経済産業省
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自動走行ビジネス検討会(第3回)-議事要旨

日時:平成27年5月14日(木曜日)15時30分~18時00分
場所:経済産業省本館17階東8第1共用会議室

出席者

(五十音順)

有本 建男(政策研究大学院大学 教授)
大村 隆司(ルネサスエレクトロニクス株式会社 執行役員常務)
小川 紘一(東京大学 政策ビジョン研究センター シニアリサーチャー)(代理:立本筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授)
加藤 洋一(富士重工業株式会社 執行役員)(代理:荻原技術戦略PGM)
加藤 良文(株式会社デンソー 常務役員)
鎌田 実(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
川端 敦(日立オートモーティブシステムズ株式会社 常務取締役)
小西 工己(トヨタ自動車株式会社 常務役員)
坂本 秀行(日産自動車株式会社 取締役副社長)(代理:浅見専務執行役員)
重松 崇(富士通テン株式会社 代表取締役会長)
柴田 雅久(パナソニック株式会社 常務役員)
清水 和夫(国際自動車ジャーナリスト)(代理:吉岡自動車ジャーナリスト)
周 磊(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員 パートナー)
須田 義大(東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター長 教授)
高田 広章(名古屋大学 未来社会創造機構 教授)
中野 史郎(株式会社ジェイテクト 常務取締役)
永井 克昌(いすゞ自動車株式会社 取締役専務執行役員)(代理:藤森企画・財務部門統括補佐)
永井 正夫(一般財団法人日本自動車研究所 代表理事 研究所長)
福尾 幸一(本田技研工業株式会社 専務執行役員)(代理:横山本田技術研究所上席研究員)
藤原 清志(マツダ株式会社 常務執行役員)
水間 毅(独立行政法人交通安全環境研究所 理事)
一般社団法人電子情報技術産業協会
一般社団法人日本自動車工業会
一般社団法人日本自動車部品工業会
一般社団法人日本損害保険協会
国立研究開発法人産業技術総合研究所
特定非営利活動法人ITS Japan
日本自動車輸入組合

議題

  • これまでの振り返りと今後のスケジュール
  • 自動走行の将来像の共有
  • 自動走行に係る産学連携の促進
  • 自動走行に係るルールメイク(基準・標準等)への戦略的関与
  • 自動走行に係るIT業界との連携のあり方
  • 中間取りまとめ骨子(案)

議事概要

(1) これまでの振り返りと今後のスケジュール

これまでの討議内容を振り返り、自動走行の将来像については、我が国として自動走行で何を目指すのかやそれを具体化するアプリケーションについて今後議論を深めること、競争領域と協調領域の戦略的切り分けについては、第2回検討会の議論を踏まえて協調して取り組むべきテーマの具体化等について検討することを確認した。

(2) 自動走行の将来像の共有

事務局・委員からのプレゼン

  • 本検討会の下にワーキンググループ(WG)を設置し、我が国として、自動走行で実現すべき価値やそれを具体化するアプリケーションについて検討を行ってはどうか。検討の対象は、ユーザーも含めた関係者の協調の下で検討を行うことが有効であり、2020年以降2030年頃までに実現が期待される価値やそれを具体化するアプリケーション。本検討会では、実現すべき価値(あるいは対応すべき社会課題)として、「安全・安心」、「環境・エネルギー問題」、「労働力不足」、「自動車利用環境の向上」等を想定し、それらを具体化するアプリケーションとして、「デッドマンシステム」、「トラック隊列走行」、「ラストワンマイル自動走行」、「自動駐車」が、例示されたところであるが、これ以外の価値やアプリケーションも含め、できるところからWGの検討対象とする。また、WGでは、実現に向けた議論(事業モデルの妥当性、安全性、社会受容性、標準化、国際展開の可能性等を検討。必要に応じて制度環境整備についても検討。)を行い、今年度中に一定の結論を得た上で、来年度以降、実証等の更なる具体的な取組を検討する。
  • 将来的にはドライバーが運転をしなくなる可能性もあるので、これまでのアイコンタクト等による道の譲り合いが出来なくなるかもしれない。よって、クルマとドライバーだけでなく、クルマと歩行者のヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)を考えることも重要ではないか。実際に一部の海外メーカーは取り組みを始めている。

討議

  • 自動走行は、安全はもちろん、環境・エネルギー問題や交通渋滞の問題、高齢化の問題など、様々な課題解決に有効である。高度な自動走行の実現するためには、歩行者等の人間の意思を推定する高度なAIやHMIがポイントになるのではないか。
  • できるところから検討対象として取組むことは重要である。ただし、まずは競争領域として扱うということを確認した上で、取組を進めるべき。
  • 2020年の東京オリンピック・パラリンピックも見据えて検討を進めた方が良いのではないか。
  • 東京オリンピック・パラリンピックに向けては、SIPで議論が進んでいると認識しているところ、SIPとも相談しつつ、本検討会においてはSIPでは議論されないところに焦点を当てたほうが良いのではないか。

(3) 自動走行に係る産学連携の促進

委員からのプレゼン

  • 産学連携の研究機能を強化するために、大学・研究機関は、尖った基礎研究と社会実装のサポート、協調テーマの検討・調整・企画・実行、人材育成といった役割を果たしていくべき。他方、欧米に比べると、我が国における産学間の人材交流は低調であり、産業界のニーズを把握した人材が学側に少ない。今後、大学側で議論を深めて提案をまとめ、産業界の意見をくみ取る場を設定していきたい。設備面については、認識・学習アルゴリズムの高度化や事故低減効果等のシミュレーションに関する研究や開発した技術の性能評価等に向け、国際協調も踏まえつつ、企業/大学・研究機関双方が幅広く利活用できる設備や仕組みの構築が必要。最終的には、ナショナルセンターのような産学官連携拠点を設け、そこが人材交流・育成や協調テーマの検討・調整・企画・実行も含め、中心的な役割を果たすようなイメージをもって、産学連携体制について検討を進めてはどうか。第2回検討会での議論を踏まえた人間特性の研究、認識・学習アルゴリズム、機能安全、セキュリティ、試験方法等に係る協調して取り組むべきテーマについては、関係する研究機関が中心となって、関係者へのヒアリング等を進め、具体化していきたい。
  • 自動走行においては、システムや技術の標準化だけでなく、新技術を牽引するための試験法や評価法も、重要な協調領域。例えば、日本が歩行者保護の試験・評価法を開発した成功例をヒントに、歩行者および自転車の認識技術を日本の事故実態に則した手法で開発することも協調領域ではないか。また、ITとの連携や自動走行用の地図作成にあたっての連携のあり方の議論も必要ではないか。海外では、地図メーカーの買収を巡って自動車メーカーが積極的に活動している動きもあると認識。他方、日本では、SIPでデジタル地図の開発も始まっているが、ビジネス的な議論はなされていないのではないか。

討議

  • 交通事故データのデータベース化は重要。特に、事故時の車速や歩行者の進行方向等のミクロデータも含めたデータベース化は、欧州では既に取組がなされており、我が国としても取組むべき。また、機能安全について、目標とする安全目標の定義及びその国際規格化が重要。
  • 認識・学習アルゴリズムについて、基盤となるデータプラットフォームの構築は協調領域ではないか。また、自動車のセキュリティについては具体的な方向性を見出せていないと認識しているところ、例えば、パイロット的にシステムを構築するようなプロジェクトの中で、セキュリティや機能安全も検討すると、具体的な成果につながるのではないか。
  • 自動走行の実証にあたっては、できるフィールドで実証し、広くPRしていくことも必要ではないか。また、産学連携の推進にあたっては、情報管理や倫理教育等も含めた仕組みづくりが重要ではないか。
  • 科学技術政策の中で、国立大学の改革は大きなテーマ。大学における人事評価のあり方等も関心事となっているところ、本検討会の議論はその流れに合致するものでもあると認識。
  • 協調領域に係るテーマの具体化にあたっては、開発主体だけではなく、試験方法も含めた議論が必要ではないか。

(4) 自動走行に係るルールメイク(基準・標準等)への戦略的関与

事務局からのプレゼン

  • 自動走行に関する基準・標準に係る関係者からは、検討体制に関連し、自動走行の発展に伴って標準に係る国内の体制間の連携が必要となるが現状は十分ではない、基準と標準で共通する項目が増えていく、標準基準・標準に関する戦略を総合的に検討する場がない、セキュリティ等、今後は、自動車メーカー以外の関係者の貢献も含めて検討していくことを踏まえると、より幅広い関係者間での基準・標準に係る情報共有等の仕組みがあってもよいのではないかといった指摘があった。また、リソースに関連し、自動車業界は基準・標準を先取りすることの重要性を必ずしも認識できておらず、基準・標準に係る活動は企業内で正当には認識・評価されておらず、結果として人材や予算等のリソースが不足している、力を入れるべき項目を関係者間で共有し、人材育成やOB人材の活用等についても検討すべきではないかといった指摘があった。

討議

  • 標準化の活用による産業競争力強化は、欧米では一般的であり、今後、自動走行においても活発になってくるのではないか。エレクトロニクス産業において、欧米主導によるルールメイクによって市場シェアを奪われた事例等を踏まえると、基準も含めた全体的な検討が必要ではないか。また、デジュールのルールのみならず、デファクトのルール等についても注意する必要がある。
  • 欧州は、標準化だけではなく、知的財産(IP)も活用し、ビジネスを主導していると認識。日本と欧米のIPの現状を整理した上で、日本が付加価値を確保するために必要な取組のあり方を検討することが必要ではないか。
  • 自動走行で満たすべき技術水準に係る社会的コンセンサスの醸成や、自動走行に係る通信プロトコルの共通化等の観点からも、基準・標準は重要と認識。

(5) 自動走行に係るIT業界との連携のあり方

委員からのプレゼン

  • 自動走行の高度化に向け、多くのIT技術が必要。今後、機械学習アルゴリズムや認識技術等の高度化、高度なビッグデータ解析技術等が必要になるのではないか。また、クラウドサービスを提供するIT企業等、従来の自動車産業には見られなかった新規プレイヤーの参入が進みつつあると認識。米国では、ITのビッグプレイヤーを中心に、サービスやデザイン、顧客体験に付加価値を求める動きが見られ、米国自動車業界もシリコンバレーとの連携を強化している。これに対し、ドイツでは、自動車産業が自らITを手の内化し、自動車に閉じない取組を進める動きや、自動車業界が主導する形でのIT業界との連携を進めようとする動きが見られる。これらを踏まえ、我が国としても、ものづくり等の強みを活かしつつ、産学連携・異業種連携や海外の優秀な人材の活用に向けた仕組みの構築、事業環境の整備等が必要ではないか。
  • 環境問題や少子高齢化等の社会環境変化に対応したスマート化の進展や通信の高速化等により、ドライバーに合せた、より安全・快適で環境に優しい自動車社会の実現が求められる。自動走行では、安全・安心、快適、環境対応、時間(渋滞低減等)の4つのニーズについて、バランスよく実現する必要があるのではないか。また、自動車とクラウド等との連携により、自動車とサービスを融合したより高度な自動走行が進展するのではないか。これまで自動車は、専用の情報プラットフォームに接続されていたが、今後、自動車産業以外のプレイヤーと直接接続されるケースも出てくるのではないか。自動車向け情報プラットフォームを協調して整備することにより、自動車関連事業の進化や革新、新たなサービス事業の創出を促してはどうか。

討議

  • 情報プラットフォームは、自動走行に用いられるデジタル地図の拡大版と理解。情報活用にあたっては、セキュリティや、情報提供元となるユーザーのメリット等について考える必要があるのではないか。また、ビジネスモデルの検討も必要。
  • プラットフォーム、仕組みづくりを推進するということには賛成。他方で、検討項目が広がっているため、自動走行に対象を絞って検討したほうが良いのではないか。
  • 物流や旅客バス等、社会インフラに近い位置づけの分野においては、自動走行と通信の結びつきは強いのではないか。
  • 画像認識チップメーカー等の新規プレイヤーとは、自動車とクラウド等との連携に係るアイデアも含め、既にやり取りしている。他方、自動走行の判断の基盤となる部分は、新規プレイヤーに完全に依存する形にはならないのではないか。
  • 自動車業界としては、IT企業とは異なる価値を実現していくということではないか。具体的には、危険回避支援レベルのものから始め、最終的には完全自動走行に近いものに向かっていくということではないか。
  • 情報プラットフォームの検討にあたっては、セキュリティやインターフェースについて協調した取組が必要ではないか。
  • セキュリティに係る取り組みは重要。また、安全という大義の下、車車間通信や歩車間通信に関しても取組みが必要ではないか。
  • 人工知能について、欧米では取組が進んでいると認識。個社だけでは取組が難しく、国の主導が必要ではないか。この他、日本では自動車産業とIT産業に溝があるように思うところ、協力して世界と戦う必要があるのではないか。IT産業も含めた産学協調が必要であると認識。
  • 検討会でのロードマップ、シナリオは、まず自動運転のアウトプットを車として明確化することが重要である。そして、それを実現するための通信系プロトコルなど個別領域の技術を議論するステップが好ましい。また、日本のサプライヤーと欧州サプライヤーの提案力の差が歴然であるとの認識から、機能安全に限らず如何にオール・ジャパンとしてサプライヤーの提案力を高めるかの議論も継続して欲しい。
  • 海外のIT企業は、バリューチェーンの中の一つの領域を占めながら戦略的に標準化を活用することで、付加価値の確保や競争力の向上を行うことが多い。これらを踏まえつつ、日本としての協調のあり方を検討する必要があるのではないか。

(6) 中間取りまとめ骨子(案)

  • 本検討会のこれまでの議論に基づき、現状認識、課題の整理、今後の取組等についてまとめることを確認した。

(7) 次回検討会について

  • 本検討会の中間取りまとめ(案)について議論を行う。

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FAX:03-5253-1639

 
 
最終更新日:2015年6月5日
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