経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

「世界が驚く日本」研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成29年1月23日(月曜日)16時00分~18時00分 
場所:経済産業省別館2階238会議室

出席者

桐山委員(座長)、井上委員、榎田委員、大西委員、垣貫委員、澤田委員、鈴木委員、高橋委員、渡邉委員、舘谷委員

議事概要

第一回研究会、第二回研究会、委員有志による分科会での議論を踏まえ、取り纏めたキーコンセプト編集案を事務局から説明の後、キーコンセプト発信検討委員、キーコンセプト検討委員、オブザーバーより発信方法等に関しての発表を行った。

Ⅰ.今後のキーコンセプト発信方法について

キーコンセプト発信検討委員からの発表

  • 今回のコンセプトは、日本人でも理解するのが非常に難しい内容である。伊勢丹では、日本の伝統・文化・美意識が作り出す価値を再認識し、お客様に新しい価値として発信する為の“JAPAN SENSES”というイベントを行っており、そこで今回のコンセプトブックの発信が可能である。プロモーションスペースを使用し、コンセプトブックの配布と併せてコンセプトを象徴する職人を招き、もの作りの実演を行うことでより現実感のある紹介ができる。さらに、コンセプトブックの海外店舗での取り扱いも可能である。発信方法全般に関しては、映像・テレビ・ウェブは勿論、インバウンド旅行客の移動経路である空港・駅・案内所などで発信するのが良いのではと思う。また、ブックの内容を利用して、写真展のようなものを開き、解説者をつけて発信するようなイベントを定期的に開催するのも良いではないか。
  • NHK Worldの媒体の中で、今回のキーコンセプト発信において一番有効なのはテレビである。”Japanology Plus”という番組では、過去に日本の部活を通して日本を知ってもらうというテーマで番組を制作したことがある。他にも同番組では「着物」「老舗」「歌う国民」「城の修復」「陶芸家」「美肌づくり」「引越し」など様々な切り口で番組を制作している。確約は出来ないが、今回のキーワードやコンセプトをこのような番組制作の参考にすることや、手を組んで特集番組を制作することもできる。他にも”DESIGNTALKS plus”という番組でも鯖江のメガネなど日本のあらゆるものを紹介しており、”Japanology Plus”と同様な発信方法が検討できる。その他にも、自然との共生や独自の自然観を扱う番組を現在企画している他、インバウンド向け番組の制作もしている。これまで、「和食」など様々な日本のものを取り上げてきたが、実は何故和食が流行しているのか分からないまま、和食は良いものと発信してきたが、コンセプトブックの後半で紐解かれているキーワードを用いて、和食を分解することが出来れば、見え方も変わってくると思う。そのような形で番組の知恵と研究会の知恵を交えて番組を制作していけるのではないかと考えている。
  • 次の3つの発信方法がある。1つ目は、海外発信に興味を持っている自社のクライアントに、研究会の内容をしっかりと伝え活用頂く方法である。2つ目は、The Wonder500の運営事務局として、認定事業者や海外販路開拓イベント関係者にコンセプトを伝えていく方法である。3つ目は、社内で検討したいと考えているが、学校を作ることである。研究会を通して、キーコンセプトの語り手が増えることが発信において非常に重要と感じたと同時に、体系的に日本ならではの価値観を語れるようになることに関心が深い人が多くいるのではと思う。

キーコンセプト検討委員の発表

  • 内容を理解するのがかなり難しいので、具体的な発信にあたり工夫が必要。また、発信とは別の意見として、「道」を表す高校野球の部活動がメジャーリーグから良い評価をされていると述べられているが、実際驚きはするが、良い評価ではない。逆に若い人たちが厳しい練習により、体を傷つけていることを心配されている。「道」について書くのは良いが、誤解を招かぬ様「野球」に関しては記載しない方が良い。
  • 発信に関し、「第三者間」を重視すべき。熊本地震の後、ミスインターナショナルの女性達に九州のモノを紹介してもらう映像を製作したら人気が出たように、綺麗な人が、綺麗な場所でモノを紹介した方が、職人本人が紹介するよりも遥かに効果が高い。職人は、生涯、成功しないものを目指して「道」を歩んでおり、彼らは、謙虚で自分の作ったものに自信を持たない。これを解決するには「自覚」を持たせることが重要。第三者が紹介してくれる環境を整えることが日本人には合っている。
  • 日本の情報を発信するメディアを作る海外拠点にコンセプトブックを渡し、外国人に今までと違うアプローチを感じてもらえたら良い。メディア編集において“日本人の感性価値”については、今まで欠けていた視点。このコンセプトブックがその視点に気づくきっかけとなり、海外の記者が興味を持って取材するようになれば、第3者視点で伝えることに繋がる。確約はできないが、今後、コンセプトをさらに募集することがあれば「カクヨム」にて連携することも可能。
  • 海外向けには、2016年度の「The Wonder 500」のストーリーブックの配布と併せて、在外公館、在京大使館、世界の美術館などに発信していく。既に、1月18日に開催された外務省主催の地方連携フォーラムで、海外発信に意欲の高い自治体、在京大使館など合計300名の来場者に発信した。また、海外の売り手、バイヤー、メディア、現地旅行会社などの自社ネットワークを使い、可能な限りブックの配布を行いたい。国内向けには、作り手にいかに「自覚」してもらうかが重要である。現在、全国の伝統的工芸品の作り手の方々を回っているので、今回のキーコンセプトを紹介し自信をつけていただきたい。
  • 日本人から見ても理解が難しく、専門家からしても様々な意見が出てくる。個人的な解釈として、「道」は江戸時代の自給自足の体系の中で、人をどう育てるかに重点を置いたところ「型」として方法論が決まり、それが「道」という形で繋がったものだと考えている。つまり、今回のコンセプトとは違う考え方である。様々な考えがあり、「道」一つとっても今のような議論になる。だが、少なくとも皆が議論しているということは、無意識のうちにそれを利用しているからである。それを様々な人が異なる切り口で議論してきたのである。
    博物館はまさにこれらのものをいかに分かり易く伝えるかを使命としている。個人的には「見驚学」と呼んでいるが、見て、驚き、学び、気づくことで伝わる。相手に分かり易く伝えることで、初めて人から人へコンセプトが伝わっていくと思う。「見驚学」へ繋げるためにも、各委員がそれぞれの視点で考えを伝えることで、万華鏡のように様々な見方が広がる。例えば「道」を伝えるにしても、博物館であればものを使って表現できるので、コンセプトブックの内容に関連した発表をするのであれば是非協力したい。
  • 雑誌「Discover Japan」でキーコンセプトの発信を行う。また、イベントも行っており、日本の精進料理や能を広めることを目的としたものや、誌面で紹介した方々と直接触れ合う場作りも企画しているので、是非そのような企画に本研究会のコンセプトを絡めたいと思う。映像制作や海外イベントも行っており、それらとも繋げたい。
  • コンセプトブックはまさに教科書。発行部数は2000部と限られるので、日本に興味のある外国人の方にどのように伝えていくかが重要。例えば、ジャパンハウスにて、キーコンセプトを用いた企画を行うことや、海外の日本研究所がある大学とキーコンセプトをテーマに連携することを考えた。他にも、他の委員から提案のあった映像で伝えることは非常に重要だと思った。
  • 産地が、ものづくりに対する自信を取り戻さない限り、コンセプトの内容は作り手に伝わらない。自信を取り戻してもらうには、課題を乗り越えた先に希望が見えるという様な枠組みが必要。今回のコンセプトを元に、専門分野であるデザインを活用しながら地域の強さを引き出すべく、行動を起こすことが自身の課題である。世界中で展示会を行うことも良い。いずれにせよ、産業軸と文化軸で新しい機会を創出していかなければならない。研究会参加者も、ビジョンをアクションに変えていって欲しい。

オブザーバーの発表

  • 受け手側の視点に立つことが重要。言葉で説明しすぎると、受け手は興味を持ちづらく、遠ざかってしまう。「世界が驚く日本」骨子は、あくまで演劇の台本や音楽の譜面のような、表現をする時の元として位置づけ、受け手が自由な表現ができるように促すのが面白い。受け手側にとって、コンセプトブックが日本を知る入り口になればと思う。ブルースリーの言葉「Don’t think!feel.」の様に、発信方法はビジュアルやリアルなものに託して、その佇まいを示していけたら良いのではないか。クールジャパン機構では、事業支援や海外拠点作りを行っており、それらの中でいかに掛け算を作っていくかが非常に興味深い。
  • 内容は良く纏まっていると思うが、“どこで、誰が、誰に対して、どうやって”発信するのかという仕組みをより具体的に考えるべき。
    教科書を教えるのは教師であり、その教師をどのように養成するのかが非常に重要。他にも、店頭でモノを販売するのは分かり易いが、「道」の話になると目に見えないので難しい。また、仕上がったブックは再度見直しをして日本人以外の方が読んだ時に不愉快でない表現、コンセプトを重視すべき。
  • 文化庁のイメージは「保存」だが、今後は「活用」に注力していく方針。今後、外部との連携が重要になるので、研究会をきっかけに様々な所と連携したい。今回の議論で、オリンピックに向けた文化プログラムや、桐山座長と進めている北陸での伝統工芸、また海外への発信等に注力していきたいと考えた。本研究会で1つの切り口ができたと思うので、これらを役所の人間としてものにしていくべく、役所、民間との連携を今後一層深めていきたい。
  • 日本人を褒めるだけにならぬ様、常に海外からどのように見られるかという視点を持った上で、発信方法を検討することが重要。同じキーコンセプトでも、違う言語にした際にこちらの意図したメッセージが同じように伝わるのか、それぞれの国の事情に合わせて発信の仕方を検討する必要がある。発信先としては、在京大使館に加え、在外公館もある。在外公館での発信に関しては、外務省としても協力可能。
  • 日本人が「間」・「道」・「和」を正しく理解するのは非常に難しく、海外の人に理解してもらうのは一層難しいこと。一方、日本人として、これらのコンセプトは理解出来ずとも感じることは出来る言葉だと思うので、いかに感じてもらうかが重要。自身の海外訪問時の経験からも、分からないことから興味を持ち始め、興味が深まっていくこともあるので、そのような側面で考えることも可能ではないか。
    蔦谷書店の現場でのブック発信方法は、コンセプトから伝える方法と、ものから伝える方法の2種類がある。前者は、映像活用の他にも、店舗スタッフがコンセプトの内容をお客様に伝えられるよう、内容の理解に時間をかける方法である。実際にお客様が、ものの先にあるストーリーや想いに強く共感して商品を購入することを現場で多く目撃しており、有効な発信方法だと考える。後者は、日本の良いものを具体的に紹介している本を使って、外国人に改めて日本のものを紹介することである。あくまで書店のため、本が中心になるが、店頭で本とものを両方出し、実際の作り手を招いたイベントを開くことにより、受け手に具体性をもってコンセプトを感じてもらうことが出来ると考える。
  • オランダ人クリエーターから日本の良いものに関する問い合わせを受けた際は、「The wonder 500」を案内している。「世界が驚くニッポン」は“The wonder500の精神版”として位置づけており、今後は、「The wonder 500」の案内と併せて「世界が驚くニッポン」を発信したい。オランダ人で日本に興味がある人の中には、コンセプトブックの内容が難しくても、内容を知りたいと思う人はいるはず。他にも、オランダでは、日本をテーマにした展示会が頻繁に開かれているので、それらを活用しキーコンセプトを具体的にモノに落とし込み可視化して発信するのが良い。
  • 伝統産業が何年も変わらずに現在に至っていることから、伝統には「良いものは変わらない」という本質がある。一方、作り手はそれを自分から語ることは出来ないので、彼らの持っている素晴らしい技を伝えるべく活動している。近年の急激な国際化に伴い、伝産品も海外に展開しなければならない状況。だが、伝産品を並べると、作りはとても良いが金額が高い、と言われてしまい、熟練の技・制作年月の説明をしても伝わらない。そこで、一昨年から伝産品の製作過程を映した3分程度の動画を用意したところ、以前より伝わるようになった。今後、世界で唯一のものが欲しいと誰しもが思う時が来る。職人がそのような世界を可能にする。個人と個人がネットで繋がる時代でもあるからこそ、職人がお客様を離さずに付き合いを続け、ものを作り続けていくことが可能になると思う。

Ⅱ.今後の進め方

  • これまでの研究会での議論を踏まえ、コンセプトブック(日英併記)2000部を製作する。2月中を目処に、経済産業省ホームページにてコンセプトブックを公開予定。コンセプトブックの発送予定先については、在京大使館、政府及び政府関係機関、地方自治体、企業関係者(経団連、全国商工会連合会、過去のクールジャパン支援事業者等)を予定している。

関連リンク

お問合せ先

商務情報政策局 生活文化創造産業課(クリエイティブ産業課)
電話:03-3501-1750(直通)
FAX:03-3501-6782

最終更新日:2017年4月19日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.