経済産業省
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次世代ヘルスケア産業協議会 健康投資ワーキンググループ(第1回)‐議事要旨

日時:平成26年2月14日(金曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館12階西1 大臣官房特別会議室

出席者

出席委員
森主査、栗原委員、佐藤委員、鈴木委員、高崎委員、辻委員、津下委員、友重委員、丹羽委員、古井委員、山本委員、浅野委員、原垣内委員、米澤委員
政府出席者
内閣官房 健康・医療戦略室、厚生労働省保険局

議題

  1. 健康投資WGについて
  2. 健康投資を促進するための方策について

議事概要

富田経済産業省商務情報政策局長から挨拶が行われた。事務局、安藤厚生労働省保険局医療費適正化対策推進室長、米澤委員、丹羽委員、浅野委員、原垣内委員から説明が行われた。その後の意見交換の概要は以下の通り。

  • 企業が従業員等への健康づくりへ取り組むためには、国の制度の後押しと、データ分析による対象者や課題の抽出、関係者同士の話し合いが非常に重要である。
    従業員等への健康づくりへ取り組む可能性はどの企業も持っているが、それに気づいていない企業、健保がたくさんあるので、気づく場面をつくっていくことが重要であると思う。
    データ分析について、性、年齢、加齢だけは変えられない要素である。性、年齢の構造が違う中での比較というのは難しい。年齢調整をする、同じ年齢で比較するなど丁寧な分析が必要である。
    また、医療費について、定義をはっきりさせることが重要である。
    健保の方の最終的な評価は被保険者を国保にお渡しするとき、国保から後期高齢者医療制度にお渡しするとき 、どれだけ健康が目減りしているかということを1つの物差しにして、健保にいる間に、被保険者の健康をどれだけ維持ができたのかという指標も、今後データが蓄積できる環境になれば可能になるのではないかと期待している。
  • 我々は、健診受診率を100%にするということで、ある自治体と協定を締結し、健診事業を行った。受診者の約7割が初めて健診を受診したという方であり、その中で3割が重篤化の危険因子があるというような方々だった。
    また、社内での取り組みの結果、社員の健診受診率は、100%。医師から指示があった方々の、86%が再検査終了という実績となった。
    また社員に対してグルーピングを行い、対象別に適切な指導、ソリューションメニューの提案を実施し、その方々に対してアプリ、歩数計で、みんなで楽しみながらやっていけないかということをやってきた。
    国民運動について、自治体からは健康ポイントで連携できないかという話があった。各自治体とも健康ポイントの導入を考えるものの、仕組み、システムをベースから考えるとやはり難しい。健康ポイントをベースにできる会社と組み、住民の方々が気楽に貯める、使える健康ポイントを軸に、国民的運動にしていくときがきたなと感じている。
  • 企業の効果認識については、まずは医療費がどう削減できるかということと、企業価値が高められる効果があるのかということだと思う。従業員が健康であることが、企業の価値を高めることになる。格付けを受けた会社が社会から認められ、人材をとれるようになった、市場から評価されるようになったなども効果であると思う。
    次に、投資対効果の投資について、取り組みを行ったという部分を指すのか、具体的に保険外のサービスということにお金を費やしたかということを指すのかという点については、議論が必要だと思う。
    効果については、従業員の健康度があがった、それによって医療費が削減された、重症化を防止できたという部分と、データ分析を行い、重複診療や薬剤の適正化を行う事による医療費削減効果部分など、どこまでを効果の定量化に織り込んでいくかについて考えるポイントになると思う。
  • 2月1日現在で、全国に健康保険組合は1,419ある。その中に総合健保組合と言われている、中小企業が同種同業で集まっている組合が261ある。非常に先進的、先駆的に取り組まれているところもある一方、どうしていいか全くわからないといったところあるなど、かなりばらつきがある。
    医師、保健師等専門職がいる健保組合というのも少なく、事業主側の連携がうまくとれていて、事業所の産業医、保健師等と連携がとれているところを含めても、大体全体の3割程度である。加入者への保健事業という部分で見識を伺い、幅広く健保組合全体の健康状態の底上げができたらと思う。
  • 一番大事なのはデータ分析をして、それを実際に動かしていくことだと思うが、それができる人が非常に少ないという問題がある。大企業の健保で幾つか成功事例があるが、これはスタッフもいて、ノウハウも蓄積されているからであり、日本全国でも数えるほどしかないと思う。企業や社員にコンサルできるような、コンサルタント会社を産業育成していただきたい。
    今企業が抱えている問題は、メンタルヘルスだと思う。メンタルヘルスのほうが、おそらく短期的に効果が出やすいものであり、また、長期の病気の方の中ではメンタルヘルスによるものが相当あるので、今後仕組みを作っていく必要がある。離職率が少ないなどの結果数値が出ると、おそらく会社、企業のイメージアップにもつながるので今後検討が必要だと思う。
  • 企業の経営者が医療費などのコスト面でインセンティブが働いて動くかというのは、疑問。事業活動の活性化への投資という視点で打ち出せば、当然企業の経営者は動くと思う。いわゆるブランド戦略だとか、本業との関わりなどとリンクしないとなかなか企業は動かない。
    健康投資の費用対効果という事を考えた場合、重症化防止は一番わかりやすくてはっきり効果が出てくるが、ポピュレーションアプローチは、効果が見えにくいため、中小企業にとっては実施しづらい。ポイント制というのもその原資に対しての投資は難しい。ある程度共有できるソフトなどで、自治体などでも使えるものがあれば、全国展開もできるのではないかと思う。
    健康に関する政策と、法令により指示されている事項について、重複部分や整合性の部分について、しっかり整理をすれば、わりと効率的な投資ができるのではないかと思う。
  • 働き盛りの60歳が定年ということで、企業が健康投資をしても、退職した後、国保に移ってからしか効果がでてこなかったが、今は70歳で定年という話もでてきており、企業の健康投資への意識が変わってくる。国保と連動してデータ分析ができれば、健保の取り組みというのが国保、または後期高齢に大きな影響を及ぼすことが分かる。データの連動性という点、中小健保が、データヘルスについて悩み出している時期なので、ポイント制などの取り組みを試用できるなど、無理だと思っているハードルをいかに下げるかについて、地域ぐるみで対策の連携を行うことも重要な課題だと思う。
    企業が専門家に相談する場合、産業医、コンサル会社、地元の大学などになるが、誰に相談したらいいかわからないというような状況がある。その情報を整理し、関心を持つように育てていくということも必要。産業医やコンサルタントも差があるので、事業所、規模に合ったコンサルティング会社の格付けなどもこの目的を達成するために必要な要素と思う。
  • 業界・業種の特徴がデータにより分かってきており、職場環境の整備を行う事が小規模事業所、中小企業には非常に効果的だと思っている。特に産業医や産保スタッフがいない職場は、非常に多いので、そこにいかにポピュレーションアプローチを含めて保健事業を浸透させていくかという事が非常に重要だと思っている。
    健康経営のようなものは、業界単位でモチベーションが形成されていくのではないかと感じている。本業とのかかわりというのが非常に重要で、業界で取り組むことで、その業界や本業をPRできる。そこが経営陣のモチベーションを非常に上げているのかなと感じている。
  • 我々の会社は、年間で大体200万人ぐらいの方々の健康状況、レセプトチェックを行い、健康づくりを行っている。臨床現場で一番困るのは、患者がなかなか治療に参加してくれないということである。今回の健康投資の話も似た構造を感じている。意識の高い企業あるいは健康保険組合は、おそらく健康投資をこれまでもやってきており、これからもやってくださると思うが、我々がおそらく考える必要があるのは、意識が高まらない企業、自治体、事業所をどう巻き込んでいくのか、そこに尽きると思う。
    評価は非常に重要であるが、横並びでランキングをだしても、なんとも思わない事業者は多いと思う。医学的にも正しい保健事業をしてほしいので、仕組み・仕掛けづくりは、大きな課題だと思う。
    健康投資だけが先行した場合に、中高年者をリストラした企業が即効果がでてしまう。評価指標をどう設計するのかにもよるが、個人の取り組みにまで落ちていっているというところを評価する仕組みにしないといけないと思う。
  • 投資対効果を考えていく上で、何をどう提示するかというのは非常に重要なことだと思うが、見える化されていない状態で実施した場合、すごく効果の高いものがたくさん出てくるが、それは一過性のものであり、すぐその効果はなくなってしまうというのが現状だと思う。無駄をつぶして、それが効率的になったときに、何を指標としていくのかという事になるので、その点は、あらかじめ頭に入れて制度設計しておかないと、活動がだんだんだんだん尻つぼみになって終わってしまうのかなということを少し危惧している。
    企業から見ると、高齢者雇用の問題は非常に大きく、今後70歳まで企業が雇用をしていくということを考えると、医療費は、今よりも3割~4割上がってしまう。全体の社会保障の問題もあるが、見える化し、訴求していく必要があると思っている。
    個人がいかに取り組んでくれるかが重要。大企業になればなるほど個人が見えなくなってしまう。結果的に他人事になってしまい、個人に落ちないという例が非常に多い。投資対効果の切り口も、セグメントの切り方も重要であると思う。
  • 産業創出の立場でいうと、いかに多く集めるかと、いかに早く集めるか、いかに継続させるか、この3つがポイントである。
    ハイリスクアプローチの話が今日わりとたくさん出たが、我々が集客するのはポピュレーションアプローチが対象である。我々の取り組みで、保健指導の受診率が5%の企業は、そんなにお金をかけずに12倍になった。また、介護リハビリは、業界では大体1年かけて定員数に達するが、我々が今展開している介護リハビリは、大体3カ月で満員にしている。ここに経営的にはものすごく大きなメリットがある。輻輳的に主語を変えてみると、まだまだやれることはたくさんある。
  • 企業の中で健保とのかかわりというのはいろいろなパターンがある。単一健保、総合健保、協会健保というパターンだけでも相当違っている。企業の動機と健保の動機はやはり優先順位という面でも違ってくるので、もう少し丁寧に場合を分けて分析をしながら議論を進めていく必要があると思った。
    先ほど、取り組みをやって効果はすぐ出るが、それがすぐ無くなってしまうこともあるという話があったが、効果を上げるために、どのような仕組みをつくっていくかということが重要だと思う。
    産業医は、現在8万6,000人いる。そのうちのおそらく95%以上が、いわゆる一般の臨床医をやっており、時間の一部を産業医として使っている方々なので、その人たちに対して産業医としてどのような役割を果たしていただくかという話と、1,500~2,000人位の、その仕事を専門でやっている、どちらかというとリーダー的な人間をどう育てるかという話を、最近意識して分けている。産業医の活用については、人材育成という中でも、私たちが責任持ってやるつもりであるので、アドバイスをいただきたい。

以上

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最終更新日:2014年3月7日
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