経済産業省
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和装振興研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成27年2月24日(火曜日)14時30分~16時30分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

近藤委員(座長)、天野委員、石崎委員、梅原委員、きくち委員、斉藤委員、柴川委員、須藤委員、髙倉委員、アトキンソン委員、福井委員、藤井委員、又吉委員、丸山委員、若林委員

議題

論点に関する議論

議事概要

1. きものの新規需要開拓のためには何が必要か

(1) 流通の問題・価格の問題

  • 伝統産業も助成を受けて成り立つ産業ではなく、ビジネスとして成り立つ産業であるべき。
  • 伝統だから高いという理屈は通用しない。非合理であればモノは売れない。
  • きもの業界は生産者→メーカー→問屋→小売という構造に、買継問屋、前売問屋、地方問屋が介在する等複雑な構造を有し、委託販売等が多いことが価格を不透明にしている。
  • 固定価格化は、消費者の納得度も高くできるし、ブランド価値を維持しやすい点でメリットがある。
  • マーケットについては、大衆市場と富裕層市場のマーケティングは別物であるべきであるが、区別できている呉服店は少ない。
  • きものの普及には、まずリーズナブルな価格帯が必要。

(2) 中長期的にきものビジネスを継続するための人材育成

  • 伝統産業には若い人が来ないといわれるが、そんなことはないと思う。求人活動をしていないだけ。また、テレビで伝統産業に人が来ないと報道されているのを見て言っているだけではないか。
  • 染織業界では初めから職員を社員として雇うところは非常に少ない。分業制で、それぞれ個人で仕事をしている。どうやって技術をつないでいくかが課題。作業が細分化されているので、一つでも抜けたら作れなくなる。
  • 伝統的工芸品で職人の平均年齢を下げたモデルケースが欲しいと思っている。
  • 自治体に人材育成の補助を申請する場合、単年度制度で困っている。職人は1年では育たない。
  • 大学で和裁を教えているが、きものの構造を理解できていない学生が多い。そのため、2年前に改革して、最初に小さな紙できものを組立させてから和裁の授業に入るようにしている。

(3) 消費者目線に立ったビジネス戦略

  • きもの業界の一つの方向性としては、アパレルブランドの商品開発、流通、価格、アフターサービス、プロモーションに移行するということがあると思う。誰をターゲットに、どういうメッセージで、どういう技術・品質のものを提供するかという視点で考えると、きものは消費者が認知できるようなブランドとしては作られていないと思う。だから、価格もよくわからなくなる。
  • リアリティのあるきものの提案が重要。例えば、バッグを持ちストリートを歩くのがリアリティ。きものだけでなく、音楽、場所、ヘアメイク、髪飾り、半襟等の小物も含めスタイルの提案が必要。
  • ファッション性を意識するのは大切。洋服の中の選択肢の一つとしてきものが入っていけるようにしたいと考えている。
  • モノがあふれている時代において、和・きものを楽しむことが新しいというムーブメントを作れたらいいと思っている。きものを着る「一手間」も愛おしさの一つとして提案できたらと考えている。
  • きものには長年培われてきた日本の職人の技術が詰まっており、消費者にはそれをまとえる喜びがある。またそのようなきものにお金を払うことで職人さんを支えられるというエシカルファッションとしての位置づけもある。ものを売るだけでなく、その裏にある価値観を広めることも重要。
  • 一番直接的に消費者に訴えられる場としてはファッションショーがあると思う。
  • 発信する側(作り手)は経済的な理由で大きなことができないので、国がサポートしてくれたらありがたい。
  • 「文化」とは、(1)何かの価値を発見し、(2)体系化するという2つの手続きが必要。さらに価値あるものがあればそれが上位に来る。この繰り返しで三角形(体系化)ができる。したがって文化の体系を維持するには、情報がないといけない。しかしきものは、三角形に入れる情報がなくスカスカ状態。中身がないのでそれで「伝統」という看板を付ざるを得なくなった。

(4) 消費者の求めるきものとは

  • 若い世代が買えるものがあれば助かる。30代くらいになると日本に対するいろいろな感情を持つにようになり、きものにも興味を持つ。40代になったら着たいと思うが、それまでの階段を上がってきていないので、急に200万円といわれても気軽に買えるものではない。少しずつ登っていける階段があるといい。
  • 産業になっても伝統が失われることはないと思っている。求めやすいきものを着ていても、いいもの、新しいものを見たら着たいと思う。洋服と同じようにきものにも多様性が認められ、最先端、古いもの、両方あれば面白い。
  • クリーニングが高すぎる。今の技術ならもっと低価格で洗いができるのではないか。
  • きものを普及させるためには、ルールにしばられず楽しめるきもののお手本をプロがもっとアピールしてくれるとよい。

(5)きものを知ってもらうための普及・教育

  • 一堂にきものを発表する場がないという声をよく聞く。産地や団体個別ではなく、博多織、西陣織等の垣根を越えて顧客が商品を全部見ることができるような機会を経産省で作ってもらえるとありがたい。

2. 地方創生に向けて、地域資源としてのきものの活用策を考える

  • 文化財はきものを着ていきたい場所。文化財行政は文化財を観光産業の資源として考えるべき。文化財をもう少し解放して利活用を広げ、きものを着る場所をもっと提供すべきではないかと思う。
  • 訪日外国人が1,300万人になったと言われるが、フランスは8,300万人、イギリスは3,500万人、香港は3,000万人。京都は260万人というが、ロンドンは1,700万人もいる。日本はまだまだ成長の余地がある。イギリスに来る外国人観光客はイギリスの伝統的な姿を求めている。伝統文化、芸能、民族衣装が旅行客のニーズとして出てきているので重視すべき。日本が観光立国を目指すならきもの姿を増やさなければならない。観光立国にしなければ、きものの将来も暗いのではないか。
  • 観光資源としてのきものの活用は重要。先日「京都きもの特区」構想をFacebookでぶつけたところ、たくさんの反響、応援のメッセージをいただいた。理想を積み上げることが現実につながっていくと思う。
  • オリンピックに向け、海外から観光客が来たときに、「日本人なのにきものを着ていない」、「かっこわるい」と思われたくない。

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最終更新日:2015年3月26日
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