経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会(第3回)‐議事要旨

日時:平成18年11月20日(月)10:00~12:00
場所:虎ノ門パストラルホテル新館6階「ロゼ」

議題

新たな経済社会環境下における地域経済活性化の在り方について(3)

出席者

大西分科会長、井手委員、井原委員、粂原委員、鈴木孝男委員、鈴木直道委員、高橋委員、中村委員、野坂委員、星野委員、 松原委員、藻谷委員、山崎委員、山田委員、米田委員、 渡辺委員、

議事概要

(1)地域資源を活用した地域活性化について、委員及び中小企業庁からプレゼンテーション。その後自由討議。委員からの主な発言概要は以下のとおり。

  • 都市から離れた地域では、時間を有効に使う手だてが少ないため、若者が都市部に流出する。また、研究機関も少ないため企業も都市へ居を移すケースが多くなる。
  • (都市部に移転した理由について)

    小樽は札幌市に隣接しており、札幌市に地方銀行の本店があること、高速道路からも近いことからスピーディな経営が行える利点がある。

    また、工場を立地する際にも人員の確保が地方に比べて容易なのも利点。

  • 北海道は面積は広いが、人口は約500万人と、多いとはいえない。市町村合併により一市町村あたりの人口が増えたように見えるが、効率的な行政運営が行われているとは言えない。今後は地方における拠点整備が重要となってくるのではないか。
  • 当社には研究員を複数名抱えているが、全て大学や研究機関に派遣している。これは大学との共同研究開発をおこなったとき、社員をその大学に派遣しておかないと、特許権の帰属が全て大学に残るため。
  • 先日、ノーステック財団のインキュベーション施設を訪問したが、農水産資源を活用した健康志向製品の開発などは、井原水産と通じるものがある。研究機関や企業は同財団に若手研究者を派遣し、高付加価値産業を生み出すクラスターを形成している。
  • ノーステック財団とは、キトサンとコラーゲンを組み合わせた新たな美容製品や床ずれ防止ベッドの素材などの共同研究をおこなっている。ノーステック財団には様々な情報があり、企業からのニーズに応える体制が整っているため共同研究へと進んだ事例がいくつかある。
  • (留萌にとどまる選択は無かったのかという問いに対し)

    本社は留萌。留萌だと北海道新聞の支社があり、何かと記事に取り上げてくれる。但し、研究機関、人材確保、資金調達は小樽を中心に行っている。

(2)各委員より、地域活性化に資するための専門的な取組についてプレゼンテーション。その後自由討議。各委員からの発言は以下の通り。

  • 集客サービスにおいて、観光型から長期滞在型へ顧客をシフトさせることにより、さらなる地域活性化へとつながる。長期滞在は、生活物資の購入や病院の利用などにつながり、1家庭あたり1週間で20万円~25万円消費する試算。そのため宿泊料金などは安く抑えている。
  • 地域の顧客満足度を上げる必要がある。集客・交流産業を強化していくという視点が重要。

    地域内発型ビジネスは、スモールビジネスへの支援というような観点も大切。

  • 地域資源の活用という枠の中に、建設業や農水業などを加えて欲しい。
  • 農水業、建設業などが過疎地の雇用を支えている現状で、公共事業の削減はかなりの痛手。平成12年頃に比べ、公共事業が三分の一に減少したが、このまま続けると地方の荒廃を招く。
  • 過疎地域の農水業を復興させることが地域活性化のポイントではないか。
  • 分散した農地でも、工程管理をしっかりと行うことにより、生産効率が格段に上がる。このような取組の後押しをおこなうべき。
  • 異業種連携をおこなうことにより、新たなアイデアが生まれてくる。それをいかに伸ばすかが課題。特に販路の開拓が一番の難関。商工会議所、観光協会など、様々な団体の垣根を越えて一体的に取り組むべきである。
  • 地方の工業団地に空きが目立つが、用途以外の工場、例えば野菜工場などの入居を認めるような仕組みを検討して欲しい。野菜は中国市場への輸出など、ニーズがある。
  • 地域において、現在様々な取組が行われているが、資金の調達を誰が行うのかが問題となる。補助金のほか、商工団体等といった既存組織の資金を有効に活用して欲しい。
  • 地域が産業振興の取組を行う際、商工会議所などを通さないと案件が進まない現状を何とかして欲しい、彼らが入るとスピードダウンする。
  • 企業や地域が新分野に進出する支援として、一次産業のための集積を作るべき。
  • 農業や伝統産業を地域資源として評価、活用すべき。
  • 豊田市は、合併により大きな市となったが、農地と山が中心。これらの活用を図るべく、農・商を含めたコンパクトなまちづくりを目指している。まちづくり三法の指定に基づき、協議会を設立した。
  • 近頃会社を設立したが、キャッシュフローの重要さに改めて気づいた。例えば補助事業などは、事業の着手日を早めにし、納品を少し遅らせ、事業費の支払いを早めにおこなうような措置を検討して欲しい。現在の制度では事業実施機関が短く、採択企業の能力の4割も活かせていないのではないか。
  • 地域にとって「国からの事業採択」はブームアップする元となる。但し、コンソーシアムなどの組み方に柔軟性を欠くとそれぞれの能力を活かし切れなくなる。
  • 日本は、水、山、里、海という地域資源に恵まれているが、いかに使うかが問題。
  • (公的金融に対し)縦割り金融の弊害を是正して欲しい。融資などを受けるのはいいが、該当事業以外への使途は認められていないため、多角化経営した企業にとっては使いづらいものとなっている。

(まとめ)

  • 安倍総理の所信表明演説に「都市」「地域」というキーワードが出ていたが、都市については地域の格差是正、地域については地域資源の活用がその課題となる。

    この10年、日本の地域施策は法律の廃止や制度の撤廃など、「スクラップ」の時代であった。

    政策基調の変化や時代のニーズにより、これからは「ビルド」が求められる時代となる。

    本分科会の着地点として、新たな支援施策を考える必要があるのではないか。

(3)企業立地促進支援策について、事務局より説明。委員からの意見は以下の通り。

  • 「戦略的」「広域的」「地域の強み」といったキーワードは重要。そこに「グローバル」という項目を法的枠組みに加えて欲しい。これからは地域が世界でいかに戦っていく環境を作るかが重要。

    広域に対しては、一点集中、集積化を国が戦略的に行い、やる気のある地域がアジアの中心となっていくような産業振興を視野にいれるべき。

    自治体支援に関しては、運営面にも責任をもってとりかかるべき。

  • 今回の法律の検討に当たっては、地域全体をまんべんなく支援するのではなく、基盤の弱い自治体に重点支援するようにしてほししい。工場や本社が関東以西に集中しているが、東北地域にも移すことにより、リスクの分散を図ることが必要。
  • グランドデザインのイメージが曖昧。きちんとした分析、それぞれの地域のポテンシャルに基づいた戦略を構築することが必要。

    新たなものを作るには過去の問題点を総花的にではなく、重点的に洗い出すべき。

    ブロックレベルでの地域活性化や立地促進につき、既存のポテンシャルをきっちりと把握した上で支援策を講じるべき。そのためには就業達成度や国内回帰の分析も重要になる。

  • 工場団地の有効活用例として、青森県での、ホタテ貝を利用した新しい機能性材料の例などがある。

    工場団地を有効活用するには、用途規制や都市計画の規制緩和が重要で、それらを実現するには、地元の首長のコミットメントを後押しする仕組みが必要。

  • 工場誘致に関しては、いくつかの事例があるが、必要条件の整備に過ぎない。空き店舗の補充など、責任を持ったコミットメントが自治体に求められている。

(まとめ)

  • 地域活性化のポイントは以下の通り。(1)規制緩和、(2)財政の役割、(3)民間投資の誘発。

    法的枠組みの検討を進めて、本分科会のアウトプットとしたい。

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最終更新日:2006年12月8日
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