経済産業省
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自動走行ビジネス検討会(第2回)-議事要旨

日時:平成27年4月14日(火曜日)15時30分~17時40分
場所:経済産業省本館17階東8第1共用会議室

出席者

(五十音順)

有本 建男(政策研究大学院大学 教授)
大村 隆司(ルネサスエレクトロニクス株式会社 執行役員常務)(代理:板垣第一ソリューション事業本部 シニアエキスパート 兼) 車載事業戦略部長)
小川 紘一(東京大学 政策ビジョン研究センター シニアリサーチャー)
加藤 洋一(富士重工業株式会社 執行役員)
加藤 良文(株式会社デンソー 常務役員)
鎌田 実(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
川端 敦(日立オートモーティブシステムズ株式会社 常務取締役)
小西 工己(トヨタ自動車株式会社 常務役員)
坂本 秀行(日産自動車株式会社 取締役副社長)(代理:浅見専務執行役員)
重松 崇(富士通テン株式会社 代表取締役会長)
柴田 雅久(パナソニック株式会社 常務役員)
清水 和夫(国際自動車ジャーナリスト)
周 磊(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員 パートナー)
須田 義大(東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター長 教授)
高田 広章(名古屋大学 未来社会創造機構 教授)
中野 史郎(株式会社ジェイテクト 常務取締役)
永井 克昌(いすゞ自動車株式会社 取締役専務執行役員)
永井 正夫(一般財団法人日本自動車研究所 代表理事 研究所長)
福尾 幸一(本田技研工業株式会社 専務執行役員)
藤原 清志(マツダ株式会社 常務執行役員)
水間 毅(独立行政法人交通安全環境研究所 理事)
一般社団法人電子情報技術産業協会
一般社団法人日本自動車工業会
一般社団法人日本自動車部品工業会
一般社団法人日本損害保険協会
日本自動車輸入組合

議題

  • 第1回の振り返りと今後の論点
  • 自動走行の将来像
  • 自動走行に係る協調領域
  • 自動走行に係る産学連携(大学・研究機関に期待される機能について)

議事概要

(1) 第1回の振り返りと今後の論点

第1回検討会での討議内容を振り返り、自動走行の将来像の共有、競争領域と協調領域の戦略的切り分け、産学連携の促進、ルールメイク(基準・標準等)への戦略的関与、及び、IT業界との連携のあり方を今後の論点とすることを確認した。

(2) 自動走行の将来像

事務局からのプレゼン

  • 自動走行の将来像については、自動車メーカー間でもイメージが分かれるほか、高度な自動走行の具体的なアプリケーションや事業モデルは、国内及び欧米いずれも不明である。また、公道における高度な自動走行に係る制度の国際的な議論の場では、慎重な意見が多い。他方、国内及び欧米のエンドユーザーは、高度な自動走行の導入にポジティブ。特に、国内では、高齢者等の移動支援のための新たな交通システム、駐車場における事故の防止や駐車スペースの有効活用のための自動駐車、ドライバーの健康起因事故対策のためのデッドマン装置、及び、運輸業界等におけるドライバー不足の緩和のための隊列走行等に対するニーズが高いと考えられる。

討議

  • 高度な自動走行による新たな価値については、国内及び欧米に共通するものと国内独自のものそれぞれについて議論するべきではないか。また、例えば、離島におけるアプリケーションや限定空間における無人走行等、ユースケースに係る議論をするべき。
  • 自動走行は、技術の発展に応じて段階的に高度化するのではなく、シーンに応じてシステムに任せられる範囲が変わるのではないか。そのため、ユースケースを想定し、組み立てていかないと将来像を描けないのではないか。
  • ACC(Adaptive Cruise Control)が搭載された車両は増加してきているが、実環境ではなかなか使われていないのが現状と認識。他方、米国では無人での自動駐車等、高度な自動走行を想定した社会実験等が行われており、ニーズを踏まえつつできるところから進めることも必要ではないか。
  • 我が国の自動走行の将来像を協調して議論するためには、何のために自動走行を行うべきなのか、大義が必要。人間の生命を守ること(安全)が自動走行に対する大義ではないか。
  • 安全が大義であることはその通りであるが、自動走行には様々な活用の可能性がある。例えば、物流業界にとってはドライバー不足の解消も大義となる。隊列走行や高齢者の移動支援等、可能性のあるところからやってみることも必要ではないか。
  • 交通事故ゼロを目指すことはゆるぎない大義。他方、そこに向かう中で発達する自動走行技術は、トラックのドライバー不足緩和や後期高齢者の社会参加促進、オリンピックのショーケース等、様々な可能性がある。
  • 目指すべき自動走行の将来像に関する検討は引き続き継続して行ってはどうか。

(3) 自動走行に係る協調領域

事務局・委員からのプレゼン

  • 自動走行については、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システムを中心に協調領域の研究等が進められている。自動車メーカー・サプライヤ・有識者から協調領域とすべきとの声があった技術領域のうち、車車間・路車間等の通信技術やヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)、国内の事故データベース構築等は、SIPでカバーできている。他方、セキュリティや機能安全等の基盤技術、自動走行用高精度地図等の認知に係る技術、人間研究等の操作に係る技術、一般ドライバーへの理解・啓発活動等の環境整備、ドライビングシミュレータ等による効果評価についても協調領域とすべきとの声があったが、SIP等では必ずしもカバーできていないのではないか。
  • 欧州は国際標準化等の活用により、車載半導体や車載ネットワーク等において標準技術を浸透させ、クルマの価値が還流する仕組みを構築。我が国としても、欧州の動向を踏まえつつ、競争価値となりうる協調領域を定義し、国際標準化等を進めるべきではないか。協調領域として、車載セキュリティ、機能安全、認識・学習アルゴリズムが考えられる。特に、高度な自動走行では通信(インフラ)から車両制御まで一貫して考える必要があり、車載セキュリティ及び機能安全について、標準的な要件定義を他業界の連携も含め協調して推進することが重要。また、認識・学習アルゴリズムについては、ディープラーニング等の研究が米国を中心に活発化していることを踏まえると、自動走行システムへの共同利用を可能とする機械学習アルゴリズムの開発及び開発の基盤となるデータベースの構築が必要ではないか。
  • 国内のサプライヤが大きなシェアを有する部品はいくつかあるが、欧米はM&A等により追い上げを開始している。特に欧州は、機能安全や車載ソフトウェア等の標準化も主導することで影響力を高めてきており、決して楽観できない状況。高度な自動走行では、機能安全の対象が車両単体だけではなくインフラ等にも拡大するであろうことを踏まえると、対策を検討すべきリスクの想定等を協調して進める必要があるのではないか。

討議

  • 欧米では従来から、いわゆる大義の下で協調した取組を進めてきており、特に近年は、戦略的に標準化等を活用し、市場シェア拡大も進めているのではないか。機能安全等の標準化を推進する際は、戦略的な仕組みづくりが必要。
  • 車載ソフトウェアプラットフォームについては、既に欧州による寡占化が進みつつあると認識。特にソフトウェア領域は、ニーズが顕在化してからの取組では遅く、先を見据えた取組が必要。
  • 国際標準だけではなく、国際基準の場で議論を主導できる体制も必要。例えば、交通事故ゼロに向けた取組をアジアも含めて議論し、国際基準の場に仕掛けていくことも必要ではないか。
  • 認識・学習アルゴリズムについて、産学連携で協調して推進することが必要。米国に主導される等すると、コストの高いものを使わざるを得なくなる懸念。
  • 他業界との連携の際は、海外にも目を向ける必要があるのではないか。例えば、イスラエルはセキュリティに係る技術を保有。
  • 安全を大義として協調した取組みを進めることは必要だが、安全の中にも差別化領域はあると認識。安全についても協調領域と競争領域の切り分けが必要ではないか。また、国を中心とした取組にも期待。例えば、欧州プロジェクトの中には、実用化に近い領域についても協調して議論している取組みもある。
  • 基準・標準だけではなく、例えば自動走行に係るアセスメントも協調領域ではないか。自動走行では、思わぬものに衝突するケースも想定され、それを踏まえた評価方法も必要。
  • 自動走行に係る海外動向だけではなく、IoTやIndustry 4.0に係る動向も踏まえ、協調のあり方を考えるべき。その上で、それを推進する体制も考える必要があるのではないか。
  • 協調領域として、車車間・路車間等、通信に係る取組やセキュリティ技術、半導体技術は重要。また、安全を大義とすることもその通りであると考える。他方、交通事故ゼロに向けた取組の基準化の検討には、欧米が相対安全を基本としていることを踏まえると、注意が必要。
  • 協調領域として、(1)制度、企画:免許制度等 (2)評価手法(HMI等アカデミックなバックグラウンドを有した客観的な評価が必要) (3)基盤技術:人工知能、セキュリティ、フェールセーフ等があると考える。また、当面の対応として、他国の良いもの、使えるものを使っていくという協調も必要。
  • 協調した取組にあたって大義は必要。安全という大義の下、人間研究を協調して推進し、自動走行がどのようにドライバーの支援につながるか検討することが重要。また、事故データベースの構築や機能安全についても協調した取組が必要である他、半導体への実装の仕組みも協調することが重要ではないか。

(4) 自動走行に係る産学連携(大学・研究機関に期待される機能について)

事務局からのプレゼン

  • 大学・研究機関には、機械学習等の先端技術に係る基礎研究のみならず、製品化を意識した応用研究や人材育成等、機能の拡大やそれを実現するための人材面、設備面での手当てが求められている。人材面では、企業ニーズを理解しつつ、共同研究等を推進可能な人材の育成等や、産学が互いの立場を尊重しながら人材交流を進める仕組み等が期待されている。また、設備面では、基礎研究や応用研究を進めるにあたって必要となる設備・環境のほか、大規模テストコース等、個社だけでは運営できない設備・環境が期待されている。特に、自動走行のためのテストコースに対するニーズは高く、市街路や各国の道路環境、高速道路等の再現が求められている。

討議

  • ビッグデータの活用も踏まえ、データ蓄積・解析に係る設備も必要ではないか。
  • 安全を大義とする場合も、自動走行のユースケースは様々であり、それらを模擬する市街路や高速道路は必要。また、人間研究も推進し、標準化等につなげることが重要。この他、ドイツの大学には企業実務経験者が多く存在し、企業との人材交流も活発であることを踏まえると、人材交流のあり方も検討が必要。
  • 大学には医学、法学等、多様な人材が存在することが魅力。また、ベンチャー企業の組成も大学の役割の一つ。設備面について、人間研究にあたっては、ドライビングシミュレータの活用も協調して取り組むべきではないか。
  • ITや人間工学に係る人材の確保には苦慮している。これらの人材育成も大学には期待したい。
  • 若い世代への自動走行のアピール方法も考えたい。例えば、機械連結式のバスは、乗客が少ないと非効率だが、電子連結の活用等により柔軟な運用ができることをアピールできれば、関心も高まるのではないか。

(5) 次回検討会について

  • 自動走行に係る産学連携(今後の取組について)、ルールメイク(基準・標準等)への戦略的関与、IT業界との連携のあり方について議論を深めたい。

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FAX:03-3501-6691

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電話:03-5253-8591
FAX:03-5253-1639

 
 
最終更新日:2015年5月13日
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