経済産業省
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自動走行ビジネス検討会 将来ビジョン検討ワーキンググループ (第1回)-議事要旨

日時:平成27年9月29日(火曜日)13時30分~15時00分
場所:中央合同庁舎4号館1階全省庁共用108会議室

出席者

(五十音順)
板垣 克彦
ルネサスエレクトロニクス株式会社 第一ソリューション事業部 シニアエキスパート
大川 徹
富士通テン株式会社 技監
大平 隆
いすゞ自動車株式会社 開発部門 執行役員(代理:小西 正 開発技術企画部 シニアスタッフ)
岡田 俊之
パナソニック株式会社 車載エレクトロニクス事業部 ADAS開発センター 所長
荻原 浩
富士重工業株式会社 スバル技術本部 技術戦略PGM 上級プロジェクト・ゼネラル・マネージャー
鎌田 実
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授(公益社団法人自動車技術会 副会長)
鯉渕 健
トヨタ自動車株式会社 FP部長
清水 和夫
国際自動車ジャーナリスト
武田 稔
株式会社ジェイテクト 研究開発本部 産学連携推進グループ長
栃岡 孝宏
マツダ株式会社 統合制御システム開発本部 主幹研究員
永井 正夫
一般財団法人日本自動車研究所 代表理事 研究所長(東京農工大学 名誉教授)
長谷川 哲男
日産自動車株式会社 R&Dエンジニアリング・マネージメント本部 グローバル技術渉外部長
松ヶ谷 和沖
株式会社デンソー 研究開発1部長
真野 宏之
日立オートモティブシステムズ株式会社 技術開発本部 主管技師長 兼 日立製作所情報・通信システム社 主管技師長
水間 毅
独立行政法人交通安全環境研究所 理事
横山 利夫
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 上席研究員
  • 一般社団法人電子情報技術産業協会
  • 一般社団法人日本自動車工業会
  • 一般社団法人日本自動車部品工業会
  • 一般社団法人日本損害保険協会
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
  • 日本自動車輸入組合
  • 特定非営利活動法人ITS Japan

開催の趣旨

交通事故や等の解決に向け、新たな取組である自動走行への期待は大きく、関連する市場の拡大も見込まれる。欧米が攻勢を強める中、我が国の強みである自動車メーカーとサプライヤの緊密な連携等を活かしつつ、我が国自動車産業が自動走行において競争力を確保し、世界の交通事故の削減等に貢献するために必要な取組を産学官で検討する「自動走行ビジネス検討会」の中間とりまとめ報告書が平成27年6月に公表されたところ。
本WGでは、中間とりまとめ報告書を受け、自動走行の発展に不可欠な関係者の協調を促進するため、
以下取組みを進める。

(1) 2030年頃までの実用化が期待され、産学官が連携して取組むべきアプリケーションの特定
(2) (1)の実現に向け必要となる「技術」と「制度・事業環境」の課題に関する認識の共有
(3) (1)(2)を踏まえ、産官学が協調して解決すべき課題及び今後の取組方針の検討

議題

  • 座長の互選
  • SWG-A、SWG-Bの設置
  • 自動走行の将来像及び実現に向けて取り組むべき課題
  • 基準・標準に関する最近の国際動向

議事概要

  1. 委員による互選の結果、主査に鎌田実委員、副主査に清水和夫委員が選出され、鎌田主査・清水副主査から挨拶がなされた。
  2. 隊列走行や限定空間での自動走行(ラストワンマイル自動走行や自動駐車)については、それぞれSWG-A、SWG-Bを設置し議論することとなった。鎌田主査より、SWG-Aについては、主査に日野自動車株式会社技術研究所所長である榎本英彦氏、副主査に先進モビリティ株式会社 代表取締役社長青木啓二氏、SWG-Bについては、主査に一般財団法人日本自動車研究所 ITS研究部部長主席研究員谷川浩氏、副主査にトヨタ自動車株式会社技術統括部主査川本雅之氏を任命する旨提案があり、委員による承認を得た。
  3. 自動走行の将来像及び実現に向けて取り組むべき課題

事務局からのプレゼンテーション

  • 2030年頃までの実用化が期待され、産学官が連携して取組むべきアプリケーションとして、高速道路上での自動走行(レベル2、レベル3、レベル4)等を挙げる企業があり、自動走行の将来像(具体像、実現する価値、実現する時期)については、各社ほぼ共通のイメージを有していたが、ドライバーモニタリングの方法などいくつか論点も見受けられた。
  • 協調すべきアプリケーションとして多くの企業が取り上げた高速道路上での自動走行(レベル2、レベル3)について、「技術」と「制度・事業環境」の協調テーマを整理した。まず、高速道路上での自動走行(レベル2)においては、「自動走行導入効果評価」「高精度地図」「通信」「かじ取装置に係る規則」「ドライバーモニタリング」「ドライバーの姿勢・状態」「HMI」「デッドマンシステム」「社会受容性」等が挙げられた。また、高速道路上での自動走行(レベル3)においては、自動走行(レベル2)における協調テーマに加えて、「認知技術」「判断技術」「機能安全」「車載システム」「高速演算処理技術」「自動走行用テストコース」「ダイナミックマップ」「位置標定」「倫理」「運転委譲手続き」「自動車保険制度」「車両に関する安全基準」「運転責任/事故時責任」「交通ルール」「自動車免許制度」等が挙げられた。

討議

  • 自動走行のアプリケーションの具体像を検討する上で、must要件とwant要件を分けて議論すべきではないか。例えば、レベル2であれば、ドライバーが周辺監視義務を持つのはmust要件、ドライバーが周辺監視をした上で、レーンチェンジの意思表明をする方法は様々有るため、レーンチェンジの際にドライバーがウィンカーを出すという項目はwant要件である。
  • 国連欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)における自動操舵に係る基準の改訂の議論も踏まえて、自動走行の具体像を記載すべきではないか。
  • レベル2とレベル3が混在することもあるので、レベル2・3・4という切り分けだけに拘らずに具体像を考えてもよいのではないか。
  • 自動走行が困難となるケースには、機能限界により困難となる場合、システム故障により困難となる場合などいくつか場合分けが存在する。それぞれの場合に、社会としてどのように対応すべきか議論したい。
  • レベル2.1、レベル2.2、と少しずつ自動走行のレベルがあがっていくという議論もあり、なかなかレベル2・3・4というレベル分けは難しい。
  • 不測の事態にどのように対応すべきか、またどの程度の時間で対処すべきか、故障時にいかに早く復帰するか、自動走行システムからドライバーへの運転移譲時に十分な余裕を持てない場合どう対応すべきか等は大事な論点であり、様々なユースケースをもう少し深掘りする必要がある。
  • 自動走行アプリケーションの具体像に関して、技術者目線ではなくユーザー目線で見た場合に、どういった嬉しさがあるのか、という視点も必要。
  • セーフティケースとセーフティプランをある程度整理することが大事。
  • 自動走行レベル2においては、常にドライバーが責任を持つという意味で、ドライバーが最後にフェールオペレーショナルを実現できるシステムとなっているかどうかが最も重要ではないか。例えば、高速道路を長時間自動走行する際に、ドライバーには運転注意義務しか無いシステムの場合、ドライバーが緊急時対応するのは難しいのでは無いか。ドライバーの覚醒度の維持や覚醒度を維持できない場合の工夫が必要。もしかすると、自動走行レベル2においては、ドライバーの覚醒度の維持が難しいため、ある程度ドライバーに操作を求めるシステムになるかもしれない。
  • ドライバーモニタリングは自動化率の高い優秀な自動走行レベル2においては、必須ではないか。
  • ドライバーモニタリングについて、どこまでの検出率が必要か、前を見ているように見えて実は意識が遠のいているというところまで検出する必要があるのか、など自動走行システム側がどこまで責任を負うかの設定は非常に難しく、人間工学的な試験から裏付けられると良い。
  • ドイツでは、自動走行レベル2において、セカンドタスクをいかに認めてもらうかの理屈づけが議論になっている。セカンドタスクを、自動走行システムが責任を持てる場合のみ可能と整理するかどうか、もう少し検討が必要かもしれない。
  • ドライバーモニタリングシステムは、自動走行システムとは切り離せるものであり、良いものを作れば、全世界に売れる可能性がある。
  • ドライバーモニタリングや故障の検知など、自動走行では人と車のモニタリングが重要。
  • セカンドタスクの許容範囲や運転委譲手続きの検討にあたっては、ヒューマンファクターの実験を行う必要がある。
  • センサが故障すると、故障後の安全確保が非常に難しいため、多重系などの対応が必要。
  • ドライバーモニタリングが、ドライバーの状態を判断できないと、セカンドタスクの許容範囲の設定や、運転委譲のタイミングの設定が非常に難しい。人間工学的な研究を進めて、ドライバーの状態を判断できるようになることで、セカンドタスクの許容範囲の設定の議論ができるようになるだろう。
  • アメリカのティーンエイジャーは、死ぬまで左手はiPhoneを話さないだろうという見方もあり、運転しながらiPhoneを操作することになる。そうなると、車内で安全にセカンドタスクを可能にした方が良いのではないかという議論もある。
  • セカンドタスクにも、active/passiveと種類があり、それぞれ運転に復帰するまでの時間も変わってくる。また、activeなものであれば逆にドライバーは眠くならないという議論もある。
  • 自動走行と組み合わせて、ドライバーがセカンドタスクを実施するのに必要な人間の能力のリソースを最小化するというアプローチもある。
  • セカンドタスクはyes or noではなく、セカンドタスクの事例を多く収集し、それをベースに定量化指標を作り、閾値を決めて、セカンドタスクの許容範囲を設定するのではないか。
  • セカンドタスクと一言で言っても、現状運転中操作できないナビについて、多少使えるようになる等もセカンドタスクの許容範囲の拡大には含まれる。ドライバーの視点に立つと、セカンドタスクが全く認められなければ、それこそ寝るしかなくなり危険。運転の安全につながり、ドライバーにも嬉しいセカンドタスクという発想はレベル3では必要だろう。
  • 機能限界時にドライバーのバックアップが期待できるかどうかしか、自動走行レベル3とレベル4の違いは無いため、技術的な難易度はレベル3と4でほとんど変わらず、レベル3の自動走行車を市場投入する上で、実力的にはレベル4クラスの機能を保有している必要があるのではないか。
  • 自動走行レベル4に向けた課題としては、センサ・アルゴリズム・アクチュエータの機能限界の見極め、及びセンサ・アルゴリズム・アクチュエータの経時変化や経年劣化の見極め、また、冗長系の設計の仕方により、いかに15~20万キロ走行しても問題無いような安全設計をするか。
  • 自動走行のレベルによって、技術の安全性の指標が変わってくる。
  • ドライバーへの運転移譲手続きやセカンドタスクの許容範囲などが固まり、車両システムが想定できると、個々の部品に求められる基準も決まってくるため、技術開発はしやすい。
  • 自動走行システムに過剰な安全レベルが求められると、個々のコンポーネントでも高いレベルが求められる。
  • 機能安全のために何でも2重系にしようとするとどんどんコストアップになってしまう。
  • センサ開発に関して、ディープラーニングが使われる事が多くなっているが、その検証方法につ
  • いて議論が必要ではないか。
  • 自動走行においては、どの車線を走っているか車が認識する必要があるため、ナビ向けの地図に比べて、精度を上げる必要がある。自動走行用地図に、どういう精度で、どういう情報が求められるか、自動車メーカーごとに異なるとコストが非常に大きくなるため、是非地図の整備にあたっては、協調した取り組みをお願いしたい。
  • 地図の鮮度も非常に重要であり、更新や地図の自動生成も協調が必要である。
  • 地図にどこまで頼って自動走行するかは是非議論したい。地図に頼るところが大きければ地図の整備も更新もお金がかかる。また、地図に頼りすぎると、地図にエラーがあった際に、事故が起きることも想定される。
  • まず自律系でできるところまでやり、より安全、より滑らかな走行のために通信を活用する。通信については、皆が協調しないと普及しないため、協調の議論ができると良い。
  • 自律系センサでは情報量に限界があるのも事実であり、うまく補完する通信は今後非常に重要。また、地図を活用する際も通信が必要になるだろう。
  • 絶対落ちない飛行機を作ろうとすれば、21世紀になってもまだ飛行機は飛んでいなかっただろう。事故低減に寄与するが、事故を起こす可能性が0でない自動走行について、どのように考えるべきか。
  • 自動走行の実現に向けた議論について、もっとスピードを上げて議論すべき。
  1. 基準・標準に関する最近の国際動向

事務局・委員からのプレゼンテーション

  • 自動走行分野において国際的な基準作りが進められている中で、国連欧州経済委員会の自動車基準
  • 調和世界フォーラム(WP29)やISO等で、日本も積極的に基準整備に参画している状況。
  • 具体的には、自動走行の定義、セキュリティガイドラインの整理、自動操舵における安全基準等。
  • 日本においても中長期標準化計画の策定を進めており、自動走行ビジネス検討会等での検討結果も反映していきたい。

討議

  • 日本が自動走行分野で世界をリードしていく為に、日本としてどの分野を戦略的に強化していくべきか議論して頂きたい。
  • 自動走行の全体像について日本として議論をもっと進めるべき。例えば、自律系でどこまで行い、通信系で何を行うか、交通管制系の役割など、日本としての議論を行うべき。
  • 自動走行のアプリケーションの実現のロードマップに、基準・標準を合わせて書き込むことで、開発と並行して基準・標準の整備を行えるようにできるのではないか。

以上

関連リンク

お問合せ

経済産業省 製造産業局 自動車課
電話:03-3501-1690
FAX:03-3501-6691

国土交通省 自動車局 技術政策課
電話:03-5253-8591
FAX:03-5253-1639

 
 
最終更新日:2015年12月15日
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