経済産業省
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自動走行ビジネス検討会 将来ビジョン検討ワーキンググループ(第2回)-議事要旨

日時:平成27年11月10日(火曜日)15時00分~17時00分
場所:TKPガーデンシティ永田町 ホール1A

出席者

(五十音順)
板垣 克彦
ルネサスエレクトロニクス株式会社 第一ソリューション事業部 技師長
大川 徹
富士通テン株式会社 技監
大平 隆
いすゞ自動車株式会社 開発部門 執行役員
岡田 俊之
パナソニック株式会社 車載エレクトロニクス事業部ADAS開発センター 所長
荻原 浩
富士重工業株式会社 スバル技術本部 技術戦略PGM 上級プロジェクト・ゼネラル・マネージャー
鎌田 実
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授(公益社団法人自動車技術会 副会長)
北﨑 智之
国立研究開発法人産業技術総合研究所 自動車ヒューマンファクター 研究センター長
鯉渕 健
トヨタ自動車株式会社 FP部長
清水 和夫
国際自動車ジャーナリスト
武田 稔
株式会社ジェイテクト 研究開発本部 産学連携推進グループ長
栃岡 孝宏
マツダ株式会社 統合制御システム開発本部 主幹研究員
永井 正夫
一般財団法人日本自動車研究所 代表理事 研究所長(東京農工大学 名誉教授)
長谷川 哲男
日産自動車株式会社 R&Dエンジニアリング・マネージメント本部 グローバル技術渉外部長
松ヶ谷 和沖
株式会社デンソー 研究開発1部長
真野 宏之
日立オートモティブシステムズ株式会社 技術開発本部 主管技師長 兼 日立製作所情報・通信システム社 主管技師長
水間 毅
独立行政法人交通安全環境研究所 理事
横山 利夫
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 上席研究員
  • 一般社団法人電子情報技術産業協会
  • 一般社団法人日本自動車工業会
  • 公益社団法人自動車技術会
  • 一般社団法人日本自動車部品工業会
  • 一般社団法人日本損害保険協会
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
  • 日本自動車輸入組合
  • 特定非営利活動法人ITS Japan

議題

  • 自動走行の将来像
  • 実現に向けた協調領域
  • 自動走行(レベル4)の扱い

議事概要

(1) 自動走行の将来像

事務局からのプレゼン

  • 協調すべきとの意見の多かった自動走行(レベル2、レベル3)の具体像を、国連欧州経済員会WP29で検討中のR79のカテゴリーEをベースに、重要な協調テーマや認識を共有する必要性がある内容を追記して作成した。重要な協調テーマとしては、各社ヒアリングなどを元に、「地図」「通信」「人間工学(ドライバーモニタリング等)」「認識技術」「判断技術」「機能安全」と設定。
  • 自動走行(レベル2、レベル3)について、どのような自動走行が実現するか、どのような価値があるのか、国民向けのメッセージの案を提示。ある地点からある地点まで、加減速や車線変更を含む進路変更等の操作を車が自動で行うことで、苦手な操作の自動化やアップダウン等に応じた最適な制御による省エネ走行、運転操作の代行による長距離走行や渋滞時のドライバーの肉体的疲労の大幅軽減等の価値につながるのではないか。

討議

  • 自動走行によりセカンドタスクが可能となることへの期待はメディアなどと交流していても大きいと感じる。セカンドタスクを実現するための課題はあるが、セカンドタスクの実現を目指すべきではないか。
  • 自動走行技術によりドライバーの運転負荷が減り、セカンドタスクの負荷も減る。こうなった場合にセカンドタスクをどこまで許容できるか、という議論になるのではないか。
  • レベル3の前に、青森県まで事実上何も運転操作不要で行けるとても優秀なレベル2の自動走行ができるだろう。そうなった場合に、ユーザーが自動走行車を安全に利用出来るのかを明らかにする必要があり、もし安全に利用できないのであれば、どういう要件を設けるべきか議論する必要がある。
  • セカンドタスクは協調して議論すべきテーマである。
  • 技術的にはあらゆるセカンドタスクができるように開発するのではないか。
  • 自動走行の具体像について、機能要件だけでなく、デザイン要件を記載するのであれば、どう位置づけるかを明確にして欲しい。
  • ドライバーモニタリングに関して、レベル2に必須という訳では無く、レベル2の中でも様々なシステムレベルが存在すると考えられる為、それぞれに対して必要性を検討すべきではないか。
  • 自動走行システムからドライバーへの運転移譲方法を検討する際に、HMIによって運転委譲に必要となる時間が変化することを考慮すべきではないか。
  • 自動走行技術によりドライバーの負担が減り、その状況下でドライバーの責任でできることが増えるということと、自動走行システムの責任でできることが増えること、については、両方セカンドタスクと呼ぶのではなく、例えば、後者のみをセカンドタスクと呼ぶ、と整理した方が混乱が少ないかもしれない。
  • 相当優秀な自動走行車であっても、運転席に座り、目の前にハンドルとペダルがあれば、自分はドライバーであることを意識し、運転責任を維持できるだろう。運転席が後ろを向くタイプの車では、ドライバーであることを忘れてしまう。
  • モーターショーの一般参加者の話等を聞くと、ハンドル、アクセル、ブレーキに触れずに自動走行するレベル2に対して、市場は価値を求めている印象がある。
  • 国民向けメッセージについて、自動走行車も機械であり、ドライバーが自動走行の機能を十分に理解した上で使用すれば、非常に安全で、快適で、環境に優しい使用法になると強調して欲しい。
  • 国民の誤解を防ぐため、ドライバーが危険を感じて運転操作をした場合、運転権限がドライバーに戻るという内容を追記すべきではないか。これは、ドライバーがドライバーであることを意識し、運転責任を果たすことにもつながる。
  • 国民向けメッセージについて、短期的に商品を見据えた書きぶりと、長期的に目標設定する書きぶりは異なってくる。現状の書きぶりは前者に近いが、もう少し公的な意義にも言及頂きたい。
  • 短期的な自動走行車はほぼ自律だが、長期的には、インフラとセットで車単体では実現できない自動走行、例えばレベル4を実現する世界があるかもしれない。
  • ビジョンであれば、長期の狙いと価値についてまず言及した上で、最初の第一歩として2020年頃にこういうことが実用化されますという説明の方が分かりやすいのではないか。

(2)実現に向けた協調領域

事務局からのプレゼン

  • 自動走行(レベル2、レベル3)における将来像との関係で特に重要な協調テーマである「地図」「通信」「人間工学」「認識技術」「判断技術」「機能安全」について、それぞれ協調のポイントを整理した。 「地図」は、その用途・仕様・更新・ビジネスモデル、「通信」は、その用途・仕様・ビジネスモデル、「人間工学」は、ドライバー状態の評価・セカンドタスクの評価・HMI等、「認識技術」は、走行映像データベースの整備・革新的認識技術の開発等、「判断技術」は、潜在リスク情報データベースや判断技術の評価方法等、機能安全は、機能限界時の検知方法・縮退方法等、と整理した。
  • また、その他の協調領域候補として、技術面から「車載システムの標準化」、「高速演算処理技術の開発」、「自動走行用テストコースの整備・運営」、「自動走行の効果の評価」、事業環境面から「衛星測位の位置精度の向上」、「一般国民への情報提供・啓発」、制度面から「自動走行関連の自動車保険制度」、「車両に関する安全基準」、「運転責任/事故時責任の検討」、「違法駐車回避時の交通ルールの適用の検討」、「自動走行に対応した免許制度、教習制度の検討」等が挙げられる。

産業技術総合研究所自動車ヒューマンファクター研究センター長北﨑智之様からのプレゼン

  • 自動走行における人間工学課題は、車両システムと人(ドライバ、その他交通参加者、社会)とのインタラクションで発生するものであり、またその中でも、車両システムとドライバー状態における課題が重要視されている。
  • 上記課題について、日米欧で国際協調が図られており、評価基準作りの為の研究が進められている一方で、別の方向性として設計(HMI/モード遷移)支援を目的とした研究の推進も必要と考えられる。
  • 自動運転のドライバーモニタリングに関しては、車両挙動や運転操作行動が状態予測変数として使用出来ず、ドライバーのReadiness状態に対応する指標が確立されていない。その為、まずはその指標を明らかする為の研究を優先して実施した後に、ドライバーモニタリングシステムの研究開発を進めていく事が重要ではないか。

討議

  • 自動走行の協調領域が議題ということで、日本自動車研究所の代表的な取組を簡単に説明させて頂く。認知技術については、走行映像データベースの構築・実証事業を行っている。実際に車を走らせて走行映像を収集し、映像に映っている歩行者がどんな歩行者か等をタグ付けし、タグ付けされた走行映像のデータベースを構築し、メーカ・サプライヤの認識技術の開発・評価に役立てて頂く。また、潜在リスクを先読みする技術の開発のため、様々なドライバーの運転行動データを収集等する事業を行っている。さらに、機能安全については、機能限界時にもユーザの安全確保を可能とするシステムの要件の検討を行っている。また、海外では自動走行実験用の共用テストコース等がオープンしており、日本自動車研究所としても基準・標準化への対応や産学連携の研究拠点の形成に寄与する共用テストコースの検討をしている。
  • 自動走行の協調領域が議題ということで、交通安全環境研究所の代表的な取組を簡単に説明させて頂く。認知技術や通信技術の試験や評価、標準化等に取り組んでいる他、ドライブシミュレータを活用した自動走行技術の評価・検証を重点的に行っている。
  • セキュリティについては、通信に関連するものだけでなく、制御系の話もある。
  • 倫理的問題は、他のプロジェクトではなかなか扱われていない、とても重要なテーマ。
  • どういう運転操作をしても、必ず人をはねるシチュエーションについて、最近話題とされることが多いが、実際問題そうしたシチュエーションに遭遇することはほとんど無いと考えている。そもそも、そうしたシチュエーションにならないように努力すべきであり、倫理的問題の優先順位は低いと考えている。
  • 倫理的問題については、技術開発というよりは、社会のコンセンサスをどのように取っていくか、というところから議論し、技術側でその議論を受けとる形ではないか。
  • 倫理的問題については、ベテランドライバーでも対応が難しいため、現時点で議論の優先順位は低いのではないか。
  • 自動走行車のカメラやセンサー等から集まるビッグデータの取り扱いに関して、チームジャパンとして協調検討していくべきではないか。
  • 機能安全については、機能限界や故障時においてブレーキ制動の機能は非常に重要であることから追加頂きたい。また、試験方法が重要なポイント。
  • 機能安全の試験方法は非常に重要。また、試験方法、評価方法、標準化については、統一して一つの強調テーマとしても良いのではないか。また、ドライビングシミュレータの標準化についても、人間工学の中で協調のポイントとして取り上げて欲しい。
  • 危険を最小化する制御については社会受容性によって決まる部分もあるが、部品メーカとしてはしっかり協調して議論して整理して頂きたい。
  • ドライバーモニタリングについては、ユーザーの安全を担保するためのものであるため、自動車業界として一致団結して協調の議論をしていくべきではないか。
  • 機能安全については、ISO26262の改訂の議論が動いており、協調して対応すべき。
  • 機能安全については、危険度や確率などに応じてメリハリをつけて対応するものであり、どのくらい対応するかの相場観もまず国内ですりあわせをした後に、国際協調して決める話。

(3)自動走行(レベル4)の扱い

事務局からのプレゼン

  • 移動の自由の確保という社会的ニーズへの対応の観点から、閉鎖空間に限らない自動走行(レベル4)への期待感が存在する。社会的ニーズも踏まえ、外部のメンバーも巻き込み、実現に向けたシナリオ等の検討を開始すべきではないか。

討議

  • 地域によって多様なニーズがあり、ニーズに合わせてどういうシステムを開発するかという話。ある都市・ある地域では意外とすぐに導入が進む可能性もある。
  • 海外で、99.9%は自律で停車可能だが、0.1%の確率で止まれないかもしれない公共交通EVを町中で走らせるプロジェクトがあり、時間が経過するにつれて、少年を含めて地域住民がEVを避けるようになった。すなわち、公共交通機関としての移動できる自由が尊重され、地域に受容され、皆でEVを避けることが習慣化した。ビジネス的な成立性は別にして、完全閉鎖空間にしなくても住民がそのリスク分を受け入れられるのであれば、自動走行レベル4の可能性はあり、自動走行技術の出口の一つとしてあり得る。
  • 海外で、町中で低速の自動走行車を走らせて、社会受容性をみる事業が始まっている。
  • 自動走行(レベル4)については、公共交通機関として捉えるか、個人の移動手段として捉えるかで違う。なお、社会性やルールが非常に大事な論点となってくる。
  • 2030年、2040年という少し長期レンジで考えた際に、今何をすべきかは話を整理していきたい。

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経済産業省 製造産業局 自動車課
電話:03-3501-1690
FAX:03-3501-6691

国土交通省 自動車局 技術政策課
電話:03-5253-8591
FAX:03-5253-1639

 
 
最終更新日:2016年1月21日
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