経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会(第1回)‐議事要旨

日時:平成18年10月24日(火)14:00~16:00
場所:経済産業省別館3階346第4特別会議室

議題

新たな経済社会環境下における地域経済活性化の在り方について(1)

出席者

大西分科会長、井原委員、上田委員、神野委員、粂原委員、小嶋委員、鈴木孝男委員、鈴木直道委員、中村委員、野坂委員、藤沢委員、星野委員、松原委員、藻谷委員、山田委員、渡辺委員

議事概要

(1)事務局から配付資料に沿って説明後、自由討議。委員からの主な発言概要は以下のとおり。

  • 資料3の2.(3)にある頑張る地域を担う人材・組織の育成という論点は良い。精度の高い金型技術は日本独特のものであるが、技能者の質的向上、育成が喫緊課題となっている。人材の育成のためには、高等教育機関における教育が重要。学校教育として、IT、バイオのような先端的技術のほかにも、例えば、金型技術のような基盤的技術を教育する学科を創設するなど、各地域における地道なものづくり人材の育成が必要。
  • 人材・組織の育成に関して、「地域の中核的産業」だけでなく、「特色ある、価値ある産業」を担う人材の育成も重要。
  • 地域に密着した産業という視点から、製造業のみならず、サービス業にも比重をおいて欲しい。サービス業では、少子高齢化が益々進展する中で担い手が不足している状況。地域に人材を集積するための制度や工夫を考える必要あり。また、サービス業における外国人労働者の在り方も論点。
  • それぞれの地域が、創意工夫の下に、地域の特色を活かして自立的に取り組んでいくことが重要。地域の「オンリーワン」、創意工夫を、どう政策的に支援していくかがポイント。また、製造業ばかりでなく、サービス業にも目配りをすることが重要。
    資料3の2.(7)にある就業達成度指標については、ベンチマークとして地域に分かりやすいものとするための一工夫が必要。
  • 10年前と比べて、産業立地を巡る状況が変化。自治体、大学、金融機関が魅力的な地域づくりを行い、グローバルな企業を育てていくことが重要。
  • 三重県に立地したシャープ亀山工場の場合、補助金が注目されているが、成功の要因は3点。まず、地元自治体による将来のグランドデザインが明確であったこと。次に、自治体がワンストップサービスで徹底的にスピーディーな処理をしたこと。3点目は、近隣に人材が豊富だったこと。北九州のシステムLSIの場合も、自治体によるグランドデザイン、広域的な産学連携による人材育成が成功要因。
  • 頑張る中小企業や商店街についても議論すべき。特に、中小企業は就業者が減っているため、高齢者採用や外国労働者の受入などを整備すべき。また、産学官民の連携も非常に重要。
  • まず、所得収支が昨年から上回り、国際収支も大幅黒字を計上する中、これらが国内に還元・還流されない。国内需要を掘り起こすという意味において、新たな観点から地域の掘り起こしを進めるべき。一方で、中小企業がアジアへ展開していく中で、アジアとの産業の棲み分けという観点から、日本の強みである独自の技術に集中・特化することが重要。そのためには、人材育成が必要となる。グローバル化とローカリゼーションの双方をにらみながら、日本のこれからの方向性を決めるような議論が重要。
  • 補助金だが団体への偏重が多い。しかし、こうした補助金はあまり役になっていない。必ずしも大企業に大きな補助金を落とすのが良いとは限らないことも意識すべき。
  • 資料は、供給側の視点で書かれているが、需要サイドからも書き分けるべき。誰を活性化するのか、という点からは、輸入品が入ってくるマーケット、輸入品が入ってこないマーケットなどある。先ほど指摘のあった福祉は輸入がないマーケット。また、所得収支は11.3兆の黒字だが、国内でどう使うかを考えるべき。
  • IT産業は、国内・海外の顧客に対し、同じ商品を供給することが必要。高品質、高付加価値を生み出すために、クラスターや異分野連携が必要。
  • 今後、事務局で論点の整理を行っていくことが必要。

(2)事務局及び山田委員から配付資料に沿って説明後、資料4及び資料5の内容について自由討議。委員からの主な発言概要は以下のとおり。

  • A集積の評価が難しいのは次の3点。まず、承認件数を見てもよくわからない。法の趣旨の理解が浸透していなかったのではないか。2点目は、対象地域が多様。タイプの違うものを一律に並べて支援することに無理があったのではないか。3点目は、評価の基準の取り方は出荷額でいいのか。空洞化対策としては適切かもしれないが、正確な評価は難しい。
    ただし、当時の理念は評価すべき。東京、大阪が指定されている点など重視すべき。また、効果的に働いているメニューもあるのではないか。
    モノ作りの世界は急速に変化。モジュール化、ブラックボックス化や内製化が進展。地域の中小に下請けさせず、組織内部で対応。また、国際分業も進展。R&Dとの関係を重視すべき。
  • 選択と集中のインフラ整備ができれば、企業のニーズにきちんと応えられる。
  • 中心市街地というのはひとつの産業のステージでもあるし、或いは孵卵器というか人材育成の機能も持つため、そこで働く人の観点から物事をみるというのも必要ではないか。中心市街地、或いは「まち」を地域の中でどのように作っていくか、インフラ整備も含めて各産業をどのように組み合わせるのか、というような「地域力」をつけるためのシナリオを、各地域がどれほど持てるかということに、これからの自治体の存続がかかっている。
    集積とほど遠い人口500人の島根県の谷間の町は、インフラ整備を始めとする企業立地などの環境は整っていないが、このたび石見銀山遺跡を世界遺産に登録するということで、かなりの盛り上がりをみせている。地域の文化、歴史を大切にする視点が、地域にパワーをもたらしたという事例もあることもご認識いただきたい。
  • 全国の工業団地・卸売団地を回ってきたが、うまくいっているところは、その地域でのR&Dが活発であるし、インキュベーション施設とコラボレートしたり、またベンチャーを上手く取り込んだりしている。また、高度化資金でつくってきた団地でも、うまくいっているところは多様な業種を入れてきている。このような事例のキーファクターをもう一度整理し、集積法の改廃を検討する必要があるのではないか。
    論点として、人材というのは重要。しかし、人が入ってきてくれない、いる人が出て行くという二つの問題がある。それらに共通の論点として、働く人というより、むしろその家族がその地域に住む際に、教育、医療、サービス等の生活環境全般の問題がある。従って、集積を考えていく上で、生活産業の促進・育成といった、働く人以外の観点も踏まえた議論を併せて進めていく必要がある。すなわち、人は働くためだけに、その地へ出向くのではないということ。魅力のあるまちづくりが必要で、またそれぞれの自治体が特色を持つことも大切なことだと思う。
  • A集積地の川口については、零細企業の集団であるが、技術的には独特なものを持ち、誇れるものがある、という自負がある一方で、産学官の連携や販路拡大、それに伴うPRが苦手な面があった。しかし、集積活性化法、産業クラスターにより、それらの意識は変わって来た。従来、川口に立地している企業は、下請けによる部品製造のみを行っていたが、今は川口ブランド商品を作り始めている。脱下請けを目指し、何でもできる企業からうちでしか出来ない企業、ナンバーワンからオンリーワン企業が生まれつつある。今後は、そういうものをどうやってPRしていくかが課題。また、オイルショック以降、景気低迷やいわゆる追い出し三法により、撤退業者が増え、川口は新しい住工混合の町となった。しかし、依然として、モノ作りはまちづくりの根幹と考えている。この地に、ものづくりをいかに残していくか。これには新産業も誘致しながら、それに加えて従来のモノ作りをしっかりやっていくことが必要と考える。
  • 金融機関として、地域活性化に向けては、支援機能の強化、企業の経営相談、商談会、ビジネスマッチング等を積極的に行っている。金融を通じて、地域の活性化、地域の産業をいかにすれば成し遂げられるということを模索しているところ。
  • 主に今後の論点と言うことで各位からご意見をいただいた。これを基 本にして、年内にあと3回、論点を踏まえて議論を深めていきたい。集積法に関しても、あらたな政策を議論する中でうまく活用していけるのか、法自体やめてしまうのか、取り扱いを整理する方が生産的であると思う。そうした整理は、今後、論点の議論に合流させていく。

(文責 地域経済産業政策課)

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最終更新日:2006年11月1日
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