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自動走行ビジネス検討会 将来ビジョン検討ワーキンググループ (平成28年度第1回)-議事要旨

日時:平成28年10月5日(水曜日)16時00分~18時00分
場所:TKPガーデンシティ永田町ホール3A

出席者

(敬称略、五十音順)
大川 徹
富士通テン株式会社 技監
大平 隆
いすゞ自動車株式会社 開発部門 常務執行役員
荻原 浩
富士重工業株式会社 スバル技術本部 技術戦略PGM 上級プロジェクト・ゼネラル・マネージャー
鎌田 実
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
河合 英直
独立行政法人交通安全環境研究所 自動車研究部長
鯉渕 健
トヨタ自動車株式会社 先進技術開発カンパニー 先進安全先行開発部 部長
清水 和夫
国際自動車ジャーナリスト
武田 稔
株式会社ジェイテクト 研究開発本部 産学連携推進グループ長
栃岡 孝宏
マツダ株式会社 統合制御システム開発本部 主幹研究員
永井 正夫
一般財団法人日本自動車研究所 代表理事 研究所長 (東京農工大学 名誉教授)
長谷川 哲男
日産自動車株式会社 R&Dエンジニアリング・マネージメント本部
本庄谷 義彦
パナソニック株式会社 車載エレクトロニクス事業部 ADAS開発センター 所長
伊藤 高順
株式会社デンソー 技術企画部副部長
真野 宏之
日立オートモーティブシステムズ株式会社 技術開発本部 主管技師長 兼 日立製作所情報・通信システム社 主管技師長
横山 利夫
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 上席研究員
吉田 直樹
ルネサスエレクトロニクス株式会社 第一ソリューション事業部 セーフティ・ソリューション事業部 シニアエキスパート
  • 一般社団法人電子情報技術産業協会
  • 一般社団法人日本自動車工業会
  • 一般社団法人日本自動車部品工業会
  • 一般社団法人日本損害保険協会
  • 公益社団法人自動車技術会
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
  • 日本自動車輸入組合
  • 特定非営利活動法人ITS Japan

開催の趣旨

交通事故や渋滞等の解決に向け、新たな取組である自動走行への期待は大きく、関連する市場の拡大も見込まれる。欧米が攻勢を強める中、我が国の強みである自動車メーカーとサプライヤの緊密な連携等を活かしつつ、我が国自動車産業が自動走行において競争力を確保し、世界の交通事故の削減等に貢献するために必要な取組を産学官で検討する「自動走行ビジネス検討会」の中間とりまとめ報告書を平成27年6月に公表した。
本WGでは、中間とりまとめ報告書を受け、自動走行の発展に不可欠な関係者の協調を促進するため、

  1. 2030年頃までの実用化が期待され、実現のために関係者(国、自動車メーカー、サプライヤ、大学・研究機関、ユーザー等)の連携が重要となるアプリケーションを特定する。
  2. それぞれの社会実装に向けて必要となる「技術」と「制度・事業環境」の課題に関する認識を共有する。
  3. このうち、協調して解決すべき課題を確定し、今後の取組(技術開発、基準・標準の策定、事業モデルの構築、実証等)の方針を検討する。

議題

  • 座長の互選
  • 自動走行レベル
  • 検討対象候補と検討体制
  • 自動走行による将来像の明確化

議事概要

  1. 委員による互選の結果、主査に鎌田実委員、副主査に清水和夫委員が選出され、鎌田主査・清水副主査から挨拶がなされた。
  2. 自動走行レベルは、NHTSAがSAE基準に準拠する旨を公表したことに伴い、本WGでもSAE基準を採用することとなった。
  3. 本WGでは「一般道路上での自動走行(レベル2、3、4)」を検討し、「混在交通下を含む自動走行(レベル5)」については、幅広い関係者で検討を進めた上でその検討結果をWGに共有・議論することとなった。また、上記二つのいずれにおいても、議論の進展に応じて、検討の対象を一般道路以外に拡大することを排除しないこと確認した。
  4. 自動走行による将来像の明確化について、討議を実施した。

事務局からのプレゼンテーション

  • 本WG全体の流れとして、まずは自動走行によって実現したい姿を具体的に描いた上で、それに向けた協調/競争領域のテーマ分けを行い、工程表に落とし込んでいくことが示された。
  • 自動走行における将来像を明確化するための叩き台として、欧米勢が自動走行で実現したい世界について整理したものが提示された。その上で、欧米勢には自動走行の各レベルの狙いや位置づけにバラつきがあるため、日本勢が結束することで世界に対しプレゼンスを示せるのではないかとの提案があった。自動走行により達成したい目的は、利用者、社会、自国経済等多様な観点があるため、受益者やシーン等で実現したい姿を整理した上で、その実現したい姿と大きな目的を紐付けつつ優先順位を考えるべきとの提案があった。
  • 日本勢の自動走行のレベル2~4や自動駐車についてのそれぞれの将来像の叩き台も提示された。その上で、自動走行の導入方法について、導入時期や地域、難易度を踏まえ、優先順位を検討すべきであると説明があった。

自動走行における実現したい世界について

事務局からのプレゼンテーション

  • 各国毎(アメリカ・ドイツ・シンガポール)の政府の取組に違いはあるものの、自動走行によって実現したい目標を設定し、その達成に向けた支援・法整備の検討を積極的に推進している例が紹介された。
  • 自動走行の実現したい世界について、欧米の代表的な自動車メーカーがいつまでに、どういったシーンで、誰に価値を提供しようと考えているのかについての事例が説明された。
  • 自動走行により達成したいことの優先順位を考えつつも、日本として自動走行のイニシアチブ獲得を目指すため、日本の自動車メーカーの結束が必要ではないかとの提案があった。

討議内容

  • 企業毎に自動走行レベルの定義に対する認識は異なっており、単純比較はできない。各社の認識について細かく見ていく必要がある。
  • 欧米は、革新的な産業をいち早く樹立させるために多額のコストを惜しまない傾向にある。日本としても、たとえ当初は経済性が悪かったとしても、将来を鑑みてコストをかけてでもとにかくチャレンジしていくことが大事ではないか。
    • トヨタのプリウスも最初は経済性が悪かったが、後にハイブリッド車は重要な産業に成長した。
  • インフラ整備もコストがかかるため、もし必要であれば業界として優先順位を整理する必要があるのではないか。
  • 自動走行の重要な目標の一つである「事故の低減」のためには、幹線道路だけでなく一般道における導入も重要。そのため、一般道における緊急時の自動停止、右左折も考えていく必要がある。
  • 一般道路での自動走行については、ステップバイステップで、対応可能なシーンや対応できる地域を徐々に拡大させていく形になるだろう。
  • 自動走行では、車両とインフラとの役割分担をどう設定するかが鍵である。
    • 例えば、信号情報の認識について、大型トラックの真後ろについてしまった場合、車載カメラのみでは認識不可能であるため、通信系による情報取得が重要。また、矢印付きの信号や、夜のネオンに紛れた信号については、認識が相当困難となる。
    • 信号の切り替えタイミングの情報が得られると良いが、難しいだろう。高精度地図上に信号の位置、種類の情報を載せる等の対応が必要である。

レベル2について

討議内容

  • レベル2においては、人とクルマの二重系安全確保システムのため、人とシステムの双方が健全であることが必要である。特に、自動走行機能に慣れると人の対応力が低下するため、人の健全性を担保する仕組みの確立が必要である。
  • 商用車、大型車の自動走行の実現には、大きな社会的価値が存在する。しかし、レベル4ではなくレベル2の方が、自動走行にかかるコストも安く、社会受容性も得やすい可能性がある。
    • 多くの乗客を移動させる場合には、電車や航空機のように運転士やパイロットがいる。こうしたアクターの支援を行うだけでも価値があるのではないか。
    • レベル2によるバスの正着性の向上や、PTPS等を用いて他交通と協調することにより、定時性を向上させることもできるのではないか。
  • コストに対する価値のバランスは、レベル2が一番良い。レベル3や4については、コストの上昇に見合うだけの価値があるかは更なる議論が必要である。
  • 自動走行の基準を巡る国連の議論の場においては、レベル2を中心に議論している。
    • レベル2について、車線維持機能における基準案は合意ができつつあり、現在は高速道路における連続的な車線変更、分岐/合流、追越について議論している。
    • レベル2において、システムが限界に達した場合は、ドライバーに告知してから4秒後にドライバーに運転を代わることを今後議論し、2018年末の施行を目標としている。ただし、国連の議論は1年程度遅れるのが通例である。

レベル3について

事務局からのプレゼンテーション

  • 欧州自動車メーカーは、ドライバーの運転に対する負担の軽減や支援による交通事故の削減のため、セカンドタスクを可能とするために、2017年からレベル3の導入を狙っている。一方、米国自動車メーカーは、自動運転支援システムとドライバーの切り替えの困難さ等を理由に、一気にレベル3を飛び越えようとしている旨が説明された。

討議内容

  • レベル3の車両基準の議論については、現在、自動運転時の運転者等をめぐる国連のジュネーブ条約の議論が行われているため、先送りされている。
  • 欧州におけるレベル3の実現は、2017年においては厳しいと考えている。実際に、欧州含め国連で現在R79について議論されており、カテゴリEクラスが決まるのが2019年となるゆえ、レベル3実用化は、2019年以降になるはずである。
    • レベル3では、常時前方監視の必要は無いが、責任の所在がドライバーか企業側かで対応は分かれているため、「レベル3」という区分のみで同列に議論することはできない。
  • 欧州の自動車メーカーは、法規制が整うよりも先に自動走行車を市場に出し、デファクトスタンダードを形成させる手法をとる傾向がある。
    • 例えば、ドイツではレーンチェンジの決まりが未だないものの、Benzはレーンチェンジの車をすでに販売済みである。そのため、法規制の整備を優先する日本の自動車メーカーと比べると、欧州の自動車メーカーの方があたかも進んでいるように見えるが、実際の技術力の差はほとんどない模様である。
  • 欧州自動車メーカーは、「レベル3で車内でのセカンドタスクを実行できる一方、責任はドライバーに帰属する」という体制を2017年から実施したいと考えているが、欧州の主要国政府には認められていない状況である。
  • ドイツの自動車メーカーは2020年過ぎ頃に、デファクトスタンダードを確立する為、運転支援と呼称しながらも、特定の区間で、ボタンによる切り替えにより、レーンチェンジを繰り返しながら進む自動走行車両の販売を開始したいと考えているのではないか。
  • 海外メーカーは、機能としてはレベル3、責任としてはレベル2(ドライバー責任)の車を、販売時にはレベル3と呼称することを考えているのだろう。
  • 欧州自動車メーカーの自動走行の技術レベルは日本と同程度であるものの、自国の政府と協力してインフラ整備から検討している。
  • ドイツの自動走行のレベルの定義は、レベル2や4については日本と基本的に同じである。しかし、レベル3については定義が曖昧なため、対象道路(高速道路、一般道路、駐車場、他)、アプリケーションの内容、責任の所在等を第2回WGまでに明確にすべき。特に、ドライバーとシステムの役割分担については、レベル2や4では各社考え方が近いが、レベル3では考え方が異なっている。
  • 自動走行車の自動化率を上げるためには、ほぼ全ての機能を冗長化する必要がある。例えば、前方にある物を識別するために、カメラやレーダーを併用している。
  • ただし、現在、信号情報の認識だけは冗長化できておらず、カメラ1つに依存している。しかし、信号情報の認識は、1000回に1回であれば間違えても良いというものではない。このため、カメラ以外の手段が無ければ、ドライバーによる信号の確認が必要となる。カメラ以外の手段としては、通信が考えられる。例えば、信号のLEDランプを活用した光通信等である。
  • 一般道路の事故削減のためには、自動運転化が必要であるが、車両に搭載されたカメラのみでの信号情報の認識は困難である。そのため、インフラによるサポートが必須となるが、インフラ整備には多額のコストがかかる。このため、日本の自動車メーカーが連携し、インフラに対するニーズをまとめて、政府側に伝えていくことが必要ではないか。また、車両とインフラの役割分担について、実証実験ができると良い。
  • レベル3においても、車からドライバーに運転主体が移るまでの数秒間は車の責任であり、限定された区間では実質的にはレベル3と4は極めて近いシステムとなるのではないか。
  • レベル3において「たびたびドライバーに運転を要求する車」は市場から受け入れられない。そのため、実質的には「基本的にシステムが操縦し、万が一のときだけドライバーに運転を要求する」というレベル4に近い機能になるので、結果としてレベル3と4の差はほとんどなくなるのではないか。
  • 一般道で目的地まで自動で走行することを考えた場合、課題の一つに地図がある。利用する地図としては、精度の粗いナビ地図、高度運転支援用の少し精度の良い二次元地図、高精度三次元地図と3つほど候補がある。
  • 地図に標識の位置情報が記載されるだけでも、自動運転実現に向けたハードルは下がる。
  • 全ての一般道路で自動走行するためには、随時アップデートができる全エリアの地図が必要になるため、民間だけではなく、官民一体で取り組まないと難しい。
  • 自動走行の実現に向けては、欧米のようにイノベーティブな社会に向けて完全自動運転を目指すか、あるいは量産技術としての実現を考えるかの二つのオプションが存在する。もし、量産技術としての実現を考える場合、システムが苦手とする分野を明確に認識することが必要である。その上で、人、インフラのどちらでそこをカバーするのかを議論すべきではないか。
  • 自動走行レベルも状況に応じて遷移するため、インフラのニーズは絞りつつ、レベルを上げていく議論ができると良い。
  • 自動走行の大きな目的として、環境に関する内容を入れるべきではないか。
  • 東京オリンピック・パラリンピックに向けたイニシアチブの獲得と、レベル3あるいは4の間にどういう繋がりがあるのか、地図等の必要な取組や制約条件含め整理して欲しい。

レベル4について

事務局からのプレゼンテーション

  • 欧米の自動車メーカーは、安全性に注意しつつも2021年頃にレベル4の実現を図っている趣旨の説明があった。
  • 日本勢の一般道におけるレベル4の実現は、2030年を視野にイレギュラーな交通の可能性が少ない環境から実施する方向性である旨の説明があった。また、駐車場においては、一般駐車場における完全自動駐車を2025年以降に達成する見込みとの旨が説明された。

討議内容

  • レベル4では、日本は市販車両を前提に量産ベースで研究を進めているのに対し、海外では移動サービスを前提に、研究開発フェーズで使っている非常にコストが高い車両を市場投入していくアプローチを採用している。
  • 欧州において、レベル4の実用化に向けたロードマップが早まったのは、自動運転の実用範囲を「限定空間におけるシェアードモビリティ」に絞り、かつコストが高い車両でチャレンジする決定をしたことによる。こうした動きに対して、日本としてどう対応していくかは議論が必要である。もし、日本でも欧州と同様の動きを取るとすれば、当初は事業性が無いため、社会実験のような形になるだろう。
  • 第二回WG終了時までに、本WG内で議論の対象となっているレベル4の定義を具体化する必要がある。
  • レベル4の実用化に向けては、自動車メーカーが資金を掛けないで実現する方法もある。例えば、コストの低いレベル2の車とインフラの協調によりレベル4を実現する方法である。欧州の一部の企業では、日本のレベル2の車と同レベルの技術とインフラ接続によりレベル4を実現しようとする動きがある。
  • ゆりかもめや愛知万博におけるバス(IMTS)のように、外部から断絶された専用空間を作れば、その中でレベル4のインフラを実現することは既に可能である。よって、資金を莫大に投入すればレベル4は実現可能であるが、レベル4を活用したサービスは、過疎地でタクシーが撤退したようなエリアにおいてもビジネスとして成立するかは考える必要がある。
  • 公共的な観点から、ビジネスが成立しなくても、国等の公的機関がレベル4を実施していくというのはありえる。
  • レベル4の将来ビジョンとして固まったものはまだ無いが、20~30年後に社会に大きな影響をもたらす可能性がある。
    • 例えば、超小型の電動ロボタクシーを道端に並べ、スマートフォンで呼ぶと1分以内に来るような仕組みの確立は、人々に新たな利便性を提供するだろう。
    • また、欧州では既にオーナーズカーが入れないエリアがあるが、そうした場所で、小型モビリティを導入すること等も考えられる。
    • さらに、カーシェアリングにおいて、車が自動で配回送されるような仕組みを、一企業の取り組みではなく、交通システムとして国が作っていくというのもあるのではないか。
  • 東京オリンピック・パラリンピックの前後に、限られたエリアでインフラも整備し、レベル4を走行させる実証実験に取り組むべきではないか。実証を通じて、課題を抽出し、将来の方向性を検討するべきではないか。
  • レベル4の実用化に向けて、考慮すべきパラメータは、現在及び近い将来までに実現される技術の限界、ビジネスとしての成立性、社会の受容性の有無の3つである。
  • 自動運転の社会受容性がどうなるかについては、実証実験を通じてしか分からない。そのため、個社を超えて社会実験として実証する必要があるのではないか。
  • レベル4には様々なあり方が考えられるため、いくつかの地域で実証を行うべきではないか。
  • 離島において全ての車両をレベル4にすることで、自動走行の実現をすることは容易なのではないか。
  • 自動運転により自動車の所有の概念が社会学・心理学の観点からどう捉えられるのかについても考えていきたい。
  • 自動運転に対する技術視点の見方だけが先行し、利便性を一方的に押し付ける形になってしまわないようにしたい。
  • ベンチマーク対象を、中国やシンガポールを含めて広げ、自動運転で先進的取り組みを行っているアジア諸国まで含めた上で、日本として、自動運転の普及を、どこで、どのように実現するかについて考えるべきではないか。
    • シンガポールでは、政府主導のもと海外の先端技術を積極的に誘致し、自動運転車の普及やモビリティサービスを支援し、車とサービスのパッケージ輸出を目指している。実際にシンガポールで、米国ベンチャーのnuTonomyは政府の支援を得て自動運転タクシーの試験運行を開始している。シンガポールで実証することで、車とサービスとをパッケージにしてインフラ輸出していくことを考えている。
    • GoogleやBaiduは、レベル4において、車両販売ではなく、リスクが低くかつ高収益であるICTや移動サービスに主眼をおいている。それゆえ、車両販売や自動車メーカー中心の日本とは異なる視点が存在する。
    • Uberは、衰退した鉄鋼産業の町であるピッツバーグで、新しいイノベーションを興そうとしている。
    • Baiduは、レベル4の実現の場所として、観光の町で行うことを選択している。観光の町では、自動運転の障害は多いが、その分、人が多い場所であるため注目を集め易い。
  • 日米欧や中国における自動走行に関する技術、インフラ、法整備等の状況について、比較・整理すべきではないか。
  • 雨や霧等の天候のハードルに対して欧米勢や日本の自動車メーカーはどう考えているのかを比較・整理することが必要である。
  • 自動運転をめぐる法規の問題は重要であり、ビジネス面も踏まえた方向性を示すことが重要である。閉鎖された場所しか自動運転が認められなければ、ビジネスとして成立させるのは困難である。
  • 自動運転に関する法整備については、国際的にも始まったばかりであり、実用化のスケジュールとのリンクも念頭に、今後スケジュールを組んでいく必要がある。
  • 自動運転を実施する場所も大切な問題になる。Googleはビジネスになりそうな人口密集地の10km四方で実施しようとしており、日本としても、どこで、どのように実現するかを決めることが重要になる。
  • 自動車産業の120年の歴史を踏まえた過去からの視点だけでなく、社会からの視点も合わせた議論を実施するべきではないか。そうすることで、海外発信時に厚みが出たり、若者の関心を高めることができるのではないか。
    • 大学において、社会の視点から自動運転について考えるワークショップを開催したところ、若者たちが積極的に議論に参加して盛り上がった。そのため、公共政策としての議論の場を大学側として提供していくべきではないか。
  • 自動走行については、実現に向けた議論だけではなく、どうやって普及させるかのシナリオを考えることも必要ではないか。
    • 例えば、久米島での自動運転車の実験から、どのようにAIを使ってマッピングするか、データベースを作っていくかについても考えていくべきではないか。
  • JARIは、日本の自動車メーカーが共通に使えるデータベースを現在蓄積している。大きな目的に向け、どうやって効率良く普及のシナリオを作っていくかが重要ではないか。

自動走行の定義や呼称について

事務局からのプレゼンテーション

  • 自動走行の各レベル毎の呼称について、SAEの定義に基づき、レベル1を「運転支援」、レベル2を「高度運転支援」、レベル3を「半自動運転」、レベル4を「特定状況下の完全自動運転」、レベル5を「完全自動運転」とする旨の提案があった。

討議内容

  • レベル2および3の呼称については、国際調和が必要である。レベル2を運転支援と表現することに違和感はないが、レベル3を自動運転と表現するかどうかは議論が必要ではないか。
  • 日本だけ「レベル2を自動運転と表現しない」と決めても、海外がレベル2を自動運転とするのであれば、かえって消費者の混乱を生む可能性がある。
  • レベル1~5の全てを「自動運転」として定めた上で、人の関与がレベルの上昇にしたがって徐々に低下していくという考え方を定着させるアプローチもありえるのではないか。
  • レベル2の呼称については、メリット/デメリットを詳細に検討した上で、慎重に決定する必要がある。自動運転実現に向けたハードルとしては、「テクノロジー」、「社会の受容」、「権利と責任」の3つがあるが、現在の議論はテクノロジー、すなわち研究開発が中心となっている。
  • NHTSAがSAE基準に合わせると発表したが、これもテクノロジー、研究開発を中心とした定義である。
  • 自動運転の議論がテクノロジー、研究開発中心となっており、ユーザーには理解されにくいものになっている。そのため、レベル2では監視義務があるにもかかわらず、テスラの事故や、大橋ジャンクションのきついカーブを手放しで走行する事態が発生している。
  • 監視義務あり等のドライバー責任の下での自動走行については、呼称の工夫や丁寧な説明、利用方法の学習によって対応する必要がある。
  • 呼称について、海外ではautomatedとautonomousの使い分けがされている。もともとのNHTSAの呼称ではレベル2を「機能の自動化」と呼んでいた。オートエアコンのように、一部の機能が自動化されているに過ぎないことを知らせるために、適切な呼称や丁寧な説明が必要であり、言葉の使い分けも重要である。
  • ドライバーでも自動走行でも防ぎきれない状況においても、一般の人が自動走行車に乗っていると、機能に対し過度な期待をしてしまう懸念が存在する。

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電話:03-3501-1690
FAX:03-3501-6691

最終更新日:2016年10月25日
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