経済産業省
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冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会(第2回)‐議事要旨

日時:平成25年7月25日(金曜日)10時~12時
場所:経済産業省別館5階509会議室

出席者

研究会メンバー
荒井委員 弁護士・元名古屋高裁 長官
大塚委員 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 ADR特別委員会委員長
新宿区消費生活相談員
中野委員 消費者機構日本常任理事・弁護士
升田委員 中央大学法科大学院 教授・弁護士
村委員  東京経済大学 教授・弁護士
山下委員 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 副会長
全日本冠婚葬祭互助協会・解約手数料プロジェクトチーム 座長
吉田委員 互助会保証株式会社 会長
元・社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 会長
オブザーバー
消費者庁 消費者制度課長(代理)
消費者庁 取引対策課長(代理)
経済産業省 大臣官房審議官(商務流通担当)
経済産業省 商取引監督課長

議事要旨

(1)議論の進め方(資料3)について

事務局より(資料3)に基づく説明が行われた。

(2)消費者庁からの説明(資料4)について

消費者庁より資料4に基づく説明が行われた後、以下の意見交換が行われた。

  • 委員より、資料5ページに記載がある人件費に関する裁判例では、当該契約に基づいて特別に従業員を雇っているわけではなく常時雇用していたものなのか。当該契約が解除されたからといって当日対応予定の従業員を休ませ支出を回避することができないから、損害に含めることを認めたものと解すればよいのかという質問があった。
    これに対し、消費者庁から、この裁判例は当該契約のために追加で従業員を雇うというようなケースではないと回答があった。
  • 委員より、7ページに記載があるバスの準備費用等が損害と認めらなかった理由として宿泊料金から賄われることが想定されているとの判断が示されているが、別々の料金体系であれば認められる可能性があるのかという質問があった。
    これに対し消費者庁から、(本件のケースでは)そのように考えるべきではないかと思われるが、(一般的に)認めうるかはケースバイケースであると回答があった。

(3)山下委員からの説明(資料5)について

山下委員から資料5に基づく説明が行われた後、以下の意見交換が行われた。

  • 委員から、資料5に示された分類が、解約手数料のあり方の議論にどの様な影響があるのか分からないとの指摘があった。その上で、経営形態の差は消費者からは明らかでないとの指摘があった。また、別の委員から、互助会契約と施行契約はどの様な関係にあるのか、何に対してどの様な対価を支払っているのか、契約の具体的な内容を示してほしいとの指摘があった。
    これに対し、以下の回答があった。
    • 施行分離型の場合は互助会と施行会社との間で施行委託契約を結んでいる。
    • 会員に対しては、施行委託をしている場合はその旨と委託先がどこであるかやどの施設を使えるかに加え、役務等の内容についても当該契約に何が含まれているについて、パンフレットや約款を通じて明確に示し、しっかりと説明している。また、施設の追加があれば、会報等で周知に努めている。
    • 役務の内容については、葬儀を例にとると、自宅での葬儀、会館での葬儀、宗派等の違いによって必要な要素は異なるため、どのような葬儀でも共通して必要な役務等をセットにして契約を構成している。
    この回答に対し、座長より、契約の具体的な内容や性質は口頭での説明では分かりづらい部分もあるため、次回、施行分離型、施行一体型及び代理店型の3類型ごとに、実際の契約書を示して、具体的に明らかにすべきではないかとの指摘があり、次回、3類型ごとにそれぞれの互助会契約書と施行契約書の例を示して説明することとなった。

(4)事務局からの説明(資料6,7)について

事務局から資料6、7に基づく説明が行われた後、以下の意見交換が行われた。

(1)本研究会における解約手数料に係る議論全般について

  • 委員から、おおよそ解約手数料に含めることが想定できない費目も含め、様々な費目が資料に示されていることは適切ではないとの指摘があった。
     この指摘に対し事務局より、解約手数料の範囲を議論する外縁を示すため、契約の締結・履行に係る費用を列挙したものであり、全ての項目を手数料に含めるという趣旨ではないと回答があった。
  • 委員から、年次ごとの、募集件数、施行の割合、解約件数や互助会事業の収益構造等、事業・契約の実態を把握できる基礎的な資料が示されていないため、具体的な手数料の議論ができないと指摘があった。また、前受金のうち保全の対象となっていない部分については運用益を得られるはずだが、会員に対して金利が支払われるわけではない。前受金が互助会の中でどの様に使われているのか不明瞭であるという指摘があった。また、販売管理費の中に固定費が含まれているが、何故それが解約手数料に含まれるのか分からないという指摘があった。
    別の委員より、(互助会と同じく割賦販売法に定める「前払式特定取引」である)友の会の場合、解約に際して手数料を差し引くことなく取次先の商品券や現金を返還していることに鑑みれば、友の会は支払い期間1年であるなどの差異はあるものの、互助会契約の解約時に手数料を差し引くことには違和感があるとの指摘があった。
  • 委員より、「損害」等の考え方について以下の説明と指摘があった。
    • 消費者契約法(以下「消契法」という)にいう「平均的な損害」はそもそも民法にいう「損害」の概念が出発点である。民法420条(「賠償額の予定」についての規定)の判例は様々だが、「平均的な損害」を考える際、通常考慮するのは以下の点。
    • まず、そもそも民法でいう「損害」にあたるかが問題。
    • その損害は積極損害と消極損害に分かれる。消極損害の代表的なものが逸失利益である。これを認める判例と認めない判例の両方がある。積極損害については、既に支出している場合とまだ支出していない場合がある。この研究会で議論の対象としている解約手数料は積極損害と考えられる。
    • 次にその「損害」に因果関係があるかが問題となる。この因果関係も事実的因果関係と相当因果関係に分かれる。通常、相当因果関係があれば「損害」に認められる。
    • さらに「平均的な損害」を考えるに当たっては、その「損害」が「平均的」といえるかという議論があるが、それを詰めたからといって、今回の議論に有益かどうかは分からない。結局、この「平均的な損害」は当該事業者の業種、業態、時期等を踏まえ、事業者に生じると考えられる損害の「平均」であり、業種、業態等ごとに個別性が強い議論。ある業界では、ある費用が「平均的な損害」に含まれるということは参考にはなっても、他の業界でも含めるべき、と言う議論が、直ちに成り立つ訳ではない。
    • また、特商法にいう「通常要する費用」は、費用の明確化を図ると同時に、一般的な損害と比較し狭い範囲に限定することで消費者保護を図るとの観点から費用水準を示そうとしたものである。
    • すると各判決で当てはめが異なるのは当然のことであり、この差異にこだわって議論するのではなく、本件についてはどうあるべきかという議論が必要。また、損害には大まかに逸失利益、実費という2つの考え方がある。特に逸失利益の把握の仕方は売り上げ、限界利益など様々で、判例・学説等で固まった説があるわけではない。
    これに対し、別の委員より、以下の質問があった。
    • 互助会契約では事業所を置き、外務員を雇用して営業しており、一般的な人件費・設備費がかかっていると思われるが、これらの費用については、セレマ訴訟の判決では一般的な経費であって、個々の契約との関係性が薄いとして損害に含めることは否定されている。個々の契約特有に発生する費用ではないため、どの様に把握するのかという問題はあるが、これらの費用には、解約された契約に要している部分も含んでいると考えられる。セレマ訴訟の判決を前提に損害と認められないとしてよいと考えるか。
    この質問に対し説明を行った委員より、以下の回答があった。
    • 何が損害に当たるかは消契法ではなく通常の民法の枠内では逸失利益で算定する。その算定方法も、大まかに売り上げ減によるものから、純益によるものまで多様である。
    • 裁判例を見ても、考え方は多様である。最近は限界利益を基準に算定する等、変動要素を組み込んで算定すると言う意見もあり、多様でどういった考え方が支配的という傾向はない。
    また、消費者庁から、委員指摘のように、本件についてはケースバイケースでの判断にならざるを得ず、当研究会で消契法及び特商法に基づく解釈をしても法的安定性を確保できるものではない。解釈論を離れ、解約料のあるべき姿を議論する観点が重要であるという指摘があった。
  • 別の委員より、本研究会を通じて、互助会契約や解約手数料に対する消費者の見方を業界によく聞いて理解いただきたい。互助会契約は訪問販売で契約し、かつてはクーリング・オフもなかった。前受金を支払っているのに金利もつかない。前回、運用益を活用することで葬儀等の儀式を安く施行できるという説明があったが、具体的な内容は不明なままである。消費者から見れば、何%かの利益があったはずなのにそれを失っているということであり、一方的に不利益なように思われる。解約によって何か損害があるのか分からないという指摘があった。
    これに対し委員(事業者)から、業界として、内容をしっかりと説明して契約することを心がけている。また、法令の適用を受ける前からクーリング・オフを自主的に実施していたという回答があった。また、解約した人も、会員として残っている人も全て消費者であり、解約された会員にかかった費用を誰が負担するのかという点を考慮してほしいという意見があった。
  • 委員から、互助会事業は営利事業と考えられるが、何故解約した会員が互助会事業を成立させるための費用を負担しなければならないのか、組合ならまだしも、営利事業にあっては違和感がある。契約の対価と役務がどの様な対応関係にあるのか、各委員の認識がずれたまま議論が混乱しているのではないか。互助会契約・事業の性質は一体どういうものなのか示されなければ議論が十分にかみ合わないのではないか。また金利の議論については、商事債権であれば6%なので、解約があったら手数料をいくら徴収するかだけでなく、6%の金利相当分をどう考えるかという点も含めて議論しないとバランスが悪いのではないかとの指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)から、事業廃止のように互助会側の事情で解約する場合は6%の金利を支払っていると回答があった。
  • また、委員(事業者)から、現在の標準約款は昭和59年に審議会の場で消費者団体の方からも意見を伺って定めたものが原型。これを出発点に議論を進めたい。見直しは必要だが、その目安となる考え方を得たいという指摘があった。
    これに対し他の委員から、消契法の施行等時代が変わっており、消費者相談でも解約・解約手数料にかかる相談が目立つ。判決では何が手数料に含まれ、含まれないかがわかりやすく示された。消費者にとって分かりやすく、納得できるような手数料を示すべきとの指摘があった。
  • 委員から、互助会契約においては、長期間いつでも決められたサービスを受けられるという、「安心料」的な要素もあるのではないかとの指摘があった。
  • 座長から、解約によって事業者が支出を免れる費用もありうるのではないか。その点も検討すべきとの指摘があった。
  • 委員から、消費者にとって互助会は、冠婚葬祭を実施する業態の一つに過ぎないのだから、業界全体を見て議論すべきではないかとの意見があった。

(2)募集費、募集管理費について

  • 委員から、消費者庁の説明資料(資料4の9ページ)で「契約の締結及び履行に要する費用」に日当を含めるべきでないことが明らかにされているにも関わらず、募集費を手数料に算入することは適切でないとの指摘があった。また、消費者は望んで訪問販売を受ける訳ではないのに、その費用を負担することも不適切との指摘があった。
    この指摘に対し、別の委員から当該箇所を読む限り、当該顧客に特別に費用をかけたからといって、損害に含めてよい訳ではなく、あくまでも基準は平均的な費用であると明示しているのみで、日当を含めるべきか否かに解釈を示したものではないのではないかとの指摘があった。

(3)入会手続費について

  • 委員より、セレマ訴訟の判決では、加入者証の作成費用等は入会金500円でまかなうことが出来るため、手数料には含めないという言及があるが、入会金とは具体的にどういう費用なのかという質問があった。
    この質問に対し、委員(事業者)から、そもそも入会金を徴収している事業者、徴収していない事業者があり、各社事情は異なるが、類似の費用も含め、次回説明したいと回答があった。
  • 委員より、消費者は契約後に発生する費用を負担すべきで、パンフレットや約款の印刷費用を負担するのは不適切、領収書の発行も当然の義務であるので負担する必要がない、印紙税は本当にかかっているのか、印紙が貼付されているのを見たことがないという指摘があった。
    これに対し他の委員より、印紙税については個々の契約一般論として解約手数料に含めるのが妥当か否かの問題であって、個別の契約に実際にかかっているのかは、別の問題との指摘があった。
    また、委員(事業者)より、納税額については税務調査で厳格に調査されており、納税されていないということはあり得ないとの回答があった。加えて、領収書として指摘を受けた部分は、正確には手続完了通知書の発行である。これは、互助会契約において、支払いが長期にわたるため、加入者の便宜のためお知らせしているものであるとの回答があった。

(5)次回以降の議論

次回、互助会事業の内容や性質、事業にかかる費用や収益の関係、互助会契約の対価関係を明らかにした上で、互助会契約の解約手数料に係る「損害」の考え方を整理して示す。その上で、消費者と業界双方の観点から、公正妥当な解約手数料はどうあるべきかという議論を進めることとなった。

以上

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最終更新日:2013年8月1日
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