経済産業省
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冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会(第5回)‐議事要旨

日時:平成25年10月24日(木曜日)16時00分~18時10分
場所:経済産業省別館10階1031会議室

出席者

研究会メンバー
荒井委員 弁護士・元名古屋高裁 長官
大塚委員 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 ADR特別委員会委員長、新宿区消費生活相談員
中野委員 消費者機構日本常任理事・弁護士
升田委員 中央大学法科大学院 教授・弁護士
山下委員 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 副会長、全日本冠婚葬祭互助協会・解約手数料プロジェクトチーム 座長
吉田委員 互助会保証株式会社 会長、元・社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 会長
オブザーバー
消費者庁 消費者制度課長(代理)
消費者庁 取引対策課長
経済産業省 大臣官房審議官(商務流通担当)
経済産業省 商取引監督課長

議事要旨

事務局より資料3に基づく説明、山下委員より委員提出資料1に基づく説明、中野委員より委員提出資料2に基づく説明が行われた後、以下の意見交換が行われた。

(1)全般について

(1)互助会契約と保険契約との比較について

  • 座長より、以下の質問があった。委員提出資料1の中で、保険契約の例を参考に議論している部分がいくつかあるが、保険契約と互助会契約は類似した部分があるのか。保険契約は契約すれば、支払い事由の発生によりいつでも保険金の支払いを受けられるが、互助会契約も入会して会費を支払っている期間に何らかの会員が何らかの利益を受けているといえるか。
    これに対し、委員(事業者)より、以下の説明があった。互助会の会員が葬儀を施行する場合、その給付内容には一般に、互助会契約により提供を受ける役務と施行に際し追加して契約を結び提供されるものがある。この前者については会費の支払い回数に関わらずいつでも、施行を受けることができる。完納に至っていない場合には、残りの会費を支払うこととなる。この役務の内容には当然、完納時の施行と変わらず、互助会加入の会員メリットを含んでいる。このメリットは葬儀の施行請求があってはじめて実現するものだが、保険契約も死亡等の支払い事由があってはじめて保険金の支払いというメリットが実現するものであり、この点に変わりはない。
    これに対し、他の委員から、保険は一回の支払いでも保険金の支払いを受けることができるが、互助会は未払いの会費を支払わなければ施行を受けられないのだから、性質が異なるという指摘があった。
    さらに、別の委員より、以下の指摘があった。保険契約は射倖契約※)であり、事由の発生により利益を得ることがあるが、互助会契約は契約の対価全体を支払う必要がある。互助会契約についても、契約時の役務等をいつでも提供されるのだから、物価の変動を考えれば射倖契約的な要素が無いわけではないが、両者は基本的には、性質が異なる契約である。したがって、保険契約との比較を詰めて議論してもあまり参考にならないのではないか。

(2)経費の負担について

  • 座長より、互助会の会員には施行請求前にも先行的な経費がかかっていると考えられるが、解約ではなく施行に至る会員については、施行の際にこの経費を回収しているのかという質問があった。
    これに対し、委員(事業者)より、施行時の売り上げの中から回収しているという回答があった。

(3)委員提出資料1における消費者庁所管法令にかかる記述について

  • 消費者庁より、委員提出資料1の記述について以下の指摘があった。
    • 特定商取引に関する法律(以下「特商法」という)における特定継続的役務提供を例に、勧誘段階での人件費を「契約の締結及び履行のために通常要する費用」(特商法第10条第1項第4号)に算入できるとの主張がされている。しかし、特定継続的役務提供は履行が複数回にわたることや、学習塾やエステ等、役務の給付を受けた結果が予想しづらいものであるといった点で、互助会の契約とは性質が異なる。また、同じ特商法に置かれた契約類型ではあるが、法の章立ても異なっていることもあり、特定継続的役務提供における解釈を訪問販売取引における解釈に当てはめることは適当ではない。また、勧誘活動における人件費が「契約の締結及び履行のために通常要する費用」に含まれないとは通達に明記はないものの、コンメンタールにおいては「契約の締結に際しての」ものとされている。特商法は消費者利益保護の観点から、損害賠償の額に上限を設定しているものであり、この文脈の議論を参考に、勧誘活動に係る人件費を解約手数料に算入できると主張することは、特商法の趣旨に反するのではないか。
    • 3ページ「2.法の整理」、(3)、(5)及び(6)にある消費者契約法(以下「消契法」という)についての記述は、消費者庁の理解とは異なるか違和感がある。
      これに対し、事務局より、特定継続的役務提供と互助会契約で、その性質が異なるのは当然。異なることによって結論が変わるのかという議論が必要ではないかという提案があった。
      これに対し、消費者庁より、解約手数料については、個別に司法の場で判断がなされるものであり、法所管官庁であっても、確定的な解釈を示すことはできない。ただ、特定継続的役務提供取引における考え方を、異なる取引類型である訪問販売にそのまま用いるということは適切とは言えない旨回答があった。

(4)とりまとめに向けた提案について

  • 委員より、以下の提案があった。
    セレマ訴訟は現在、最高裁に上告受理申立中であり、解約手数料にかかる別の訴訟も生じていると聞く。これらの訴訟において、大阪高裁判決とは異なる判断が下される可能性はあるが、必要が生じれば見直せばよいのであり、現状を基に整理をするのは有益なことではないか。
    消費者側から見れば、これまでより手数料水準が下がるし、その内容も明確になるので、事業者側の意見も聞きながらまとめるべきではないか。
    論点のなかには、消費者側と事業者側の間で、折り合えない部分もあるように見える。その大きな要因に、両者それぞれ、互助会契約の捉え方が大きく異なることがあるのではないか。契約としてみれば、互助会契約は入会時に給付内容が確定している。しかし、消費者側から見ると、入会時と施行時に時間的な隔たりがあることや、入会者自身の葬儀の場合には喪主が施行者となり、入会者と施行者が異なるといった事情から、契約内容に関する認識のズレ等が生じやすく、これが不満や苦情につながっている。解約手数料について整理するのにあわせて、業界として、説明の充実等の対策をしっかり打たれてはどうか。
    これに対し、座長より、以下の指摘があった。研究会の議事においても互助会に係るトラブルについて指摘があった。コンプライアンス的な観点で、トラブルを減らしていくということも、研究会のとりまとめとセットで示すべき。こうした、消費者側の指摘に応えることなく結論を出しても、意味のあるとりまとめにはならないのではないか。
    これに対し、委員(事業者)より、以下の回答があった。入会時と施行時の隔たりや、入会者と施行者の違いからトラブルが生じやすい点については、業界としても問題意識を持っている。このため、これまでの研究会で説明した、事前相談の充実や「なっとく互助会キャンペーン」等の取組を進めてきた。こうした取組から一定の成果が出ているが、今後、苦情内容の分析や施行に至るまでの会員とのコミュニケーションに一層注力する等、更に取り組んで行きたい。研究会のとりまとめに際して何を打ち出していくか検討したい。

※) 射倖契約:当事者の利益を偶然の事実に依存している契約。

(2)費用項目ごとの整理について

(1)募集費について

  • 委員より、契約活動費について以下の質問があった。
    • 訪問販売に限らず、説明会や事前相談イベントの際にもかかる費用か。
    • イベントにかかるとしたら、会場に係る費用も手数料に算入するのか。
    • 人件費については、無料見学会等のイベントであっても、説明を受け始めた時から、解約する場合の手数料が課金されているということか。
    委員(事業者)より以下の回答があった。
    • 一般的に手続に要する人件費を指しているため、販売の形態に関わらず発生する。
    • 人件費であるから、会場に係る費用は含まない。
    • 通常の手続に要する時間と職員の時給から算定するもので、いずれも平均値であるから、個々の説明の長短に依存するものではない。
  • 座長より、前回会合の議事を含め、募集に係る職員の基本給については原則として認めるべきではないという議論に収束しつつあるが、契約活動費や募集手数料はどうか、個々に紐付いた計算が可能なら、認めるという考え方もあるのではないかという論点の提示があった。
    これに対し、委員(事業者)より、互助会各社はもちろん、その他の営業活動を行う企業も基本給と歩合給は明確に分類され、額を把握可能と指摘があった。
    また、他の委員より、以下の指摘があった。「平均的な損害」という考え方には当然、「相当因果関係」による。この議論は、給与が固定給か変動給かという経理上の分類ではなく、雇用している従業員に業務を行わせることが、「相当因果関係」に入るのかという点が問題。したがって、経理上の区別によって損害となるかどうかという問題ではなく、各事業者の事業内容・規模や契約内容に基づき、合理的と判断される実態上の事情があれば損害となることがあるということではないか。
    これに対し、他の委員より、以下の指摘があった。募集は営業活動であり、営利企業にあっては、売上げから回収すべきもの。互助会契約は給付の時期が不確定であるから、実際に施行に至った人にかかる売上げから回収すべき。消費者は互助会に事前に20~30万円くらいの前受金を支払い、解約すると多額の解約手数料を徴収されるため、葬儀の際、互助会の提示する追加的な役務等の内容に不満があっても施行する。この施行の際に、追加注文を受けることで経費の帳尻を合わせていると見られる。にも関わらず、解約手数料として解約する人から募集にかかる費用を徴収するのは、二重取りではないか。マンションの販売を例にとれば、販売のため、チラシの配布等多くの経費がかかっているが、この経費はマンションの売上げの中から回収されている。
    これに対し、実態上の事情があれば損害となる旨の指摘を行った委員より、以下の指摘があった。理論的には基本給と歩合給の区別なく、損害に含まれることもあるし、含まれないこともある。経理上、形式上の差異を詰めるのではなく、合理的な前提条件があれば認められるということを述べた。
    これを受け、座長より、この方向性でまとめ方を検討してもらいたいと指摘があった。
    これに対し、委員より、どのようなとりまとめ内容になるか分からないが、消費者側からは、募集費について一切損害と認めるべきでないという意見があったことを明記されたいという指摘があった。

(2)入会手続費について

  • 委員より、入会時に必要な書面というのは申込書1枚程度を指すのかという質問があった。
    これに対し、委員(事業者)より、加入者に交付する約款や約款説明のための資料であるという回答があった。

(3)集金費について

  • 委員より、集金費用については口座振替が9割なのであれば、口座振替費用に限定すべき。消費者からの訪問の要請が無ければ訪問集金費を解約手数料の対象たりえないという指摘があった。
    事務局より、それぞれ別に計算すると、口座振替、訪問集金を契約途中で変更する場合もあり、入会時に解約手数料の額を明示できないという問題の提示があった。
    これらを受け、座長より、解約手数料としての相当性という観点から、金額的に控えめな口座振替費用に統一してはどうかという提案があり、事業者側にて検討することとなった。

(4)会員管理費Aについて

  • 委員より、一件ごとに外注費の設定がある場合とはどういったケースなのか、具体的な水準はどの程度かという質問があった。
    これに対し、委員(事業者)より、「外注件数×単価」で対価を支払うケースがある、単価はせいぜい10円単位くらいなので、消費者への負担は少ないという回答があった。
    これに対し、委員より、その程度であれば考慮しなくてもよいのではないかという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、個々の金額は僅少だが、契約一口ごとに必要な経費であるから、事業者側から会員全体にかかる費用として考えると、少ないとはいえないという回答があった。

(5)会員管理費Bについて

ア)完納通知作成・送料費について
  • 委員(事業者)より、以下の指摘があった。前回の議事において、全ての解約者にかかる訳ではない完納通知費の負担を求めることに疑問があるとの指摘があったが、消契法、特商法では個社、業界平均の差はあるが「平均」で損害を算定することとされている。セレマ訴訟の大阪高裁判決を見ても全ての会員に係る訳ではない振替通知不能費用を加味して解約手数料を認定している。すると、完納通知費用についても、費用を発生率で個々の会員に割り付けることができるのではないか。
    これに対し、委員より、損害は個々の契約に基づいて考えるべきであり、「平均」は計算の便宜のための概念。通知を送付していない会員について損害はないはずであるという指摘があった。
    別の委員より、消契法や特商法の考え方は個社や業界の損害を平均するものであるから、契約ごとの損害の有無ではなく、類型が異なる人をどの程度平均するのかという点が問題。消契法のコンメンタールを見ても、業界ではなくその会社の平均であるという以上のことは書かれていないという指摘があった。
イ)会費保全費用について
  • 委員より、保全費用は法務局に供託すれば必要無い費用であり、このコストがかかるのは事業者の選択の問題であるから、損害とはいえないという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、供託委託契約による保全も法務局への供託同様に割賦販売法で認められた保全方法であり、実際、全保全措置の80%が供託委託契約によっている。活用できる資金が増すことで役務の充実も出来ているという指摘があった。
    指摘を行った委員より、手元により多くの現金が残るのであればそれだけ運用益を得られる、借入れに要する金利負担を免れているということであり、施行の利益を受けていない解約者に負担を求めるべきではないという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、互助会は役務の提供を保証することが重要であり、資金は施設整備等に充てている。第1回会合で国債を保有していると述べたが、これは有価証券を主として供託に用いているものであるという回答があった。
    別の委員より、保全のための合理的な措置であり、かつ相当な範囲内であれば損害と認めてよいのではないかという指摘があった。

(6)解約手続費について

  • 座長より、引き止めにかかる費用を損害に含まないとしている前回資料からの修正は、当然の前提を注記しただけのことなので、この内容でよいのではないかという提示があった。
  • 消費者庁より、特商法の文言上、解約手続に係る費用は、「契約の締結及び履行のために通常要する費用」に含むことができるか否かについては議論が必要である旨指摘があった。
  • 委員より、解約はその意思表示が事業者に到達した時点で成立するのであり、その以後に係る費用は管理費と考えるべきなので、手数料に含めることには反対である。通信販売でも解約にかかる費用は損害賠償や手数料として徴収していないのではないかという指摘があった。
    これに対し、委員(事業者)より、名目は何であれ、必要な手続であるから、管理費と考えるなら、管理費として損害と認めるべきという指摘があった。

(3)今後の進め方について

次回、個別費目にかかる残余の論点を整理し、費目の整理以外の研究会報告の位置づけや整理の前提となる議論等について、事務局からとりまとめの骨子を示して議論することとなった。

座長より、意見が一致しない論点もあり、両論併記とする部分もあるだろうが、なるべくとりまとめる工夫をするようという発言があった。

また、委員より、会費保全費用の仕組みは分かりづらいのでよく示されたいとの要請があった。

以上

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商務情報政策局 商務流通保安グループ 商取引監督課

 
最終更新日:2013年11月1日
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