経済産業省
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新しい総合物流施策大綱の策定に向けた有識者検討委員会(第5回)‐議事要旨

日時:平成25年3月18日(月曜日)18時~20時
場所:中央合同庁舎第4号館 1階共用108会議室

出席者

杉山武彦委員長、苦瀬博仁委員長代理、圓川隆夫委員、高橋愛典委員、竹林幹雄委員、増井忠幸委員、青山理恵子委員、上村多恵子委員、内田明美子委員、原田昌彦委員、一柳創委員、丸山和博委員、丸山英聡委員、中村次郎委員、樋口恵一委員、結城幸彦委員、榮敏治委員、正木裕二委員、三浦憲二(代)委員、中井忍委員

議事概要

提言骨子案に係る意見交換

  • 大綱の成果を出すため今後5年間の具体的目標と、その中で何を優先し何を捨てるのかという「選択と集中」についてはっきりと書くべき。そのために、この20年間のフォローアップから始めるべき。例えば、港湾の水深確保について、将来さらに船舶が大型化することを見越して、この5年間に具体的に何をするのかということを大綱に書く必要があると考える。
  • 国家戦略としての物流が後追いになっているため、「選択と集中」ができず、ムダ、ムリ、ムラが多くなってしまっている。むしろ将来を見渡しながら物流が先回りして準備するようでなければならない。目指すべき産業構造や国民生活の全体最適化に資する物流という大きな視点をどこかで入れて欲しい。
  • 様々なレベルの項目が並んでいる印象。今後5年間の工程表の作成が必要だが、その前に政策が合意されている必要がある。ある程度方向性について委員の合意を取った上で、個別でどうすべきかの議論が必要。物流には二つの側面があり、一つは国民生活を支える社会基盤としての物流。これからの物流はどうしていくべきかという視点で、サービスとコストとのバランスの問題や、それについての国の考え方についてである。もう一つは全体最適。生産、消費、回収、廃棄という大きな全体の流れをどう設計していくのかという視点。この二つの視点に立って方向性をまとめるのではないか。インフラについては、ハードインフラは日本の立ち位置をどうするのかという姿勢がないと、個々の議論がバラバラになってしまう。ソフトインフラは、情報インフラをどうするのか。これからのグローバルな物流には情報網は不可欠で、情報化・共通化は日本がリーダーシップをとれるので、力を入れるべき。さらに、これらを支えるために、コストの可視化をどう進めていくかが問題。評価尺度にはコストと環境負荷があるが、結局これらがよく分からないという問題に帰着するので、定量的に把握して物流効率化を議論し、数字に裏打ちされた形でのグローバル化、全体最適を実施すべき。そして把握したものを消費者にも可視化する責務がある。
  • 物流のあるべき姿をまず示し、次に、この5年間で何をやる、だから全体最適はこういった位置づけでやる、という論理展開の方がわかりやすいのではないか。それがないとどの施策が何に貢献しているのか分からない。あるべき姿を描いてみて、各種施策の優先順位についても議論していくのではないか。貿易や国内物流に関するあるべき姿というのが一度どこかで書かれていてもよいのでは。
  • 日本の今後数年間の大きな産業政策や配置論があってその結果物流が起こるので、「最初に産業があり、サプライチェーンネットワークのレベルのところで今後5年間考えるべき」という話を冒頭で出すとよいのではないか。
  • 物流が引っ張っていくという点に異論はないが、生産、消費があり、それをつなぐ商流があって、その結果の物流があることを冷静に考えるべき。物流ニーズが頻繁に変化する今、産業の基本的なインフラとして、臨機応変に変化できる物流、対応できる物流が理想。
  • 冒頭の「物流は経済社会の基盤」という意義に異論はないが、産業としての物流事業について、成長戦略として新興国の需要を取り込んでいく等の視点をどこかに盛り込むべきでは。
  • これまでの大綱と同じ印象を受ける。取組の部分で、それぞれに向かうべき目標があればわかりやすいのでは。例えば、「我が国物流システムの国際展開関係」のところでは、「アジアの中でのサプライチェーンをサポートして○○する・・・」とし、「そのためにRORO船を・・・、シャーシの相互通行を・・」と続ける形にする等。
  • 現実の世界では、とりあえず全体の動向を見て、全体の方向に合っているという仮定の下に、目の届く範囲で最適化を考えて色々な手を打っていく「賢明なる部分最適」が行われているので、具体的に書いていく際に全体最適に囚われ過ぎると非常に難しい議論になってしまう。
    それに関連して、物流のあるべき姿や産業政策そのものを委員会で突き詰めて考えることはできないのではないか。今後10数年間の世界経済の行方、日本の産業構造の変化の様子等について、委員が大体一致して認識するところを「物流を取り巻く現状」の部分で整理し、それを物流セクターを規定する大きな条件として考えるのではないか。つまり、「物流を取り巻く現状」の部分で、今日本がアジアの中でどういう状況でどこまでは絶対に取り組まなければならないのかを相当慎重に議論して委員会での大体の合意を作り上げたうえで、取組、施策について議論するのではないか。
  • P.7(1)は、物流のあるべき姿についてコンセンサスを得ようと、それに向かった仮説・目指すべき姿を表現しようとしたものと受け止めている。P.7(1)(1)にある「産業競争力」は、物流施策が目指すべきことの一つの柱になる言葉ではないか。企業のコンサルティングの際、「競争力を強化するために我が社の物流はどうでなければならないか」を言葉で表現することがあるが、「我が社の物流は、我が社のお客様に決して迷惑をかけません。安全・安心品質ということはきちんとやります。」「我が社の物流は、ムダを内包して我が社の競争力を引っ張ることは致しません。ローコストでムダのない物流を目指します。」「我が社の供給活動の最適化に貢献するための情報発信をします。」ということを盛り込むようにしている。
  • 日本の産業の立地競争力を確保するということが、日本の大きな方向の一つであることについては、恐らくコンセンサスを得られるのではないか。
  • 国全体の全体最適ということを表に出して、日本が進むべき方向性についてのグランドデザインを描き、その中で5年間何をすべきかを掲げる大綱にしてほしい。
  • P.7(1)(2)「国内外でムダ、ムラ、ムリのない全体最適な物流の実現」(以下「キャッチフレーズ」とする。)について、「ムラのない」=「一律にどの施策にも金を投入して」という意味にとれる。やはり選択と集中が重要で、キャッチフレーズは目指すべき方向と違うのでは。 
  • キャッチフレーズはよいが、現場の「ムダ、ムラ、ムリ」と「全体最適」をつなぐ概念の補足が必要。「ムリ」について、P.5に過剰なサービスについて記載があるが、消費者がどれだけ求めているのか疑問。国民や消費者の理解を加筆してもよいのでは。P.5、P.9にあるQCサークル活動の現場は、各分野の部分最適を目指している状態。ボトムアップのQCサークル活動は必須だが、全体最適の効率化を並行して実施して初めて成果が出る。また、人材育成では、全体最適を図れるような科学的戦略というセンスをもった人材を育成することが極めて重要。そういう意味での人材の育成と全体最適を関連させて、もっと踏み込んで記述すべき。
  • 全体最適を実現するための方法論の記述が不足している。
  • キャッチフレーズは実感としては理解できるが、国家の物流戦略である大綱にはあまりにも現場感がありすぎる。サブタイトルのサブ程度で掲げるのが適当では。
  • 「全体最適」いう言葉は分かりにくい。係数やKPIを併せて設定し、総合的な効率が上がる提言にまとめてほしい。例えば、P.8(ウ)(エ)で、コンテナヤードの中だけを効率化しても意味がなく、コンテナヤード前後の、道路や空コンのバンプールなど色々な問題が絡む。そこで、数百キロ運ぶ所要時間やトラック運転手の手持ち時間等に範囲を広げてKPIや31フィートコンテナが実入りでどれ位使われたかなどの係数を算出し、それぞれに具体の目標を掲げて効率化を目指すべき。
  • キャッチフレーズについて、面白い標語だが何をするのかわからない。実際に利害関係を調整して全体の利益を実現した成功例を示しながら宣伝していくべき。
  • 様々な利害が対立している局面があり、また、これまでの議論でほとんどの問題や要望が出そろっており、これをどう仕分けして5年間の工程表に落とし実現に向けるかという際の一つの尺度として、「ムダ、ムラ、ムリ」は、方向性として良いと思う。
    しかし、KS/RA制度等のテロ対策が抜けている。テロ対策、テロ物資対策は非常に大きな問題。NACCSや24時間ルールを含めたテロ対策を加えた上で、様々な課題をどう仕分けして、どう「ムダ、ムラ、ムリ」を解決していくかが5年間の方向性でよいのではないか。
  • 全体最適という言葉は多様な解釈があると思うが、最適化とはまさにP.5で出てきたロジスティクスのこと。ロジスティクスとは、市場に同期した経済活動を行うために、市場のニーズの無い商品を過剰に生産したり客へのサービスを図りすぎて自分へしわ寄せが来てしまう等がないよう、物流部門が情報を発信して阻止する取組のこと。
  • 選択と集中、とりわけこれだけはこの5年間で実行するという工程表を書くことが肝要。 
  • 誰が見てもわかりやすいという視点からは、行政の役割としてハードインフラとソフトインフラとに分け、それぞれに5年間の工程表を定め、そして事業者の役割としては、先進的事例を如何に取り入れ事業者間で連携し無駄のない物流を作り上げていくかということを実施していくべき。
  • 社会資本、安全、災害等官が中心になって取り組める部分で既に着手しているものについて、工程表を示して欲しい。その上で官民連携が基本になるが、利害対立が発生した際に立ち返られるビジョンが必要。現在網羅した形で出されているが、業者が投資の意志決定をするのに、やはり優先順位付けが必要。
  • P.13に目標設定を推進会議で決めるような形になっているが、この目標設定はKPIや具体的な目標値を指していると理解するが、この目標は施策と一対一対応なのか、それとも、これだけは実施すべきという厳選した形で出てくるのかが不明確。P.7以降の理念的な目標設定に加え、5年間で取り組む具体的な目標をどこかで掲げた上で、それに対応するKPI、指標等を作る、という考え方なのか。
  • 国内だけの国内物流はもうあり得ない。国際物流の中の国内物流であり、目指すべきは発展の続くアジアである。そのためには諸規制やインフラの問題のクリア、入口から出口まで一気通貫・シームレス化が必要という内容が網羅的に取り込まれている点には満足。
  • P.3(1)(3)記載の点はもっと追求して書くべき。ここで目指しているのは、どちらもRORO船に限らない話だが、ヨーロッパやアメリカまでの長距離を走れるような巨大船化の方向性と、アジアをターゲットにしていくことの二つと考えられる。巨大船化は日本の港湾が国際海運の大型船を受け入れられるかという物理的な問題がある。また、アジアを優先した場合に、ここ4、5年は既存のインフラで対応すると考えても、決して巨大船化の方向ではないと思う。ベトナム、インドネシア、ミャンマーなどインフラの整備状況はまちまちで、巨大船には対応できない状況。なおかつニーズが小ロットで多様に渡り、主流のコンテナも何百本は集まらない。そこで、これらのアジア諸国ではRORO船、シャーシの相互通行ということになる。大型化は狙う方向が違う。
  • 大綱は、一般国民にもわかりやすいと同時に、物流事業者に何を期待し、具体的にどのような方向で進め、何をするかという部分まで書いてほしい。現場の人間・運び手に元気を与えるような、例えば中型免許の見直し、車両の総重量の規制緩和など、中小企業が圧倒的多数であるという物流事業者の実態に目配せしてほしい。
  • P.11(2)(ウ)の夜間入港は「社会資本の適切な維持管理・利用関係」に記載されているが、これはP.8(カ)の潮位利用入港と同様規制緩和の一つと捉えており、両者は一体のものと考えているので、その点に配慮してほしい。
  • 航空貨物について、金額では三割を占めるのだから、もっと触れるべき。
  • 川下の物流への言及が少なく残念。BtoCの問題は当然出てくるので、どこかで言及すべき。多くの中小の物流事業者が日本の物流の将来を憂いており、物流事業者に支払われる給料の低さ等非常に危機感を持っていることをどこかで言及して欲しい。
  • 物流は最終的にラストワンマイル。P.10に交通の問題の記述があるが、届けた場所の問題もある。駐車問題、駐車場の問題をここに書くべき。
  • P.10のモーダルシフトについて、道路や海は公共が管理しているが、鉄道は民間の事業者なので、そのバランスをどう考えるべきか。単にモーダルシフトの協議会で議論するだけでよいのかを考えるべき。
  • AEOは税関、KS/ RAは国交省と所管が分かれており、実際に施策を実施する段階ではまだまだ縦割りが残っていて、もう少しうまく関係省庁で連携をとって施策を進めて欲しい。KS/ RA制度では民間事業者が大変な苦労をしているので、諸外国と同様に空港に効率の良い検査設備を入れて、安いコストで実施できるよう是非考えて欲しい。
  • 過剰なサービスレベルについて、生産者が消費者ニーズを勝手に作り上げているのではないかと感じる。例えば3分の1ルールも消費者が望んでいるわけではない。
  • P.9に消費者関係の記述が不十分。委員会での議論が産業競争力強化の話に偏るのは理解できるが、産業競争力と同時に国内需要も高めていく必要があり、その点を消費者のところに加筆してほしい。 
  • P.9の消費者の項目について、見える化は非常に重要なテーマだが、消費者からみて何をどう見える化するのか、もう少し説明が必要。
  • P.8にAEOやNACCSについて、NACCSはグローバルサプライチェーンにおける総合物流情報ネットワークという定義付けで民営化されている。また、AEOはまさにテロ等のセキュリティー対策で、NEAL-NETもNACCSと関連しており、24時間ルールもまさにセキュリティー対策であるのに、これらを繋げる部分が全く書かれていない。現在でもトップダウンで取り組めば見える化できる状況にある。これらの関連性をもう少しストーリー立てて記載しないと、どうやって見える化するのかということが一切見えてこないので、もう少し踏み込んで書いてほしい。
  • 「災害に強い」ことに焦点が当てられている点は評価。しかし、発災地の被災者にいかに支援物資を届けるかに重点が置かれているが、3.11では被災地以外でも物資が不足したことがあり、被災者のみならずその他の国民の日常生活が滞らないような物流政策を考えなければならない。政府、事業者、消費者による定期的な訓練の実施等、流通自体が滞らないようにすると同時に、家庭での備蓄にも言及して欲しい。
  • 災害発生時に支援物資をどうやって供給するか、どの時点でどのメーカーや卸から、どの商品がどのような形で供給されるのかが分かるネットワークが必要なので、この点を記述すべき。また、ビルや住宅の備蓄条例など備蓄についての議論もすべき。
  • P.12の物流の人材育成について、運転手の高齢化・不足の議論から、高度な物流ノウハウを持った人材の不足まで幅広いので、書き分けたほうがよい。また、免許制度、資格制度、技能検定の別に問題を書き分けたほうがよい。資格制度が功利主義に走ってしまう可能性もあり、資格制度のあり方についてもここで整理すべき。

今後の進め方等

  • 次回は4月12日(金曜日)10時~12時に開催。

以上
(文責 事務局)

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最終更新日:2013年3月25日
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