経済産業省
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クリエイティブ産業国際展開懇談会(第3回)‐議事要旨

日時:平成25年5月31日(金曜日)17時30分~18時30分
場所:第一特別会議室

出席者

座長
依田 巽 ギャガ株式会社 代表取締役会長兼社長CEO、
日本経済団体連合会 エンターテインメント・コンテンツ産業部会長
民間委員(敬称略、五十音順)
生駒 芳子 ファッションジャーナリスト
鵜之澤 伸 株式会社バンダイナムコゲームス 代表取締役副社長
梅澤 高明 A.T.カーニー株式会社 日本代表パートナー
大江 匡 株式会社プランテックアソシエイツ 代表取締役社長
(代理:稲本 淳平 株式会社クオリクス代表取締)
大西 洋 株式会社三越伊勢丹 代表取締役社長
菰田 正信 三井不動産株式会社 代表取締役社長
(代理:船岡 昭彦 三井不動産株式会社 執行役員経営企画部長)
武田 信二 株式会社東京放送ホールディングス 専務取締役
(代理:仲尾 雅至 株式会社東京放送ホールディングス 次世代ビジネス企画室長)
ダニー・チュー カルチャージャパン プロデューサー
野間 省伸 株式会社講談社 代表取締役社長
速水 浩二 SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ株式会社 代表取締役社長
堀 義貴 株式会社ホリプロ 代表取締役社長
経済産業省
菅原 一秀 経済産業副大臣
平 将明 経済産業大臣政務官

議事

  1. 副大臣挨拶
  2. 各委員からの発言
  3. 自由討議
    • 「中間とりまとめ(案)」

議事概要

  • 日本の商品、サービス等を海外展開する際にはブランディングが重要。クリエイターをはじめプロデューサー、コーディネーター、キュレーターといった媒介になる人の育成が重要。クリエイターやプロデューサー等にどんどん活躍していただく場を設ける。あるいはそういうビジネスストラクチャーもつくっていくようなことが必要。
  • ファッションに関しては、日本はアジアのファッションキャピタルに既になっており、日本のクリエイターの服は絶対にアジアで受けます。欧米にもっていくより先にアジアのマーケットに出すべき。今、アジアの若い女性、あるいは若い男性が本当に東京に憧れている。アジアの若者から、日本のファッションが一番好き。日本は安全で通りでこれだけ着飾ってもすごく安全な国は日本のみ。と言った声が上がっている。よって、アジアのマーケットを視野に入れたファッションのプロモーション、クール・ジャパンとして強化していく必要がある。
  • 日本の予算事業等については、日本の企業にしか拠出できないのではないかとたくさんの外資系のトップから聞かれている。最終的に利益が全て海外に落ちるようでは困るが、事業形態を考えて日本にちゃんと回収できるような形で、外資系のもっている非常に強力な海外のグローバルな戦略的なビジネスネットワークとは組む必要があるのではないか。
  • ゲーム、アニメ、コミックも割と踊り場に差しかかっている感がある。その大きな原因はやはりインターネットと考えられる。インターネットがあった時代とない時代の変化のスピードが違う。海賊版や不正にコピーされる問題、また、新しいビジネスチャンスがあるのだけれども、なかなかそこに追いつけるかどうかという問題がある。この問題の解決には1つの業界だけでも無理である。よって官民一体となって、特に業界を束ねるための引力として国のクール・ジャパン政策を展開するべきと考えられる。
  • クール・ジャパンを広めるためには、さまざまな形でのクリエイター、ブロガー、情報発信のキーマンの巻き込みを特にネットやソーシャルメディアを組み合わせることでやっていくというのが重要である。
  • 特に若い方々がクール・ジャパンの活動をよりよく理解し、自分たちもそのプレーヤーになっていく、味方につけていくという意味でも必要なのではないか。こういう活動をファシリテートする事務局をぜひ新設する予定の機構の中に置くのが良いのではないか。
  • 日本のコンテンツ露出については、今までどちらかというと、コンテンツの著作権保護と海賊版撲滅というところに物すごく主眼を置いて国策が運営されてきたと思うが、もう少しクリエイティブコモンズの発想を取り入れて、コンテンツの情報発信にオープンになりつつ、それをいろいろな形で新しいビジネス機会につなげていくというプログレッシブな考え方が必要。
  • 機構の投資事業に関しては、当然ながら一つ一つの案件の収益性を最低限確保するということは必要条件にはなろうかと思うが、十分条件として業種間の連携によって幅広い産業に貢献し得るもの、あるいは市場へのインパクトが強いということで、ジャパン・ブランドの発信力を著しく高めるようなもの、あるいは新しいビジネスモデルのきっかけになるようなもの、そして中堅中小企業の海外展開 のプラットフォームを提供するようなものというところに特に高い優先順位を置いて、機構の投資事業の選定をしていくことが重要だと考える。
  • 建設デザインの重要性を認識した取り組みが必要ではないか。海外でのプロジェクトをとるときには、建設や建築のコンペというものがまず行われる。そちらを一企業のための支援ではなくて、国を挙げて支援していただくというのも必要ではないか。その理由としましては、建築が建てられると、その後にコンテンツというものもついてくるので、建設プロジェクトの全体としてとらえて、コンテンツ全体を普及させるためにも建設プロジェクトの先兵としての意味合いを認識して取り組むのが良いのではないか。
  • 大使館の有効活用ということで、やはり大使館をうまく使わないといけないと思う。一方で、セキュリティー面の問題もあるということで、大使館に併設するとか隣接する形で、文化センター、カルチャーセンターのような形でそこで日本をPRしていくということも積極的に取り組んでいくことが考えられる。また、日本語検定や日本語の学習を通じて日本を知ってもらうとか、そういう活動を大使館を通じて行うことが良いと考えられる。
  • 日本には本当に職人、産地のもつ価値というのが物すごく眠っているということは事実。これをただそのまま抜き出してきてもだめであるから、日本のクリエイターとどうマッチングさせていくことができるかということが一番課題。
  • 今、どういうことが起きているかと言うと、日本の産地であるとか日本の伝統のものを海外のメゾンが今物すごく手をつけている。それだけ日本にはこれだけいいものがあるのに、日本で十分プレゼンスできていないということだと思う。そのためには、これをどうやってマッチングさせるかという観点の中ではマッチングするコーディネーターなのか、プロデューサーなのか、機関なのか、いろいろな方法があると思うが、そこが1つ大きな課題と考えている。
  • 海外でのプロモーションについては、ウエブメディア、インフルエンサー、ネットワーカー、デジタルネイティブの事業フレーム等で実績を残している企業がたくさんあるわけですから、そういうところを政府として側面支援して、オールジャパンで発信力を強めていくということが大事ではないかと思う。
  • ファッションの件については、実は日本の若者ほど感性豊かな人たちはいないというのは世界で認められていること。その日本の若者たちが認めている日本のデザイナー、クリエイターというのはたくさんいるわけで、残念ながら彼らの能力をまだまだ引き出せていないというのが現実。彼らに聞くと、アーティストも含めまして、どこに出ていきたいかというと、やはりアジアという答えが来ます。なぜヨーロッパとかアメリカではないかというと、彼らが考えるにはヨーロッパはもともと歴史的なものがあったり、メゾンがあったりということがあるのだが、まずはアジアに自分たちの感性が受け入れられる土壌があるということ。実際にタイなどでは、彼らは20世紀を飛び越えてしまっているので、感性が物すごく進んでいるところがある。そこで日本のクリエイターたちがうまくマッチングすると、世界的に新しい価値観が生まれてくるのではないかと思う。
  • 日本ブームの創出について重要なのは、よい立地を確保すること。ただ、民間が海外に進出する際には、政府等の直轄プロジェクトが多く、政府等のトップと民間が何とか冷や汗をかきながら交渉しているのが現状。立地が全てというところがあるので、よい立地を確保するためには、政府の支援が必要と考えられる。
  • 現地で稼ぐ際には、現地とウイン・ウインの関係を築くことで、より大きく、長い商売ができるのではないか。商業施設などが1つできると、開業時で大体年間 150億から 250億円の売り上げが現地にたつ。数年たつと、300億円ぐらいの売り上げが常に上がるということで、これは現地にいろいろな面でいい影響がある。また、雇用の面では、立ち上がり時点でも、店舗での販売員、警備、機械整備等を合わせても、少なくとも 2,000人ぐらいは見込まれる。数年経てば 3,000人ぐらいの雇用を継続的に生むことができる。このあたり、現地の行政が誘致したいといっている背景だと思われる。最後に重要なのは、テナントミックスである。日本のテナントが欲しいと言っていることはもちろんだが、日本のテナントプラス欧米のラグジュアリーテナント、そして、最後がご当地の人気テナント、ブランド、この3つが合わさって勝利の方程式ができるのではないか。全てウイン・ウイン関係である。
  • 韓国コンテンツの流通に対して、流通自由度が我々の足元でビハインドがあるという部分に対してのまず対策というのがベースにあると思うが、それに関して、権利のクリアの問題とあとは政府の支援ということを認識して、いろいろな活動をしているということを認識している。
  • 権利のほうも今話し合いが行われている、これが迅速に進み、インターネットがあらわれてから、配信が、同時に買いたいということが求められますので、放送権だけではなくて、そういったことが普通に取引できるようになれば良いと考えている。
  • ローカライズ、プロモーションの支援というものが非常に有効に機能し得るものだと思う。
  • クール・ジャパン推進機構についても、民間の取り組み、特に成長途上の海外市場での早期の黒字化が難しい事業というのを有効に支援できれば、その意義は大きいと考えられる。
  • オールジャパンという取り組みに対する支援も重要と思うが、必ずしもオールジャパンでなくても、民間のいろいろな取り組みを支援できるようにするべき。
  • 日本に優位性のあるゲームの産業について、従来の専用機のプラットフォームというのは死につつある。スマートフォンとかソーシャルにベースが移行しつつあるところで、ここはやはりかなり支援が急務なのではないか。従来のようなアドバンテージを生かしつつ、さらに拡大するには今のタイミングしかないのではないか。
  • ゲームやアニメといったデジタルの部分というのは、1つ、オンラインで対応できるのかなと思うが、一方、ファッションなどのリアルな製品を伴うものに関しては、ECの展開がどうしても不可欠だろうと考えている。これは中国などでも、特にタオバオなどでプラットフォームができつつあるので、こういった部分で早くポジションをとっていくことが必要。
  • デジタル、オンラインでの展開、それからリアルでのECの展開ともにオンラインでのマーケティングが非常に重要になってくると考えている。このオンラインのマーケティングにつきましても、機構を活用しながら早く、効率的な展開ができるような支援が必要ではないかと考えています。
  • 今後、有望と考えられる市場は、ASEANと東アジア、特に台湾、香港と考えている。
  • 音楽を届ける手段としてライブ・コンサートという形がやはり今の音楽業界にとっては海外できちんと収益を上げるという観点からは有望なビジネスだと考えられる。それに合わせてマーチャンダイジング、しっかり収益を上げていきたいということで、全体としてはそのためのインフラをどうやってつくっていくかが課題。
  • 音楽を提供するプラットフォームなどを規格化しながら、音楽フェスティバルなどのイベントをどうやってつくっていくかというのが重要。そういう意味で、J―LOPによる支援に加えてクール・ジャパン推進機構等が波及力のあるインフラをしっかり整備することが大事。
  • どこで稼ぐかというところでいうと、中国という重要な巨大市場があるが、やはりコンテンツに関する規制というのがなかなか厳しいということで、ASEAN、東南アジア、東アジアというのが重要だと思っている。
  • 結局、コンテンツを一本一本売っていったところで、余り大きくならない、規模が知れているというのが実情なので、周りの他業種、いろいろな業種が加わることによって経済規模も大きくなると思う。他産業とのマッチングということが重要となってくる。
  • コンテンツとものづくりの融合が重要。例えば、海外で人気のある人形を3Dの技術でまず作成し、町工場のほうで原型とか金型とかいろいろとつくることを考えている。
  • 日本の技術と海外のブランドとコラボすることによってすごい話題になるのではないか。そういったコラボレーションが必要と考える。
  • これまでの海外展開、いろいろな企業がやってきて、最も足りていないのは、プラン・ドゥ・シーのシーの蓄積が足りていない。何をやってだめだったのか、何が障害になったのかということの蓄積が今までなかったのだと思う。ぜひこれからやることに関しては、何をやってどうだったかという検証をすぐ出すようにしたほうがいいのではないか。
  • インバウンド、アウトバウンドがあるが、恐らくコンテンツだけで海外で日本のように稼ぐことは多分しばらく難しいと思っている。コンテンツを使って、海外に進出しようとしているところの会社を支援するべき。とかくコンテンツを海外に出そうという話になると、大手のスポンサーや大企業をイメージしがちだが、実際に中国でラーメンといったら味千ラーメンだし、シンガポールではインド人でもココイチのカレーを食べに来る。日本の本格的な回るすしが食べたいと思っているアジアの人はたくさんいるわけで、こういう部分の援助をするべきではないか。
  • 小さなスポンサーをたくさん集めて、1つのコンテンツを使ってイベントを仕掛ける。これは食文化やファッションといったものが一番いいのではないかと思っている。
  • それと、訪日外国人を増やすためには、宗教的なハラールの問題を解決するべき。
  • 韓国では今、ミュージカルの新作をつくると国から30%の補助金がつきます。次々と新作ができて、日本にもたくさんやってきている。一方、日本ではテアトル銀座が閉館した。どんどん輸出するものが実は生産されなくなってきている。海外に出ていくコンテンツ産業にぜひ投資を考えるべきではないか。
  • 権利処理の問題においては、例えばプロ野球機構のように、個人個人の肖像権が1つの団体にまとまっている、チームにまとまっているという例がある。著作隣接権に関しては個人の希望によって売買、契約によっての売買、譲渡、継承ということができるように、これも1つの財産的な価値である。パブリシティー権を含めて今現在は人格権によった権利になっている。これを売買できるような法律的な対処というのも必要ではないか。
  • フランスのカンヌでは、映画、音楽、それからIT、テレビ番組、不動産等世界的な行事が行われているが、ここには残念ながら、日本レストランとしてのきちんとしたものがない。クール・ジャパン推進機構の果たす役割は大きいのではないか。
  • 今後、クール・ジャパン推進機構の支援基準をつくっていくことになるが、ブームを起こす、波及効果というところがすごい重要なのだろうと思う。また、クールな判断を政治家や行政がやらない。そこはしっかりディフェンスをする必要がある。
  • コンテンツの活用のときに他産業とのコラボレーションが重要。トヨタが痛車を自分でつくるようになった。ナビゲーションの声をアニメのアイドルの声でナビをしてくれるようになった。これはやはりオンリーワンになるし、欲しい人は金額にこだわらず欲しいとなる。日本の電化製品や車などはクオリティーが高いのだけれども、付加価値において圧倒的な差が今示せていないところに、そういうコンテンツを掛け合わせることで付加価値を高めるというのは、多分1つの視点としてあるのだろう。

以上

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商務情報政策局 生活文化創造産業課(クリエイティブ産業課)

 
 
最終更新日:2013年6月21日
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