経済産業省
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冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会(第1回)‐議事要旨

日時:平成25年7月5日(金曜日)15時00分~17時30分
場所:経済産業省別館8階850会議室

出席者

研究会メンバー
荒井委員 弁護士・元名古屋高裁 長官
大塚委員 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 ADR特別委員会委員長、新宿区消費生活相談員
中野委員 消費者機構日本常任理事・弁護士
升田委員 中央大学法科大学院 教授・弁護士
山下委員 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 副会長、全日本冠婚葬祭互助協会・解約手数料プロジェクトチーム 座長
吉田委員 互助会保証株式会社 会長、元・社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 会長
オブザーバー
消費者庁 消費者制度課長
消費者庁 取引対策課長
経済産業省 商務流通保安審議官
経済産業省 商取引監督課長

議事要旨

(1)研究会の運営要領について

研究会の開催にあたり、事務局から本研究会の運営要領(資料2)について説明したところ、委員より、公開が望ましいのではないかという意見があった。これに対し、事務局から以下の点を説明したところ、運営要領は案の通り了承された。

  • 解約手数料に関する費目を個別具体的に議論するため、個社の費用構造、経営実態に関する情報等の企業秘密が扱われる可能性があるため、活発な意見交換のためには非公開としたい。
  • 他の研究会の例として、国土交通省でキャンセル料のあり方を含む約款の見直しについて議論された「標準旅行業約款の見直しに関する検討会」は非公開であった。
  • 議事自体は非公開とするが、資料は原則公表し、議事要旨も詳細なものを公表する。

(2)座長の選任について

上述の運営要領に基づき、委員の互選により、荒井委員を座長に選任した。

(3)事務局からの説明(資料3)について

事務局より配付資料に基づく説明が行われた後、以下のとおり意見交換が行われた。

①関連する訴訟の係争中に研究会で議論することについて
委員より、(株)セレマの解約手数料に関する訴訟が最高裁判所へ上告受理申立中であり、最高裁判所による判示があるかもしれない中で、本研究会で解約手数料のあり方について議論することの意義について確認があった。また、大阪高等裁判所判決で示された考え方を無視するような議論をするのかという懸念を抱いている旨の指摘があった。
この指摘に対し、事務局より以下回答があった。
  • 最高裁判所の判断が示されるまで、解約手数料の見直しにかかる判断を各事業者に委ねておくのは問題があると思われる。
  • 当該判決を踏まえた上で、判決で判断が示されていない事項、(株)セレマと経営形態が異なる冠婚葬祭互助会(以下「互助会」という。)における解約手数料のあり方について整理をし、割賦販売法の所管省庁として一定の解釈を早期に示すことが研究会の趣旨である。
  • 現行の割賦販売法では解約手数料の金額は許可制ではないため、実際の解約手数料額については、本研究会の成果を踏まえ、各互助会で判断いただくこととなる。
  • 仮に、最高裁判所が審理を差し戻すなどした場合には、状況を見極めつつ研究会の議論を進めることとしたい。
他に、委員より、研究会の議論及び結果は必ずしも裁判への影響を及ぼす訳でもないので、係争中の事件について議論すること自体は問題がない旨の意見があった。加えて、消費者契約法(以下「消契法」という)における「平均的な損害」に含まれるものは個々の事案によって異なり、一般化することが難しいため、裁判例をどう評価するかも評価者次第になるが、裁判例等の情報を的確に整理した上で検討することには意義がある。法を所管する官庁が行政としての考えを示すことには意味があるが、裁判所の判断に影響を与えるとまではいえない等の意見があった。議論の結果、本研究会で解約手数料のあり方について検討を進めることとした。

(4)山下委員、吉田委員からの説明(資料4)について

山下委員、吉田委員より資料4に基づく説明が行われた後、以下のとおり意見交換が行われた。

①互助会事業・解約手数料見直し状況について
委員より、解約手数料見直しにかかる約款の修正について冠婚葬祭互助協会から加盟各社に対しどの様な方針を示しているのか質問があった。これに対して説明を行った委員より、以下の説明があった。
  • 全日本冠婚葬祭互助協会(以下「全互協」という。)から、各利用者個々人に割ることが出来る費用で利用者が負担すべきものに限定するよう説明している。
  • 特定の費目を手数料に算入することの是非について各社個別に相談に応じているが、独禁法上の観点から一般的な整理は示していない。
  • 各社は全互協が作成した費用一覧の中から、各社個別に手数料に算入すべきと整理する項目について項目毎に金額を示して手数料を算出している。
また、係争中の争点についてどう考えるかとの質問があった。これに対し説明を行った委員より、(株)セレマ訴訟でも京都地裁判決において外務員給与は損害に算入しうるとの言及があり、人件費の算入の可能性について議論すべきとの指摘があった。
②予約前受金の会計上の処理について
委員より、互助会の前受金の運用手法について質問があった。これに対して、説明を行った委員より、割賦販売法上必要な保全措置を講じ、葬儀等の施行 のための設備・人員等の投資を行った上で、残った前受金については、いつ生じるか分からない施行に向けた資金である点を踏まえ国債を中心とした安全資産により運用していることが説明された。
この回答に対し、委員より、消費者目線では資金を預ければ運用益を得られると考えるのが一般的であり、資金を預けたのに手数料を差し引かれることに違和感があるとの指摘があった。これに対して、説明を行った委員より、会員数が一定以上に達すると施行件数をかなり正確に推測することができ、効率的に施行準備を行える旨及び運用で収益を得られることによって、会員の葬儀等の施行を安価に提供することができ、そのような形で会員への還元を行っている旨の説明があった。
委員より、非会員の施行も行っているが、そこは互助会の事業からは切り分けて考えているのかとの質問があり、これに対して説明を行った委員より、互助会はあくまで会員管理組織であり、非会員からの施行の受付は施行のみを担当する部門や施行会社が受け付けることになる旨の説明があった。
また、委員より、互助会が葬儀の施行を一体として実施する業態の場合、互助会事業と冠婚葬祭事業の会計は分別して処理されているのかが質問あった。これに対し、説明を行った委員より、互助会と施行が分かれている場合は別々に会計処理しており、一体型の場合は一つの事業者として一体的に処理しているが、いずれの場合も負債の部に「予約前受金」として計上しており、会員と非会員で明確に価格差を設けている等分別しているとの回答があった。

1施行:互助会が互助会契約に基づき、冠婚葬祭に係る役務サービスを提供すること

(5)消費者庁からの説明(資料5)について

消費者庁より資料5に基づく説明が行われた後、以下のとおり意見交換が行われた。

消費者契約法・特定商取引に関する法律について
委員より、消契法に定める「平均的な損害」と特定商取引に関する法律(以下「特商法」という)に定める「通常要する費用」は、店舗販売と訪問販売の両方の形態をとっている他の業界ではどの様に整理されているのかという質問があった。これに対し、消費者庁から(株)セレマ訴訟については、互助契約が訪問販売により締結したものであれば特商法、それ以外は消費者契約法に基づき判断されたが、他の商品・サービスであっても同様であると考えられる。他の業界でどのように整理されているかは把握していないため、確認が可能であれば報告するとの回答があった。
委員より、両法における「平均的な損害」と「通常要する費用」は似ているようで異なる概念であり、この様に規定が分けられている趣旨を明らかにする必要があるのではないか。特商法にあっては「損害」ではなく「費用」としているが、いずれにせよ消契法にいう「損害」が何を指しているのかはっきりしない。今回の(株)セレマ訴訟における議論でも、実損害が何かを明らかにする前に、当事者同士の主張が逸失利益の議論等に進んでしまい議論が混乱している。特に、「平均的な損害」という規定は異例な規定なので立法時の趣旨にそって解釈を明らかにすべきであるとの指摘があった。これに対し、消費者庁より、「平均的な損害」の概念は民法の考え方の応用であり、この条項は解除権の行使の適正化の観点から設けられたもの。「損害」は、契約の解除に伴い当該契約の当事者たる事業者に生じた損害であり、解除と相当因果関係のある損害であれば対象となるし、そうでなければ対象とならない。民法における解釈を踏襲したものであるとの回答があった。
関連して、委員より、消費者庁から紹介のあった裁判例の事案は、それぞれの契約の内容により判決の理由が異なり、互助会契約は長期預かり方式の契約であるから、考え方も異なってくるとの指摘があった。
加えて、消費者庁より、特商法における損害賠償額の制限に関する規定は民事ルールであるため、そもそも、ある費目が「通常要する費用」に含まれるか否かについて、役所が有権的な結論を示せる性質のものではなく、役所の解釈が民事上の効果を確定するものではない。この点は消契法も同様である。したがって、この二法に基づき、解約手数料に含まれうると考える費用について個別具体的な当てはめを行うことは適切ではない。説明資料に明記したように、割販法第6条には割賦販売における損害賠償額の制限に関する規定があり、特商法第26条の規定によって、割賦販売契約の場合においては特商法ではなく割販法が優先適用される。この割販法第6条の規定は、現状では前払式特定取引には適用がないが、仮に適切に位置づけられることになれば、割販法が優先適用されることとなる。個別の裁判結果に影響を受けず解約手数料水準を定めたいのであれば、業界の健全な発展と消費者利益の保護の観点から、適切な解約手数料の水準について議論した上で、特商法等の適用を受けない、安定した法的措置が必要となるとの指摘があった。

(6)互助会契約の解約全般に関する苦情等について

委員より追加で資料配付(追加資料)があり、説明が行われた後、以下のとおり意見交換が行われた。

①互助会契約全般にかかる問題について
解約にかかる問題全般として、互助会契約は「いざ葬儀の際には互助会に入っておけば儀式が出来る」と説明を受けているのに実際には遺体の安置にかかる費用など必要な経費が契約に含まれていない等の不便に後で気づくということがあり、それが信頼を失わせ、結果として解約を誘発する要因になっているのではないか。そもそも消費者が互助会契約を解約したいと考えるのはなぜか、解約したいと考えるに至るプロセスはどういったものか、法的な面も含め互助会契約の性質や事業実態全般を議論する必要があるのではないかとの指摘があった。
②互助会契約の解約にかかる問題について
委員より、互助会契約の解約については、以下の指摘があった。
  • 来社でなければ解約に応じないため高齢者に不便、外務員等が解約を妨害するといった苦情が多い。
  • 解約手数料が高いことも解約に関するハードルの一つとなっている。
  • 消費者が解約手数料が高いと感じるのは、互助会契約から役務等の提供を受けていないのに手数料を取られることに違和感があるのではないか。
③全互協での取組について
この様な指摘に対して、委員(事業者)からは、各事業者で状況は異なり、必ずしも多数ではないもののこのような問題があることは認識している。業界として、様々な取組を進める中で相談・苦情の件数は減少傾向であり、引き続き努力していく旨の発言があった。
④本研究会での取扱いについて
上記のような、互助会契約の性質や事業実態全般を議論すべきではないかといった問題提起については座長より、本研究会で扱うにはやや射程外であるため、具体的な議論の中で必要がある際に触れるということにしたいとの方針が示され、委員から了解を得た。

(7)次回以降の方向性

今後の議論については解約にかかる広い問題提起があったが、解約手数料にかかる費用について、業界・経済産業省から業界の実情等に基づき、解約手数料に含まれうると考える費用について、セレマ判決で示された考え方や類似の判例で示された考え方を踏まえた整理し、それをもとに議論を進めることとした。

以上

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お問合せ先

商務情報政策局 商務流通保安グループ 商取引監督課 

 
最終更新日:2013年7月12日
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