経済産業省
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新しい総合物流施策大綱の策定に向けた有識者検討委員会(第6回)‐議事要旨

日時:平成25年4月12日(金曜日)10時~12時
場所:中央合同庁舎第4号館 12階共用1208特別会議室

出席者

杉山武彦委員長、苦瀬博仁委員長代理、圓川隆夫委員、高橋愛典委員、竹林幹雄委員、谷口栄一委員、根本敏則委員、増井忠幸委員、青山理恵子委員、上村多恵子委員、内田明美子委員、坂本裕寿委員、原田昌彦委員、一柳創委員、丸山和博委員、丸山英聡委員、中村次郎委員、樋口恵一委員、結城幸彦委員、榮敏治委員、正木裕二委員、宮内一公(代)委員、中井忍委員

議事概要

提言骨子案に係る意見交換

  • 大綱は5年間の計画なので、「アジアのダイナミズムを取り込む」、「東日本大震災を受けて」など今日的な意味を盛り込むべき。
  • 大綱策定後は、状況変化や環境変化に対応できるよう常に最適かどうか検証し、状況に応じて施策の引き際や戦略的撤退、人口や維持管理費などの制約条件を意識した上での推進会議の運営を期待したい。また、フォローアップをきちんと行って欲しい。
  • 大綱ということなので、改善だけでなく設計思考のようなものも打ち出すことが望ましい。維持・活用という言葉が頻繁に出てくるが、整備も必要であるというニュアンスが弱くなってしまうのではないか。インフラの部分で「整備」や「構築」という言葉がほとんど出てこない。もう少し前向きに、例えば「維持」という言葉の前に「整備」を追加してはどうかと思う。
  • 物流はムダが多いにもかかわらず、今までなかなか手が付けられなかった。今回の提言案においては、繰り返し効率性を取り上げている点が良いと思う。省庁一体的に推進するという点をより強調させても良いのではないかと思う。
  • 別紙の案2(※)の「全体最適への挑戦」というのは良い。だた、詳しい説明がないと誤解される懸念がある。国民各層・官民が協力するのは当たり前だが非常に難しく、挑戦していくことがとても大事である。そのためには、それを実行するための組織・枠組みが重要で、今後具体的にどのような枠組みを作るのか考えていただきたい。
  • 今後大事なのは実行。大綱と同時に推進会議の具体的な組織等を示して欲しい。また、「荷主、物流事業者、行政、国民各層の連携・協働」について、どういう受け皿で議論していくのか、推進会議の中で議論していただきたい。
  • 本提言案においては、国・自治体・民間など、実行主体が明らかになっていないので、その整理が必要。具体的に推進する際の窓口、責任の所在を明らかにしてほしい。
  • インパクトのあるキャッチフレーズが欲しい。ただし、ムダは非常に大きなテーマだが、ムリやムラというのは概念としてわかりにくい。また、全体最適は経済用語で違和感があることから案3のほうが良いと思うものの、マスコミ的にはインパクトが弱い。もう一捻り加えた案を考えていただきたい。
  • 企業でも、これまで部門ごとに効率化に取り組み不都合が出たので、現在は事業横断で効率を上げることに取り組んでいる。ムリ・ムダ・ムラのところでも、産業界、省庁横断的に取り組むといったことを打ち出すべきである。
  • 実際の現場では、生産の平準化を大前提とし、安定的な稼働をキープすることによってムリ・ムダが少なくなるという考えで生産活動を行っている。ムラはわかりにくいが、荷主、物流事業者、行政等関係者の協力が実現して初めてムラが少しずつ解消される環境が整い、その結果、ムリ・ムダの削減につながると考える。こういったことを全員が共有していくことは良いことだと思う。なお、弊社においては、ムリ・ムダ・ムラという順番でよく使っている。これと、全体最適に挑戦していくということで、案2が良いと思う。
  • ムリ・ムダ・ムラという言葉は40~50年前に使い古された言葉である。物流業界はまだそこに至っていないのか、又は40~50年前に戻るのかと思ってしまう。この言葉を今使って、果たして新しく感じられるのか。代案としては、例えば「サステナブル社会基盤としての全体最適な物流への挑戦」とか、「グローバル社会基盤としての全体最適な物流への挑戦」などのように、グローバルとか持続可能な経済社会の基盤として物流があるということが見えるものがよいと思う。
  • 案1にある国民各層の連携・協働という点を全体最適という言葉を重ね合わせるというのが一つの考え方。もう一つ、前回委員会の議論の中で、産業政策や経済政策全般との整合性ということが全体最適の理解の一つとしてあったはず。
  • 要するに全体最適であれば、ムダ・ムラ・ムリのないということなので、キャッチフレーズでは、2段構えで同じことを言っているように見える。
  • キャッチフレーズには今日性が必要だが、その意味で新興国の成長に加え、東日本大震災を踏まえた対応という要素を、「災害に強い」や「強靱な」といった言葉で加える必要があるのではないか。また、目指す姿は「全体最適」だが、キャッチフレーズということでは全員で取り組もうということがよりポイントと思われ、「全員野球」のような言葉でもよいのでは。案3のように「国際」と言ってしまうと相手国に到達するまでで止まってしまって終わりのように見えるので、「国内外」と言った方が良い。
  • キャッチフレーズについて、生産は平準化できるが、消費は平準化などできない。従って消費を支える物流分野ではムラは絶対に起こる。どの案になるにせよ、そういった消費の波動性によってムラがどうしても起こることを踏まえた表現に直してもらうとともに、全体最適を目指すことによって多少なりとも経済的なコストの低減が図れるということまで書くことが重要。
  • 現在、ムリ・ムダ・ムラという言葉はトヨタ生産方式の普及によって世界中で通じる表現となっており、国際的にはインパクトのある言葉となっている。したがって、案1又は案2が良いと思う。また、いくら個別にムリ・ムダ・ムラをなくしても、それは一部分に限られ、全体最適とは言えない。やはりムリ・ムダ・ムラと全体最適は対で使うべき。
  • 例えば、「日本の再生を導く物流システムの構築」といったように、現在の日本が置かれている立ち位置、安倍内閣が目指している方向性等について正しく認識した上で、向こう5年間という長期間を支える大綱に相応しいキャッチフレーズにすべき。日本はもっと真剣に危機感を持つべき時代に入ってきており、今後何をすべきか全面に出てくるものにして欲しい。方向性を示して、日本のあるべき向かう姿が分かるような文言をちりばめてほしい。
  • 近年、東日本大震災やタイの大洪水など、物流が途切れることにより大きな社会的影響が発生したことをやはり意識すべき。ムリ・ムラ・ムダのない物流を構築することは永遠のテーマとしてあるのだろう。
  • ムリ・ムラ・ムダの改善は当然のことで、今後はいかにスピード感を持ってどれだけ対応していくのかが大切なので、スピード感を持ってやっていくことをどこかで盛り込むべき。また、物流に関しては様々な分野における規制が存在するが、どう扱うかが問題。災害時の支援が規制のためにできなかったというのはご案内のとおりで、こうした規制を全体最適との絡みの中で考えるべきといった記述をどこかに盛り込む必要がある。
  • キャッチフレーズには、競争力強化につながるような目標を盛り込むべきだと思う。
  • キャッチフレーズに危機感を盛り込むことについては賛成。ただ、ここでいうムリ・ムダ・ムラに対しての危機感というのは、トヨタ式の経営改善のような高度なことではなく、企業間で情報共有すれば簡単になくせるような原始的なムダが見過ごされて、力関係を背景に現場がムリをして対応するということが起こっていることについてのものである。ここの部分に、そろそろ本当に危機感を持って、全体最適を目指して連携すべきではないか。これは経営に貢献し、企業の競争力強化に繋がり日本の再生にもつながることであり、そのようなニュアンスを加えたらどうか。
  • キャッチフレーズの検討については、委員長と委員長代理とで一旦預かり、次回に向けて相談するということにする。
  • 「アジア物流圏」の考え方は良いと思う。アジア全体の底上げにより我が国産業も利益を得ることができると考える。1ページの8~9行目で、「我が国経済は、中国、韓国等との間で熾烈な競争にさらされており、・・・」とあるが、実際は日中韓で相互にクラスターを形成し、アメリカやヨーロッパと競争しているはず。そこで、現在、世界では地域ごとでEPA等の取組が進んでいる中で、またアジアでは国境の障壁が高く、競争力を発揮できない状況にあり、日本が共通物流政策をこの地域で作って貢献していきたいということを書くべきである。本提言案については、今後英語訳して各国にアピールするということや、今度日中韓物流大臣会合を日本がホストで開くことも見据えてそのように書くべき。
  • 航空貨物に関する記述が充実したのは良い。今回の要点は、アジアと繋がる、内際ということと思えた。また、今回は内際といっても、標準化された技術に対応するため制度、輸送施設、組織作りをしようということではないか。この方向性をキャッチフレーズにしたほうが良い。内際の標準化という言葉をどこかに入れると良いのではないか。
  • 2ページの30行目あたりで、「雇用創出や地域活性化の観点から、我が国に残る産業が国内に製造拠点を引き続き残せるようにしていくことが不可欠」と追加したのは非常に良いが、日本を代表するような大企業は生産拠点をアジア中心にかなり海外にシフトしている一方で、非常に高い技術を持った中小企業は海外展開に依然として高いリスクが伴うため、一番悩んでいる状況だと思う。そこで、ムダ・ムラがない物流システムを構築し、日本で生産しても競争力が維持できるような物流を構築してあげれば、海外に工場を造る必要もなくなる。その際、3ページの13行目に立地競争力を高めるという記載があるが、港湾のさらなる高度化、物流機能の強化、国内での国際海上コンテナの輸送の円滑化、鉄道・内航船での輸送システムの構築、インフラ整備を進めることによって、少なくとも物流の面では日本で製造することが決してハンディにならないという方向性が非常に重要である。
  • 産業界にとって、国際競争力をいかに確保するかが最大の眼目。物流の観点から見ても、伸張するアジア経済圏で日本の存在感を確立するために、いかに物流を改善するかという視点が重要。ムリ・ムダ・ムラは決して古い言葉ではなく、産業側も常にこれを念頭に置いて競争力強化に向けて取り組んできているので、この言葉に違和感はない。背後にある国際競争力強化の観点が重要。
  • 製造業では当たり前のことが、物流分野ではなかなか取り組まれてこなかった。グローバルに通用するには、例えばコンテナターミナルにおける渋滞の発生を踏まえ、ドレージにかかる時間等について数値による正確な現状把握と改善が必要である。
  • 産業立地競争力に関して言うと、日本国内のどこでモノを作れば国際競争力を保てるのかということを考える上で、コスト、リードタイムをトータルで見た目標設定が必要であり、また、サプライチェーンの効率化や全体最適を進める上で、結果としてどれだけよくなったかということを検証することが重要。
  • 多頻度少量輸送は、非効率でネガティブに捉えられている感があるが、ネット通販やお年寄りに対する宅配は多頻度少量輸送せざるを得ない上、乗用車やバスで買い物に行くことと比較すると、むしろ効率的。集荷混載等を行えばムリ・ムダ・ムラは減らせることから、日本の物流の強みでもあるという点を理解し、できるだけ上手に混載しながら多頻度少量輸送する日本らしい物流について、前向きな方向性で書くべき。
  • 当初はBtoBの問題、また、荷主と物流事業者の利害が正面から対立し、どうして連携ができないのかと思っていた。これまで大綱には消費者の視点がほとんど入っていなかったが、物流は最終消費者まで届いて初めて完成するので、今回の提言案において消費者の視点がかなり盛り込まれたのはよかった。今後は、物流全体を担う人材育成と並んで、消費者教育にも物流をしっかりと取り込む必要がある。消費者には、物流のプレーヤーや物流コストの価格転嫁が見えておらず、消費者教育や啓発について提言にしっかり盛り込んでほしい。
  • 12ページに「買い物弱者」とあるが、「買い物強者」はいるのか。また、「買い物難民」などとも言われており、言葉が統一されていない。災害時の避難対策等の関係では「帰宅困難者」等の表現が一般化しているが、今回の大綱で「買い物困難者」と記載し、「買い物困難者」という言葉がスタンダードになれば良いと考える。
  • 今から2~3年前の経済産業省の報告書で「買い物弱者」という言葉が使われており、「買い物難民」という言葉の使い方はやめようと書かれている。政府全体で国土強靱化や震災対策について議論が進んでいると聞いているので、それに対応した文言にするとよいのではないか。
  • 13ページの「物流を支える人材の確保・育成」について、物流が非常に複雑化している中、多重・多層な人材が必要であり、今後は多重・多層な教育をしていかないと成り立たない。物流は現場の部分が広くて必ずしも待遇的に恵まれているわけではない、しかし、生産と消費が近くなればなるほど現場を支える人材が必要である上、それに加えて、マネジメントや情報化の最先端を担う人材も必要なので、もう少し様々な人材教育が必要であるという表現にしてほしい。
  • 人材育成の部分について、職場環境や物流現場での技能の習熟度の問題だというように読めるが、技能や技術には様々なものがあるので、もっと詳しく書いて欲しい。
  • 環境面についてはエネルギー政策の見直し等課題が多くあるが、特にトラックの低公害化は重要であり、CNGトラックの推進等についてより強く着実に推進するという形で記載してはいかがかと思う。
  • モーダルシフトの関係で、鉄道の今後の位置付けが見えてこない。今後国策として位置づけるのかどうか、検討が必要ではないか。
  • 13ページの人材育成の部分に、ロジスティクスを担えるような人材育成が重要ということで、どこかに全体最適という言葉を加えるべき。10ページのNACCSとColinsの機能統合について触れられているのは良かった。これを進めると見える化、全体最適に繋がるものであるので、見える化や全体最適化という言葉を付け加えるべき。
  • コンテナターミナルの大渋滞は、ゲートオープン時間の延長だけで解決するものではない。東京港等の臨海部の物流施設の更新、ターミナルの一体運用、IT化、自動化等の対策を総合的・横断的に進めてほしい。大きな港湾に関しても、鉄道がすぐそばまで来ているのに、貨物線が直通していないなどの問題もあるので、是非この辺りは考えてもらいたい。KS/RAについて、国際的には、韓国や中国では大型のX線装置を空港に効率よく導入している。ローコストで効率の良い装置を導入してしまえば、民間(KS、RAサイド)が色々対策を取らなくても、効率よくできるはず。是非この点を提言案に取り入れてほしい。
  • 今後の取組のテーマに、「産業活動と国民生活を支える」とあるが、もう少し国民生活の視点から安全・安心について書き込むべき。

※ 本議事概要中「案1」「案2」「案3」は、それぞれ提言案別紙の案1、案2、案3を指す。

今後の進め方等

  • 次回は4月30日(火曜日)15時~17時に開催。

以上
(文責 事務局)

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最終更新日:2013年4月19日
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