
小川 紘一(東京大学 政策ビジョン研究センター シニアリサーチャー)
加藤 洋一(富士重工業株式会社 執行役員)
加藤 良文(株式会社デンソー 常務役員)
鎌田 実(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
川端 敦(日立オートモーティブシステムズ株式会社 取締役)
坂本 秀行(日産自動車株式会社 取締役副社長)(代理:長谷川環境・安全技術渉外部長)
重松 崇(富士通テン株式会社 代表取締役会長)
柴田 雅久(パナソニック株式会社 常務役員)(代理:岡田ADAS開発センター所長)
清水 和夫(国際自動車ジャーナリスト)
周 磊(デロイト トーマツ コンサルティング株式会社 執行役員 パートナー)
須田 義大(東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター長 教授)
高田 広章(名古屋大学 未来社会創造機構 教授)
中野 史郎(株式会社ジェイテクト 常務取締役)
永井 克昌(いすゞ自動車株式会社 取締役専務執行役員)
永井 正夫(一般財団法人日本自動車研究所 代表理事 研究所長)
藤原 清志(マツダ株式会社 常務執行役員)
水間 毅(独立行政法人交通安全環境研究所 理事)
山本 芳春(本田技研工業株式会社 取締役専務執行役員)
吉貴 寛良(トヨタ自動車株式会社 常務役員)
一般社団法人電子情報技術産業協会
一般社団法人日本自動車工業会
一般社団法人日本自動車部品工業会
一般社団法人日本損害保険協会
日本自動車輸入組合

開催の趣旨

都市を中心に世界の人口が増加し、自動車の更なる普及拡大が想定される中で、また、高齢化が進む中で、交通事故の削減や渋滞の緩和、環境負荷の低減等は大きな課題である。今後、既存の取組だけでは抜本的な解決が難しくなることも予想されることから、新たな取組である自動走行への期待は高く、関連する市場の拡大も見込まれる。
我が国にとって、成長が期待される自動走行における競争力の確保は重要であるが、我が国自動車メーカーが欧米自動車メーカーとともに世界をリードする一方で、例えば、部品やサービスについては、欧米勢の取組が極めて活発であるなど、決して楽観できない状況もある。また、自動走行については、従来の自動車技術以上に、業界内や業界間あるいは産学の協調、さらにはユーザーの理解向上が求められることから、我が国がこの分野で世界をリードするためには、関係者による戦略的な取組が期待されるところである。
本検討会では、このような問題意識の下、我が国が自動走行において競争力を確保し、世界の交通事故の削減等に積極的に貢献するため、現状の課題を分析し、必要な取組を検討する。

議題

  • 座長の互選
  • 自動走行に係る我が国自動車産業の競争力の現状
  • 自動走行に係る我が国の産学連携の現状

議事概要

(1) 委員による互選の結果、座長に鎌田実委員が選出され、鎌田座長から挨拶がなされた。

(2) 自動走行に係る我が国自動車産業の競争力の現状

事務局・委員からのプレゼン

  • 自動走行の将来像については、自動車メーカー間でもイメージが分かれる。また、自動車メーカーについては、日欧が市場をリードしているが、自動車部品メーカーについては、日系の世界シェアは小さく、また、縮小傾向にあるものも目立ち、欧州勢の競争力が高まっているとの見方が多い。欧州勢の競争力が増し、日系自動車部品メーカーが弱体化した場合、日系自動車メーカーがトップランナーとしての製品開発ができなくなる恐れがあるため、自動走行の将来像の明確化や協調領域の特定、研究・施設に対する支援、ルールづくり等に取り組むことで日系自動車部品メーカーの競争力強化を図ることが期待される。
  • 欧州は競争と協調を使い分け、仕組みづくり、仲間づくり、展開促進をシステマティックに推進したと認識。日本でも、技術開発、ものづくりの前にビジョンを明確にし、ロードマップを複数企業、産業で共有化し、産学官・産業間の人的流動性を高め、大きな連携を構想できるリーダーの育成し、また、協調と競争を使い分けることが重要。

討議

  • ユーザーが何を求めているかということについて、アメリカの自動車メーカーも関心を持っており、ユーザーの立場になってHMI等の開発を行っている。今後、日本として、ルールメーカーであり、ものづくりにこだわるドイツ追従型を継続するのか、あるいは、アメリカの市場原理主義のような少し違った考え方を目指すのかを議論すべき。
  • 自動走行分野については、日系サプライヤが競争力を有している部品もあり、日本独自の技術戦略を議論しても良いかもしれない。
  • ティア2は商売相手となるティア1をグローバルに捉える必要がある。欧州のティア1は日本のティア2の技術を戦略的に上手く使っている。
  • 自動走行分野については、日系サプライヤが競争力を有している部品もあるが、日系自動車メーカーであっても、欧米サプライヤからの調達比率が高まっていることは事実。
  • 日系自動車メーカーとしては、システムではなく、単品の部品で調達を行い、自社でインテグレートすることにより、コア技術のブラックボックス化を防いでいるため、現時点において、欧州サプライヤからの調達比率が高まっていることに脅威を感じているわけではないが、仮に、システムをブラックボックスのままで調達せざるを得なくなるとすれば、大変危険であるため、そうならないようにしていく必要がある。
  • ユーザーが何を求めているかも踏まえ、日本として自動走行によって何を目指すのか考える必要がある。その中で、日本として、無駄な労力を使わずに、協調して取り組むべきものをまとめていくことが重要。
  • 日系サプライヤは、自動車メーカー毎に異なる仕様に対応する中で、体力を消耗しているところもある。車全体の価値を自動車メーカーとシステムサプライヤでどのように取り合うかという議論をするのではなく、製品の差別化につながらない、もしくは、安全性をしっかり担保するために協調が可能な領域と、それ以外の競争するべき領域をしっかりと区別するための議論をする必要がある。
  • 欧州では、ハンドルから手を離すのは、眠りたいというユーザー側の要望の現れであると言われているが、それを実現するためには、自動回避なりの機能が発達している必要がある。ユーザー目線での自動走行のあり方の検討は必要。
  • 3D地図等といかに協調していくかも重要。
  • ルールメイクも重要。オープン・クローズについてよく考え、技術は公開されているが、知的財産権等によって実質的に独占されてしまうことがないように注意する必要がある。
  • 自動車が外部と繋がるようになるため、セキュリティなども重要性が増す。また、ユーザーニーズについては、世代、時期、地域によって異なることに留意しながら議論を進める必要がある。さらに、競争力を持つためには人材育成が重要であるが、日本はある程度の資金を米国の大学・研究機関に投入している。5年10年のスパンで人材育成を考えるべき。
  • 自動車メーカーは各社のブランドがあり、競争領域と協調領域の考え方が異なることに留意する必要がある。また、ユーザーがどのようなライフスタイルを求めるのかが重要。若い世代は自動車が外と繋がることが大事な要素。
  • 大型車の自動走行は乗用車と比べ、重い、大きい、積荷で重心等が変わるといった課題があり難易度が高い。大型車の事故削減は重要。法規化されているAEBSやEVSCの技術がさらに向上するだけでもかなり事故削減に繋がる。大型車はボリュームが出ないので、専用で作ってくれるサプライヤがいるかどうか。欧州のトラックは全てディスクブレーキであり、逆に日本のトラックはディスクブレーキを使用していない。ディスクブレーキを前提にした欧州の技術基準などが入ってくると日本のサプライヤから調達できなくなるという懸念もある。また、しばらくはドライバーに頼ることになると思うので、ドライバーの状態を監視する技術の研究も重要。

(3) 自動走行に係る我が国の産学連携の現状

事務局・委員からのプレゼン

  • 自動走行に係る大学・研究機関との共同研究は、国内よりも欧米において活発。その背景としては、欧米の大学・研究機関が、産業側のニーズを理解し、ニーズに応えるための機能の拡大を進めていることが考えられ、結果として、世界の人材を集めて育成する基盤、協調推進の基盤の形成につながっている。
  • 日本の大学では論文発表が第一であること、これまでの自動車技術では大学を頼る必要性に乏しかったこと等から、自動車分野での産学連携は低調であった。しかし、自動走行については、研究領域の広さ・深さ等から、産学連携が必要になり、産学連携が活発な欧米が競争上有利になる恐れがある。我が国において、SIPで協調領域を整理し、産学連携での共同研究を進めているのは画期的なことであるため、今後さらに協調領域を広げ、また、産学連携の受け手となる大学・研究機関の強化についても検討を進めるべき。具体的には、共用のテストコース等を有し、産学の人材交流につながる研究拠点を形成した上で、協調領域について産学連携での研究を進めてはどうか。

討議

  • 我が国において産学連携が弱いのは事実。学には、ユーザーの視点を入れることや、産業界同士だけでなく、省庁間の連携を促すことについても貢献できるところがあるはず。
  • 日本の大学では、論文で評価されるため、産学連携に熱心でない教員も多い。ただ、大学の予算が減ってきており、外部から資金を調達する必要性も出てきているため、大学のメンタリティも変わってくる可能性がある。また、自動車業界も、自動車が外部とつながるようになる中で、自動車業界だけでは対応できないことも出てきており、大学との連携を求める部分も出てくると思われる。そのため、産学連携は積極的に進めて行きたい。
  • 大学政策や科学技術政策の観点からは、2016年の4月から国立大学の中期目標や第5期科学技術基本計画が動き出す。それらに係る議論の中で、大学のあり方等についても議論が進んでいくと考えられる。大学は、省庁間の壁や業界間の壁を超えて人が集まりやすいところなので、活かしていくべき。
  • 研究機関も、基準化の根拠となる各種研究や実験を行い、また、海外の研究機関と共同研究も通じて、標準化・基準化に対して貢献することが可能。

(4) 次回検討会について

  • ユーザーニーズを踏まえた自動走行の将来像、重点協調分野、基準や標準等のグローバルなルールメイク、産学連携拠点について議論を深めたい。

関連リンク

お問合せ

経済産業省 製造産業局 自動車課
電話:03-3501-1690
FAX:03-3501-6691

国土交通省 自動車局 技術政策課
電話:03-5253-8591
FAX:03-5253-1639

 
 
最終更新日:2015年3月31日
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