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和装振興協議会(第2回)-議事要旨

日時:平成28年5月27日(金曜日)15時00分~17時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

アトキンソン委員、きくち委員、小林委員、近藤委員、五月女委員代理、中崎委員代理、中村委員、西田委員代理、野瀬委員、矢嶋委員、山中委員、吉田委員、渡邉委員

議題

流通・製造の課題、消費者ニーズについて

議事概要

流通の課題について

  • とにかく委託販売の形態をなんとかしないといけない。分科会での意見にもあるように、小物業界は買取りの世界なのにきもの業界は基本的に委託販売。早急に改善しなければ産地はなくなってしまう。
  • アパレルは商品の企画、生産をする人間が価格設定をするが、きものは企画するつくり手が価格設定をしていない。企画と価格設定とが一体化する方向で議論しないと前に進まないし、結果として消費者に良いものが届かない。
  • 決して工芸品だけが本物で、インクジェットがダメということではない。工芸品と工業品を区別して売る側がきっちり説明し、明確な価格設定をしないかぎりファジーな状態が続く。協議会で流通革新という部分を議論していくべき。
  • 川上と川下が離れるのではなく、連携していかないといけない。あり方や施策によって色々なことができるという認識の下、既にいくつかの連携事業に取り組んでいる。
  • 本当に良いものかどうかは消費者にはわからない。売る側がよく説明し、差別化、区別をちゃんとしないと、つくり手には何の利益にもならず、事業をたたまざるをえなくなってしまう。
  • 上代設定をしている商品はあこぎな呉服店にはとても扱えない。こういうものがこれぐらいの価格でできるというのが消費者にも知ってもらえればと思ってやっている。こういった商品を取り扱ってくれる店が増えてくれればいい。
  • 正直な商売をすることで消費者からの信頼を取り戻さないとこの業界には将来がない。我々がまず業界内から頑張っていかないと。

製造の課題について

  • 事務局報告資料7,8ページの産地の現況を見ると、きもののマーケットが縮小する中で、産地はほぼ壊滅的な状況になっている。いかに産地を継続させていくかが課題。
  • ものづくりには一定の規模(生産量)が必要。セグメンテーションに合わせてそれぞれのビジネスモデルを構築し需要を掘り起こしていくことも必要だと思うが、果たして産地が壊滅してしまう前に間に合うかどうか。
  • 担い手不足の解消に向けて、昨年から大日本蚕糸会の事業として養蚕業に入ってくる人たち向けに、研修費用、設備投資費用の助成などの支援を行っている。
  • 国産の繭・生糸をいかに消費者に届けるかに重点を置いている。純国産絹マークを作り、トレーサビリティを確保している。希少価値は出たものの、国産の良さはなかなかアピールできていない。流通や消費者のニーズが変わっていく中で、どうすれば価値を伝えられるかという課題と向き合っている。
  • 職人の高齢化、人材不足は何年も前からの課題だが、未だに解決できていない。原因は仕事量がなく職人への給料が払えないこと。弟子職人の給料を高くすると、親方が無賃の状態になってしまう事態も起きる。
  • つくり手としても、売り手としても、どう消費者にアピールしていくかを真剣に考えていかないといけない。
  • つくり手の人が、きものをファッション、アパレルとして捉えていない。女性のファッション誌も読んだことがない、きものでお出掛けしない。つくり手の方々の意識が低いのではと感じている。
  • 国産漆の世界では、職人の平均年齢が高い。これは若い人が入ってこないということではなくて、高齢の職人の給料が高いことが原因。人件費の安い若い人が業界に来るのを嫌がる。結果として、製品が高い→売れない→若い人を入れないという悪循環が起きる。
  • 積極的に若い人を雇えば価格を下げることができる。売上機会を営業によって増やすことで売上を増やせば単価が下げられる。営業努力が成果に結びつくという好循環を生む

消費者ニーズについて

  • 報告資料34ページのスライドは、ニーズの異なる消費者を区別しようという図であるが、セグメンテーションの軸が年代や着用シーン以外にもあることが想定される。例えば、居住地が首都圏あるいは地方なのかでもニーズは違うし、年代によっても購入先・傾向が違う。同様に着用頻度、着用シーンによって異なるニーズを図で表現しているが、前提として、消費者のきものを着たいというニーズの形は一つではないということを認識する必要がある。
  • 着用シーンの違いを見ると、普段着にしろハレ着にしろ、こだわりのある高価なものを着たい人もいれば安価なポリエステルのものでいいという人もいる。ユーザーのニーズの形が複数あり得て、それぞれに対応する形で提案を深めていくことが業界の多様化・拡大につながるのではないか。
  • きものが持ついろいろな面倒さを解決することで潜在需要の顕在化につながる。「高い」「着るのが難しい」「手入れが手間」「収納場所がない」「コーディネートがわからない」などの面倒さは裏返せばチャンスである。
  • 現在の消費者は使い分けが上手。インターネットの普及により、販売チャネルも非常に多岐に渡り、様々な情報が様々な場所で手に入ることもあって消費者ニーズもさらに多様化している。消費動向を一定のパターンとしてひとくくりにできない。
  • 昔は低品質な情報をもとに着用されないきものを売っていて、今とは状況が異なる。これからは、どういう着用場面にどういう提案をしてあげるかが大事。トータルコーディネートをして、きものを好きになってもらえる機会になれば。商品の良さとともに、質の高い情報、提案が求められていく。
  • 報告資料の34ページの「きもの市場のセグメンテーション」の話の中で気になるのは着用機会。年1回以上着用が12%、数年に1回以下着用が約90%に上る。決定的なオケージョンの不足を感じるし、オケージョンの創出というのが反転攻勢のきっかけになるのではないか。
  • 「自分できものが着られない」「縫えない」「選べない」「高くて買えない」「買っても着ていく所がない」「装う喜びを知らない」「きものの真価を知らない」「きものを伝える人がいない」「たんすの中はいっぱいでしまう所がない」という9つの「ない」がきもの着用の壁となっている。売ることに注力する前に、それらを解決していくことが必要。
  • 事務局報告資料33ページのピラミッドの図について、35ページの吉田委員の図のように、ハレとケは上下の関係ではなく、洋服のファッションと同じように左右の横関係と考えた方がよい。また、従来のフォーマル偏重ではなくカジュアルも含めた選択肢を提供しないと。
  • つくり手・売り手にしてみても、きものが好きな人は安ければ買うという感覚ではない。支出に占める衣料の割合が高い人はいて、ご飯を我慢してきものを買いたいという人もいる。そういった方々がどういった傾向にあるかというと、正しいものが好きで、フェアトレード、エシカルという考え方を好む。トレーサビリティが確保されていて、納得感があれば多少高くても買ってくれる人たちはいると感じている。食べ物と同じように、きものも顔が見えるものづくりをしていくべき。

その他

  • 経産省の昨年11月の取組を受けて、業界としても呼びかけを行い「きものの日」に合わせてきものを着用することを考えている。具体的な取組内容はまだ決まっていないが、新聞・テレビ・マスコミにもご協力いただきながら発信していきたい。
  • 最終的に、クールジャパンの一環として、日本の良さを見直そうよというムーブメントにしなくてはいけない。ユネスコの無形文化遺産登録にも注力していきたい。全業種を挙げて取り組んで行けたらいい。
  • 業界の方向けに講演をする機会があるが、きもの着用者が少ない。業界側の意識が低いと感じざるをえないので、まずは業界からきものを着用して欲しい。
  • 着付け教室の教え方が難しすぎて、途中でやめてしまう人が多い。また嘘が多い。先日講演の受講生の中に、地元で通う着付け教室から半幅帯、名古屋帯が絶滅したと教えられて高い袋帯を買わされていた方がいた。この期に及んでこんな教室がまだ存在することが非常に残念。
  • 和装のユネスコ無形文化遺産登録の話が出たが、私達が一番大事なのは消費者であって、その人達に高い値段で売りつけるための手段であってはならない。
  • ユネスコ無形文化遺産登録も、糸が中国、縫製はベトナムという現状を直してからでないと意味がないのではないか。そういった部分に目を瞑って登録しようというのは、ある意味身勝手な登録申請の仕方じゃないか。
  • 経産省でやっているのに、文化庁もきものの日に関連した取組がないと理屈が合わないのではないか。観光庁と連携して、きものを着るイベントをPRしてもらってもいいと思う。
  • きものはどこで作られたか表示がない。呉服屋などで話を聞いても嘘だと思うことが多い。産地、仕立てはどこでやったのかを開示してもらいたいし、ユーザーとして当然知る権利がある。この問題を放置してはいけないのではないか。

関連リンク

お問合せ先

製造産業局 生活製品課
電話:03-3501-0969
FAX:03-3501-0316

最終更新日:2016年8月3日
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