経済産業省
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IT融合フォーラム パーソナルデータワーキンググループ(第1回)‐議事要旨

日時:平成24年11月29日(金曜日)10時~12時
場所:経済産業省 本館2階 東3共用会議室

出席者

委員
松本座長、石井(夏)委員、石井(純)委員、大倉委員、金子委員、小林委員、小向委員、崎村委員、佐藤委員、城田委員、関委員、高崎委員、森委員
経済産業省
商務情報政策局情報経済課 佐脇課長、笠間補佐、宮田補佐、佐々木係長、村田係長
オブザーバー
消費者庁 消費者制度課個人情報保護推進室 板倉専門官
総務省 情報流通行政局情報流通振興課情報セキュリティ対策室 藤波補佐

議題

  1. IT融合フォーラム パーソナルデータワーキンググループについて
  2. パーソナルデータに関する海外動向
  3. 高崎委員プレゼンテーション「個人情報をベースとしたパーソナライゼーション・サービス利用の消費者選好に関する実証研究のご紹介」
  4. 小林委員プレゼンテーション「あした、何しよう?を解決するキタコレ!のご紹介」
  5. 討議

議事概要

インターネット時代における利用者の実態

  • “プライバシーを懸念している人が多い割に、スマートフォンのアプリ等を利用して個人情報を漏らしている”という「プライバシーパラドックス」の議論があるが、利用者は書き込みたくないことは書いていないわけで、パラドックスなど存在しない。知らずに広めてほしくない情報を広めてしまっているケースについては、ユーザーとしては知らずにやっていることだから「選好」の問題ではないし、知らないことについて必ずしも利用者に落ち度があるとも言えないと考える。
  • リスクがどこにあるか知らずに使っている人が多いのは事実。ソーシャルメディアが浸透し、利用者は学習しているが、インターネットの持つプライバシーに関するリスクはなくならない。
  • 米国と日本の間で、利用者のプライバシーに関する選好に大きな差はないが、性別と年齢の点においては、米国と若干異なる特徴を持つ。日本の女性はプライバシーにかなり敏感である。また、40代は情報を出したくない(誰かに追いかけられたくない)が、60代以降はインターネットを使ってどんどん情報を出したいという感覚を持っている。

ビッグデータ時代における社会の在り方

  • 現在は、法規制と罰則により安心社会を築く「監視社会」であるが、ビッグデータを活用して発展していくような時代では、自分のデータは自分で管理するという「midata」のような考え方を取り入れた「信頼社会・絆社会」を構築していく必要があると考える。
  • 最近、パーソナルデータの使い方で問題と言われている内容のほとんどは、信頼を裏切られたという文脈である。ビッグデータ時代で社会全体が発展していくためには、信頼の在り方を構築し、その信頼をきちんと守らせるという制度を作る必要がある。その仕組み・方法について議論していくべきである。価値があるから保護を弱めて活用してもよいというわけではない。
  • パーソナルデータの使途を書きすぎたり、本人がアクセスした情報を開示しすぎると、逆に利用者に気持ち悪がられてしまうケースもある。また、事業者がすべて開示するというの態度は、事業者がリスクを利用者に転嫁しているという見方もできる。そのようなことも考えながら、利用者と事業者の関係を検討する必要がある。

本ワーキンググループにおける財産権と人格権の意味

  • 経済取引の対象になることと人格権・財産権の話は分けて考えた方がよい。人格権を売り渡している例はよくある。パブリシティー権、肖像権のライセンスなどはよく行われており、著作権の譲渡等に伴う著作者人格権の不行使特約も結果として対価に反映されている。パーソナルデータに対価がつくことはそれとして分析した方がよいが、経済的な議論と権利の性質論をリンクさせる必要はないと考える。
  • 個人情報やプライバシーの世界では、本人は個人情報・プライバシーに対して、財産権を持つのか、あるいは人格権を持つのかという議論が一部でなされている。ただし、この議論は、どのような契約を交わすかとは直接の関係を持たない。契約に基づいて、金銭を受け取ることの対価として利用を認めた情報は、情報を得た側にとっては財としての性質を有する。しかし、これは個人情報に財産権が認められるからではない。財産権・人格権の議論と契約法の議論は切り分けるべき。
  • 本ワーキンググループで議論する財産権とは、データを収集・加工した側の財産上の権利のこと。情報主体が持っている財産権についての議論は、現段階では想定しておらず、次の段階で議論されるものと考えている。財産権の議論をする際は、誰の持っている権利のことかを明確にして議論することで、混乱を避けることとする。
  • パーソナルデータを議論する際、データの持つ価値についての議論と、データを保護すべきという議論は別物であり、きちんと分けて議論すべきである。

パーソナルデータの経済価値

  • 仮想市場アプローチでは、ある程度の精度で算出できる。マクロ分析のアプローチでも、ビッグデータを生成するために投資した額や維持コスト(保守費、人件費等)を一般化できれば、データ価値を推計できる。ただ、現状では投資額やコストを一般化できるようなデータを集められないため、代替変数で進めるしかない。

許諾・同意の取り方

  • カンターライニシアチブでは、許諾・同意の取り方について議論されている。分厚いプライバシーポリシーを表示して同意を迫られても、プライバシーポリシーをきちんと読む人はいない。本来、明示的に同意を取る必要があるのは、利用者が期待・想定しているコンテクストから外れるときである。また、同意の取り方については、可能な限り短く、簡潔に、重要事項だけを明示して同意をお願いするべきである。欧州が行っている毎回明示的に同意を取るという手法は、クリックトレーニングになるだけである。非常に意味がない。

匿名化

  • 匿名化する際のポイントは、情報を丸める工程にある。ある集合では匿名化されていても、別の集合体では一意に特定できる可能性がある。例えば、北海道札幌市、30代、男性、肺がんという情報が登録されていた場合は一意に個人を特定できなくとも、東京都港区、30代、男性、肺がんとエリアを変えた途端に一意に特定できる可能性がある。匿名化を議論する際には、この点に注意すべきである。
  • メディアジャンプの取り組みとして、第三者機関からのお墨付きをもらっているが、この取り組みが利用者からの評価につながったかどうかは分からない。近くの関係者からは、なにも反応がないか、あるいは通常とアプローチが違うので気持ち悪いという反応があった。これを大きなメディア(Yahoo,NHN等)でやった場合、どのような反応が起こるのか非常に興味がある。

以上

お問合せ先

商務情報政策局 情報経済課

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最終更新日:2012年12月7日
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