経済産業省
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冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会(第4回)‐議事要旨

日時:平成25年9月26日(木曜日)16時~18時20分
場所:経済産業省別館10階1031会議室

出席者

研究会メンバー
荒井委員 弁護士・元名古屋高裁 長官
大塚委員 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 ADR特別委員会委員長
新宿区消費生活相談員
中野委員 消費者機構日本常任理事・弁護士
升田委員 中央大学法科大学院 教授・弁護士
村委員 東京経済大学 教授・弁護士
山下委員 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 副会長
全日本冠婚葬祭互助協会・解約手数料プロジェクトチーム 座長
吉田委員 互助会保証株式会社 会長
元・社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 会長
オブザーバー
消費者庁 消費者制度課長
消費者庁 取引対策課長
経済産業省 大臣官房審議官(商務流通担当)
経済産業省 商取引監督課長

議事要旨

議事の冒頭、座長より、第3回の議事において委員より指摘があった互助会の財務に係る資料について、事務局から参考資料4、事業者側から委員提出資料1の43ページの資料が提出されていることが述べられた。

(1)費用項目ごとの整理について

事務局より資料3に基づく説明が行われた後、以下の意見交換が行われた。

(1)互助会組織の規模の維持・管理にかかる費用について

  • 委員(事業者)より、損害を把握出来るか否かは重要なメルクマールだが、互助会の会員は会員組織の大きさからメリットを受けている。会員組織が大きいから可能となるプラン構成や施設整備があるため、組織規模を維持・管理することに係る費用についても、個々の会員がメリットを受ける場合には損害を検討する際に考慮すべきとの指摘があった。
     この指摘に対し、別の委員より、損害は一人の会員と事業者の契約関係に基づいて把握されるべきものであるとの指摘があった。
     また、別の委員より、以下の指摘があった。売買契約の場合、店によって同じ商品の価格が異なることがあるが、顧客が多く価格が安いからといって、損害賠償の算定基準が異なるということはない。例えばゴルフ会員権であれば、会員規模によってゴルフ場の予約をどの程度とりやすいかという違いがありうる。しかし、互助会契約は履行期が不確定という点に特殊性はあるものの、契約時点で葬儀等の役務提供契約の内容がある程度定まっており会員規模が役務の履行内容に 影響を及ぼすとは認められない。また、会員といっても互助会の運営に参画したり、財務状況をチェックしたりするという権能もない。すると、互助会契約は通常の消費者と事業者の間の契約という範疇を出ないと考えるべき。
  • 座長より、以下の指摘があった。大阪高裁の判決では、「関連性が認められるか」という観点から整理がなされているが、同判決においても、相当因果関係が認められる範囲の問題と、現実の損害発生を把握できるかという問題がある。つまり、相当因果関係があるものは他にもありうるが、現実の損害発生が把握できなければ、損害とは認められない。セレマ高裁判決以外の判決で「関連性」が損害の把握方法として用いられているかはわからないが、少なくともセレマ高裁判決では、相当因果関係とほぼ同じ使われ方をしていると思われる。つまり、相当因果関係があるものは他にもありうるが、現実の損害発生が把握できなければ、損害とは認められない。約款を見ると互助会は(主たる契約である冠婚葬祭役務の)施行請求を受ける前においても、(事業者が提供する役務のうち)一部利用が出来るなど権利義務を負っているように見え、ここには当然人件費等の費用を要している。つまり、(主たる契約である冠婚葬祭役務の)施行請求前であっても一部の費用が発生していると認められるのではないか。しかし、その費用を個々の契約との関係で把握することは困難なので、概念的には損害と認めうるが、実際に損害と算定することはできないということなのではないか。
    これに対し、別の委員より、以下の指摘があった。「関連性」とは相当因果関係の検討に入る前の整理、つまり、「関連性」が無いものは損害の検討対象から外してしまおうという意図なのではないか。入学金訴訟についていえば、大学には定員がありその規模に対して費用がかかっているし、ある人が入学する地位を占めていればその分、他の人を受け入れることはできない。旅館のキャンセル料訴訟についても直前に予約が取り消されたからといって、新たに予約を受け入れることは難しい。他方、互助会契約によって得られる、儀式の施行を受ける地位にはこのような排他性はないし、仮にある施設で受け入れられない場合でも他の施設で受け入れることが可能である。もちろん、地位を得ることに対する「安心料」は本来対価があるべきだが、入学金訴訟や旅館のキャンセル料訴訟の事例程の強固さはない。したがって、この研究会でも相当因果関係を詰めるより、「関連性」があるかを検討の対象として整理していけばよいのではないか。
  • 委員(事業者)より、本研究会の議論の結論は過去に遡って適用があるのかと質問があった。
    これに対し、座長より、研究会は立法のための議論をしているわけではないので、各社の今後の対応に向けた考え方を示すということ。個々の契約について訴訟が生じれば、過去の契約であっても、その訴訟において判断がされることとなるのではないかと指摘があった。
    また、別の委員より、消費者契約法(以下「消契法」という)制定時に解約手数料を見直すべきだったのであり、消契法施行以降の契約が対象となるべきという指摘があった。
    加えて、別の委員より、以下の指摘があった。過去という場合には、契約時と解約時という2つの過去が問題となりうる。裁判の判決では遡及の有無まで判断しないのが一般的だが、法制定時には遡及効の有無は明確化される。何らかの法改正において特別の取扱いが定められていない場合、継続的な契約については契約を締結したのが改正前だからといって、現に継続している契約への適用は免れないのでは。ただ、いずれにしても解約手数料のようなケースは、解約が生じて初めて問題となるため、これまで多くの問題が生じて来なかったのではないか。
    これらを踏まえ、座長より、この研究会で議論する問題ではないのではないかとの指摘があった。
  • 座長より、議論を整理するため、費用ごとに個々の契約との「関連性」が認められるかという観点から検討を進めるということでよいのではないかという発言があり、この観点から資料4に示された論点について検討することとなった。

(2)費用項目ごとの論点について

事務局より、資料4に基づく説明が行われた後、費用項目ごとに以下の意見交換が行われた。

(1)全般について

  • 委員より、費用項目ごとの議論を進めるにあたって、前提となる費用の支出状況等の実態については、参考資料4や委員提出資料1の36ページ以降のアンケートを参照すればよいということか、という質問があった。
    これに対し、事務局より、個々の費用が損害に含まれるかという議論の参考のため、財務状況や各費用の大まかな規模感を示した方がよいと考え、参考資料4、委員提出資料1を用意した旨の説明を行った。
    委員(事業者)より、委員提出資料1の36ページ以降の費用実態調査について以下の補足説明があった。解約手数料見直しの検討に際し、平成24年4月に各互助会にアンケートをとった結果をまとめたもの。各社の大まかな費用規模把握のため調査したもので、各費用の算定は資料37、38ページに記載した式に基づいている。この式は委員提出資料1の2~25ページに示した解約手数料を算定する式の案とは必ずしも一致しないため、大まかな費用の規模感を知るための参考資料として参照してもらいたい。

(2)募集費について

  • 委員より、資料4中、「加入希望者を訪問」という記述があるが、消費者の要請なく訪問販売する場合と、それ以外の要請を受けての訪問や見学会への参加等の場合の割合を示されたいとの質問があった。
    これに対し、委員(事業者)より、第3回研究会の資料で示した互助会13社へのアンケート(契約の契機ごとに集計)によると、個別訪問が約55%、それ以外が約45%であるとの回答があった。
  • 委員より、企業の営業活動にかかる費用を解約手数料として徴収することには違和感があるという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、保険契約では解約返戻金から人件費を差し引いており、特定商取引に関する法律(以下「特商法」という)でも、過去にエステ、塾等の役務提供契約に関する「契約の締結・履行に要する費用」に係る考え方が整理された資料(委員提出資料1の30ページ)によると、人件費を含めて費用を計算すると記載があると回答があった。
    指摘を行った委員より、保険契約は保険金の支払い事由が発生すれば以後の保険料を納付することなく保険金の支払いを受けられるが、互助会契約は役務提供が必要となった時点で完納していない場合、残りの金額を全額支払わないと役務の提供を受けられない。このため、保険契約と互助会契約では契約内容が異なり根拠にならないとの指摘があった。
    また、消費者庁より、委員提出資料1の30ページ以降にある資料については、例えばカウンセリング費用とあるが、あくまで契約締結のために要する費用としての人件費を指しているのであって、勧誘活動にかかる人件費まで含める趣旨ではない。したがって、示された資料からは、互助会の営業活動にかかる人件費が解約手数料に含まれうるとは言えない、との指摘があった。
  • 座長より、基本給と契約活動費を分けて議論しており、資料4には「実態上、契約締結後に要する説明を実施している場合もあると考えられる」と記載があるが、実態として、勧誘段階の説明と契約締結後に必要な説明の区別が出来るのか、出来ないのであれば、「関連性」を認められないのではないか。歩合給についても契約のためにかかる外務員の活動コストを解約に伴う損害に含める「関連性」が示されていないのではないかと指摘があった。
    また、消費者庁より、消契法の条文には「契約の解除に伴い」生じる「平均的な損害」とあり、大阪高裁の判決も、これを「関連性」という言葉で表しているものとも考えられる。外務員給与の中で、勧誘活動だけでなく解除に伴う損害と言えるものがあるかどうか、あるとして、そのための労力が基本給と切り離して観念することができるのかどうか、そういったところについて業界からお示しいただければ議論の余地はあり得る、できないということであれば検討対象とはならないのではないかという指摘があった。
    委員より、「解除に伴い」とは相当因果関係を指すものと考えられ、必ずしも文言を狭く解釈する必要はないのではという指摘があった。
  • 委員より、外務員の給与体系は事業者都合で決められているものであり、歩合給があるからといって、当該費用について加入者に負担を求めることは不適当である。また、契約活動費や歩合給として押し売りのような強引な訪問販売に要する費用について負担を求められても納得感がないという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、業界としても強引な訪問販売によるトラブルを問題と考えており、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(以下「全互協」という)から消費者の意向に反した訪問販売は行わないよう各社に強く指導している。このため、強引な訪問販売が皆無とは言わないが、営業活動全体に占める割合は少ない。全互協としても今後も指導を継続していくという回答があった。
  • 別の委員より、基本給と歩合給を分けているのは、費用を固定費と変動費に分け、変動費については、個々の契約との関係で損害と認められるという議論と見える。確かに、固定費より変動費の方が損害と認めやすい傾向はあるが、変動費であれば損害と認められるわけではないという指摘があった。
  • 消費者庁より、基本給と歩合給を分け、固定費と変動費と分類する点についていうと、セレマ訴訟の京都地裁判決は変動費(歩合給)について平均的損害に算入する余地もあると判断しているようにも読めるが、本研究会が検討の前提としている大阪高裁判決の考え方によれば、基本給と歩合給を区分せずに一般的な費用として否定されることとなるのではないか。また、事業者内部の取扱いの差異により、消費者の解約手数料の内容に差が生じるのは不合理ではないかという指摘があった。
    委員より、固定費と変動費という会計上の違いはあるが、歩合給は基本給と異なり損害と認めやすい度合に差はあるのかという質問があった。
    別の委員より、民法にいう相当因果関係は当事者双方から見て常識的に因果関係があるかという考え方である。すると、給与や雇用の体系は消費者があずかり知らないものであり、因果関係を認められないのではないか。また、契約との対応関係という意味でも、インセンティブの対象となった契約のみならず、成約に至らない勧誘活動に対する報酬という要素も含んでいるため、「関連性」を認めるべきではない。実態論で見ても、歩合給ならば解約手数料を徴収できるとなると、基本給を抑え歩合給のインセンティブにより、外務員に過酷な労働を求める事業者ほど、解約手数料を得やすいという状況が生じるおそれがあるという指摘があった。
    別の委員より、歩合給であれば直ちに変動費とは言えないが、不正競争防止法や独占禁止法等、他の法令における損害についての議論では変動費を損害と認める傾向があるという指摘があった。
  • 座長より、代理店の場合と直営の場合については同様に取り扱うということでよいか、と指摘があり、各委員に了承された。
  • 募集費の各項目をどう扱うかについて費用の性質、実態等が不明な点が多いため、整理し直すこととなった。

(3)募集管理費について

  • 委員より、資料の記述を見る限り、募集管理費用は会員のための費用ではなく外務員のための費用であり、「関連性」は全く認められないという発言があった。
    これに対し、委員(事業者)より、そのような整理で差し支え無いという回答があった。

(4)入会手続費について

  • 消費者庁より、資料4の論点について違和感は無いが、委員提出資料1の9ページの3)部分に記載がある「申込書の二次処理」等は事業者内部の管理業務に係る費用を含んでおり、損害の外延としては広い印象を受けるという発言があった。
    これに対し、委員(事業者)より、この部分は含めなくてもよいのではないかとの発言があった。
  • 委員より、印刷費用には勧誘用のパンフレット等、契約の締結とは関係の無い費用を含んでいるとすれば不適切という指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、加入申込書等の加入者のみに必要な書面を指しているという回答があった。
  • 座長より、入会手続費は、募集費としての人件費と契約締結後の人件費と区別して計算することが可能なのかという質問があった。
    また、別の委員からも、「平均的に手続に必要な時間×平均的な時給」という算定が示されているが具体的にどのような手続なのか、どのように費用を仕分けることが可能なのか示すべき。仮に契約内容の説明だとすれば、それは事業者が加入の意思決定に先だって必要な説明をしていないということなのではないかという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より加入申込みに際して記入が必要な書面のチェックや重要事項の確認等勧誘とは区分けした部分のみを指しているが、その詳細は整理して次回示したいという回答があった。

(5)集金費について

  • 委員より、訪問集金費について口座振替と訪問集金の費用を加重平均して全ての会員一律に負担を求めるとすると、実際に訪問集金している会員の割合やその比率をもとに加重平均した水準が示されないと妥当性を判断できないのではないかという指摘があった。また口座振替を利用している会員にも、訪問集金にかかる費用との加重平均により、一律に負担を求めることには疑問があるという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、費用アンケートの例でいうと、小規模な互助会で4割程度会員を訪問しているのが最も割合が大きな事例だったが、詳細な数値等は無いため次回、何らか整理して示したいという回答があった。

(6)会員管理費Aについて

  • 委員(事業者)より、多くの互助会で既に管理システムは整備されており、償却も済んでいるため、システム開発費は手数料として徴収する必要はないという発言があった。
    これに対し、座長より、会員管理費Aは「関連性」を認められないという趣旨と理解してよいかと確認があった。
    別の委員(事業者)より、ここでいうシステムは互助会の会員管理のみに要するシステムであり、手数料を徴収しない場合は施行に至った会員に負担が生じることになる点には留意が必要との発言があった。
    これに対し、座長より、いずれにせよ「関連性」は認められないのではないかとの発言があった。

(7)会員管理費Bについて

  • 消費者庁より、完納通知は中途解約の場合は行っていないのではという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、完納後に解約する会員も存在するという回答があった。
    別の委員より、完納通知についても完納に至る人の割合等の実態が示されないと、完納通知を受けていない中途解約の会員にも負担を求めることの妥当性を議論できないという指摘があった。
    この指摘に対し、事務局より、実態として掛金の支払い回数ごとに手数料を設定している事例も多く、手数料の設定方法も含め考え方や実態を整理して示したいと回答があった。
  • 委員より、会費保全費用は割賦販売法上事業者に義務付けられている保全にかかる費用であり、その負担を会員に求めるのは違和感があるとの指摘があった。
    これに対し、事務局より、法律上の義務であれば消費者に負担を求めるべきではないということに直ちにはならないのではないか。ただし、事業者が供託により保全を行うか供託委託契約により保全を行うかは、経営上の判断によるものであり、保全方法によって損害の範囲が変わることには違和感があるので、整理して示したいという回答があった。

(8)解約手続費について

  • 委員より、解約時の説明の中には、引き止めの説明も含まれているとすると、その分まで解約手続費として認めるのは不適切であり、費用として認められる範囲は限定的に考えるべきとの指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、解約手続を執る人が会員の家族や相続人である場合も多く、契約内容の確認等が必要なため記載しているとの回答があった。
  • 委員より、振込手数料は弁済費用であるため、損害にはあたらないという指摘があった。
    これに対し、別の委員より、弁済費用であっても損害と認められる場合もあるとの指摘があった。
  • 消費者庁より、特商法では「通常要する費用」であることが必要であって、レアケースまで認められるわけではないことにご留意いただきたい。また、特商法上認められる解約料はあくまで「契約の締結及び履行のために通常要する費用」であって、解約に係る費用は契約の締結及び履行に係る費用とは別の話であり、解約手続費を含むことには疑問があるという指摘があった。

(9)施行準備費ついて

  • 委員(事業者)より、業界としては会員からの施行請求に備え多くの費用を支出しているので、解約時には何らかの補填がなされることが望ましいという思いはあるが、実際上、個々の会員に対応する費用を計算することは困難であるため、解約手数料には含めないという整理で差し支え無いという発言があった。

座長より、次回、今回の議事の指摘事項について、整理した上で、更に議論をしたいとの発言があった。

以上

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最終更新日:2013年10月8日
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