経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会(第1回)‐議事録

日時:平成18年10月24日(火)14:00~16:00
場所:経済産業省別館3階346第4特別会議室

議題

新たな経済社会環境下における地域経済活性化の在り方について(1)

出席者

大西分科会長、井原委員、上田委員、神野委員、粂原委員、小嶋委員、鈴木孝男委員、鈴木直道委員、中村委員、野坂委員、藤沢委員、星野委員、松原委員、藻谷委員、山田委員、渡辺委員

議事録

大西分科会長
本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまより産業構造審議会第1回地域産業分科会を開催いたします。
私、大西と申しまして、実はこの産業構造審議会の地域経済産業分科会というのは今まで会員1人、私だけ会員ということでやってきました。もちろん、地域経済産業政策という意味ではいろんな政策が打ち出されたり調査研究成果も発表されてきたわけでありますけれども、審議会の形としては、分科会を動かすというよりも研究会等で中身の議論をしたり、あるいは役所の方で政策を考えてきたということでありますが、今回、非常に地域産業政策が重要性を一段と帯びてきたということを踏まえて、強い援軍として皆様にお入りいただいて本体ができるということで、私としても大変喜んでいるわけであります。
この分科会については、そういういきさつで私が会長を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は第1回目の会議でありますので、事務局から委員の皆様のご紹介をお願いしたいと思います。それでは、課長よろしくお願いします。
横田地域経済産業政策課長
事務局をやっております地域経済産業政策課長の横田と申します。
お手元の資料の3枚目に委員名簿がございますので、これに沿いましてお名前だけご紹介をさせていただきたいと思います。
まず最初に、井原水産株式会社代表取締役社長でいらっしゃいます井原慶児委員です。次に、日本金型工業会会長で、大垣精工株式会社代表取締役社長でいらっしゃいます上田勝弘委員です。なお、上田委員はこの後ご予定がおありなるということで、本日は途中までのご参加となります。続きまして、特別医療法人薫仙会理事長でいらっしゃいます神野正博委員です。長野県飯田市市街地整備推進室長でいらっしゃいます粂原和代委員です。東葛川口つくば地域ネットワーク副会長、川口商工会議所副会頭、株式会社小島鉄工所代表取締役社長でいらっしゃいます小嶋隆善委員です。独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長でいらっしゃいます鈴木孝男委員です。財団法人日本立地センター理事長でいらっしゃいます鈴木直道委員です。株式会社コスモピア代表取締役社長でいらっしゃいます田子みどりさんは、おくれていらっしゃるということでございます。富士通株式会社常務でいらっしゃいます高橋利紀委員です。中村ブレイス株式会社代表取締役社長でいらっしゃいます中村俊郎委員です。読売新聞論説委員でいらっしゃいます野坂雅一委員です。シンクタンク・ソフィアバンク副代表でいらっしゃいます藤沢久美委員です。スルガ銀行常務取締役でいらっしゃいます星野俊樹委員です。財団法人大田区産業振興協会専務でいらっしゃいます山田伸顯委員です。日本商工会議所産業経済委員会委員長代理、豊田商工会議所会頭、大豊工業株式会社相談役でいらっしゃいます渡辺祥二委員です。
それから、本日は、総務省地域振興課の渡辺秀樹課長、国土交通省総合政策局政策課の石井喜三郎課長にオブザーバーとしてご参加いただいています。
なお、厚生労働省の官房参事官菅野孝一様にもオブザーバーとしてご参加いただいておりますけれども、本日はご欠席ということでございます。
その他、本日、所用によりご欠席の委員の方々がいらっしゃいますけれども、委員名簿をもってご紹介にかえさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、事務局からの参加者につきましても、この座席表のとおりでございますので、これをもって紹介を省略させていただきたいと思います。
以上でございます。
大西分科会長
では、皆さんよろしくお願いいたします。
審議に入る前に、分科会長代理を指名させていただきます。
分科会長代理には、私の不在時などに議事進行などを代行していただくことになっております。分科会長代理には、経済地理学、都市地理学をご専門にされて、立地論、地域経済論、地域政策などに深いご知見をおもちの松原宏委員を指名させていただこうと思っています。ちょっときょう、おくれてみえるということでありますが、松原委員に分科会長代理として務めていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
次に、本委員会の公開について確認いたします。資料1をごらんいただきたいと思います。
まず、本分科会についての議事は、一般の傍聴を認めて公開することといたします。
次に、配付資料については、原則公開することといたします。
議事要旨については、これは速報的な意味があるものでありますが、無記名として事務局の文責のもと、開催後3営業日以内に公開することといたします。
なお、作成に当たっては、その速報性にかんがみ、発言内容などを適宜省略することにいたします。
議事録については、委員各位のご了解のもと、発言者名を記載の上、原則1カ月以内に公開することといたします。
特別の事情がある場合については、分科会長の判断で議事等の一部または全部を非公開とすることができることといたします。
以上、本分科会の公開についての案に関してご提案したいと思いますが、ご異議ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
それでは、原則公開ということで、このルールに従って進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
ちょっとおくれて日本政策投資銀行の藻谷委員がみえましたので、ご紹介させていただきます。
それでは、議事に入ります。
本日は、議事次第の議題に沿って、まずは資料2の地域経済の動向について、及び資料3の地域経済産業分科会における主な論点(案)について、事務局よりまず説明をしてもらい、その後、本分科会における論点について皆さんにご討議いただきたいというふうに思います。続いて、資料4が「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法(A集積)の評価について」というものでありますので、これを事務局から、それから、資料5の「産業集積活性化の評価」について山田委員よりご説明をいただきまして、次いで、皆様に「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法(A集積)の評価について」ご討議いただくというふうに進めてまいりたいと思います。
それでは、最初に、資料2及び資料3について横田経済産業政策課長よりご説明をお願いいたします。
横田地域経済産業政策課長
ご説明に入ります前に、大変蒸し暑くなっておりますので、どうぞ上着をおとりいただいて、くつろいでお聞きいただければと思います。
資料の2と3の説明に入ります前に、念のため、配付させていた だきました資料の確認をさせていただきたいと思います。上から、「資料一覧」の紙、その下に「議事次第」の1枚紙、それから先ほどの「委員名簿」がございます。その下に「座席表」がございまして、その次に、今分科会長からご説明がありました、この分科会の公開について。資料2、「地域経済の現状について」。資料3、「主な論点」。資料4として、A集積の評価。その下に、同じく資料4として参考資料編というのがございます。その下に、資料5として山田委員からいただきました資料。資料6が今後の予定でございます。それから、委員限りということで委員の方のみ、山崎委員、米田委員からいただきました資料を配らせていただいております。その下に参考資料を3つほど配付させていただいているということでございます。もし不足しているものがございましたら、事務局の方にお申しつけいただければと思います。
それから、今回からこの分科会の委員としてご参加いただきました委員の方には、席上、茶封筒の中に委員辞令を配付させていただいておりますので、ご確認いただければと思います。
それでは、まず資料2の方からご説明をさせていただきます。地域経済の現状ということですが、1枚おめくりいただきまして1ページ目でございますけれども、経済産業省では、全国にあります10の経済産業局等を中心としまして、きめ細かな地域経済の実態の把握をしておりまして、年に3回、経済産業大臣を交えて景況の報告をするということをしております。実は今月末に、直近の経済動向についてまた大臣に報告をするということにしておりますが、このお手元に配付しております資料は、6月時点で報告をしたものということでございます。日本経済は順調な回復をしておりますけれども、ここにございますような北海道、東北、中国、四国、九州といったところでは、全体として緩やかな改善にとどまっているという状況にございます。
1枚おめくりいただきまして2ページ目の資料でございますが、これは8月の月例経済関係閣僚会議において、二階前大臣から報告をしたものでございます。平成14年1月というのが景気の底だったわけですけれども、それから4年半経過しまして、全国的に回復の傾向にあるということでございます。地域ごとに幾つかピンポイントで事例を紹介してございますけれども、旭川、新潟、石川、鳥取、高知、鹿児島といったようなところでは、建設業、公共事業関連の製造業が低調といったような状況にございます。
1枚めくっていただきまして3ページ目、雇用動向でございます。有効求人倍率でみましても、この1年間で、全国レベルで0.97から1.08というように改善をしております。地域別にみましても、寒々としたこの青い色からピンクなり赤というような地域のところが全国的にもふえてきているという状況にはございます。
ただ、もう1枚おめくりいただきまして4ページ目でございますけれども、さらにきめ細かくみてまいりますと、北海道、北東北あるいは山陰地域、あるいは四国の太平洋側、南九州、沖縄、長崎、こういった地域では依然として有効求人倍率も厳しい状況にあるといったことで、地域格差がみられるという状況でございます。
もう1枚おめくりいただきまして5ページ目ですけれども、1人当たりの県民所得といったところをみましても、やはりかなり格差がみられるといったような状況にございます。
もう1枚おめくりいただきまして6ページ目ですけれども、経済産業省では工場立地の動向につきまして毎年、半期に1回調査結果をまとめて、最近も17年の結果をとりまとめて発表したところでございます。これをみていただきますと、平成14年を底にしまして平成17年は非常に回復しておりまして、件数で平成14年の2倍弱、面積で3倍弱ということで増加傾向にございます。
ただ、1枚めくっていただきまして7ページ目でありますけれども、これも地域別にみますと、もちろん立地件数でみますと面積の広さによって影響をされるわけですけれども、それを割り引きましても、かなりの格差が地域でみられるという状況になっております。
最後に8ページ目でありますけれども、こういった地域経済の現状が将来どうなっていくのかということでございますけれども、地域経済産業審議官の研究会ということでやってまいりました地域経済研究会が平成17年の7月に報告書としてまとめた中で、将来の地域経済の推計、見通しみたいなことをやっておるわけですけれども、この一覧表をみていただきまして、東京圏、100万人超の都市圏、50万人超の都市圏といったぐあいで、都市の大きさによって、域内総生産、人口につきましては、こういった格差がさらに拡大する可能性が高いというような推計を示しているところでございます。
以上が、地域経済の現状と将来展望という資料2でございます。
それから、資料3の方をごらんいただければと思います。今回、この地域経済産業分科会におきましてご議論をいただきたい論点を簡単にまとめさせていただきました。まず、1.の問題意識のところでございますけれども、これまでみてまいりましたように、地域経済の回復度合いにはばらつきがある、また中長期的にみても、むしろ格差拡大といったことも懸念されるという状況にございます。
一方で、経済のグローバル化といったことが進む中で、厳しい状況にありながらも地域の強みを生かして独自の施策を展開しているということで、地域活性化に取り組まれている地域もあるということでございます。
さらに政策的には、地方分権改革あるいは道州制といった議論がある、あるいは地域格差是正ということが叫ばれている中で、地域経済の自律的発展ということが非常に重要になってきているわけですけれども、国としてもこういった基盤を強化していくことが必要ではないか。また、こういった取り組みが我が国全体の産業競争力の強化にも資するのではないかという問題意識でご議論をいただきたいというふうに思っております。
具体的な検討項目ということでございますが、一口に地域の活性化といっても、地域の実情はそれぞれ千差万別でなかろうかと思います。そういった意味では、1つの政策をすれば何でもどの地域でも当てはまってうまくいくということでは決してないというふうに考えておりますので、1ページ目の下に書いてございますように、恐らくいろんな地域活性化対策があるのではないか。例えば企業立地を促進するという対策もあれば、地域資源を活用して新たな企業、産業を起こしていくといった取り組みをあるでしょうし、コミュニティビジネスあるいは産業を担うような人材ということも重要でしょうし、魅力のあるまちづくり、地域づくりといったことへの支援、産業クラスターみたいなことを通じた新産業創出、いろんな活性化策があるものですから、今回この分科会の委員にも、そういったいろんな分野でご活躍いただいている方に委員としてお入りいただいておりますけれども、少し広範ではありますけれども、地域の実情に応じた地域活性策について幅広くご議論をいただきたい、このように思っているわけでございます。
1枚おめくりいただきまして、まず、その中で企業立地という項目がございます。(1)にございますように、この後でご議論いただきます集積活性化法という法律を平成9年に制定しまして、これまで取り組んできたわけです。ものづくりの集積、サポーティングインダストリーの存在みたいなものが企業立地にとって非常に重要だと、これが産業空洞化によって失われてはならないということで取り組んできたわけですけれども、こういった法律の役割について、この時点でご評価をいただきたいということでございます。
それから、新しい環境での企業立地促進支援ということで、まさに企業が国を選ぶ時代になっておりますので、企業に聞きましても、企業立地に当たっては人材の確保が重要です、あるいは土地の確保に際しての規制というのが非常に大事である、あるいは自治体の対応のスピードとかサービスの内容、こういったものが非常に重要でありますと、いろんなご指摘をいただくわけであります。
地域間の競争ということもございますけれども、今やライバルは国内ではなくて周辺の中国、韓国、台湾あるいはアジア諸国との競争という中で、どのような企業立地促進支援をしていくことが必要かということでご議論いただければと思っております。
なお、※のところで書いてございますけれども、実はこの分科会がスタートする前から小委員会というのが既に置かれておりまして、ここで検討が進められています。具体的には、工場立地法という法律がございまして、この法律自体は昭和48年に大きな改正が行われて、一定の面積以上の工場が立地するときには、全国的にいいますと2割以上の緑地をもたなくてはいけないとか、あるいは敷地面積については一定の割合以下でなくてはならないといったような規制を行っております。
別添のところに、4ページ目でございますけれども、立地小委員会の検討状況が書かれておりますけれども、ことしの2月に二階前大臣から、「今後の工場立地の適正化に向けた施策の在り方」ということで諮問をいただいておりまして、現在、小委員会の方でご検討をいただいております。
検討している中身は大きく2つに分かれておりまして、1つは、現行法制のもとで、市町村レベルでいろんな規制緩和あるいは独自の規制を適用したいといったことに応じられるような制度についてご検討いただき、できれば今年度中に実施したいと。これは特区要望みたいなものを受けて対応を迫られているという問題でございます。
もう1つは、もう少し中長期的に工場立地法そのもののあり方について検討をしようということで、これは来年夏ごろに検討結果をとりまとめる、こんな予定で現在検討をお進めいただいているということでございます。
2ページに戻っていただきまして、このように工場立地小委員会で、非常に各論でございますけれども現在ご検討いただいておりますので、この分科会にも検討状況を適宜フィードバックしながら、あわせてこの分科会でもご審議いただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
2番目に、地域資源を活用した地域の産業育成ということでございます。現在、来年度からこういった地域資源を活用した企業起こしといったことについて推進していこうということで、中小企業庁、地域グループ共同しまして、関係各省のご協力も得ながら今取り組みを行っているところでございます。こういった点についても、中小企業庁の方の検討状況についてご報告などもいただきながら、ご検討をしていただきたいというように考えております。
3番目に人材ということでございますけれども、企業立地の方も、企業からしますと立地にとって一番重要なのは人材の確保だという声もございます。こういった人材もあれば、コミュニティビジネスといったような形での地域活性化をしていく上でも、やはり人材が大事ではないかということでございます。こういった人材の育成について、国としてどういうふうな支援をしていくべきかといったことについてご議論いただければと思います。
4番目に、「魅力ある地域づくり」というふうに書かせていただきましたけれども、中心市街地活性化を通じたまちづくり、あるいは観光資源を活用した集客、こういったことで地域を活性化していく上でどのような支援が必要なのかといったことについてご議論いただきたいと思います。
3ページ目でございますけれども、産業クラスター計画ということで、一口でいいますと、ネットワークを活用して企業のニーズとシーズをマッチングしながら新産業を創出していこうということで、2001年から取り組んでいるものでございます。現在、バイオとかIT、ものづくり、全国で17のクラスター計画が進められていまして、今後5年間で4万件の新事業を創出しようということで取り組んでいるものでございますけれども、こういったものの進め方についてもご審議いただきたいということでございます。
その他いろんな課題があると思います。6番目の項目で「地域の産業構造転換」と書かせていただきましたけれども、本日、米田委員の方から配付いただきました資料でも、例えば公共事業が減少していく中で建設業の新分野進出というものが非常に重要で、これが地域活性化のかぎになっているのではないかといったようなご指摘もいただいています。こういった意味での産業構造転換についてもご議論をいただければと考えております。
最後に、「地域活性化政策の目標指標の具体化」とございますけれども、後でごらんいただければと思いますけど、本日配付させていただきまして参考資料2、3に触れられておりますけれども、これから地域の活性化をしていく上でのベンチマークとなる指標として、就業達成度という指標を具体化すべきではないかという宿題がございます。単に県民所得が多い少ないということだけではなくて、仕事のやりがいとか、あるいは地域での過ごしやすさとかいったようなことを指標にしながら地域活性化策を行っていくべきではないかということでございます。この分科会でこの指標の原案を提示させていただきまして、ご意見をいただきながら年度内に具体的なこういう指標を実用化するということでやってまいりたいと考えております。
私からのご説明は以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、今ご説明のあった内容を踏まえて、本分科会の論点について、今の中では具体的に両括弧でいくと7つ、その中で幾つかに分かれているものもありますが、大きく7つの点が報告されたと思いますが、それについて、こういうものを加えるべきだとか、あるいはこういうふうに少し直した方がいいというご意見をこれからいただきたい、意見交換したいと思います。あるいは今後の地域活性化施策のあり方に関してご意見をいただきたいというようなことで、少し自由にご討議をお願いします。
それから、今の中に集積表の評価の部分も入っているということでありますが、これについては後半に別途討議する時間をとっておりますので、それ以外の論点をなるべくこの機会にお話しいただくということにさせていただければと思います。
それでは、途中でご退席の予定がある上田委員、もし差し支えなかったら最初に口火を、恐縮です。
上田委員
私は、日本金型工業会の会長を仰せつかっておるわけでございますが、ものづくりの中心である金型づくりというのは、国の施策といたしましても今非常に重要視されてきて、地方においても大変な見直しがされております。私は代表的な立場からいきまして、この3番目の項目でございます「頑張る地域を担う人材・組織の育成」ということに関しましては、今私の金型製造業というのは全国に1万社ございまして、バブル崩壊のときには1万3,000社とも4,000社ともいわれたんですが、大分減ったんです、淘汰されたということでございます。ユーザーが海外に展開、工場の分散を世界じゅうにやっております関係で、世界の各地で金型という生産道具を調達するという動きが非常に強くなってきておりますが、非常に高度な複雑な精度を要求される金型というのは、やはり日本じゃないと今のところはできないなということで、そういう影響で今金型というものが繁忙を極めております。
ただし、私などが問題視しているのは、この金型をつくる技術者、技能者、この人材確保あるいは人材の質的向上、これをやっぱり図らなきゃならんと。それはどういうことで図るべきかといったら、やっぱり私は高等教育機関での教育しかないだろうということで、今から30年、40年前は大手企業の工機工場の中で自然発生的に人材というのは育成されてきたんですが、今定年を迎える2007年問題であるとか、あるいは海外工場の分散によって、いわゆる技能者、技術者が養成されるより、減る方が多いんです。これは国としてはやっぱりゆゆしき問題であるということからして、私自身は今現在、岐阜大学に金型創成学科を文部科学省の支援事業によって設立をして、これを継続的に発展させていくと。現在群馬大学では、またこの金型をやろうというようなことで、キャンパスを来年から建てる予定になっております。
きょう、私が途中で退席させていただくのは、芝浦工業大学の各学長初めスタッフと、これから金型の学科を立てるためにどういう連絡会を開くかという重要な会議がございまして途中で退席させていただくんですが、こういう機運は昔からずっと、機械科はあっても金型というのはなかったんですよ。金型というのは、いわゆる町工場でやっている下請的な仕事じゃないかというイメージが強かった。しかし、よく考えてみると、金型を勉強することはすべて金属加工を知ることになるという、これは非常に重要な意味だと思っております。
そういう意味からして、いろんな地方自治体の協力によりまして、今まさにITだとかバイオテクノロジー、こういった学生が非常に好んで集まってくれるであろうという学科じゃなくて、もう少し地道なものづくりの学校教育というものを見直すべきじゃないかなと、こういうふうに今我々の業界としては動いておるところでございます。
以上です。
大西分科会長
どうもありがとうございました。
委員さん大勢いるので、ご発言の予定がある方は、この札を立てていただくと、私が記憶できるので。そうすると、大体順番に指したいと思います。そうでないと、あいたときに競って手を挙げなきゃいけないので、皆さんもなかなかせわしいと思います。これを立てておいていただくと、順番に当てたいと思います。どなたかご発言ありましたら、よろしくお願いします。
では、どうぞ中村委員。
中村委員
島根県の中村でございますが、今上田委員がおっしゃったような「頑張る地域を担う人材・組織の育成」ということで、2ページのところに私も目がいったんですが、「地域の中核的産業を担う」と書いてございますけれども、私は地域の中核的なことばかりを余りアピールされるというよりも、もちろん地域の中核的な産業ということも大切ですが、むしろ特色ある、また価値ある産業を担う人材を時間をかけて養成するというようなニュアンスもちょっと入れていただければ、また幅が広くなるのではないかなと思った次第です。
以上です。
大西分科会長
どうもありがとうございました。
では、神野委員。
神野委員
石川県の能登半島で医療福祉の複合体を経営いたしております。きょうの今回の議論の視点をみせていただいて、正直いいまして文字面のボリュームからすると、やっぱり工業というか(1)のあたりに一番比重を置いているのかなというふうに見受けられたんですけれども、こういった産業振興ということを考えるときに、オールジャパンでどこでもあり得るものと地域密着を考えなくちゃいけないものというふうに2つに分かれると思うんですけれども、その中では、地域密着の方をもし地域振興ということでお考えになるのでしたら、やはりサービス業についてもうちょっと比重を置いていただければうれしいかなというふうに思います。
先ほどの資料にございましたように、今後、日本はどこへ行っても少子高齢化ということになってまいります。手前みそでありますけれども、少子高齢化していきますと、中国とか韓国へ行けないような、人と人がサービスするようなサービス業というのをこれからどうしていくんだということを真剣に考えなくちゃいけないのかなというふうに思います。特に高齢化してくるに従いまして、私たちは高度成長期のように、あれも欲しい、これも欲しいから地位、財産、健康を失いたくないという需要が大きくなってくるのかなというふうに思っています。
そんな中で、例えばさっきの(1)で企業立地の云々がありますけれども、これから地方においては、地域密着のいろんなサービスの担い手、サービスを提供していくためには、例えば企業を立地するときに固定資産税を安くしてどうぞというのがありますけれども、今度人を集積するために、これはちょっと税制の話になるのかもしれませんけれども、人を集積するためのいろんな税制あるいはいろんな工夫というものも考える必要があるかもしれませんし、サービス業がこれからどうなっていくかということを考えるときに、これも本審議会とちょっとずれるかもしれませんけれども、外国人労働者という話、特にサービス業における外国人労働者、我々でいえば医療職、介護職等について、やはりどっかで真剣に提言すべき問題なのかなというふうな気がいたしました。
以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
野坂委員お願いします。
野坂委員
私は、まず地域振興については、先ほど横田課長の話にもありましたけれども、要するに全国一律型の、いわゆる金太郎あめ的な地域振興策というのはあり得ないんだと思います。それぞれの地域が特色を出す。今ちょうど私の前に3人の委員の方、それぞれ地方で頑張っていらっしゃる方の発言がありましたが、それぞれの特色を生かしていかにやっていくのかというのが一番ポイントだと思うんですね。経産省は最近、「がんばる商店街77選」という大変評判を集めたものをまとめられました。あの商店街の活性化策でも、それぞれの地域が創意工夫で独自に自律的にやっているというところがポイントであったと思います。
ですから、この分科会で考える地域振興策も、やはり地元のそれぞれ、オンリーワンというのか、我が地域はこれでいくんだというような創意工夫があって、それを政策的にどう支えていくのかというところがポイントではないかと思います。
ここに出ております検討項目、おおむね私はこの方向でいいでしょう。先ほど神野委員がおっしゃられたサービスについて、かなり目配りをした形で地域振興策を考えないと、ものづくりはもちろん重要だけれども、ものづくりとサービスと両方二本立てなのかなと思います。
もう1点は、7番目に出てきた就業達成度指標なるもの。ちょっと私、まだイメージがわかないのでありますけれども、霞が関はこういう目標、指標をつくるのが非常に好きではありますし、また得意でもあるんですけれども、どんなベンチマーク、地域にわかりやすいものをつくるというのは非常に難しい課題でありますから、今後一工夫が当然必要だろうと思います。
いずれ具体的な話について意見を述べていきたいと思います。とりあえず以上おおまかに3点、私の意見として述べさせていただきます。
大西分科会長
どうもありがとうございました。
鈴木委員お二人、どちらが早かったですか。では、鈴木孝男委員からお願いします。
鈴木(孝)委員
地域なり立地をめぐる状況を10年前と現在を比べた場合に、10年前も企業が国を選ぶ時代だったと思うんですが、そのときに何をしたかというと、空洞化の懸念でものづくり、いわゆる産業集積をどうしようかというのが一つあったと思います。その後、産業クラスターとか新しい産業集積をつくろうという、そういう点で来たと思うんですが、今確かに企業が国を選ぶ時代は変わらないんですが、片やアジアに行った大企業あるいは中小企業を含めて、国内回帰している。あるいは中小企業そのものが東アジアに出ることが日常的になってきている。そういうような中で、地域の特性を生かした産業をどう育てるか、こういうことが多分10年前に比べて違ってきているのかなと。
そういう中で、従来はものづくりが中心だったのかもしれませんけれども、これからは、まず1つは人がいない。産業を起こすには人がいなくちゃいかんというので、人材が必要、それからインフラですが、それに加えて、そういう魅力ある地域づくりをするような自治体とか地域の大学とか地域の金融機関、そういった人たちで、今ある産業をどうやって大きくするか、あるいはコミュニティ産業みたいなものをどう育てるか。そのためには、ものづくりに限らずサービス業なり、あるいは形態としてはNPOみたいなものも含めてその地域を活性化する、そういうことが求められているのかなと。
そのときにもう1つは、やはりグローバル経済ですから、新しい事業を起こすだけじゃなくて、その事業ができれば国際競争力ももつように育てなくちゃいかん。そういう意味では、地域づくりの地方自治体とか地域の支援機関が新しい事業を起こすとともに、それをグレードアップしながら持続的にする、そういったことがどうも10年前に比べて、少し産業なり立地をめぐる状況が変わってきているのかなと、そんな感じがしております。
大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、お隣、鈴木直道委員お願いします。
鈴木(直)委員
ちょっと具体的な例に入らせていただきますが、三重県にシャープが大きな亀山工場を建設して、2002年でございましたから今4年たちまして、非常に日本が誇れる集積ができ上がってきているわけです。その背景をちょっと申し上げたいと思うんですが、1つは、これはシャープさんからお聞きしたことでございますが、地元が将来に対するグランドデザインが明確であったと、クリスタルバレー構想というのを出して。つまり、地元が進出企業に対してある意味のコミットメントをしているわけですね。それが非常に重要であったというのが1つと、それに対応する自治体側が、ワンストップサービスで徹底的にスピーディーに処理をしたということが2つ目。
それから、人材が非常に重要なわけでございますけれども、地元三重県に必ずしも人材が十分であるかどうかは別でございますが、広い東海地域、つまり名古屋周辺に本当に大学が集中していて、工科系がたくさんあるわけでございますが、そういう意味で人材が豊富であったということ等々ございまして、一般的には補助金制度が十分に行われたのでという議論がありますけれども、その前に非常に多くの努力が行われてきたということが1点です。
さらに、先ほどの人材育成の関係ですが、地元の大学、この場合は三重大学でございますが、三重大学に液晶関係の学科を設けて人材育成をどんどんやってほしいと、こういう強い希望があったということと、もう1つは広域連携でございます。これは三重県だけの問題じゃない、産業は隣の奈良あるいは愛知、場合によっては静岡、非常に広域に彼らは協力を必要とする。これはいろんな意味での関係があるわけですが、そういう広域連携というものの必要性を非常に強くおっしゃっておりました。それが1つ。
もう1つは、北九州・福岡にシステムLSIの大きなセンターができつつあるわけでございますが、これも県が非常に明確なグランドデザインを出したということと、同時に産学連携を非常に有効に活用した。九州大学、九州工業大学の技術を非常に活用して、センター中心に産学連携の共同研究センターをつくった。これは文科省の資金も活用されておるわけでございますが、同時に中小機構の資金を活用して立派な建物を建てたわけですが、その中に九大との共同研究センター、民間との共同研究センター。それ以外にもう1つ重要なのは、システムLSIカレッジというものをつくられたわけです。カレッジの先生は九州全体のITの先生が集中しているわけですが、これも一つの広域連携でございますし、人材育成の機関として非常に有効に活用していると思います。
いろいろ申し上げましたけれども、グランドデザイン、人材育成、広域連携、そのあたりが非常に今後の地域発展のために重要じゃないか、こういうことでございます。
大西分科会長
どうもありがとうございました。
ほかにご発言のある方、渡辺委員どうぞ。
渡辺委員
愛知県の豊田から参りました渡辺でございます。皆様方からいろいろなご発言がございましたのでダブる部分もあるかもしれませんが、ご容赦願いたいと思います。
まず、現在、中小企業が困っている地域が非常に多いと実感しておりますので、そういう意味で、頑張る商店街あるいは頑張る中小企業、こういったところをどう支援していくかという点をぜひご議論いただきたいと思っております。なぜ中小企業が困っているかという一つの要因といたしまして、高齢化あるいは人口の減少によりまして、就業者人口が非常に減ってきているということでございます。そういう点から考えますと、現在盛んに議論されている高齢者の雇用問題、あるいは外国人労働者の活用の問題なども重要なテーマの一つとなると考えます。例えば浜松とか私ども豊田の地域は、1万人以上の外国人が滞在しております。それによって地域経済や中小企業のすべてがうまくいっているかといいますと、そうではなくて、犯罪が多くなっているという側面もございますので、そういう意味で、外国人労働者の受け入れあるいは高齢者の受け入れの問題について、地域振興の観点からしっかりと議論すべきではないかということが1点目でございます。
もう1点は、先ほどお話がございましたように産学官民の連携でございます。これは私どもの例を申し上げますと、自動車の部品の技術をもっと上げないと国際的な競争に勝てないといったことから、地方自治体と連携してテクニカルセンターの設置に向けて準備を進めております。そのためには産学官連携、民を含めた連携をさらに強くいたしまして、むだな投資を避けるような仕組みづくりが必要であり、皆さんにご利用いただける、特に中小企業に使い勝手のいい技術センターをつくるべきであろうということで、地元豊田をあげて取り組んでいることをご報告いたします。ご参考になればと思います。
以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、山田委員、続いて井原委員にお願いします。
山田委員
大田区産業振興協会の山田です。
私は、3つぐらいになろうかと思いますけれども、基本的に日本というのは貿易立国だということで、しゃかりきに貿易の黒字をつくることに頑張ってきたと。後で集積法の評価のところでも申し上げたいんですけれども、70年代から黒字基調になって、81年以降一度も赤字をつくったことがないという先進国の中でも極めてまれな国でありますけれども、それが昨年から所得収支、対外的な投資に伴う所得収支が上回るようになったと。そうすると、ますます国際収支が異常に黒字を物すごい勢いでためまして、バランスが非常に悪くなっている。その部分が必ずしも国内に還流されてないという問題があるわけです。
1つは、まず国内需要を掘り起こすということに関する意味で、ものづくりにしろサービスにしろ新たな観点、特に今回は地域という問題でありますので、地域の掘り起こしの中からそれを進めるというのも一つ重要なことかなと思います。
一方で、やはり基調となる日本の強みである技術、それについてはさらに集中特化するといいますか、ある面で中小企業も今アジアに展開する時代になったと、先ほどもお話があったように。大田区でもそういった事例を今やっておるんですけれども、アジアとの産業のすみ分けの中で、日本ならではの技術に集中特化する、そういう意味でのこれもまた人材育成が必要と。先ほどの国内需要の新たなサービスやものづくり、つまり国内に還元されるようなものをつくり上げていくサービスを提供する、そういったまた全然違う意味での、今までとは違う人材育成が必要だろうという意味で、両方の観点から、グローカルといいますか、グローバル化をにらみながらローカリゼーションの中でどのように日本のこれからの方向性を決めるか、その辺の議論がぜひ必要だろうというふうに思います。
大西分科会長
ありがとうございました。
井原委員お願いします、それから藻谷委員。
井原委員
北海道から参りました井原と申します。北海道という地域に特定しての、参考というかお話をさせていただきたいと思います。
北海道は、やはり一道という中で非常に広い地域をもっておりますので、その中での活性化というのは、団体というものに対しての偏重というのが非常に多いんですね。例えば漁業の方になりますと、地域の活性化という形で、ある漁業組合に対してのホタテの処理工場の補助金が出ております。例えば25億の工場を建てるのに20億の補助金が出ているんですが、これをすることによって、漁業組合はとる権利、そして売る権利をもちながら加工もする。ということであると、個々の業者が育つ場がなくなってくる。
もう1つ酪農の関係でいいますと、牛乳というのを北海道はたくさん生産しているんですが、当然北海道から出ていく牛乳の量というのは制限されています。そういった中で、牛乳をつくったら、要するに乳牛を育てて牛乳を買い付けますよという制度がございますが、現状としては、牛乳の消費量が減って牛乳を捨てていると。これはなぜかといいますと、1つの品種、要するにホルスタインという牛の品種1種類を育てるということを奨励しているわけですね。ところが、今ここに来て、牛乳を捨てるので乳製品をつくろうと。乳製品をつくる場合は、やはりブラウンカウとかジャージー種という乳脂肪率が多い牛を育てていかなければならない。
少し前になりますけれども、世界の中でル・モンド賞という食品に対する大賞がありますけれども、これを北海道の帯広の共働学舎というところがカマンベールチーズでとりました。ここは40頭の牛がいる中で、38頭がブラウンカウ、2頭がホルスタインという形で、いわゆるいろんな精神的障害とか身体障害をもった方たちがつくられているところなんですが、これなどは1つの企業というか団体というか、1つの小さな単位の中で非常にうまくいった事例だというふうに思っています。
ですから、北海道広い中で、エイヤという形で余り大きなところに補助金を出すということが決してプラスになってないということを、ご審議の中で頭に置いていただければいいかなというふうに思っております。
大西分科会長
ありがとうございました。
今の論点の議題について、あとお二人名札が上がっておりますので、それをご発言いただいた後、もう1つ発表の固まりがありますので、時間の都合上、そちらを発表していただいて、もし論点についてまだご発言していない委員の方で、そちらの発言のご希望があれば、その後の討議のときに論点にも触れていただくということで進めさせていただきたいと思います。
それでは、藻谷委員お願いします。
藻谷委員
恐れ入ります、黙っていようと思ったんですが、山田委員がおっしゃったことと全く同じことを考えていたので、補強で繰り返させていただきたいんですが、実はこういう議論というのはいつも、ものづくりとサービスはどっちが重要かとか、いわば地域の暮らしみたいな話に密着した産業と国際競争力のある産業とどっちが重要かみたいな、変な二分対比法になりがちなところ
、意外にそういうふうにならないんですが、やっぱり違うことをおっしゃっているんだと思うんですが、本当はそれは非常に変な話で、本来、輸出競争力がある産業と地域密着の産業は実は全然矛盾ではないし、同じ席に座っているものではないんですね。
それは、いみじくも大田区の山田委員が所得収支が大事だとおっしゃったことにもあるように、実はねらっているマーケットが違うんですね。この紙は供給側から書いてあるので、これを供給すると書いてあると、こういう対立があるように見えるんですが、オーソドックスな書き方だと思うんですけど、やっぱりお客はだれなのか。要するに地域経済を活性化するときにだれを客にすることによって活性化するのかということがやはり地域ごとには重要で、大別すると、まず国外マーケットと国内マーケットがあって、国内マーケットには2種類あって、輸入品が十分入ってきて、国内で国際競争が起きているマーケットと、実は輸入品が入ってこないマーケットがあるわけです。まず、外貨を稼ぐという意味では国際マーケットへ輸出していくということが大事で、ただ、それは全部の地域がやる必要はない。でも、現にそれをやっている地域においていろんな問題があったら、特に人手不足ですね、何とかしなきゃいけないという課題になるし、その一方で、先ほどの福祉のお話なんていうのは、実は輸入品と競争しない。海外に保養に行けるお年寄りは行くんでしょうけど、言葉の問題その他あるので、普通の一般的な日本人は、普通に日本国内で福祉の面倒をみてほしいはずなんですね。要するに、これは輸入品と競争しない国内独法市場における内需であり、これはこれで別に国際競争力とは何の関係もなく振興しなきゃいけない。
その中間に、農業みたいに輸入品とも競争するけれども、逆に北海道の牛乳じゃありませんけど、国内において市場競争をちゃんとやったら勝てるのじゃないかというようなものがあったりする。この3つごとに、それぞれの地域で何にメリットがあって、どれをやるのかということを一緒にして議論しないと、マスコミなんかそうなんですけど、亀山のシャープはもちろんすばらしいんですが、あれが逆に日本全国でできると思って、青森の人が同じようにやろうというすっとんきょうなことをいうと、うまくいかない。でも、逆に青森のニンニクは国際競争の中国のニンニクに勝って、販路を一生懸命開拓しようとしているので、これを支援したらどうかみたいに、需要側から分けて議論すれば、別にバッティングしていない。要するにねらっているマーケットが違うので。それを一応地域経済振興という観点からいうと、全部やらないといけないということだと思います。
別にバッティングしているとおっしゃってないのであれなんですが、そのときに前段の理解として書かれてないんですけど、先ほど山田委員がおっしゃったとおり、実は所得黒字が激増していて、去年11兆
3,000億なんですよね。それから、特許料収入が黒字化した。サービス収支も、赤字ですけど年間1兆円ぐらい改善に向かっていると。所得収支って、結局高齢者の貯蓄の金利なんですね。ですから、国内に還流している膨大な所得収支をどうやって経済活性化に結びつけるかという観点がどうしても必要で、貿易黒字と所得黒字が同じぐらいですから、海外にどう物を売るのかということを当然真剣に考える一方で、同じぐらい重要な新しい課題として、貯金をもっている人にどうやって国内で金を使わせるかということをもう少し、書かれてはいるんですけど、明示的に打ち出すと、二項対立じゃなくて両方やらなきゃいけないんだということがもう少し明示的にみえるのではないか。項目の整理上、供給側からだけじゃなくて需要側から書くと多様ですよということなのではないかと思いましたので、申し上げました。
大西分科会長
それでは、高橋委員お願いします。
高橋委員
富士通の高橋でございます。
今お話あった内容に全く賛成でございますけれども、ちょっと部分的になりますが、私どものIT業界は、ご存じのとおり、ビジネスの最初からグローバルというのを視点に置かないといけないという状況になってきていまして、そういう面では国内のお客様あるいは海外のお客様というのに同じものが供給できる、こういう体制を考えなくちゃいけないというふうになっております。そういう面で、例えば半導体の工場でございますけれども、三重に最新の工場をつくりました。ここで世界からお客をとってくるわけなんですが、(2)のところにインフラ等の整備とございますけれども、例えば地震の多い日本でこの最先端の半導体をつくっていて、もし地震があったら大丈夫か。例えばそういうことを保証しないと世界の半導体の商売をとってこれない、こういう状況になります。ですから、そういうことも含めての、(1)にございます企業ニーズというのが少し中に入ってくればなというふうに一つ思います。
もう1つ、私どもは国内に関連会社、36の工場、海外は50を超えている工場でございますけれども、先ほど国内工場回帰というお話もありましたが、一番の問題は、国内で高品質・高付加価値のものをつくりたい。当然そうなってくるわけですが、その場合、すり合わせ技術っていろいろ工夫をしていかないといけない、技術的にかなりいっぱいいっぱいのところに来ていますので。そういうことを考えますと、先ほど鈴木委員の方からお話ございましたように、クラスターといいますか、いろいろな異分野の材料も含めたそういうところが日本にあれば、ぜひそういう高品質なものをやっていくようなことをIT企業なんかは考えていることを、ちょっとご紹介だけさせていただきます。
大西分科会長
ありがとうございました。
非常に活発にご意見を出していただきまして、人材育成という議論から始まって、特に国際競争力のある輸出型あるいは移出型の産業に力を入れていくべきなのか、それとも域内需要といいますか、域内市場産業に力を入れていくべきなのか、それをめぐってもいろんなご意見が出たと思います。その両方、それはバッティングするものではないというご意見もあったと思います。その辺を含めて、これは論点の整理ということで、これからこの分科会の中で検討していく課題でありますので、きょう決着がつくというものではないと思いますので、整理をして、また論点をわかりやすくして、議論が活発に行われるように事務局の方で作業をしてもらいたいというふうに思います。さっき申し上げたように、まだ論点について追加するご意見がある方は、後ほどいただきたいと思います。
それでは、いわゆる集積法の評価に関して、事務局及び山田委員より配付資料に沿ってご説明いただこうと思います。まずは、事務局から資料4の集積表の評価について、戸井地域技術課長にご説明をお願いいたします。
戸井地域技術課長
地域技術課長の戸井でございます。資料4に基づきましてご説明したいと思います。資料4は「参考資料編」というのもございますが、こちらの「(A集積)の評価について」という、やや薄い方に基づいてご説明したいと思います。
ページをめくっていただきまして、まず1ページをみていただければと思いますが、法の概要について書いてございます。この法制定時の背景について、若干上の方にポイントだけ書いてございますが、平成7~8年ごろ、我が国の産業はどんどん海外に出ていってしまうと。そういった中で産業空洞化が起きて、そういう産業を支えてきた国内の金型ですとかプレスといったものづくり、こういった集積が崩壊し、技術も失われてしまうのではないか、そういった非常に心配の声が上がったということでございます。それを受けて、当時、産構審の産業立地部会で議論を行いまして、空洞化対策としての産業集積の活性化が必要であるという方向性が示され、それに基づいて平成9年に制定されたのがこの法律でございます。
法律の概要は、ここに書いてあるとおりでございます。特にきょうご議論いただくものづくりの基盤としての集積はA集積、左側の方でございますが、国が集積を活性化するための基本的な指針を定めると。この指針に基づいて、都道府県がある一定の地域を指定して、そこにおいて活性化計画、基盤的技術を活性化するための計画を定めると。また、この計画に基づいて、個別企業が例えばプレスとか金型に関する研究を進めて、さらに技術を高度化するとか設備投資をするとかいう計画を出していただいて、それを都道府県が承認する、あるいは都道府県の活性化計画を国が同意して、承認あるいは同意を受けた計画に基づく研究開発事業であるとか、あるいは試験研究設備の都道府県による整備を国が支援する、こういった制度となっております。
下の方の2ページ目でございますけど、B集積との比較をしながらA集積の特徴を改めて書いてございますが、施策のコンセプトとしては、繰り返しになりますが、海外移転によって、そういった製造業を支えてきた国内のものづくり基盤が崩壊することを防止するということでございまして、そういった観点から、真ん中あたり、対象業種ということでございますが、プレス、金型、メッキですとか249業種ということで、かなり広く基盤技術を指定しております。
その下でございますけど、そういった産業がおおむね100社以上、かつ工業出荷額が1,000億以上ということで、7万ヘクタール以上のある地域を指定して、その中において集中的に施設整備を行うとか、あるいはそこに存在する企業の技術の高度化を図っていく、そういった制度となっております。
さらに1ページめくっていただきまして3ページでございますが、これは、現在までに都道府県が活性化計画をつくって、国が同意した地域でございます。全部で25ございますけど、下の方に書いてございます三重、香川、徳島、高知については、一期計画で終了しております。そういう意味で、現在二期計画をつくって継続的にA集積として同意を受けておりますところは21地域ということでございまして、関東ですと東葛・川口、広域京浜というところ、大阪周辺ですと大阪府中央あるいは神戸・阪神というところもございますが、それ以外、北は八戸から南は熊本まで全国に広く指定されているといったような状況でございます。
4ページでございますが、それぞれの地域において個別企業が高度化計画、例えばこういう研究開発をして、こういう技術を高度化したいといったような計画を提出して承認を受けた数、右下でございますけど、計478件ということでございまして、県別にみますと、栃木、埼玉、神奈川、静岡ですとか、やはり集積として企業が多く集まっているところが多く承認を受けているといったような形になっております。
次の5ページ目でございますけど、これは個別企業等に対する支援策でございます。税制、財投でございますね、それから、そういった企業が融資を受ける際の債務保証、一番下の補助金といったようなメニューで支援をしてまいりました。税制については、もちろん幾つか使用された事例もあるんですが、いろいろと共同で高度化計画をつくった方に対してだけ税制上の特典を与えるとか、ハードルがやや高かった面もあって、実績がないままのものも幾つかございますが、いずれにしても、すべて現時点では制度として廃止されているということでございます。
財投は、これは高度化計画承認ということではなくて、一般の基盤的技術産業に従事している方ですが、総額で1,000億近い融資を行ってきているということでございます。
債務保証についても、中小公庫による信用保険制度ということで総額50億円、約122件の実績があると。
補助金については、一番下でございますけど255件、かなり多く使われているということでございます。
もう1つ、6ページでございますが、これは、都道府県が集積地域において産業インフラを整備するといったような場合にテクノフロンティア、これは貸し工場でございますが、そういったもの。さらには、新製品の開発等行うような工場用地、フロンティアパーク。またさらに、地方公共団体の貸し工場とか研究施設において、技術の高度化に必要な機器の整備を行うといったようなものに対して補助を行うということで、こういった制度を用いて積極的にインフラ整備を行ってきたということでございまして、7~8ページに、各集積地域ごとに実績が書いてございます。もちろん京浜あるいは東京、大田区を含むそういった地域において、貸し工場等の整備も行っておりますし、また大阪近辺、堺でテクノフロンティアといったような貸し工場の整備も行ってきております。また、それ以外にも日本全国大きく分けてブロックごとに、例えば岩手県の北上川流域であるとか、また広島の東広島市、熊本等において貸し工場ですとか工業団地の整備を行ってきているということで、一番右端に書いてございますのは施設整備費でございますけれども、ほとんどの地域で積極的に活用していただいたというふうに考えております。
次の9ページ以降、やや具体的な事例を挙げさせていただいております。最初の事例は融資の事例でございますが、広島に立地する自動車会社で、日本政策投資銀行からの融資をご活用いただいて、製造に関するプログラミングですとか成形、表面加工といった基盤技術を高度化していただいて、次世代のエンジンを開発して、結果として好調な売り上げにつながったという事例。これは融資額50億円でございます。
その下、10ページは、アクロスというカーボンコンポジットを作製している会社でございますが、さらに表面に金属シリコンを浸透させることによって、カーボンとセラミックスの両方のすぐれた特性をもつブレーキディスクを開発したということで、かなり販売されているようでございますが、これも補助金交付等を行っているということでございます。
11、12ページは、先ほど申し上げました貸し工場とか工場団地の事例でございますけど、例えば堺におけるテクノフロンティアという貸し工場、93%程度ですからほぼフルに近い状況で入居していただいていまして、非常に近いところに事業者がいて、すり合わせとか打ち合わせが非常にしやすいといったような評価をいただいております。
下の方は工場団地の事例でございますけど、これも現在のところ15年から売り出して、半分程度分譲が終わったところでございますけど、敷地内で異業種交流等が行われているということでございます。
13ページからが、集積が現在どうなっているかということを工業出荷額でみたものでございます。平成7年を100として、ほぼ第一期計画の終わりとして平成14年、直近のデータとして平成16年ということで挙げさせていただいております。緑色のシャドーがかけてあるのが、都道府県の策定した計画に定めた目標値に達したものということでございますけど、第一期計画については、残念ながらといいますか経済状況もございまして、下の方の熊本と徳島だけが目標に達していますが、それ以外のところは達しておりません。第二期についてはまだ計画期間終了しておりませんが、これだけ達成している地域がふえているということがいえると思います。
あと、一応左側で集積を幾つかの形に分けておりますけど、関東、大阪の都市部の集積は、後からご説明いたしますけれども、工場の拡張ができないとかいろんな理由があると思います。ここはかなり出荷額も下がっているということがいえると思います。右側は、これを事業所別でみたデータでございますけど、事業所数はすべて減っているということでございます。
14ページから、やや分析的なことが書いてございます。これは25集積の事業所数ですとか工業出荷額を書いたものですが、いわゆるバブルのピークまでは事業所数、従業者数は一定で、出荷額等は伸びてきているわけですが、その後、ほぼ同じようなトレンドで下がってきていると。ただ、平成14年以降をみていただくとわかりますが、粗付加価値が増加して、工業出荷額についてはかなり明確に上昇トレンドを示しているということでございます。
次の15ページの上は、卸売物資指数を用いて実質化したものでございますけど、繰り返しになりますが、全国、25集積地域についても、ここ3年といいますか平成14年から非常に明確な上昇トレンドがあるということでございます。集積地域が下の方に出ていますが、特に東京とか大阪のウエートが非常に高くて、そういうところで域内立地が難しいということで、その結果として、25全体を集計した場合には、全国よりやや下がって数字が出てしまうということでございます。
その下、今度は出荷額を事業所ごと、それから労働生産性をみたわけですが、これは全国、集積地ともに生産性は上がり、1事業所当たり出荷額は上がっているということで、そういう意味では集約化というか、あるいは淘汰という言葉を使うのがいいのかわかりませんが、こういう形で生産性も上がってきているし、1事業所当たりの出荷額も上がっているということであろうと思っております。
以上まとめますと、16ページに書いてございますが、集積地域については事業所数や従業員数は減少していますが、出荷額、付加価値というものは増加傾向にある。特に実質値でみますと、明確な回復基調にあるということ。また、労働生産性や1事業所当たりの出荷額からみると増加してきているということがいえると思います。ただ、都市部の集積については、なかなか拡張等が困難で、数値的には出てこないということでございます。
下の方にヒアリングの結果も書いてございますけど、例えば大阪などでは、定番技術しかないところはなくなってしまったけど、特徴ある技術をもっているところは残っているというような話。
それから大田区等は、たった1つでも引き受けてくれる、試作品製作といいますか、そういうふうな機能をもつ企業が残っているというふうな話がございました。
次に17ページからでございます。これはいわゆる空洞化でございまして、最初は海外生産比率ということでグラフが2つに分かれていまして、海外に事業所をもっている法人と、もう1つ国内法人をただ単純に分母として生産比率を計算したもの、両方を表示しておりますが、いずれにしても海外生産比率は上昇傾向にあるということでございます。
18ページ、輸入浸透度でございますが、非常に大きな山型を示しているのが精密機械工業でございます。まさに法の制定された平成8年、9年、このままいくと全部海外で生産されるのじゃないかというふうなご心配が当時あったのではないかと思いますが、その後、こういう形である種の調整が入っているといいますか、そういうことになっております。
また、その下の三角の非鉄金属をみても、これも当時空洞化ということが心配されておりましたが、必ずしもどんどん単調増加していって輸入浸透度が上がっていくということでもないという状況ではないかと思います。
一方、19ページでございますが、振り返って国内の工場立地をみますと、平成元年ごろ、いわゆるバブルのピークからだんだん減ってきているわけでございますが、やはり平成14年以降、明確に上昇トレンドがあるということで、下の方は都市圏と地方圏を分けて書いてございますが、両方とも上昇トレンドである。ある種の国内回帰が起きているのではないかなというふうに考えております。
20ページの方は、ある種国内回帰のトレンドであるけれども、マクロとては海外に生産拠点が出ていると。ただ、20ページにありますように、中小企業の大部分、半分ですか、50.2%は、量の違い、程度の違いはあれ海外取引を行っていると。相手としては中国、韓国、ASEANが64%を占めているということで、そういう意味では海外に立地したとしても、いわゆる高度部材については日本から調達しているという姿になっているのではないかと思っております。
21ページ、以上まとめまして、海外生産比率、輸入浸透度ともトレンドとしては上昇基調にありますが、例えば輸入浸透度については、必ずしも一直線に上がっているということではないということ。一方、国内の企業立地はやや回帰傾向にあるということ。さらにマクロで海外に出ていったとしても、やはり海外に対して国内の集積あるいは集積以外から高度な部材は供給しているということがいえるのではないかと思います。
若干参考資料の方もみていただきますと、例えば4ページあたりをみていただくと、やはり海外にどんどん出ていけばいいということではなくて、いわゆる熟練工、たくみのわざが必要なものであるとか、RアンドDと一体的に進めるべき事業があるとか、スピード、さらに提案能力、こういったものをもつものについてはある程度国内に立地せざるを得ないというふうなことが出ていると思います。
また、例えば7ページあたりをみていただきますと、今度は、これは中小企業側からみて、要はある種グローバルに戦える自分たちの強みということではないかと思いますが、ノウハウ、制度といった技術力のほかにスピード、提案力といったような強みをもっている。こういうところを中心として、国内においても、まだまだそういった海外からの需要にも対応できる企業が残っているという状況ではないかと思います。
次に22ページ、産業集積のメリットということでございますが、これはアンケート結果でございまして、10年前と集積のメリットというものを比較したものでございます。「地域内」「地域外」と書いてありますのは、集積ということではないけど、これはアンケートが「都道府県の中ですか」「外ですか」という聞き方をしているわけですが、いずれにしても集積の重要性がなくなったわけではないんですが、情報収集にしても生産連携にしても開発連携にしても、相対的には、より広域的な連携が必要であるというふうなトレンドがあらわれているのではないかと考えております。
23ページは、今申し上げたようなことが書いてございますが、やはりヒアリングをしても、より広域な連携がある種必要になってきているというふうなご意見が多くなっております。
24ページ以降、簡単にまとめてございますが、全国25地域において活性化計画が策定され、延べ475件の高度化計画等が承認されたと。これに基づいて研究開発等が実施されてきたということでございます。事業所数や従業員数というのはトレンドとして減少してきているわけですが、工業出荷額は実質値でみれば明確に回復基調にありますし、また生産性等も、あるいは1事業所当たりの出荷額も増加してきていると。海外生産というものは、ある種トレンドとしてはそういうことになっているわけですが、必ずしも一方的に空洞化しているという状況ではなく、工場立地をみても国内回帰というトレンドもあらわれてきているということ。また、マクロとして海外に出ていったとしても、部材は引き続き国内から調達しているというものが決して少なくないというよりも、かなりあるということじゃないかと思います。
以上とりまとめて25ページ、法の評価。非常に簡単でございますが、1、法は基盤的技術の高度化等の促進を支援することにより、地域の産業集積の有する機能を維持・活性化することに一定の成果を上げてきた。
2、一方、いわゆる産業の空洞化の影響については、現在、法制定時に心配された我が国産業の一方的空洞化の進展という状況にはなく、むしろ国際的最適配置、また国際的分業という状況が進みつつあるのではないか。
また、産業集積の重要性は存在するものの、ITとか物流の発達の中で、より広域的な連携が求められるようになってきているのではないか。
こういった中で、現下の状況に即した地域経済対策が必要、こういったふうに評価できるのではないかなと考えております。
26ページ以降は若干参考でございますが、関連施策といたしましては、ことしから「中小企業ものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく支援ということで、鋳造、鍛造、メッキ等について技術支援を行って、研究開発とか人材育成を支援するという制度が動き出しております。
(2)でございますけど、従来から産業クラスター計画ということで、広域で企業同士のマッチングを行うという努力をしてきております。
(3)は、昨年から、技術をもっている企業、さらに川下側あるいはマーケティングサイドの企業とも連携して新しい事業を起こしていただく、そういった試みを支援するという制度。
(4)は、私ども地域事業の制度でございますけど、地域における産学官の研究開発、コンソーシアムを支援するとか、来年からは地域資源を活用した研究開発あるいは事業化に向けた試みを支援する、こういったことを考えているところでございます。
27ページでございますが、集積に関するヒアリングの中で幾つか企業や自治体の方からご指摘いただきまして、こういった企業のグローバル展開が進んで立地競争が激化する中で、円滑な企業立地を可能とする環境整備が必要であるとか、先ほど申し上げた、より広域的な連携が重要となっているのではないか。さらに、中国等に対して差別化する意味で、高度化に向けた支援が引き続き重要であるということ。それから、今後ソフト面の支援が重要ではないかということ。さらに、技術もさることながら川下側の支援が必要ということ。それから公設試等においては、国の施設等も利用して、機器をより有効活用することが考えられるのではないかなというようなご指摘がございました。以上、参考として挙げさせていただいております。
以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、続いて資料5に基づいて、山田委員から集積法の評価についてお話を承りたいと思います。お願いいたします。
山田委員
大田区は、東京の中では品川と2つ、特定産業集積地域のA集積ということで指定を受けました。したがって、川崎、横浜、大和、相模原、6地域の広域連携のいわゆる京浜という位置づけでこの法律指定が行われました。そこで、今もご説明があったんですけれども、特定産業集積活性化法って一体何だったのかというそもそもの意義のところで考えてみます。それまでは特定中小企業集積活性化ということで産地型産業の振興という位置づけで来たのですが、そろそろ日本の国際競争力そのものがちょっと危ういのではないのかと心配になってきたということです。それというのは、現在2005年の統計でも、総輸出額70兆円のうち機械類が約70%、50兆円近く機械類が占めているわけでありまして、日本のまさに国際競争力の源泉を担っています。それというのは、機械類を支えているというのは膨大な基盤産業があるわけであります。先ほどの上田委員の金型を初めとして、世界の中で断トツの力をもっていた。ところが、いわゆるものづくりの分野にもITが物すごい勢いで普及いたしまして、CAD・CAMといういわば熟練性を伴わないでも、ものづくり技術がアジアに急速に移転してしまうというところも非常に懸念され始めたところだったと思うのです。
この産地ではなくて基盤技術というところに着目すると、実はそもそも技術集積都市というところに焦点を当てざるを得ないというところから、この活性化法が生まれたんだというふうに私は理解しております。既に海外でも韓国や台湾は、特に韓国は部品素材産業ということで、この20年来、国家プロジェクトとして工業団地の立地から始めて、すごい力を入れてやってきたんですけど、それでもなおかつ日本からの輸出超過がやまないという、問題を一つは抱えています。台湾は、ご承知のように電子産業系を中心にして非常に高度な競争力をもった産業として育成されていった。実は追っかけるように、マレーシア、タイも金融面あるいは税制面の極めて様々な優遇措置をとってきました。もちろん国内から産業が起こってくれればいいんだけれども、中からなかなか起こってこないので、対外誘致をやり始めたということです。そういう中で日本においても、おくればせながらこの集積活性化法を位置づけたということだと思うのです。
先ほどもご説明あったように、集積活性化法によって地域産業はどうなったのかということで、おおむねそこそこに頑張っているという評価はあったんですけれども、これは製造品出荷額という工業統計上の数字にいわば評価の基軸を置いているんです。そこで集積自体の意義がどうのこうのという議論が出てくるのですけれども、都市に立地するということの意味をよく考えていただければと思います。特に大都市部、大田区でも現在はキャノン、リコー、あるいは半導体の切断装置で世界シェア8割をもつディスコとか、そういった企業が立地しておりますけれども、これは工業統計でいう工場ではありません。事業所・企業統計でいう製造業には当たります。しかし、これは工業統計で把握されないので、出荷額には全く出てこないということです。この辺がますます剥離を始めているというのが現状でありまして、ちなみに事業所・企業統計でいう製造業の事業所数というものに対して工場数の対比を考えますと、東京特別区というのは36%しかないんです。物すごく離れているんです。それに対して熊本、岩手あるいは北海道、こういったところは70%近く、あるいは70%を超えており、つまり事業所・企業統計の事業所数と工業統計の工場数が極めて一致してきている。ところが大都市部のところでは、これは先ほどの土地もない云々はありますけど、実は都市の製造業の立地形態が変わってきちゃったということなんです。
ちなみにディスコは、昨年2月に大田区内で転居して新しいところで、いわば開発と企業サービスを行っております。半導体電子部品をどう切れるかという顧客のオーダーに応じて開発するわけですので、そういったサービスセンター的な機能をもったところでありますが、最初からそこに従業者が800人いるそうです。呉の工場に1,200人だということです。つまり、工場ではないんだけれども、従業者の集中効果というものはすごいものがあるということなんです。
ですから、本来ですと別な指標が必要なんですが、これがなかなか統計上とれないんです。つまり研究開発投資、この研究開発は民間を中心に、日本では恐らく世界最高の伸び率を誇っていると思います。これをしっかり把握すると、集積活性化の効果というのはまた別に出てくるのではないかというふうに考えるわけです。
そこで、これからこの評価をみるに当たって、既存のものでみますと、少子高齢化が始まっておりますので、生産性というものに着目しました。もう1つは、ブランド価値とか日本において高度な産業構造の段階で取られるべき高付加価値というものを担うという意味で、付加価値生産という問題に着目するということで資料をつくりました。これも粗っぽい資料でありまして、ご批判に耐えるかどうかわかりませんが、一応資料5のペーパーをめくっていただきますと、大田区は全数でいいますと、ピーク時1983年、もう20数年前でありますけれども、このときに工場数は最高でありまして、このときの製造品出荷高は1兆5,000円程度ありました。それは多分47都道府県、中ぐらいの位置です。熊本県よりたしか大きかったと思います。それが平成2年をピークに激減しておりまして、今日では8,000億を切ると。工場数も4,700ぐらいになってしまったということであります。でも、それは先ほども申し上げたように、都市型の工業立地のあり方が変わってきているということを一つ念頭に置いていただきたい。
そこで、出荷額と付加価値額の推移ということでこれをみているわけであります。つまり1人当たり生産性でみると次のグラフになりますが、これだけではしようがないので次のページ、これは1人当たりの出荷額と粗付加価値額を物価指数対比でやったものであります。消費者物価指数あるいは工業製品物資指数ともに、この20数年来ずっとトレンド的には余り上がってない、消費者は少し上がっていますけど。それ以上に、付加価値という生産性というレベルでいうと、かなり実は高いものがあるということであります。
同じA集積の指定だと思いますが、北上流域の北上市の工業統計をみますと、北上市は先ほどのご報告にもありましたように、事業所数、従業者数、出荷額ともどもかなり堅調であります。これは全く問題ないだろうと思います。同じように付加価値のレベルを次のページで大田区との対比でいっても、実は大田区よりもいいぐらいだと。つまり集積活性化法による効果を非常にうまく生かした行き方をされたのではないかなというふうな感じがいたします。
全国統計をちなみにごらんいただきたいと思うんですけれども、全国統計でみますと、この辺の付加価値というレベルでみると、実は余り出荷額に比して、同じような推移を示しているんですけど、これをみていただくとわかるように、実は非常に比率的には低い。付加価値率というのを最後のペーパーに載せておきましたけど、付加価値額を出荷額で割る。つまり売り上げに対して
、収益性ともいえますか、それでとってみると、かなり歴然と違っておりまして、実は大田区は小さい企業が多いという面もあって、この辺の付加価値率は大変高いものがある。こういう高付加価値形態に切りかわっていかざるを得なかったし、それを後押ししてくれたのがこの集積活性化法の一つの意義ではないかなという感じがいたします。産業構造が高度化して、製造業の効率性が高まれば高まるほど、製造業におけるウエートというのは低くならざるを得ない、当然従業者数その他雇用力というのは相対的には低くなるわけであります。
A集積評価を行うのに、大田区が国から補助を受けてテクノWING貸し工場の事例がございます。これは、土地代を別にしまして16億円ぐらいかかったものでございます。最後の方、裏ページを開いていただくと、建物と中が写ってございます。全体のイメージとしてはこんなような工場ビルでありまして、右側が工場棟、5階建てで48ユニット入って、左側が従業員住宅ということになっているものでございます。これを立ち上げることができました。
そこで、このテクノWINGに対する評価がそれぞれここに入ってございます。もともとこの事業は、住工調和型の政策でいこうという意図で進めました。大田区というのは町工場の典型でありまして、1階は工場だけど2階に住んでいるというような家族経営のものが物すごい数あるわけであります。そういったところで、住工分離できれいにやろうというような発想ではなくて、むしろ混在した中、しかし公害問題を解決しながらやっていくというような住工調和政策ということが必要ではないだろうかと考えたわけであります。
したがって地域調和型の産業立地という点で、実はこれ以前にも単独で前にもやったケースがございまして、昔、高度化事業というものを使ってやった、住宅都市整備公団と合体した工場アパートというものもございましたし、7ページ、これは単独で区でやったんですけど、上に区営住宅を乗せて、1階、2階が4個ずつの8スパンの工場がある。あるいはテンポラリー工場というのは、建てかえ用のその間受け皿となる工場、このようなものもつくってございます。
テクノWINGの詳細については省かせていただきます。後で施設概要をごらんください。工場の使用料等は平米当たり1,800円程度の使用料をいただいているということでございますけれども、最後に「テクノWINGの現状」という13ページと次の15ページあたりをみていただければ、この入居企業の稼働状況等が出てございます。我々がどんなに異業種交流といって旗を振ってもなかなか実現しなかったものが、1つ屋根の下に入れると勝手にやり出すということで、共同開発、共同受注、こんなものも次々に自然発生的に生まれ出るというような効果がございました。
15ページには「入居企業の感想」というのが書いてあると思いますが、こういったネットワーク型の受注や仕事回し、これは大田区の特徴ですが、それがここでできるようになったし、操業環境がよくなって3Kイメージが払拭されてきました。それから、近くにあります学校跡地を利用した創業支援施設とも連携でき、向こうが発想してこっちが物をつくるという分担をしてともに発展しています。
それから、何よりもテクノWINGの知名度が上がりました。我々は随分テレビでも宣伝していただきましたし、私どもが40年以上やっている事業である受発注相談にも、テクノWINGに仕事を出したいといってくるケースが結構あって、ほかにもいろいろな企業が登録しているので、かえって困惑するようなくらいに実は有名になったというような状態でございます。これは何よりも、今申し上げましたように、集積の維持には非常に役に立ったということです。
それから、大田区は「大田区産業ビジョン」というのをもっておりますが、その第1項目は、オープンマインドと言っています。大田の「O」をとったオープンマインドなのですが、これは広域連携を意図しています。テクノWINGには、大田区ということで各地から、大阪や京都からも企業がここへ入りたいということで申し込みがあります。空きが出ると数倍の倍率になるものですから、他の地域の企業が今まで必ずしも当たらなかったんですけど、そういう広域連携で結構入居された方々もいらっしゃる。
まとめますと、産業集積活性化に関して何がよかったかというと、まず日本の産業の強み、例えば金型であるとか、こういう分野というものが極めてはっきりしてきたということ。それに対するコンセンサスが得られてきた。と同時に、この位置づけをすることによって、日本の産業を担っている中小企業者が非常に希望をもてるようになったのではないか。
最後に、ものづくりのありようというのを考えますと、今物すごいスピード化時代です。商品のサイクルが大変短くなっているので、いわばサービス業化するぐらいの速さなんです。一品生産物とか、非常に多品種でごく少量のもの、これに対する対応力をつけるというのが日本ならではの生き方の一つではないかというように思います。そういった意味での集積活性化法が与えた効果というのはあるのではないかというふうに私は評価しております。
以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、今お二人から発表していただきましたけれども、集積法をめぐって意見交換させていただきます。あわせて、先ほどの論点についてご意見のある方はご発言いただきたいと思います。
ちょっとその前に、先ほど分科会長代理に指名させていただきました松原宏委員がおみえですので、ご紹介します。
松原委員
ちょっと授業の関係でおくれまして申しわけありません。東京大学大学院総合文化研究科の松原と申します。よろしくお願いいたします。
では、続けて質問させていただいてよろしいでしょうか。大変詳細な資料をお配りいただきまして勉強になりましたけれども、A集積につきまして、私の方から幾つかコメントさせていただければと思います。
資料4のところでいろいろな数値が出されておりますけれども、私も学問的な関心でこのA集積のことについてはいろいろ勉強させていただいておりますけれども、評価が非常に難しいのが現状でありまして、その評価が難しい点というのは何かというのを3つほど、ここではまず指摘をしたいと思います。
1つは、4ページのところをみますと、高度化計画あるいは高度化等の円滑化計画の承認件数が各地域についてカウントされているわけですけれども、この数値をみてもよくわからないということです。なぜわからないかというと、これは参考資料編などでも出ておりますけれども、そもそもこの法の理解というのがちゃんとできていたのかどうかということがある面では問題なのかなと。したがいまして、県あるいは地域によって行動パターンというのが必ずしも一律ではない。したがって、正確にこの法について対応したところとそうでないところといろいろあるということで、その行動パターンがいろいろ分かれるので、この数字だけでは評価ができないのではないかというふうに思います。
この法自体、私もいろいろ勉強してもなかなかわからない部分もあって、県の各担当者の声なんかを聞きましても、これは企業城下町法ではないかというふうに理解していたようなところもあるとか、そういう面でいうと、なかなか理解が浸透していなかったのではないかということを思っています。それが1点目です。
2点目は、13ページにあります25地域を分けているわけですけれども、比較をするときには対象地域の選定というのが重要になるわけですが、この対象地域というものが非常に多様な地域産業集積を扱っている。先ほど山田さんの方からありました大都市型の集積もあれば、熊本のような分工場誘致型の集積もあれば、先ほど出ました企業城下町型の集積もある。要するに狭い地域に企業や工場等が集まっていれば集積というふうにいえるのかどうかということも含めまして、要するにタイプの違うものを一律に並べて、そして一律な法律で対応したということに無理もあるのではないかなと思っております。
それと関連するんですけれども評価の基準、これは先ほども山田さんの方から出ましたように、この工業出荷額だけの伸びでみますと、必ずしも地域の産業集積の実力といいますかそれが評価されるというよりは、むしろ特定の業種や特定の企業の成長率にかなり引きずられたような数字になっている。そういう面でいうと基準のとり方も難しいということで、評価はなかなか難しい。ただし、当時、要するにこの法律が出てきた空洞化懸念、そして基盤技術をどうするのかというところの理解というのは、当然評価すべきだろうと思っています。各県のいろいろな意見をみてみますと、それはある面では時代に合わなくなってきているのではないかとかいうようなものが多いのであれば、正確な評価はなかなか難しいにしろ、要するに地元も余り評価しなくなってきているというのが実際の多数の声なんだろうというふうに思います。
ただ、注目すべき点は、この法律の中で今まで余り光が当たっていませんで、どちらかというと工場を追い出すような地域であった東京や大阪といったようなところに指定がされているというのは注目すべき点なのではないか。そこは、私は重視した方が今後もいいのではないかと思っています。貸し工場であるとかいろいろ施設の機器整備補助金であるとか、メニューによっては効果的に働いているのもあるので、そういうものも評価すべきではないかなと思います。
ちょっと長くなりましたけど最後もう1点だけ、最初の議論とも絡みますので話させていただきますと、結局当時の状況とどこが違ってきているかということで、やはりものづくりの世界が急速に変化してきているのではないかというふうに思っています。先ほどすり合わせという話がありましたけれども、すり合わせというのもある面では重要なキーワードかと思いますが、それもありますけれども、私は、もう1つ重要な変化としてモジュール化とかブラックボックス化といったようなものが進んでいて、大企業の生産体制の中、特に機械、電気、自動車などもそうですけれども、特に電気、機械などで内政化が進んでいて、結局地域の中小関連企業、サプライヤーの方に仕事が出ないようなものづくりの話が進んでいるのではないか。
もう1つは、当時は空洞化というのを問題にしておりましたけれども、空洞化ではなくて、結局国際的な分業というのがかなり急速に変わってきていると。これは先ほど来お話がありましたように、部品も高品質な部品とスピードを要求するようなものとかいろいろなものがあって、その辺の仕分けをしっかりした上でみていかないと、単純な空洞化論ではなくて、国内回帰についての分析につきましても、これは必ずしも手放しでは喜べないものではないか。かなり限定づけて正確な理解が必要なのではないかなと。国内回帰につきましては、大都市近郊に立地しているのもあれば地方に立地しているのもありますし、その立地の論理みたいなものをしっかりとつかんでいかないといけない。そこで出てくるのは、RアンドDとの関係というのをやはり重視していく必要があるのではないかと思います。そうなってきますと、本社が立地している、先ほど出ていました都市型ということとかかわってきますけれども、東京、大阪などに立地している本社、研究開発拠点との関係の中で、いわば工場、生産拠点の立地も考えていく必要があるのかなと思っております。
ちょっと長くなりましたけれども以上です。
大西分科会長
ありがとうございました。
ほかにご発言がありましたらお願いいたします。
先ほどの論点に戻っていただいても結構ですけれども、何か。よろしいでしょうか。
オブザーバーでみえている国のそれぞれの委員の方も、もしご発言がありましたらお願いします。
どうぞ。
石井オブザーバー
私どもはインフラを整備したり交通環境を整備したりということですが、なかなかインフラ整備とかはきかないのじゃないかという議論もあるんですが、一方で昨今、東海環状ができたところでは非常に交通環境がよくなって、グローバルな展開をするような企業の工場立地というのが、今まで大変売れ残っていた岐阜とか愛知県の工業団地というのがほとんど完売をして、もっとつくってほしいというのが出るくらい殺到しているということです。実は私どもの反省なんですが、なかなか選択と集中のインフラ投資ができていなかったために、どうも企業のニーズにきちっとこたえられていなかったのではないかと。相当そこら辺をきちっとすれば、地域の活性化という面ではインフラ整備については求められるものがあるのかなというのが1点です。
一方、先ほど山田さんの方からお話がありましたけれども、土地利用等で混在型の開発というようなことをいわれたのですが、これについても、私も都市計画を現場でも本省でも担当したことがあるんですが、非常に強力なツールです。まちづくり三法をみていただいても、たったあれだけのメッセージを出しただけで、大きな商業施設が街中の店舗立地をやろうかということをいわれるくらい大変強力です。そういう意味では地域における産業ビジョン、クリスタルバレーの話が出ましたが、そういうものが少し明確になり、かつ、これは大変難しいんですが、コミットメントという形でこれだけの条件が満たされれば、逆にいうと、これだけ必ず出ますよというようなことをしていただければ、インフラ整備においても、逆にいうと土地利用、都市計画という強力なツールについても、相当自治体も、それから、私どもが自治体のサポートについても少しご協力ができるのではないかなと。どうもそこのところが今までかみ合っていなかった。一方で要請もあって、どうしてもインフラ整備もあそこでぽつり、ここでぽつりという形に今までなっていたのではないかというようなことを反省しております。
大西分科会長
ありがとうございました。
粂原委員お願いします。
粂原委員
ものづくり関係は、私は余り得意でございませんので、まちづくりの観点から、今回の新たな項目として取り上げてはいかがかというところに中心市街地のまちづくりというテーマを入れていただいてあります。どういう視点から地域の産業の活性化というものをとらえるのかということで、先ほど来いろいろご議論というかご意見ございましたけれども、中心市街地というのは一つの産業のステージになるべきところでもありますし、もう1つ言い方をかえると、孵卵器といいますか、その中で教育をし、人を育てるという機能もございます。先ほど大田区さんの例でもありましたように、企業さんでも何でも、そこに働く人という観点から物事を少しみる必要もあるのではないかなと。そのときに初めて、町というものもそこで議論の中に入ってくるのかなという気がいたします。
先ほどのお話の中でありましたけれども、住宅と企業とのコラボレーション、事務所とのコラボレーションをすることで新たな展開が生まれるとか、そういった意味で中心市街地あるいは町というものを地域の中においてどういうふうにこれからつくっていこうかという、各地域、地域の地域力をつけるためのシナリオというのをどのくらい各地域がもてるのか。そのときに、各産業をどういうふうに組み合わせていこうとするのか。
もう1つは、そこで生存可能なインフラも含めまして整備をどう組み合わせていこうとするのかというシナリオがどのくらい一つの自治体でもてるのかというところに、これからの自治体の存続がかかっているのだと思いますけれども、そういった意味で町というのをどういうふうに地域の中でとらえていくのかというのを、この中でどう議論していくのかというのは相当難しいのじゃないかなと思うんですけれども、新たにそういった地域力を考える意味では非常にありがたい。それから、先ほどのサービス業あるいは医療関係というのも欠くべからざるものでありますので、少子高齢化はどの地域もみんな共通のテーマでありますので、そういった意味でのまちづくりを少しこの中でご意見を聞きながら議論を今後させていただけるとありがたいなと思っております。
大西分科会長
ありがとうございました。
あと10分ちょっとという感じなので、札が上がっています中村委員と藤沢委員、小嶋委員、もし可能であれば星野委員にも一言いっていただいて終わりにしたいと思うんですが、済みませんが一人2分ぐらいで。
中村委員
手短に申し上げます。集積環境、それとかインフラ整備ということで、それからいくと私なんかの現実は全く逆でございまして、環境は全く整っていない。私は今島根県の地域におりますけど、人口が500人の谷間の町でございまして、人がいるかといわれたら全くいない。しかし、そこにあるのは、今意外な展開となりまして、物をこつこつつくることによって、かつて住んでいた町、今住んでいる町が石見銀山でございまして、これを世界遺産にということで文化庁さんあたり、それから国土庁さんも一生懸命応援してくださっています。そうしますと、ただ何もない何もないという中に、地域にすごい文化力といいますか、かつて世界の銀山だった、アジアを制した、世界の3分の1の銀を制した最も通産の原点というような町が石見銀山でありまして、そういう歴史を大切にすることによってパワーが生まれるということもあるということを、ちょっと論点として入れさせていただきたいと思います。
以上です。
大西分科会長
それでは、藤沢委員お願いします。
藤沢委員
今の石見銀山の話は私も大変共感しておりまして、あちらは石見銀山をテーマにしてアパレルなんかも生まれてきていて、若い人がそちらに移住しているという流れもあるので、これは一度研究の価値があると思うんですけれども、私の方からは、まずA集積の方の評価のことと、あと論点のことを2点お話ししたいんですけれども、1つ目のA集積に関しましては、私もここ1年ほど全国の工業団地、卸売団地を回ってきたんですけれども、実際にそこで感じてきたことと今まさに大田区の方がお話しなったことと非常に等しいなと。うまくいっているところというのは、確かに集積地においてのRアンドDが非常に活発でありますし、それに伴って、インキュベーション施設のコラボレーションというお話もありましたけれども、新しいものをどう売っていくかとか、マーケットニーズをどうとらえていくかという、まさにサービス業的な機能というのを組合の事務局がおもちであったり、もしくは先ほどのようにインキュベーション施設をうまく組んでいて、ベンチャーもその中に取り込んでいくような仕組みをされていったり、その部分があるということ。
それから、やはり今までの組合高度化資金でつくってきた団地の多くが、同じ業種が集まっていることによって非常にうまくいったところといってないところがばらばらになって、コラボレーションができなくなっているという現実もありまして、意外にうまくいっているところというのは、多様な業種をそこに入れてきている。したがって、その中にある幾つかの規制というものによって、ほかの業種を入れられないというような状況も起きているというところがあります。
もう1つ、4点目のポイントとしては、先ほど知名度も上がったのでというお話がありましたが、やはり情報発信のうまいところというのは団地の中でもうまくいっていますので、私の感じていることはこういうことであり、まさにA集積を実際に行われてきた中で、成功していると思われる事例の中で、何がそのキーになったかというキーファクターを一度整理されて、この法律というのをさらに改正していくのか、これでおしまいにするのか、その辺をもう一度検討する必要があるのではないか、そんなふうに思いました。
2点目の論点に関しましては、最初の議論にもありましたように人材というのが非常に重要で、私も全国回っておりますといろんなところで、集積を行いたい、ものづくりの人材をという話を聞くんですけれども、結局2つの問題があって、1つは、入ってきてくれる人がいない、いる人が出ていく、この問題なんですが、その点におきまして一つよく共通で話題に上がってくるのが、生活環境がよくないと。どうしてもこういう話をすると働く人が中心の話になるんですが、必ず皆さん家族があるわけで、家族がその地域には住みたくないという。教育の問題であったり、サービスの問題であったり、医療の問題であったり。したがって、こういう集積を考えていく上でやはり生活産業、さっきの医療もそうなんですけれども、そういうものの促進というか育成というものもあわせて考えていかないと、人というのは働く場所だけでそこに集積するわけではありませんので、先ほどもあったまちづくりというものが重要であると。
そういう意味で、それとあわせて考えなくてはいけないのは魅力ある土地ということで、やはり自治体。今のクラスターも大事なんですけど、もっと小さな自治体単位で、我が自治体にはこういう特色があるんだと。さっきの石見銀山じゃないですが、全自治体が自分たちの地域のこれだという特色を必ず出すような、キャッチフレーズでもいいと思うんですけれども、非常に小さな話なんですけれども、そういう動きもつくってみてはいかがかなというようなことを感じました。
以上です。
大西分科会長
ありがとうございます。
それでは、小嶋委員お願いします。
小嶋委員
川口の小嶋でございますけれども、先ほどの大田区の山田さんを除けば、私どもは、都市に一番近いところにあるいわゆる集積された産業の町なのでございますけれども、これが逆にデメリットにもつながっているというのが現状だろうと、こんなふうに思うんです。私どもは第2次世界大戦の戦前・戦中・戦後を通じて鋳物産業が中心となって、それにさらに機械産業とかいろんな産業が集積した町でございます。その中にあって、もちろん中小企業というよりむしろ零細小企業の集団でございます。以前から独特の技術が結構たくさんありまして、技術的には全国的に誇れるいわゆる産業の町だったというふうに自負はしておりますけれども、逆に今一番問題になっております産学官の連携、要するに大学であるとかあるいは公共機関であるとか、あるいは官のお世話になるとかということが非常に苦手でございまして、それと同時に、いいものをつくるんですけれども、それをPRしたり、あるいは全国に売って歩くという、こういうことが非常に苦手な町でございました。これがいわゆる集積活性化法あるいは産業クラスターの中に入ることによって、かなり意識的に変わってきております。
ですから、ちょっと申し上げたいのは集積活性化の評価ということじゃなくて、今の私ども川口の現状だけをちょっと申し上げて、もう時間もございませんから残りはまたこの次のときに申し上げたいというふうに思っておりますけれども、従来、素形材産業ということが中心でございましたから、どうしても商品というよりも部品というものをつくっているのが多かったわけです。それが、やっとここのところへ来まして、いわゆる鋳物産業でも川口ブランドという商品を今つくり始めております。ですから、これは川口の鋳物でつくった商品というような形のものを今盛んにつくっております。そんなような形で脱下請という企業と、幾ら頑張っても到底下請でやっていかなきゃいけないんだという中で、今までは何でもできる下請が、この技術はうちだけでしかできないという技術をもった下請になろうという、そういう動きが今ございます。
ですから、一口にいうとナンバーワン企業ではなくてオンリーワン企業。例えばうちの機械加工はほかではできない機械加工である、うちの鋳物というのはほかではできない鋳物ができるんだよと、そんなような形に今動きつつあります。でも、そんな中でもやはり一番問題点は、そういうものをどうやって販売するか、どうやってPRするかということが今非常に問題になっているのが現状でございます。
それともう1つは、第1次、第2次のオイルショックのときに景気が非常に悪くなりました。と同時に、公害問題で今までの企業、今までの工場が問題になりまして、工業等制限法、いわゆる追い出し三法というような形でどんどんやめる鋳物企業がふえてまいりまして、その跡に駐車場とかマンションがどんどんできてしまいまして、今人口だけがどんどんふえて、今までものづくりの町が、どっちかというといわゆる住宅地に変わりつつある。人口も明日ぐらいでちょうど50万人ぐらいになるのじゃないかということになっている中で、私どもはあくまでもものづくりがやっぱりまちづくりだということで、今ものづくりをどうやって残していくか。それには、今までのものづくりにプラス新産業をどんどん誘致をして、それに加えてものづくりを頑張っていこうと、こんなような形が今の現状でございます。
時間がありませんので、とりあえずそこまでということでよろしくお願いします。
大西分科会長
それでは、星野委員お願いできますか。
星野委員
地域金融機関の立場から申し上げますと、やはり当然のことながら地域金融機関というのは地域とともにあるということでございますので、地域の活性化が第一番の課題であります。当然のことながら私どもも不良債権処理という大きな課題を抱えておるわけでありますが、これの解決の一番いい手法というのは、やはり活性化をする。そのためには、今指導によりまして地域密着型金融の機能強化に関するアクションプログラムということに基づいて鋭意努力しておるところでありまして、手っとり早く金融機関としてできることはやはり金融支援であろうということであります。
そういう観点から、例えばつなぎ融資でありますとか、あるいはここにおいでの政投銀さんとの協力のもとに、いろいろ地域の活性化に力を尽くしておるというところであります。反面、やはり私どももその解決策として、経営相談であるとか支援の機能の強化という観点から、商談会の開催等あるいはビジネスマッチングの取り組み等を積極的に行っておるというところでありまして、そういう意味で地域の産業あるいは地域社会の活性化ということをいかにしたらなし遂げられるかというようなことを、金融を通じて今模索をし、努力をしておるというところが実態であります。
一言申し述べさせていただくならば、各地域においてこの法の理解が若干どうであったのかなという点が感じられたのかなというような感想をもっております。
以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
きょうは、今後の論点ということでいろいろご意見をいただきまして、これを基本にして今後何回かの議論の中で、年内で一区切りということでありますので、あと3回予定をしているということでありますが、論点を踏まえて議論を深めていきたいと思います。
恐らく集積法に関しても、この論点を深めて新たな政策の方向性を議論する中で、この集積法をうまく活用していけるのか、それとも法自体をやめるのか、そういうことを含めた出口を議論する中で取り扱いを整理していくという方が生産的なのではないかなというふうに思います。もちろん、集積法の効果についてもるるご指摘をいただいておりますので、そういうことを踏まえて論点の議論に合流させていくという格好で、この4回の中で議論を深めていきたいと思います。
それでは、きょうはこのくらいにいたしまして、ちょっと業務の関係でおくれていらっしゃった地域経済産業審議官の福水さんに、最後、ごあいさつをいただきます。
福水地域経済産業審議官
きょうは、お暑い中2時間、ありがとうございました。いろんな分野の方々にお集まりいただいたので、まさにそれぞれの立場からいろんな意見を聞かせていただきました。人材の話とか、あるいは少し広域でとか、あるいはもう少し小さくとか、あるいはビジョンとかシナリオとか、いろんな話が出たように思います。
委員長の話にありましたように、9月に内閣が変わりまして、新しい内閣も地域をどうするかというのか最重要課題の一つになっております。そういう意味で、非常に幅広くて奥が深くて、非常に難しい問題ではありますけれども、皆さんそれぞれのお立場から忌憚のないご意見をいただいて、年末までということで申しわけありませんが、ぜひ出口をみつけていければありがたいと思っていますので、どうぞ皆様方におかれましてもよろしくお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
大西分科会長
では、スケジュールについて課長の方からお願いします。
横田地域経済産業政策課長
お手元の資料6をごらんいただければと思いますけれども、今後のスケジュールですが、次回第2回目を11月10日金曜日、午後4時から6時までということでさせていただきたいと思います。3回目を11月20日月曜日、10時から12時ということです。第4回目、ここで年内とりまとめたいと思っておりますけれども、12月19日火曜日、やはり午前中10時から12時ということでお願いをしたいというふうに思っております。
きょうはいろいろご意見をいただきましたので、そういった点も盛り込みながら、次回以降検討を進めていきたいと思います。
1点だけ、集積法について法律の考え方と各地域の取り組み方をみると、少し乖離があったのではないかなといったようなご指摘がございましたけれども、冒頭申し上げましたように、地域の抱えている現状なり状態というのはさまざまでございますので、そういった意味で取り組み方もさまざまなものがあるだろうと。そういった意味では、この法案を当時考えた人たちも、法律は1つだけれども地域の実情に応じたいろんな取り組みが可能になるような受け皿として考えていたというふうに聞いておりますので、仮に地域それぞればらばらの取り組みだったとすれば、むしろ当初ねらいどおりに法律が運用されたのではないかなというような感じもしております。そういった点含めまして、法律評価につきましても今後の議論の中でまとめさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
大西分科会長
それでは、ちょっと時間を超過しましたが、第1回の分科会、以上で閉会といたします。どうも皆さんご苦労さまでした。ありがとうございました。

──了──

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最終更新日:2006年12月8日
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