経済産業省
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新しい総合物流施策大綱の策定に向けた有識者検討委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成25年2月19日(火曜日)18時~20時
場所:中央合同庁舎第4号館 12階1208特別会議室

出席者

杉山武彦委員長、苦瀬博仁委員長代理、圓川隆夫委員、高橋愛典委員、谷口栄一委員、根本敏則委員、増井忠幸委員、青山理恵子委員、上村多恵子委員、内田明美子委員、坂本裕寿委員、原田昌彦委員、一柳創委員、丸山和博委員、丸山英聡委員、中村次郎委員、樋口恵一委員、榮敏治委員、正木裕二委員、三浦憲二(代)委員、中井忍委員

議事概要

委員からのプレゼンテーション、論点整理等に係る意見交換

  • (資料7-2について)大きな論点として、「テーマ1.(1)(1)物流コストの一層の低減」が挙がっているが、これは目的であり、テーマ1.(1)(2)以降は手段や取組である。目的である物流コスト低減を手段等と区別せず取り上げてしまうと、単に各事業者のコスト削減を求めているように誤解されかねない。また、搬入時間の問題や返品問題、手待ち時間の問題は、おそらく「テーマ1.(1)(4)荷主と物流事業者のパートナーシップ強化」の部分で取り組むべき内容ではないか。そのような整理にした場合、目的として書くテーマが物流コストだけでいいのかという問題もある。目的と手段を整理するべき。
  • 物流コストについて、物流コストの構造がはっきりと分からないという問題がある。コストの一層の低減を議論する前に、コスト構造の明確化が非常に重要。
  • 論点の中に、施策の推進体制について記載がなかった。本日の委員のプレゼンテーションにもあったが、短期と中長期の目標設定やPDCAの実施は不可欠であり、今後しっかり議論すべき。複数の省庁や関係者(荷主、CIQ等)が関わる施策で、かつ重要な施策については、横断的な推進体制を検討してみるべきではないか。
  • (テーマ3.「強くしなやかで、安全・安心な物流の確保について」について)支援物資物流等について、最終的な責任がどこにあるのかをしっかりと記載すべき。民間事業者の方に早い段階からオペレーションに参加していただくことは重要だが、民間事業者が責任をとることではないはずで、国や自治体が責任を持つべき。
  • 荷主と物流事業者の連携という言葉が度々出てくるが、製配販の連携、サプライチェーンの川上企業と川下企業の連携、荷主と荷主の連携も重要。そのようなフレーズも入れておくべき。
  • 物流インフラの整備費や維持管理費をどう賄っていくべきかが問題となっている中で、事業者からは高速道路や港湾等の利用料を安くすべきという要望があるが、基本的には受益者負担、利用者負担とするのが原則で、一般の税金を充てるというものではない。「近隣諸国は補助金等で港湾利用料等が安くなっており、日本も同様にしてイコールフッティングすべき」との意見があるが、今後TPPやEPA、FTAの流れの中で、相手国の補助金の透明性を高めるよう働きかけていくべき。アジア諸国で補助金を出しているから日本も補助金をという発想はおかしい。
  • (資料7-2について)テーマ1.(1)(1)の「物流コストの一層の低減」という表現は気になるところ。物流コストを決めるのは消費者やそれぞれの企業のサービスレベル。色々なものを効率化していった結果コストが下がるというのはよいが、物流コストを低減させること自体が目的化するのは違う。
  • (資料7-3について)大きくは資料にある構成でよい。物流は川上から川下までありとあらゆる業種が絡んでいて課題が多すぎるため、「3.物流をめぐる課題」の部分は一番難しいだろうが、課題だけの記述になってはいけない。課題をどう解決するか、そしてその成果をどうチェックし、あるいは成果を数字で見せるようにするのか、一連の記述について工夫が必要。
  • 産業界が主張しているのは、全国に多数ある公共の港湾や空港施設が一体性なく運営されているため、例えば飛行機1機あたりの着陸料等が高くなっているのではないか、ということ。つまり、単にコスト削減と主張しているのではなく、公共の港湾や空港等の効率を上げて、KPI(「重要業績指標」)できちんと評価をすることによって、結果、例えばコンテナ1個あたりの取扱料を下げるということをして欲しいということ。コスト削減、低減だけを記載するのでは取り違えられるのではないか。
  • (資料7-2について)例えば項目48に「輸送機材の省エネ化、天然ガス等へのエネルギー源転換を促進するべきではないか」とあるが、これは国の政策に一致しているのか。国のエネルギー政策の方向性によって、物流業界が今後どのエネルギーをベースに運営していくべきかも変わってくる。国の政策がどのような方向に向かっていくかを議論した上で、それに沿った物流施策を設定していくべきであるので、「国の政策と一致した」という文言をどこかに入れるべき。
  • (資料7-2について)即日配送や極端な多頻度少量輸送など、日本の物流は過剰サービスであると認識しているが、BtoBに関してはそのことが触れてあるが、BtoCに関しては記載が十分でない。「見える化」という言葉が記載されているが、そういうものを活用しながら、国民の理解を得、民間の認識を高めていくことが非常に重要。循環型社会の実現や物流の効率化という観点からも、民間の理解がないと実現できない。また、民間の理解、認識をどのようにして高めていけばよいのかということも視点に入れるべき。
  • 多頻度輸送、小口輸送等それだけを取ってみると、非常に非効率な部分がある。しかし、違う面から見ると、例えば1日に3個しか売れない商品を、輸送の効率から1日6個配送することにすると、結局売れない残りの3個は廃棄することになる。現在小売業が非常に苦労しているのは、この廃棄の問題。最近は店舗にバックヤードも無く保管スペースもあまり無いという事情もあり、この点から小口輸送にも意味がある。また、多頻度輸送についてみても、例えば食品を1日に1回だけの配送となると、鮮度の古い商品しかなかったり、商品自体店頭に無いという事態にもなり、それで小売りが成り立つのかという問題にもなる。こういった面も考えていかないと、単にある一面から多頻度、小口は駄目と言っても、なかなか受け入れられない。多頻度輸送、小口輸送を全て否定してしまうのも問題。
  • 日本は過剰な新鮮さや正確さを求めすぎ、ガラパゴス化している。メーカー側はそれに応えるために努力するが、逆にそれでどんどんコストを上げることにもなり、悪循環。どこかで歯止めが必要。ガラパゴス化したモデルも競争力にはなるが、海外では通用しない。こういった問題は個々のメーカーや物流事業者の努力でどうなるものではないので、日本全体の状況を記載し、国民の意識を高める必要がある。
  • (資料7-2について)「既存インフラの機能向上」と題してある項目15以下は全て関連している問題。混雑の問題に対して名古屋港とロサンゼルス港では全く別のアプローチをしている。名古屋港は全ターミナルの業務の徹底した共有化・標準化、IT化により、コンテナの回転数を十数回に向上させた。一方、ロサンゼルス港は、平日のコンテナ持ち込みに対して課金し、その収受した料金を夜間や24時間オープンの費用に充て、混雑を解消するという方策をとっている。東京港でも昔からターミナルの共有化の話はあるが、いっこうに進まない。これは共有化を進めないターミナル側が悪いということではなく、それぞれが競争しているから。この20年~30年間ずっと標準化・一元化といって状況が変わらないことを考えれば、ロサンゼルスのような規制的なやり方もあるのでは。このままではグローバルな競争の足かせになってしまうので、この状況を何とか打開するよう今夏の大綱では一歩踏み出して欲しい。そのためには国と自治体との連携も必要。また、PDCAをしっかりと実施し、進捗状況を把握すべき。
  • 食品ロス・廃棄の問題については消費者側もいかにすべきか勉強会を開く等しており、多頻度少量輸送を消費者の選択と言われると、不満がある。消費者からすると、鮮度の良いものであって欲しいとは思うが、消費期限内のものであれば多少時間が経ったものを食べることについて特段問題はないと認識していることは理解して頂きたいし、関連して、国民の理解の醸成という点で、BtoCにおける「見える化」を明確化し、盛り込むべき。
  • 内田委員からのプレゼンテーションにおいて、先進事例が一般化せず、未だに先進事例でしかないということだったが、何がネックになり、物流全体に取組が広がっていかないのか。
     → 結局は、企業が物流の問題に関心がないということ。本日提出した資料の趣旨は、社会全体が関心を持って取り組んできたことを更に推進するためにどうすればよいのかという提言ではなく、やってやれないはずのない当たり前のことができていない状況に対する提言である。
  • 物流効率化以前の問題として、まだまだ物流に対する理解や興味がない状況。よく「ものづくり」と言われるが、「ものはこび」はどうなのか。運ばないとつくったモノに価値は付加されない。結局は「人」の問題であり、そのために20年~30年の長期的な視点で物流の人材を育成していくためのビジョンを打ち出せないか。サプライチェーンが世界中に拡大する中で、かなり早い時期に物流の基本的構造を勉強しておく必要があり、社会人になってから学ぶのでは手遅れ。国立の物流大学を創立するくらいの思い切った人材育成のビジョンを打ち出せないか。
  • 日本で物流を教えている学科がある大学は数校で海外と比べ、非常に少ない。日本で同じような状況にならないのは、社会がそういった雰囲気にならないという現実がある。すなわち、学部を造る際には最終的には就職はどうかという議論になる。物流コストの議論があったが、物流コストが無駄に高い等の議論を理解はできるが、実際の物流事業者の給料を見ると、本当にこれ以上運賃を叩きたいのかという印象を持つし、学生達はそういった給料の低い会社、社会からの理解がない会社はどんどん避け、荷主や荷主の物流子会社へ向かっている。人材の確保・育成という問題の核心がずれているようにも思う。
  • (資料7-2について)テーマ1.(1)(3)の「アジア物流圏の輸送高速化と我が国物流企業の国際展開」の部分が今回の大綱の目玉と認識。物流は日本国内だけでは限界があり、アジア全体に広げて考えていく必要がある。日本の物流はアジアと繋がった中で展開していく、グローバル化した物流というのが、若い人材にも訴求力を持っていくのではないか。そこで、世界の生産工場・消費工場であるアジアの中で、今後5年間で日本の物流企業が覇権を取れるか、また、シャーシや通関制度等ハード・ソフト両面で日本標準をいかにアジアに広めるかが、物流業界にとっても産業界にとっても非常に大きなポイントであると考えている。このような意味で、項目26~30を今夏の大綱の中で、官民連携していかに方向づけるかが重要であり、また、明るい話題になってくると思う。
  • 大綱なので総花的にならざるを得ないのは分かるが、この大綱がどこを目指しているのかよく分からない。それは、物流がかなり多くの要素を含んでいる故だと思う。従って、できるだけメリハリをつけるという観点が重要になる。その場合、5年に1度の改定ということを考えると、今何が一番重要であるかを意識することが必要であり、それはやはり競争力の強化であり、それに少しでも資するような大綱の形にしていくべき。現在の骨子イメージは極めて教科書的でありきたりな項目分け。もう少しメリハリをつけるべき。そのとき、物流は国民生活を支える大切なものであるということをもう少しわかりやすく伝えるような視点もあると思うし、そのようなことに意を用いて強調すべき点の絞り込み作業をすべき。
  • (資料7-2について)テーマ3の「強くしなやかな」という表現に違和感がある。「高速道路のあり方検討有識者委員会」の報告書で用いられているのは承知しているが、この表現は見直すべき。
  • 東日本大震災のプロセスを見ると、民の中でも業界団体が非常に活躍していた。BCPは個別の企業がそれぞれに作成しているものだが、業界全体としてのBCPも考えておく必要がある。
  • 人材育成や災害関連については今までの大綱で十分に書かれてこなかった部分だと認識。特集のような形で前回との違いをアピールしてはどうか。どこまで踏み込むかは議論が必要ではあるが。

今後の進め方等

  • 次回は3月18日(月曜日)18時~20時に開催。

以上
(文責 事務局)

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最終更新日:2013年2月26日
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