経済産業省
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自動走行ビジネス検討会(第5回)-議事要旨

日時:平成28年2月15日(月曜日)15時00分~17時00分
場所:TKPガーデンシティ永田町 ホール1A

出席者

(五十音順)
大村 隆司 ルネサスエレクトロニクス株式会社 執行役員常務
小川 紘一 東京大学 政策ビジョン研究センター シニアリサーチャー
加藤 洋一 富士重工業株式会社 執行役員
加藤 良文 株式会社デンソー 常務役員
鎌田 実 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授(公益社団法人自動車技術会 副会長)
川端 敦 日立オートモーティブシステムズ株式会社 常務取締役
小西 工己 トヨタ自動車株式会社 常務役員
坂本 秀行 日産自動車株式会社 取締役副社長
重松 崇 富士通テン株式会社 代表取締役会長
柴田 雅久 パナソニック株式会社 常務役員
清水 和夫 国際自動車ジャーナリスト
周 磊 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員 パートナー
須田 義大 東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター長 教授(代理:中野 公彦 東京大学 生産技術研究所 准教授)
高田 広章 名古屋大学 未来社会創造機構 教授
中野 史郎 株式会社ジェイテクト シニアフェロー
永井 克昌 いすゞ自動車株式会社 取締役専務執行役員
永井 正夫 一般財団法人日本自動車研究所 代表理事 研究所長(東京農工大学 名誉教授)
福尾 幸一 本田技研工業株式会社 専務執行役員
藤原 清志 マツダ株式会社 常務執行役員
水間 毅 独立行政法人交通安全環境研究所 理事
一般社団法人電子情報技術産業協会
一般社団法人日本自動車工業会
一般社団法人日本自動車部品工業会
一般社団法人日本損害保険協会
公益社団法人自動車技術会
国立研究開発法人産業技術総合研究所
特定非営利活動法人ITS Japan
日本自動車輸入組合

議題

  • 自動走行(レベル2,3,4)の将来像と取組方針
  • トラックの隊列走行の将来像と取組方針
  • 自動バレーパーキング、ラストワンマイル自動走行の将来像と取組方針
  • ルール(基準・標準)への戦略的取組、産学連携の促進

議事概要

(1) 自動走行(レベル2,3,4)の将来像と取組方針

事務局からのプレゼンテーション

  • ドライバーが運転責任を負う自動走行レベル2、いくつかのセカンドタスクを許容する自動走行レベル3の将来像について、国連の欧州経済委員会(UN-ECE)の自動車基準調和世界フォーラム(WP29) において検討中のR79カテゴリーEが世界的な共通認識となることから、これをベースとしつつ、事務局で把握した検討会メンバー企業等の見解を踏まえて検討した。
  • 自動走行(レベル2、レベル3)の将来像の実現を加速するため、地図、通信、社会受容性、人間工学、機能安全等、セキュリティ、認識技術、判断技術の8分野を重要な協調領域と定め、既存事業等を活用しつつ、取組を進める。
  • 「地図」については、整備や維持更新には莫大なコストを要するため、効率化の観点から効果的な協調が期待される。また、自動走行用地図を基盤にプローブ情報等の多様な情報を集めることができれば、将来、データプラットフォームとして付加価値の源泉となる可能性もある。各社が2020年頃までに自動走行用地図を活用する車両の市場投入を計画していることを踏まえると、協調の議論を加速する必要がある。なお、協調のポイントとしては、用途、仕様、ビジネスモデルの確立である。2020年頃までに必要となる自動走行用地図のビジネスモデルの検討の加速が求められるところ、検討会(事務局)は、関係省庁とともに、内閣府SIPとも緊密に連携しながら、自動車業界その他関係者と具体的な検討を急ぐ。その際には、データプラットフォームとしての可能性も念頭に、2020年以降の自動走行用地図の発展との整合性に留意する。
  • 「通信」については、自動車メーカ各社が2020年頃までに市場投入する予定の自動走行車両においても、通信による先読み情報(他車位置等)に対する共通のニーズが存在するため、重要な協調分野である。協調のポイントとしては、用途、仕様、ビジネスモデルの確立である。自動車業界は、2020年頃までに必要となる通信の用途を明確にするとともに、仕様を具体化する。検討会(事務局)は、関係省庁や内閣府SIPとも緊密に連携しながら、2020年頃までの実用化に間に合うように、また2020年以降の通信の更なる活用も念頭に、自動車業界の動きを必要に応じてサポートする。
  • 「社会受容性」について、国民が自動走行の価値を享受するためには、自動走行の効用、機能や限界等を正しく理解することが前提となるため、産学官の関係者はこれらの情報について、一般の国民向けに分かりやすくワンボイスで説明していくことが重要である。このためには、自動走行の効用(事故低減効果や省エネ・CO2排出削減効果等)に関する中立的な情報を整備するほか、実証試験を通じたデータの蓄積と可能な範囲での成果の公表を行うとともに、自動走行に関する国民の関心事項(事故時の責任の在り方や倫理的な問題等)について検討を進める必要がある。検討会(事務局)は、検討会で議論した国民向けの分かりやすいメッセージが「官民ITS構想・ロードマップ」の改訂作業において盛り込まれるよう努めるとともに、中立的な情報の整備や国民の関心事項について議論が進むように努める。
  • 「人間工学」については、自動走行(レベル2、3)は、人間(ドライバー)と車両システムの協調により実現される。車両システムにはドライバーの状態の把握や運転操作に関するドライバーとの適切な役割分担の確保が求められ、そのようなシステムの設計には、人間に関する深い理解が不可欠となる。具体的には、ドライバーモニタリングやHMI、(レベル3における)セカンドタスクの許容範囲等の検討について、開発の効率化や加速化、安全性の最低限の確保等の観点から、ドライバーの認知・行動・生理状態に関する人間工学の基礎・基盤研究とその成果に基づく要件等の標準化が必要である。なお、このような取組の受け皿としての大学や研究機関への期待は大きい。検討会(事務局)は、中立的な研究機関とともに、内閣府SIPとも緊密に連携しながら、ヒューマンファクターに関する協調テーマの検討を行う。具体的には、中立的な研究機関が中心となって、メーカ各社からヒアリング等を行い、年度内を目処に研究開発プロジェクトの企画・立案を目指す。研究開発プロジェクトの実施にあたっては、成果が標準化の学術的な裏付けとなるよう、また、中長期的な成果だけでなく、プロジェクトの途中段階でも、実際の車両の開発に役に立つ成果が創出されるよう留意する。
  • 「機能安全」については、自動走行システムの最低限の安全性の確保や開発の効率化等の観点から、想定されるリスクの分析やリスク低減に向けた安全確保要件の開発プロセスについて、国際的な共通理解の醸成(標準化等)が必要である。検討会(事務局)は、自動走行中の対策も見据えた、SOTIFやISO 26262の見直し等、関連する国際標準化活動に我が国として積極的に貢献するため、システム故障に加え、性能限界や誤操作・誤使用の安全確保要件の検討も対象とする等の必要な対応を適切に講じるなど、中立的な研究機関が推進する取組を積極的にサポートする。
  • 「セキュリティ」については、自動走行システムの安全性の最低限の確保や開発の効率化等の観点から、ユーザーの安全確保に必要なセキュリティの最小限の要求事項やセキュリティ対策の評価環境(テストベッド)の整備について、国際的な共通理解の醸成(標準化等)が必要である。国際基準や国際標準における議論も盛んであり、開発プロセスの国際標準化や攻撃情報の共有に向けた動きもある。また、セキュリティ技術の検討や第三者認証の仕組み作りの検討も重要である。検討会(事務局)は、 関係省庁や内閣府SIPとも緊密に連携しながら、中立的な研究機関が開発する評価方法や評価環境(テストベッド)を自動車業界で共通して使える有効なものとするため、車両システムが活用する通信の仕様や共通アーキテクチャの検討等に幅広い協力が得られるよう必要に応じてサポートする。また、自動車業界は、セキュリティの開発プロセスの国際標準化への対応や、セキュリティ関連情報(攻撃情報等)の共有に向けた日本版Auto ISACの整備に向けた取り組みを引き続き行う。また、必要な要求性能の検討や要求性能を満たすデバイス・運用管理システムに関する協調の必要性及び体制について引き続き検討を行う。
  • 「認識技術」については、開発の加速や効率化のため、産学が共有できる走行映像データベースの構築が有効である。また、革新的な認識技術の開発には、莫大なコストと時間を要し、リスクも高いことから、自動走行(レベル3)以上を見据えた将来の技術の基礎・基盤研究は協調して進めるべきである。検討会(事務局)は、内閣府SIPとも緊密に連携しながら、中立的な研究機関が推進する既存の取組(走行映像データベースの整備等)をサポートするとともに、認識技術に関する基準・標準の動向を踏まえながら、試験方法の検討など、新たな協調テーマについても検討を進める。
  • 「判断技術」については、人間よりも賢く、安全な運転の実現を目指した判断技術の開発の加速や効率化のため、一般ドライバーの運転行動や事故のデータベースの構築が有効である。また、人工知能を活用した高度な判断技術の実用化に向けて、人間の判断との違いなど人工知能の特性に関する基礎研究の推進も重要である。検討会(事務局)は、関係省庁とともに、内閣府SIPとも緊密に連携しながら、中立的な研究機関が推進する既存の取組をサポートするとともに、関係者と連携しつつ、新たな協調テーマについて検討を継続する。
  • 自動走行(レベル4)は、過疎地の移動手段の確保等の社会課題の解決に貢献する可能性があり、積極的に検討すべき。専用空間等でのレベル4を先行して検討してきたが、今後は、一般交通との混在も含めたレベル4について、まずは幅広い関係者が共有できる将来像の明確化に向け、海外を含め幅広い関係者の考え方を収集して検討を深める。
  • アメリカの自動走行(レベル4)を巡る最新動向として、無人運転車に関する米国道路交通安全局(NHTSA)のスタンスを紹介する。Google社からの「無人運転車の場合、自動車の安全基準における運転者とは何を指すのか」という質問に対して、Google社の無人運転車に限ったものであり、状況に応じて解釈は異なるとした上で、「人でないものが車を運転し得るのであれば、それが何であれ「運転者」とみなすのが妥当。ただし、この場合にあっても、自動車の安全基準を全て満たす必要があり、今後必要に応じ運転者=システム(AI)との解釈を前提に安全基準作成のための課題を検討する」との回答があった。これはあくまで、無人運転車に関する米国連邦自動車安全規則の解釈の考え方を回答したに過ぎず、現段階で運転者がいない無人運転を容認するものではない。

討議

  • 8つの協調領域はいずれも重要。レベル1.5~2.0のシステムが2017年度後半~2018年度初に登場するので、地図・通信は特に重要。
  • 地図については、第1段階として、車線情報やインターチェンジ等の情報が乗り、その後段階的に進化させていくプロセスが望ましく、取組方針の工程表にも表現すべき。特に、初期の段階から、信号の存在や現示の内容を地図に持たせ、車両側の認識システムと組み合わせて高い安全性を担保することが重要。なるべく早い段階で地図を活用した自動走行が実現できるように取組を進めて欲しい。
  • 通信については、自動車から直接見えない危険や直接知り得ない予定情報等も把握することが可能となる。様々なユースケースが考えられる為、具体的に詰めて早い段階で実用的に活用出来る様にして欲しい。
  • 効率化の観点から地図の協調は重要。加えて、今後は自動運転車により収集した情報を活用して地図を生成あるいは更新していくことも予想されるため、各自動車メーカが共通の地図フォーマットを使うことが大変重要。時期については2020年よりも前に地図を活用する自動運転車が世に出る可能性も鑑みて、相当早い勢いで地図の取組を加速する必要がある。緊急を要するので、自工会あるいは自技会等の組織と協力すべきと考える。なるべく早く協調領域を共通認識として共有できるとメーカーとしても開発を進められる。
  • 一般道路においては、緊急工事や工事による車線情報の変更など地図のアップデートが追いつかない場面も出てくるため、先行車から後続車に地図情報を共有する等ができると良く、共有する地図情報の内容やフォーマットの議論が必要。
  • 地図の重要性として、ビックデータ解析により様々なことが可能になるという側面がある。例えば、テロ対策として、プローブ情報によるビックデータから全体の流れを見て、不審な挙動の車両を発見する等が可能になる。
  • 地図にも、ある程度静的な情報と、プローブ情報のように非常に流動性が高い動的な情報の2種類がある。特に、後者のプローブ情報の利活用に当たっては、ある程度処理したデータが供給されるのか、もしくは生データがクラウド上にストックされており、そこに情報を取りにいくのかというように、早くフォーマットや活用の用途を決めないと蓄積もできないため協調領域として取組を進めるべき。
  • プローブ情報の利活用について、総論には賛成でも、各論になると各自動車メーカがビジネスとしているところもあり、中々議論が前に進まない。より検討が加速する様各社の中でも議論を深めていく事が重要ではないか。
  • 地図については、国内での議論だけでなく、HEREに加えMOBILEYE等の海外動向を注視していく必要があるのではないか。
  • 地図の国際標準化を進めていく上で、日本は国際的な中でどのような位置づけにあって、海外に出た時にどのような連携が取れるのか、意識する必要がある。
  • 通信について、必要な用途と内容を議論していく必要がある。
  • 脳機能計測等によるドライバーの状態を客観的に把握する人間工学的な研究が必要であり、HMIについても、ある程度一貫性があって分かりやすいインタフェースの開発を協調して行っていく必要がある。
  • 社会受容性について、自動運転は運転の自動化により、事故低減や渋滞緩和等、社会問題を解決できるキラーコンテンツとして理解されているが、この様な負の問題を解決するという事だけでなく、車と人、車と道路をつなげることで大きな社会イノベーションあるいはもっと面白い魅力的な未来を作っていけるというところも視野に入れるべき。
  • HMIについて、様々な自動化レベルの車同士、車と歩行者とのコミュニケーションをどうするかについて、大学などを中心とした人間工学的な研究が必要。
  • 自動走行の効果について、例えば、事故低減の効果について、時間帯別や年齢別の効果なども本当は分析したいが、一企業では分析に時間を大きく割けないため、分析を実施する機能が企業体とは別にあると良い。
  • セキュリティについて、IC業界のように評価基準の整備とテスト環境(テストベッド)の構築は重要な協調ポイントである。過去テスト仕様を押さえた団体がソフトウェアや半導体の標準化を進め、我が国として劣勢に立たされた事例もあるため、テスト環境(テストベッド)を作っていくことは、国際貢献と同時に産業政策的にも意味がある。
  • セキュリティについて、攻撃手法を研究することは守り方の研究にも活きるため、もっと攻撃手法を国内でも研究すべき。
  • 運転委譲時間が明確になると、機能安全などの技術開発が非常に進むため、運転委譲時間についての議論が進むことを期待している。
  • 自動運転技術を活用した車両を用いた移動サービスを提供する事業者が現れた際の事故責任の在り方についてもっと議論すべき。
  • 達成すべき技術目標の明確化や、必要な技術の公約数を戦略的協調領域として切り出すことは新しい技術の開発を加速する上で非常に重要であり、議論をもっと様々な領域で進めるべき。
  • 一般道路での自動走行が可能になると、車を運転していない歩行者などにとっての自動運転車のメリットとして、巻き込まれ事故の防止が考えられるのではないか。
  • 検討会の目的は、オールジャパンで技術やルールを議論することで、世界に貢献するとともにビジネスを拡大していくことにあるため、国際的な動向等を踏まえながら、今後の取組方針も柔軟に変えていくことが重要。
  • 協調領域が8分野設定されているが、例えば判断技術と人間工学、機能安全と人間工学のように、一体でできる項目も存在するため、協調領域間の関係に留意することで効率的に取組を進められるのではないか。
  • 個人のライフスタイルや生活がどう変わるかという視点からも自動走行の効用を検討すべき。
  • 自動運転となると、ドライバーに求められる運転操作も変わってくることが想定されるため、国民に分かりやすい発信が必要。例えば、こうすればオーバーライドできます、とか操作の仕方を教えるなど、ユーザーの方々のリテラシーを向上させていくことが重要。
  • センサの検知範囲や運転委譲時間等が決まってくると部品メーカとしては開発がしやすい。

(2) トラックの隊列走行の将来像と取組方針

事務局からのプレゼンテーション

  • 我が国のトラック物流事業者には、経営効率の改善やドライバー不足への対応、安全性の向上等の観点から、隊列走行への期待が大きい。とりわけドライバー不足問題は深刻で、今後業界の存続に関わる問題とも認識されており、特にドライバーの確保が最も難しい夜間の長距離幹線(東京-大阪間)輸送等を隊列走行によって省人化する強いニーズがある。新たな取組となる隊列走行には、機械牽引等の既存の手段を超える効果が期待されることから、トラックの隊列走行については、最終的には業界のニーズに応える後続車両無人の3台以上の隊列走行を目指すことが適当である。また、複数のトラックをマッチングして隊列を形成する運行管理を行う技術も重要になってくる。
  • 技術面(電子連結の安全性・信頼性確保等)や周囲の交通環境への影響など解決すべき重要課題が多いことから、関係省庁を含む関係者の協力を得ながら、まずは、後続車両無人の2台の隊列走行の実現を目指すなど、実現に向けて着実なステップを踏む。
  • 関係者(トラックメーカ、サプライヤ、トラック物流事業者、大学・研究機関等)は、2台後続車両無人の隊列走行システムについて、2017年までには必要な要素技術及びシステム全体の開発に目処をつけ、2018年までにはテストコースにおける実証を成功させる。その後、安全性が確認されれば、公道を含めた実証試験を進める。なお、実証試験については、海外の動向も踏まえ、できるところ(例えば、CACCを活用した後続車両有人の2台隊列走行)から始めることで、社会受容性や運行管理技術の向上、ビジネスモデルの議論を技術開発と並行して行えるよう検討する。これらの取組を経て、最終的には3台以上後続車両無人の隊列走行を実現し、我が国のトラック物流が抱える課題の解決に貢献するとともに大型車両分野における自動走行技術の競争力を強化する。検討会(事務局)は、関係省庁と取組の進捗状況を共有し、必要な協力について検討を求めるとともに、内閣府SIPとも緊密に連携しながら、関係者の取組を積極的にサポートする。

討議

  • 後続車が無人の隊列走行については、技術的な難易度が非常に高く、解決すべき項目が非常に多いと認識。特に、社会受容性に関するところで、連接したトラックが走ることによる他車両への影響については早めに確認をして対応していくことが重要。
  • 後続車が無人の隊列走行に関する技術開発やテストコースでの実証と並行して、後続車有人のCACCでの社会受容性の確認等も公道で実施すべき。
  • ドライバー不足や燃費削減といった物流事業者にとってのメリットだけではなく、一般社会から見て安全性の向上効果がどの程度あるかの検討もしていくべき。
  • 公道での実証について、どのような方法、どの場所で実施するか検討すべき。

(3)自動バレーパーキング、ラストワンマイル自動走行の将来像と取組方針

事務局からのプレゼンテーション

  • 自動バレーパーキングに関して、駐車場事業者には駐車場の経営効率の改善(稼働率や駐車効率の向上、人件費の削減)、駐車場の安全性向上、駐車場に対する顧客満足度の向上(駐車待ち時間の短縮、徒歩移動の負担軽減)等の観点から、自動バレーパーキングへの期待がある。
  •  究極的には、歩行者や(自動走行機能を有しない)一般の車両も混在するあらゆる駐車場で自動バレーパーキングが実現できることが望ましいが、実際には、一般の駐車場において車両側の装備のみによる安全確保は、技術的に困難である。よって、当面は、車両及び駐車場双方の負担の最小化に留意しつつ、自動バレーパーキング専用の駐車場(歩行者や一般車両等の一般交通と分離し、駐車場内監視装置や管制センター等が設置された専用空間)を整備し、車両と駐車場の管制センターとの協調により安全性を確保するのが現実的であり、双方の役割分担、導入見通しや標準化等について、関係者間の合意形成を進めることが重要である。標準化が実現の鍵となることから、全体構想を含め、技術面や事業面の標準化テーマを協調領域として推進すべきである。
  • 関係者(駐車場事業者、自動車メーカ、サプライヤ、大学・研究機関等)は、2017年までには必要な要素技術及びシステム全体の開発に目処をつけ、国際標準化提案を行う。2017年度以降は、できるところから実際の駐車場において実証試験を行い、関係者間の合意形成を進める。2020年頃には、専用車両(自動バレーパーキング対応車両)と専用駐車場を同時に導入できるところから、民間での自動バレーパーキングサービスが開始される。
  • ラストワンマイル自動走行に関して、過疎地等の新たな移動サービスの実現手段として、運営コストの抑制やドライバー不足への対応等の観点から、期待感がある。また、例えばテーマパーク事業者も敷地内での徒歩移動の負担軽減や集客を目的とした話題づくり等の観点から、ラストワンマイル自動走行への関心が高い。 特に、歩行者や一般車両との混在下における自動走行(レベル4)が実現できれば、サービス提供範囲の最大化が期待できるため、ラストワンマイル自動走行については、究極的には、一般交通と混在する自動走行(レベル4)を検討する必要があるが、一方で、車両システムだけで安全を確保するのは技術的な難易度が高く、また、社会受容性の醸成も大きな課題となることも明らかである。よって、現実のニーズに応え、早期の実用化を目指す観点から、専用空間における自動走行(レベル4)により、過疎地等における運営コストを抑制した新たな移動サービスの実現を目指し、現実には一般道路との交差も考えられるが、そうした場合には隊列走行(レベル2)の活用による有人走行で対応していく。
  • ラストワンマイル自動走行は、既存の事業モデルがなく、また、実現に向けては、社会課題の解決を主な目的に取組を進める必要があること、また、制度面も含む重要な課題が多いことから、少なくとも当面は必要な取組を協調領域として扱うべきである。なお、地域によって求められる移動サービスは多様であり、専用空間化や新しい移動サービスに対する社会受容性も異なるため、なによりもまずは適用場所の選定が重要となる。
  • 関係者(ニーズを有する自治体、自動車メーカ、サプライヤ、大学・研究機関等)は、適用場所を明確にした上で、2017年までには必要な要素技術及びシステム全体の開発に目処をつけ、2018年までにはテストコースにおける実証走行を成功させる。ここで安全性を確保した後、公道を含めた実証試験を行い、運行管理技術の確立やビジネスモデルの検討等を進める。検討会(事務局)は、関係省庁と取組の進捗状況を共有し、制度の整備などに関して必要な協力の検討を求めるとともに、内閣府SIPとも緊密に連携しながら、関係者の取組を積極的にサポートする。

討議

  • 電気自動車や燃料電池自動車、自動チャージングと組み合わせて自動バレーパーキングやラストワンマイル自動走行を考えるべきではないか。
  • 自動バレーパーキング、ラストワンマイル自動走行については、地図更新や通信を活用するため、セキュリティが非常に重要になってくるため、もっと議論を深めるべき。また、管制センターの確立が必要。

(4)ルール(基準・標準)への戦略的取組、産学連携の促進

事務局からのプレゼンテーション

  • 自動車の国際的な安全基準は、国連欧州経済委員会(UN-ECE)の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において策定されており、我が国も積極的に参加して国際調和活動に貢献している。我が国は、「自動運転分科会」及び「自動操舵専門家会議」について、それぞれ英国、ドイツとともに共同議長を務めており、国際的な議論を主導している。これら国際的な活動に臨むにあたり、我が国の方針を検討するため、政府、(独)交通安全環境研究所、自動車メーカの他、サプライヤも参加した産学官連携の体制が整っているが、引き続きその体制の充実を図ることとしている。
  • 自動走行に関係する国際標準についても、重要なTCに我が国から議長が選出されるなど、我が国は議論を主導できる立場にあるが、国内の検討は、一般に国際的な検討の場(TCやWG)ごとに行われ、横断的な情報共有や戦略検討が必ずしも十分ではなかった。そこで、ISO/TC204(ITS)とTC22(車両)の関係が複雑になってきたことも踏まえ、この分野の国内審議団体である(公社)自動車技術会に「自動運転標準化検討会」を設置し、横の連絡を円滑にすることとした。
  • 基準、標準それぞれについては、既に国内の検討体制が確立していることから、それぞれの体制を基本に、検討会(事務局)のリードの下、基準と標準をつなぐ戦略的な検討を行う場を設置する。そこで、自動走行に係る重要なテーマについて基準化と標準化の国際動向を共有するとともに、我が国としての将来像を踏まえ、国際的な活動をリードできる戦略づくりを進めていく。
  • 産学連携に関しては、検討会構成員のうち、大学や研究機関等のメンバーを中心に、WGの設置に向けて予備的検討を行ったが、その中では、最初から「How」について対話するのではなく、まずは、我が国の学側が強みを持ち、産学連携が効果的と考えられる具体的なテーマ(「What」)を例示し、産側と産学連携プロジェクトの立案について具体的に議論した方が、結果として「How」の論点も明確となり、成果にも結びつきやすいのではないか、との意見があった。検討会(事務局)は、予備的検討におけるこのような方向性も踏まえ、(少し先の)高度な自動走行の実現に向けて学の担うべき役割や分野について産学で議論を進め、可能なものはプロジェクト化を検討し、また全体を俯瞰する中で大学に期待される機能や人材、設備について意見を交換する場の設置を引き続き検討する。

討議

  • 標準化活動において、提案されている標準規格案が日本の競争力上どういう意義をもつかの背景がもっと共有されるべき。

(5)全体

討議

  • 自動車の商品属性が変わる自動走行の進展により、自動車産業の構造が変化しても、グローバルに競争力のあるビジネスが成立するようなインキュベーション機能を日本が世界に先駆けて持つことが重要である。
  • 技術とビジネスのタイムフレームは異なるが、少なくとも技術面に関しては出来るだけ加速する様に、様々な環境整備がなされることを期待。
  • 基準、標準の議論を日本主導で進め、世界に貢献していくことが重要。

以上

関連リンク

お問合せ

経済産業省 製造産業局 自動車課
電話:03-3501-1690
FAX:03-3501-6691

国土交通省 自動車局 技術政策課
電話:03-5253-8591
FAX:03-5253-1639

 
 
最終更新日:2016年3月23日
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