経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会地域経済産業分科会(第3回)‐議事録

日時:平成18年11月20日(月)10:00~12:00
場所:虎ノ門パストラルホテル新館6階「ロゼ」

議題

新たな経済社会環境下における地域経済活性化の在り方について(3)

出席者

大西分科会長、井手委員、井原委員、粂原委員、鈴木孝男委員、鈴木直道委員、高橋委員、中村委員、野坂委員、星野委員、 松原委員、藻谷委員、山崎委員、山田委員、米田委員、 渡辺委員、

議事録

大西分科会長
おはようございます。それでは、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから産業構造審議会第3回地域経済産業分科会を開催いたします。
議事に入る前に事務局から、今回、初めてご出席いただく委員の方のご紹介と本日の配付資料の確認をお願いします。
横田地域経済産業政策課長
今回、東京工業大学統合研究院特任教授でいらっしゃいます米田雅子委員にご出席いただいております。
米田委員
どうぞよろしくお願いします。
横田地域経済産業政策課長
それから、今回からオブザーバーとしまして、農林水産省農村振興局地域計画官の三浦正充様にもご参加いただいております。よろしくお願いします。
それでは、お手元に配付している資料の確認をさせていただきます。一番上に資料一覧がございまして、次に議事次第、それから委員名簿、資料1として井原委員の資料、資料2として中小企業庁の資料がございます。その下に資料3として粂原委員の資料、資料4として井手委員の資料、資料5−(1)として米田委員の資料、5−(2)として参考資料がございます。資料6に私ども事務局の企業立地に関する資料、資料7が今後のスケジュールでございます。
このほかに参考資料としまして、渡辺委員からの資料、それから、前回の宿題の関係で将来の地域経済に関する資料、参考3としてまちづくり三法の資料、参考4としてサービス産業の資料、そのほか配付資料として、飯田市の資料と地域経済研究会の報告書が配付されております。もし漏れがございましたら事務局の方におっしゃっていただければと思いますが、いかがでしょうか。
大西分科会長
では、議事に入ります。議事次第をご覧ください。
最初に、きょうは地域資源を活用した地域活性化ということで、井原委員から地域資源を活用した取り組みについてご説明いただきます。続いて、事務局から中小企業政策審議会経営支援部会で審議されている中小企業地域資源活用プログラムについて説明いただいた後にご討議をいただきたいと思います。次に、地域活性化に資する地域のさまざまな取り組みについて3人の委員の方々にプレゼンテーションをお願いしています。粂原委員からは飯田市におけるまちづくりの取り組みについて、井手委員からは地域活性化と観光振興について、米田委員からは建設業の多角化支援についてご説明していただきます。その後、皆様にご討議いただくということを考えています。
最後に、事務局から前回までの議論を踏まえた企業立地促進支援について説明していただきます。その後、この点についても意見交換、討議をしたいと思います。
それでは早速ですが、井原委員からご説明、ご報告をお願いいたします。
井原委員
井原でございます。おはようございます。
それでは、資料1でございます。私どもの会社は北海道の留萌市というところに本社がございます。私の父が創業した会社なのですが、昭和52年に戻りましたときには人口が3万6,000人おりましたが、現在は2万7,000人を切ったところでございます。1つの大きな理由としては、羽幌線という国鉄の線がなくなったということと、もう1つは、地域の中での大きな人員を抱える自衛隊部隊の削減ということがございまして、現在は人口がますます減少、そして、町に住んでいる人たちの高齢化という問題がございます。こういった中で私どもの本業というのは、塩数の子、タラコ、イクラという魚卵を中心としておりました。
2ぺージ目をごらんください。平成8年に社)北海道食品産業協議会から1ついい特許があるのだけれども、初めに特許を開発したところが会社の都合でやめてしまうと。とてもいい特許で半分特許権が北海道にあるので、北海道の企業ならできますが、どうですかというお話をいただきました。そのときにコラーゲンという言葉を初めて聞いたのですが、コラーゲンというのは何なのですかと。それと、もう1つは何からつくっていますかということをお伺いしました。コラーゲンというのはアミノ酸で、アミノ酸の集合体が3本のらせん構造になって温度帯でほどける状態になるのですが、それを変性温度といいます。それがほどけたときに水分をもつとか、いろいろな変わった性質を出していくのだということを伺いました。ですから、1つは人の肌に保湿性をもたせるということ。もう1つは、どうも食べていると血流がよくなって肩凝りが治ったり、それから、コンドロイチン硫酸を生成するということで関節痛もなくなるというお話をいただきました。
原料は、一番多いのは牛の皮からとっているということを伺いました。私はカナダにずっと長く行っておりましたものですから、カナダは英連邦ということでイギリスのニュースが入っていたのです。それで、1989年か90年ごろだったと思うのですが、日本でも何度か映されていますように、牛がよたよたとしたようなニュースが連日流されました。ですから、このときに話をお伺いして、絶対日本にも狂牛病が来るなということを確信いたしまして取り組むことにいたしました。これがアメリカでは一切放映になっていなかったというのを先日聞きまして、びっくりした次第であります。
3ぺージ目をごらんください。3ぺージ目に書いておりますけれども、保湿効果が高く、化粧品や石けんの原料として利用されるということと、食品という形でとられています。弊社の場合はスタートが人工皮膚という形で代用皮膚をつくると。イカの中骨からとったキチンをシート状にし、それにコラーゲンをラミネートするという形で、体に吸収されてしまうような人工皮膚をつくろうというところからスタートし、それについては一番最後の10ぺージに載っておりますけれども、当時の新技術事業団、現在の独)科学技術振興事業団(JST)から補助金をいただきましてスタートした事業でございます。
コラーゲンというのは、どのようにつくるかというのが4ぺージにざっと載せております。サケの皮のうろこのついていない裏側の方、身をはがしたら身がついている部分にコラーゲン層があります。身とか脂をとりますと、処理後の鮭皮という形で出ておりますが、この白い部分がコラーゲン層でございます。これをまず酵素を使って油抜きをします。その後、抽出槽へというところは酢酸を入れております。ぺらぺらのサケの皮が酢酸に入れることによりまして膨潤します。1センチほどに膨らみます。ただ、この膨らんだ皮を使うのではなくて、溶け出した酸の溶液を使います。その酸の溶液の中に塩を入れますと、こういう真っ白い形で脱脂綿状のコラーゲンが回収できます。このコラーゲンには、まだ酢と塩がまじっておりますので、それを透析チューブに詰めまして、透析してコラーゲンだけを残すという形で現在つくっております。これをアテロコラーゲンと申しまして、アテロというのは、コラーゲンの左右にアレルギー部分がついているのですが、それを酵素で切ってしまって、アレルギーをなくしたものをアテロ化といいますが、酸抽出のアテロコラーゲンという形で、これは防腐剤を入れますと化粧品の用途になりますし、食品用の保存剤を入れますと食品用のドリンク剤として今、使用されております。
コラーゲンをつくってから大学の先生方からいろいろご教授いただきまして、5ぺージ目にありますように、これは弊社の研究員がつくった特許なのですが、サケのコラーゲンというのは現在、出回っている動物性のコラーゲンとは非常に違った性質をもっておりまして、先ほど申しました変性温度というアミノ酸がほどける温度帯が牛、豚は37度に対して、サケは17度という低温で解けます。その低温でほどけるものをさらに低温で、10度前後でももって架橋してやると。要するに、つなぎ合わせてやると左下に出ているような繊維状になります。
この繊維状がどういう役に立つのかといいますと、右側の上に出ていますのは歯周靱帯細胞でございます。人間の歯茎の裏の細胞なのですが、非常に増殖するということがわかりました。これで例えばがん細胞ですとか、そういった形のいろいろな細胞を育てる培地として役立つというのが1つわかりました。
それから、6ぺージでございます。低温下で架橋いたしましたコラーゲンは、実は3倍伸びるということがわかりました。伸びるコラーゲンというのは世界で初めてでございます。これで、ことし、日本生物工学会の技術賞をいただきまして、これは何に使えるかといいますと、1つ考えられるのは人工硬膜です。今、人間の頭の脳みそと頭蓋骨の間に入っている硬膜というものが、昔は死んだ人の乾燥硬膜等を使っていたのですが、やはり狂牛病と同じようなクロイツフェルト・ヤコブ病が出るということで、現在はゴアテックスという化学繊維に変わっております。化学繊維の場合は、やはり伸びないということがありまして脳圧が高まる。要するに髄液が上がってくると、それに注射針を刺して髄液を抜き出すという治療をするのですが、そのときに注射針の通った後に穴があいて髄液が漏れ出してしまうということがございます。これが300%伸びるということは、そこで縮んで中から髄液が出てこないということになりますので、1つはこういった硬膜に使えるのではないか。
もう1つは、右下に出ていますようにチューブ状にすることが簡単です。このチューブにするものも、またチューブ状で伸びるということがわかっております。これは後で人工血管というところでちょっとご紹介させていただきます。
7ぺージ目ですが、コラーゲンが非常に人間の細胞の増殖に役立つのだということで、肝細胞を育ててみようということで、これが札幌医科大学で一緒に共同研究しております。肝細胞というのは、一つ一つの細胞の中に血管が通っているという非常に複雑な細胞です。よく肝臓を切っても再生するのだといわれておりますが、それは細胞が膨らむというだけであって、細胞数がふえているわけではないとお伺いいたしました。そういうことで、現在は2次元の平面では細胞が増殖するというのは確認されましたが、これを塊にする。いわゆる3次元にするという形での研究を今、行っております。
8ぺージでございます。先ほどの歯周靱帯細胞が伸びるということで、これからの高齢化社会に向けて歯周病の治療ができるのではないか。もしくはインプラントのかわりに人工の歯を埋め込んで、それにコラーゲンを塗布した中で、人工の歯が歯茎にきちっとくっつくというようなことができないかという1つの実験でございます。これはビーグル犬を使っておりまして、一番大きな写真が出ておりますが、左側がいわゆる歯茎を切り取った状態でございます。それから、写真ではよくみえないのですが、シートをかぶせてある部分については余り再生度がみられないと。ところが一番右側、シートに成長因子を入れてやると治癒率が非常に高まるということがわかりました。これも特許を出したところでございます。
水産会社で魚の卵をつくっているところが研究員もぱっといるわけではありませんので、産・学・官という形で北海道、そして経産省の北工研(現在の産業技術総合研究所北海道センター略称産総研)、そして、道立のいろいろなセンター、大学にお願いいたしまして研究員の育成をいたしました。もともと弊社は微生物の特許をとっていると。廃水処理をする中で、数の子をつくるときに塩水が多い、それから過酸化水素を使うということで、普通の菌であれば死んでしまうということで、そういう菌の研究をしておりましたので、菌を育てるということでの研究部門は立ち上がっておりましたので、それがやってみないかという1つのきっかけになったところであります。
これ、人工血管は載っていないのです。先ほどの資料の6ぺージのチューブ状のものをみていただけばわかりますが、これが人工血管に非常に有望だということがございます。現在の人工血管というのは、すべて化学繊維で、要するに人間の血管と人工血管を結んだところに血栓ができる。血の塊ができて、それが飛んで心筋梗塞、脳梗塞を起こすということが多々ございます。サケの皮の人工血管は、1、2年のうちに人間の血管が伸びてきて、それがつながるのではないかと。同じ生体ですので、いわゆる血管細胞が伸びてきてつながるのではないかという形の中で今、研究を行っております。
ですから、歯周病、人工硬膜、そして人工血管と、この3つがこれからの展望になっておりますが、産業廃棄物でサケの皮、骨、内臓というのが北海道ではたくさん出てくるわけです。内臓については肥料になりますし、骨についてもバイオ的に、いわゆる微生物処理をしますとなくなって肥料になっていきますのでよいのですが、皮はもっと何かに使えないかと。昔、アイヌはサケの皮で靴をつくったりしておりました。それぐらい丈夫な皮ということで、これが何かに使えないかと。廃棄物を水産会社としても少なくしていこう、ゼロエミッションを目指そうという中でサケの皮の取り組みが行われました。
水産会社からこういうバイオ商品を扱うというのは非常に大きなハードルがございましたけれども、そういう面では大学、そして北海道、経産省、それからJSTさんのご協力をいただきながら研究員を育てるということをやっておりましたが、いかんせん人口が少ない町というのは、時間持ちではあるけれども、逆にその時間を使えるところがない、活用できることがないと。夜は何もすることがないということで、非常に若者の流出が多いところでございます。また、地元にそういった研究機関がないために、先生方との話し合いとか研究というのは、すべて札幌まで出ていかなければならないということで、2000年に狂牛病があって、コラーゲンの売り先が確立したということをきっかけに工場の建設をいたしました。
それが1ぺージ目のところに出ているような真っ白いきれいな工場をつくりましたけれども、これは水産加工業者がどんなコラーゲンをつくっているのだという形で、化粧品のメーカーの方たちがたくさんいらっしゃいます。ですから、まず、きれいで衛生的な工場をみせようということでビジュアルから入った工場でございます。留萌市という町から小樽市へ移るということも企業進出ということで、北海道の企業進出の補助金を使わせていただきました。
今、本社機能も銭函の方に移したのですが、私どもはやはり資金量もたくさん使います。数の子は輸入商品でございますので、40億、50億といった資金を仕入れ資金で使います。そういったときに地方の支店から必ず本店を通して融資を受けるという形でございますので、小樽まで出てきますと、ここは札幌市まで500mという場所でございますので、金融機関は北海道銀行、北洋銀行という道内銀行はすべて本店取引という形に変えさせていただきました。これが1つのスピード化につながる。それから、会社の概要もきちっと説明できるということで、非常に役立っている次第です。もちろん北海道大学、札幌医科大学、それから北海道食品加工研究センター、すべて高速道路でつながったところにございますので、非常に便利な場所に位置しております。
今回、新しいこういう取り組みをしたという中で、やはり一番問題になったのは研究員の人材です。先ほど申しましたように田舎でしたので、研究員がやはり流出してしまう。ある程度の技術をもって研究の成果が出てくると、やはり大学の研究員に戻りたいとか、大学の先生になりたいという形で研究員が流出します。例えば30代で若手の研究員でも、結婚されてお子さんがいらっしゃる方は教育の問題等を考えて、なかなか留萌市という町には来ていただけません。そういったこともありまして、札幌の近くへ移ろうと決断したわけでございます。
北海道は九州、四国、山口県を合わせた面積の中に550万人の人口というところで、今までは212市町村ありました。その中で地域が市町村合併という形で合併して、少しは減って人数は多くなったかのようにみえるのですが、ただ単に町が一緒になって行政体が1つになったというだけで、決して効率的な合併にはまだ至っておりません。北海道の場合は、やはり冬場に雪という問題がございまして、道路をつくれば、その除雪費がかかる。人が住めば、そこを除雪しなければならないということで、今後の北海道に求められるものは、やはり地方の拠点都市づくりではないかと考えております。
何分お世辞をいうわけではないのですが、経産省の北工研(現産総研)という施設も札幌の方にございまして、経産省のおかげで筑波にございます微生物研究所に弊社の発見したS16菌というビブリオ属する菌でございますが、これの特許認定と新しい菌の認定をとることができました。一企業では、この微生物研には幾らお願いしても入っていけないと。そういった面では、行政の中での研究機関と取り組むことによって、より窓口が広がるという思いをしてまいりましたので、今後ともご指導のほど、よろしくお願いしたいというお願いを申しまして説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
大西分科会長
ありがとうございました。
では、次に、中小企業政策審議会経営支援部会で審議されている中小企業地域資源活用プログラムについて、原制度審議室長からご説明をお願いします。
原中企庁制度審議室長
中小企業庁制度審議室長をやっています原でございます。よろしくお願いいたします。
資料2で、中小企業地域資源活用プログラムの創設というものをお配りしてございます。この中小企業地域資源活用プログラムは、私どもの中小企業庁で、こういった新しい政策プログラムを早急につくっていこうということで、中小企業審議会の経営支援部会でもご審議をいただきながら、現在準備を進めているものでございます。きょう、これはまだ中間段階でございますけれども、現在こういった方向で検討しておりますというものをご紹介させていただきたいと思っております。
中身でございますが、1ぺージ繰っていただきまして、1ぺージのところで、最初の大きな箱のところに丸を4つほど打ってございます。1つ目の丸でございますけれども、大都市圏以外での回復のおくれが目立っている中で、公共投資に依存しない自立型の経済構造に転換していきたいと、これが基本的な出発点でございます。2つ目の丸でございます。こういった地域経済の活性化、とりわけ中小企業を中心とした地域経済の活性化ということを考えましたときに、地域のマーケットだけをターゲットにしてビジネスをやっているというのでは、どうして限界があるわけでございまして、そういった意味で大都市部、場合によっては海外の市場も含めた大きなマーケットで顧客を獲得していくことが必要なのではないかということでございます。
そのときに地域の中小企業にとって価格面の競争だけで競争力を維持していくのは非常に難しい場合が多いわけでございまして、そういった意味で1つの打開策になるのが、ここで線を引いておりますけれども、地域にあるすぐれた地域資源。例えば地域の農林水産品であったり産地の職人のわざ、技術、あるいは伝統文化といったような、それぞれの地域にあるすぐれた地域資源を活用して消費者に高く評価されるような、差別化された商品をつくり出して、それを大都市部等の主要マーケットでも売っていくという、それが1つの有効な方策になるのではないかということでございます。
これも、たった今、井原委員からもそういった先進的な取り組みについてのご紹介があったところでございますけれども、資料を何ぺージか繰っていただきまして、右下の方にぺージを打っておりますが、4ぺージ以降のところで地域資源を活用した新事業の例というのを幾つか取り上げさせていただいております。
4ぺージのところで1つご紹介いたしますと、左上のところで山形カロッツェリアプロジェクトという山形県のプロジェクトがございますけれども、これはもともと地域に鋳物であるとか、木工、繊維といったような県内のすぐれた職人の方々、もともと地域のすぐれた技術があったわけでございます。これを世界的に著名な工業デザイナーの方と組んでいただくことによって、山形カロッツェリア研究会というのを立ち上げて、全国なり、あるいは世界なりで売っていけるような商品、これは山形工房というブランド名でございますが、そういったものをつくり上げていったという事例でございます。これはインテリア国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」にも出展されるとか、そういった成果につながってきているということでございます。
それから、2ページ繰っていただいて、下のページが抜けておりますけれども、5ページの次の6ページ目に当たるところでございます。右上のほうに今ご紹介されていた井原委員のところの取り組みを載せておりますけれども、その左側の方で、北海道の株式会社ホリについての取り組みについて一言だけご紹介いたしますと、これはもうご存じのとおり夕張メロンを夕張メロンピュアゼリーという商品にして、これを道内のデパートで営業を行うほか、JALのフライトアテンダントのさまざまな意見なども取り入れながら、よりすぐれた商品に改善していったというような事例もございます。
それから地域の農林水産品という事例でございますけれども、もう1ぺージ繰っていただいて、最後のところに、おかげ横丁というのを上げておりますが、これは地域の観光資源を活用した事例でございます。これはもともと伊勢神宮があったところで、それを活用して特徴的な町並みを再現して、名産品、歴史、風習などが一度に体感できるような施設を整備していったというような事例がございます。
1ぺージの方に戻っていただきまして、こういった先進的なすぐれた事例が幾つかあるわけでございますが、ここで上げました事例も、あくまでも限られた方々がやっていらっしゃる事例なわけでございます。
3つ目の丸のところでございますけれども、これは多くの中小企業の場合ですと非常によくいわれることでございますが、すぐれた技術はもっているのだけれども、売れる商品に開発して売っていくというところがなかなかできないと。ここで幾つか上げておりますが、市場ニーズの把握が容易でないであるとか、商品企画や商品開発に必要な外部人材、例えばマーケティングの専門家、あるいはデザイナーといったような人たちとコラボレーションしてやっていくということがそう簡単にはできないといったようなことがございます。それから、特に大都市部も含めた販路開拓をやっていく上で情報の入手、情報の発信が困難である。資金の調達のための環境が十分でないといったような要因があって、この結果、やる気があってすぐれた資源を有している中小企業であっても、市場ニーズに合った新商品を開発して、その販路を確保していくことが容易ではないというのが実態と認識しております。
1ぺージ目の4つ目の丸のところでございますが、したがって、こういった地域での地域資源を生かした取り組みというものを支援していきたいということでございますが、こういった中小企業の取り組みというのは一企業だけではなくて、地域経済への波及効果が大きいと考えております。先ほど一言申し上げた山形カロッツェリアプロジェクトなどの場合ですと、もともと地域の幾つかの企業が一緒になって取り組んでいるという事例でございますが、そうではなくて、初めは1つの企業が事業をやったというケースでございましても、やっていくうちにこれが成功していけば、地域において関連の産業が育っていくであるとか、もともとあった地域資源、地域の農産品であったり地域のわざ、伝統文化といったようなものが改めて見直されて認知度が上がっていく、さらにブランド価値が向上していくといったような波及効果があると思っております。そういった意味で、こういった取り組みを支援していくという価値は非常に高いと私どもは考えているわけでございます。
1ぺージの一番下のところの枠でございますけれども、そういった観点で中小企業地域資源活用プログラムというものを創設し、5年間で1,000の新事業創出を目指してやっていくということで、これはことしの新経済成長戦略、経済成長戦略大綱、骨太の方針にも位置づけられておりますが、そういったことで現在、早急に準備を進めているということでございます。
2ぺージ目、1ぺージ繰っていただきまして、このプログラムの内容として現在考えておりますことを整理してございます。こういった地域資源を活用した事業展開をやっていく上でいろいろな局面があるわけですが、それぞれの段階で支援が必要な局面が出てくるのではないかと考えております。左側に矢印を幾つか打って書いているところがございますが、これは下から上に向けて大体、時系列で物事が流れていくというようにごらんいただければいいかと思うのですが、まず一番下のところで、もともと地域資源というものがございます。それを使ったビジネスアイデアというものを構想していって、それで新たな事業の構想ができ上がり、それをさらに具体化して新たな事業プランとしてやっていくと。最後に一番上になりますけれども、その事業が成功し、ブランドとして確立していくという流れになるわけでございます。
右側の方がそれぞれの局面に応じた支援策を上げております。青く塗ってあるものが6つほどございますけれども、一番下のところで、最初に地域資源を活用して何かつくっていこうというときに、その段階での研究開発への支援。もう1つ上に行きまして、外部人材とのネットワークワークの構築。例えば、資源をもっている人たちと技術をもっている人たちとをつなぎ合わせる交流会でありますとか、そういったような新たな事業構想づくりを促していく活動への支援というのが必要なのではないか。もう1つ上に行きまして、地域の関係事業者が一体となった地域発のブランド構築への支援ということでございます。そこから上3つの方に行きますと、今度は新たな事業の構想ができ上がって、具体的な事業化の段階でということでございます。下から4つ目、上から3つ目でございますが、マーケティングなどに精通した専門家を派遣いたしまして、徹底的にハンズオンの支援を行っていくということでございます。もう1つ上に行きまして、試作品の開発、展示会の出展など、さらには商品ができ上がった後で商談会、アンテナショップの開催。さらに、もう1つ上に行きますと、出資であるとか低利融資、設備投資減税といった金融面も含めて支援をしていくと。そんなことを全体像として考えているわけでございます。
もう1ぺージ繰っていただきまして、3ぺージのところは今申し上げましたような全体の流れに沿って支援措置としては、こんなことを考えておりますということでございます。
あとは今ご紹介いたしましたような事例でありますとか、成長戦略の中でこんな位置づけをしていますという資料をご参考までにつけております。
説明は以上で終わらせていただきます。
大西分科会長
ありがとうございました。
地域資源を活用した地域活性化ということで2題、ご報告いただきました。ちょっと時間の関係もあるのですが、1つ、2つ、ご質問があればお受けしたいと思いますが、どなたかご発言がありましたらプレートを立てていただくとわかりやすいのですが。よろしいでしょうか。どうぞ。
野坂委員
井原委員のお話、大変感銘を受けました。それで質問をしたいのでありますけれども、先ほど研究員を確保することが非常に重要であるというお話がございました。従業員の方は430人いらっしゃいますけれども、このうち研究員は何人ぐらいいらっしゃるのですか。また、拠点を北海道留萌から銭函に移されたというのは、例えば近くにある北大だとか札幌近郊の研究者たちをうまく取り込んで、次から次へとビジネスのシーズを発掘して、それをビジネス化につなげていくというようなねらいがあるから拠点を移されたという理解でよろしいのでしょうか。
大西分科会長
お願いします。
井原委員
現在、研究員は9名おります。社内にいるというよりは大学、それから研究機関に出しているという方が多いのです。これは、1つは大学が公益法人という形になってきまして、研究員を出していないと特許権が全部大学のものになってしまうというところがあるのです。これが今はっきり申しまして非常に大きな負担になっています。例えば研究員を出さないで、研究費を出して先生にこれを研究してくださいという場合は、当然それは全部大学の特許になってしまって、弊社としては再実施権が利用できるというだけになってしまうものですから、この辺が非常に大きな問題です。
この銭函に移ってきたというのは、1つは、数の子だけでは食べられないということもありまして、惣菜工場を買収いたしましたが見事に失敗しまして、それがちょうどたまたま留萌市の人口がどんどん減ってきたときでございましたので、数の子というのは全部手で詰めるものですから非常に人を使う。そういった面で労働力が非常に必要と。それが小樽と札幌の境ですので人集めが非常に容易だと。特に北海道はまだまだ不況という感じが抜けておりませんので、そういう意味では最低賃金プラスアルファ5円、7円ぐらいのものでたくさんの人が集められるというところにあります。
大西分科会長
鈴木直道委員、お願いします。
鈴木(直)委員
先ほどの井原委員のお話、北海道の将来の決め手みたいな1つの方向をおっしゃっているような気が非常にいたします。農畜産、あるいは水産も含めまして、恐らく日本国内では最も競争力がある分野ですが、それをさらに高付加価値するという方向だと思うのですけれども、先般、北海道に伺った際に北海道大学の北キャンパスに行きまして、ここにお書きになっておりますノーステック財団のコラボほっかいどう、というのでしょうか、産学連携のインキュベーター施設を拝見したわけです。北海道が目指しておられる、今、井原委員が目指しておられるのと同じような方向のプロジェクトがたくさん進んでいて、イカだとかいろいろなものを加工食品ではなくてバイオ技術を活用して健康食品という方向で、より付加価値の高いものをつくろうとしているわけですが。
お聞きしたいのは、ノーステック財団というのは北海道の産業界が出資しておつくりになった財団で、若手の方が出向していて、その方々は北海道に散らばって、おっしゃるような農水産、畜産業の高付加価値産業を育成するプロジェクトを地域別クラスター事業という形でやっておられるのです。私は非常に評価したし、感激したのですけれども、その辺について、教えていただきたいと思います。
大西分科会長
井原委員、いかがでしょうか。
井原委員
ノーステック財団さんにも結構お世話になっていまして、これはやはり補助金をもらうためのノウハウ、申請書の書き方とかもあるのですが、この辺を例えば今うちで行っているのは北海道曹達さんという会社がございまして、そこでは、サケではなくてカニからキチン、キトサンをとっております。このキトサンとコラーゲンとのコラボレーションで例えば床ずれ防止剤ができないかとか、体内インジェクションすることによって美容整形のしわをとる部分に使えないかとか、今そういった形での共同研究が始まっているのですが、やはりいろいろな企業がどんな研究をしているかということがノーステック財団の方にはすべて情報が入っておりまして、こういうことをやりたいのだけれども、どこか取り組みがないかということで聞きますと、これは即返答が戻ってくる。では、そういうところに話をして一緒に共同研究しますかという形で推薦して、なおかつリーダーとなって、当然、事務局提携費はとられるのですが、申請書まですべてつくっていただけるという非常に便利な団体です。
大西分科会長
ありがとうございました。
少し短めにお願いします。お二人、一言ずつお願いします。
松原委員
後段の中小企業地域資源活用プログラムについてですが、5年間で1,000の新事業創出を目指すということで、19年度の予算の要求額をみさせていただくと、要するに1,000という数が過大ではないかということと、それに対して予算の要求額が非常に小さいのではないかと私は思うのですが、そのあたりのご説明をいただければと思うのですが。
大西分科会長
では、続けて、中村委員も質問を。
中村委員
手短に。井原委員のお話に感銘を受けたのですが、私も住んでいる太田市は島根県の中央ですが人口がわずか4万です。私も15、6年前でしょうか、留萌の町を訪れて駅前も知っておりますが、それだけ、これから将来、本当に注目される企業だと思いますが、留萌にずっといてやろうというようなお気持ちはおもちではないかと思います。私としては、すぐ小樽あるいは札幌、東京というのではなくて、留萌で頑張っていただきたいというのが本音であります。
大西分科会長
それでは、お答えをお願いします。原さんからお願いします。
原中企庁制度審議室長
今の予算額の件でございますけれども、例えば地域での交流会のところなどというのは、実際にかかる額としてはそんなにかからないわけですが、そういったものを地域でたくさんやっていくことによって事業の芽をつくっていくという意味で、きょうは予算の積算の詳細まではご紹介いたしませんが、そういったことで考えております。
大西分科会長
井原委員。
井原委員
本社は留萌から移さないというようにしております。1つは、例えば日本経済新聞の支局が旭川にあります。エリアが旭川、それから網走、稚内とか道北にわたっておりまして、1人の支局長しかいないのです。そうしますと、札幌では当社みたいな会社はたくさんあるのですけれども、留萌で旭川支局というと、こういうことがあるのだけれどもというとすぐ来てくださって、それがすぐニュースになる、新聞に載るという利点がありますので、留萌というところを捨てているわけではないので、ただ研究のためと人集めのためには、やはり人の多いところに出ていかなければならないということもあって、支社という形で今やっております。
大西分科会長
ありがとうございました。
まだご意見、ご質問があると思いますけれども、ちょっと次の議題もありますので、地域資源については一旦ここで打ち切ります。
それでは、次に、地域活性化に資する地域のさまざまな取り組みということで、3人の委員の方々からプレゼンテーションをしていただくことにしています。まず粂原委員からご報告お願いします。
粂原委員
長野県飯田市の産業経済部の市街地整備推進室の粂原です。ちょっと声が出ませんで、聞き苦しくて申しわけございません。
私は産業経済部の中に市街地整備推進室という、市街地整備といいますと建設部というのが市町村の一般的な部署の管轄でありますが、私どもは再開発等の事業が始まります前から商業のスタンスから再開発をということでやってまいりまして、それで平成6年に現場に事務所を構えまして、市役所の中ではなくて町の中で仕事をやっております。いろいろと変わりましたが、現在は市街地整備推進室という名称の課でございます。
長野県飯田市について、資料の2ぺージ目、それから3ぺージ目に少し書かせていただいております。合併いたしまして人口が10万7,000人強になりましたが、面積はここに書いてございませんが約650キロ平方メートル。合併いたしましたけれども、前の人口の増加はあまりございません。隣が浜松市、長野県の南端でございます。天竜川の中・下流くらいに面しておりまして、東京まで出ていきますのに、どうしても3時間半から4時間、それから名古屋には2時間。JRは非常に不便でありまして、ほとんどが高速道路。それから、飯田市の車の所有率が全国で14位でありまして、1世帯当たり1.7台の車の所有ということで、車依存の社会でございます。
中心市街地はといいますと、天竜川の支流であります川の河岸段丘のようなところにでき上がっておりまして、高い丘の上のようなところにありますので、丘の上と呼んでおりまして、もうそこが確実に中心市街地と位置づけられるような地域特性をもっております。ここが居住人口が1万と書いてありますが、これも広い面積で1万ですが、本当の真ん中では3,000人くらいしか居住しておりません。高齢化率が34.2%と非常に高いところであります。
3ぺージ目の上が飯田市について、それから、飯田市の中心市街地ということで書いてございます。鎌倉時代からの城下町であるということ。それから、中心市街地は城下町で小京都であったものが昭和22年に大火に遭いまして、8割方消失しまして、その後の復興の町であるということであります。防災モデル都市としての区画整理をいたしまして、そのときにできましたりんご並木が、ご存じの方もおありと思いますが、道幅を広めて中央分離帯に中学生がリンゴの木を植えまして、現在に至るまでリンゴの手入れをしています。平成2年に市民のワークショップでリニューアルいたしまして、平成11年には公園型の道に生まれ変わっております。
昭和49年に町の中に大型店が2店舗オープンいたしますが、1店舗は平成7年に撤退いたしました。同時期、飯田インターチェンジのもとで中央自動車道が通りまして、それに伴いまして大型店が中央自動車道のインターチェンジ周辺から中心市街地の下段を取り巻きまして、そこに大型店が続々と進出してきました。これによって、中心市街地が少子高齢化、それから、居住人口の激減で店舗が大型店に食われていくという衰退の一途をたどってきたといった状況でございます。
そこで、中心市街地をどう活性化していくかということでとりました手法が、1つはもてる都市基盤を再生していこうということで、先ほど申し上げましたりんご並木のリニューアル化、それから、1つは再開発事業という手法を通じまして、それを点から面へ広げていくような町の再生ということをやってまいりました。そのときに飯田のような内陸の10万くらいの都市でありますと、歴史的に商都として物販中心にやってまいりました町が、さて、どういったことで町を再生したら良いのかという切り札を考えましたときに、1つは町中に居住をふやそう、住んでもらう人をふやすことによって再び商業等の活性化を図ろうという手段。もう1つは、集積が何もないところに民間の投資を呼んでこようとするときに、大手も入ってこないし、地元の民間も投資をしない。どのぐらい投資をすれば、どのぐらい成功するのかというリサーチもないというような状況下に、自分たちでまちづくり会社をつくりまして、その事業を推進していく手段を取りました。町を永続的に運営できるようなトータルな会社をつくっていこう。また、そこで新たな事業をやることによって、町の中に民間投資を呼び込んでいこうと。これらのことによりますまちづくり会社をつくりまして、それでやってまいりました。
それが実際に、平成10年に株式会社飯田まちづくりカンパニー設立という形でになります。後ろの方にパンフレットもおつけしてございまして、飯田まちづくりカンパニーの実績、やってまいりました事業等がここの中に全部書いてございます。
この会社の概要は、出資者は40名でありまして、会社の資本額が2億1,200万円。その出資者の構成はといいますと、飯田を代表します、工業系、あとはバス、ガス、ケーブルテレビ等々の会社、それから商業、もちろん地元の店舗の方々ということで、平成10年の前中心市街地活性化法のTMOの要件に基づきまして3分の2は中小企業者です。法人が19社、それ以外が個人。それから、飯田市も3,000万円出資いたしまして、筆頭株主です。それから日本政策投資銀行、地銀、飯田信用金庫という銀行の方々を合わせまして2億1,200万円という構成です。
実際事業は、このパンフレットの中に書いてございます、大きく分けまして、4ぺージに書いてありますようにデベロッパー的な、特徴的にはハードといわれるような再開発事業を行いまして、住宅、店舗、業務、等の複合事業の中の住宅の販売、それから、店舗と業務の買い取りによる賃貸事業を行っています。具体的には、法定の再開発を2本、それから優良建築物を1本。この優良建築物につきましては、来年の春夏にはオープン予定でございます。ここは面積的にしますと1.3ヘクタールくらいの面積の中に3つの事業、それぞれのやる事業の主体は組合施工でありますが、それの保留床、床をつくりました分についての買い取りをし、そしてコーディネートして賃貸をしていくという事業をしております。
先月オープンしました(2)の第二地区というところもプロジェクトをつくりまして店舗を誘致したのですが、おかげさまで全部埋まりまして、ずっと長蛇の列ができるほどにぎわっております。もちろんナショナルチェーンのようなものは絶対入ってきませんので、地元の方々で2店舗目、あるいは新しく店舗を起業化したいというような方の掘り起こしも行いながら店舗の相談、それからメニューの相談、内装の相談、全部やりながら、それで資金繰りも相談を受けながら何とか入っていただくということです。
もう1つは、住宅と店舗とオフィスの複合ということでありますので、ここでSPCを2本組みましてファンドを国と組ませていただきましてやっています。これが新たな取り組みで、ちょっと新しい形をとっております。
それから、そのデベロッパー事業以外にプロジェクト事業がございまして、これも飯田の町の中に高齢者住宅という一般的な施設系のものではなくて、それからグループホームでもなく、やはり普通の高齢者アパートメントみたいものを高齢者の住まいとして欲しいのではないかということで取り組んでやりました。それから、空き店舗を活用したテナントビルの建設、誘致。あとは公有財産であります公共施設の管理、運営をしています。また、イベント事業、NPOに対します支援もしています。
組織図がその下にありますようにこんな形でやっておりますが、では、実際には、職員は6人でプロパーでございます。飯田市からの出向もなく、それから補助金等々も出資以外は一切ございません。
5ぺージ目に身の丈経営ということで、これは中小機構さんが随分と持ち上げて書いていただいているのをそのままここで使わせていただいたので、(1)から(4)まではお読みいただければいいと思います。そんなわけで企業・市民が立ち上げました会社なものですから町に対する思い入れが相当ありまして、未来の子供たちに残すために飯田の商工業者の方々が寄附のような気持ちでお出しいただいているようなところがありますので、とにかく失敗は許されないということで、身の丈に合った相当なシミュレーションを重ねながらやってきたというのが1つ特徴的であります。
公共的なスタンスとして中心市街地活性化の成果はどうであったかといいますと、今いいましたように、民間事業者を誘発することが確実にできたかと思っております。高齢者アパートメントを建てましたら、繊維会社の社長さんが同じようなものを駅のそばに建てられまして、そこは今はもう満室です。それから、飯田には都市型の分譲マンションは1個もなかったものをここで再開発とまちづくりカンパニーでやりまして、純粋な民間マンションというのが駅のそばに建ってまいりました。これでやっと民間の投資が住宅系にも町の中に及んできたかなと思っています。
それから、撤退の噂もありました大型店が現地でリニューアルしていただきまして、町の中に残っていただいたこと。それから個人住宅の建てかえもふえてきたということで、居住人口がふえてきたということです。これが町の中のイコール消費額、あるいは活性化にストレートにつながっているかというのは、なかなか微妙な問題でありますが、そうはいいましても、20世帯弱しかなかったところに来年の夏には100世帯以上の世帯が町の真ん中に住むということであります。
もう1つ、飯田の町の特性、それぞれの町の特性、暮らしていくにはいろいろな情報があると思うのですが、それをこのまちづくりカンパニーの中で蓄えることができたのではないかと。それはハード、ソフト、両方のコンサルティング能力をここの会社がもつことができたかと思っております。
あと課題でございますが、やはり町の中の物販はとても厳しい状態にあるものですから、今3本目の優良建築物につきましては町の真ん中なのですけれども、今後15年くらいは相当な高齢化がもっと進むであろうと想定されるわけでして、物販というところから少し健康、医療のサービス業への転換、異業種の転換みたいなものを町の商業者の方々、あるいはサービス業の方々が図れるようなこと、あるいは町の中にそういったものをもってくることによって、来街者をふやしていきたいということがキーだと切実に感じているところであります。ところが、そういった福祉関係のことがどのくらい地域密着型でできるのかというのが、制度面からも読めないというのが現状で、相当苦心しております。
それから、2番目に書いてありますように、居住人口の増加や交通量の増加、空き店舗の減少ということを今、真ん中をやりましたが、それを面的にこれから続けていく上で、民間・個人、NPO的な有限会社みたいなものに対するまちづくりの公共性の高い事業への融資をしっかりと組んでいただくとが必要と考えます。そうすれば、これからのそういった民間の力をまちづくりの方に向けていくことが可能ではないかと思っているところです。以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。報告を続けてしていただきたいと思います。次に、井手委員からお願いします。
井手委員
では、私からお話をさせていただきます。
題名が「地域活性化と観光振興」となっているのですが、一応お手元のレジュメで「集客・交流による地域経済活性化について」ということで、少しお名前を変えさせていただきました。お手元でもいいのですが、一応パワーポイントの方がございます。
私、前回とかのお話も聞いていまして、改めて地域の活力とか魅力の指針は何だろうというところを思っていまして、私は自分の仕事柄、観光とか集客の仕事をしているというのもあるのですが、やはり地域の魅力というのは人口の多さに比例するのではなくて、人の交流とか活動の量が活力の1つの源になるのではないかと私自身は思っております。それは経済とか、前回ありました就業的な充足度等もありますけれども、やはりその地域に住んでいてうれしいとか、その地域に行ってみたいという、その地域のもつ精神的とか知的欲求の充足度の高さは改めて大きいと思っております。そういう意味でいうと、実はその地域の活力とか、その地域にお客様が住んでいてうれしいというのも、やはり居住者の評価プラス来外者とか交流者の評価というのですか、外の人の評価とか顧客満足度という指標ができたらおもしろいのではないかと思っています。
といいますのは、私が住んでいる福岡もやはり中洲があるとか、空港から近いということで出張族には大変人気があるわけですけれども、来外者がやはりいいよねといってくれるところが改めて自分たちにとってもいいよなと思えるところ。そういう意味でいうと、地域の魅力というのが住んでもいいけれども、訪れてもいいという地域の魅力になっていくのではないかと思っております。
そこで、今回の委員会の中に多少そぐわないかもしれないのですが、私の中では地域経営というのは、やはり集客・交流産業を強化していく視点が非常に大事だと考えております。あえて私が観光という名前を余り使いたくないのは、やはり観光というとどうしても何か観光客とか観光地というイメージがありますが、ここでいう集客・交流というのは、都市でいえば来外者とか来訪者というビジターズ・インダストリーであり、農村であればツーリズムというように、それぞれの地域によって取り込むお客様の質とか性格も変わっていきます。そういう意味で広く集客・交流という視点を強化していく必要が要るなと思っております。
実は、来訪者と交流を意識した地域づくりとかという中で、観光産業というのも今は団体から個人、いわゆるレジャーとか1泊型から中長期滞在とかリピートしたくなるというような流れにふえております。これはまた後でご説明しますが、1泊2日の観光が中長期的とかリピートしたくなるようなサービス産業に変わっていくと、おのずと今回の議題にある地域資源を活用した1次、2次産業という産業複合化とか連携というのは必ず出てきます。最終的には今の飯田市のお話にもありましたように、実は移住して定住したくなる地域というのが1つ経営の指針としてあるのではないかと。
昨今は、働く場とか就業の場ということで地域を選んで、住む場を決めて、そこで遊ぶのではなくて、最近の若者でいきますと、余暇、遊ぶためにその地域を選ぶとか、今後の団塊の世代でいえば、癒すとかくつろぐためにその場を先に求めて、働くとか住むというのはその後に来るような関係性が逆転してくるのではないかと思っております。
そんな中で競争優位性の高い地域の経営資源の活用モデルということで、よくいわれる人、物、金、これに情報を加えるわけですが、昨今は、このお金を最小限にして、最小限の投資で、情報というのは、ここにブランド化とかエリアマーケティングと書きました。とりわけ集客・交流という考え方は、前回のあれにもありましたが、域内というマーケットだけでは語れないわけです。域外というマーケットがあるということと、個人志向に非常に移り変わってきていまして、ネット社会にもなっていきます。その中で従来は、この間に流通、旅行でいえば、ここに旅行会社さんというエージェントが入っていたのですが、これを介さないダイレクトブッキングという流れになってきました。そうすると、改めてエリアマーケティングというのが、お客様を絞るというターゲティングを含めまして非常に重要になっていきます。
そして、もう1つが物。物というのが、今回の地域活用プログラムの中にも地域資源ということ。きょうはもういらっしゃらなくなりましたが、実は地域資源とは何かという定義が非常に難しくなります。私は地域資源というのは、そこにその物がある存在価値とか、空間そのものが地域の資源になると思っていまして、そこまで地域資源を膨らませられるかどうかというのも1つの大きな課題。
そして、最後は人材です。次世代リーダーと書きましたけれども、最終的にはその人が活躍できる組織。この組織が自立化した組織で、しかも、そこに人材がいらっしゃる。この人材というのも最終的には2つになると思っております。1つは、リクルーティングです。U・Iターンを含めて外から人を引っ張ってくるかです。もう1つは、そこにいらっしゃる人の掘り起こしになるのですけれども、えてして、そこで地域リーダーと呼ばれている人たちは、そこの中ではつまはじきにもされておられまして、そんな方を掘り起こして動機づけするという仕組みが必要だと思っています。
そういう意味では、現場力の高い地域活性化の構造といえば、従来は首長がいらっしゃって、商工会や行政やそういったものがあって、そこに住民から通達が来る。今のこういう補助事業とかいろいろな事業も、やはり大半が上から下に全部落ちてくるのですけれども、今からは地域を何とかしたいという方々がいらっしゃって、その方々が行政団体を動かして、業界団体を動かして首長に行く。そのときに非常に重要な役割が自立したコーディネート組織という部分と、そこに働きかける、もしくは仕掛けをやるような外部パートナーではないかと思っています。
実は経産省や国交省もいろいろな事業がありますけれども、こういった自立したコーディネート組織というのは、一般的にいえばNPO法人っぽくいわれますが、やはり法人格になっていないものが大半なのです。ここにどうやってそういう情報を伝えて、彼らに起案させて事業化させるか。大半の事業のすばらしい補助事業のモデルはいいのですけれども、最終的には使う人のところまで情報が伝わらないとか、そういったところをやはり工夫していかなければいけないのではないかと思います。
さて、これからは私が幾つか実際に介在した地域の事例をちょっとご紹介しながら、さっきの集客・交流のお話をしていきたいのですが、黒川温泉の話は今さらいうつもりはございませんが、年間100万人ぐらいの人も来ております。ただ、ここも実は今キャパシティーがふえまして、黒川温泉は少し陰りが来ております。そんな中で彼らも自分たちのキャパシティーを超えて、シャッター通りの商店街がすぐ近くにある。30分ぐらい。ここを自分たちのブランドで何とかつくれないかということで、観光協会が中心となって商店街と農家の加工グループとアートやクラフトといった方々を全部商店街の空き店舗の中に集約して、まちづくりというのを彼らが3年ぐらい前からやり始めました。
最終的には今、彼らはこの中でいろいろなリサイクルショップとかといったものをイベント的に行っております。どうしても商店街というのは、商圏でいえば、これはモトヤスさんの方が詳しいですけれども、1次商圏とか2次商圏という自分たちの買い回り商店のお店を観光客用に変えるというのは大変難易度が高いのです。そこで、実はこういう観光ということに精通している、外から人を呼び込むことに精通している人たちに中に入ってきていただいて、そこのまちづくりをやっていただいている。その中で、実は個人のお客様を呼び込む観光振興の5要素というのがありまして、これがブランドとかマケーティングになるのですが、情緒的価値というのをその地域がつくり出して、イメージをつくっているところは大きいと思っています。そして、そこが物語化して、ターゲッティングして、地域資源を活用して、最終的にはそれを情報発信していく組織がきっちりしている。ちなみに黒川温泉の旅館組合は、年間1億ぐらいの自立した自己資金をもっております。
続いて、長崎県の波佐見町です。ここは400年の窯業の町なのですけれども、中国の100円ショップに押されてまして、200億あった生産高が現在3割まで下がっております。もうほとんど窯業では飯を食っていけない、倒産する会社、夜逃げする社長だらけです。実は、ここの地域を再生しなければいけないということで立ち上がったあるお二人とNPO法人で波佐見グリーンクラフトツーリズムといったものをつくりました。このNPO法人をつくって、今までは外に生産していたところを地域にお客様を呼び込む仕組みというのを、きょう、まさにあるような地域の資源。いろいろな地域の資源があります。それをうまく組み合わせる。それをコーディネートしてつくり込んでいくのがNPO法人、波佐見グリーンクラフトツーリズムということで窯業の工場跡。
これは250坪ぐらいの廃業になった工場跡を自分たちでトンチンカンチンとつくりまして、文化の陶四季舎といったものをつくり上げました。実はリフォーム期間はわずか4ヵ月です。通常でいけば飲食、物販の施設をつくりましたら1,000万円から3,000万円かかるところを彼らは300万円という非常に小資本でこれをつくり上げて軌道に乗せました。
実はこういう、いわゆる地域内発型のビジネスは、最小の投資でやるというスモールビジネスの発想は非常に大事だと思っています。そして、何よりも大事なのは人材、Nさんと書いてあるフカザワさんという方なのですが、正直いって役場からはつまはじきといいますか、こういう人たちは大体えてして、ちょっと煙たい存在なのです。この人たちをいかに行政とか国が、この人たちのやっていることはすごいのだというように、ある部分でいってあげるのは外の人間かもしれない。そして、今それが回り始めていくという構造ではなかろうかと思います。
次は、1次、2次、3次産業の融合ということで、これは福岡県の岡垣町というところでグラノ24Kです。私の知っている限りにおいては、地域に根づいたビジネスで、ここまでビジネス化されている人は私は本当に初めてみました。彼らは当然自分たちの農業、地元にある農業を加工して、それを販売するということをやっているわけです。
ごらんいただきましたらわかります。ブドウ畑の下にこういうレストラン、もしくはハウスウエディングができるような施設をつくりまして、実は今20件の契約農家と結んでおります。彼らは農家のできた生産物はすべて受け取る。返さない。すべてを受け取るために、それを商品化するために500種類のバイキングをつくりまして年商30億円。今、丸の内のビルの方にもフランチャイズをつくられまして、300人の雇用をしておられます。彼らの1つの特徴は、社長、小役丸さんのキャラクターもあるのですけれども、やはり地域の農家と漁家と直接契約をしておられまして、結びついておられる強さではないかと思っています。
続きまして、大分県の別府温泉の「オンパク」という取り組みです。これは、「オンパク」という個人のお客様を地域に回遊させる仕組みということで、ここに着地型旅行商品・滞在型プログラムづくりと書いていますが、要は別府も今でも200万人ぐらいの宿泊客はあるのですけれども、熱海や伊豆と同じように箱形のホテルで非常に苦戦しています。そういう彼らがもう一度改めて今やっているのが路地裏の散策。中にははっちゃん・ぶんちゃんという流しの方の後を歩いて歓楽街を歩くと。実はこれが女性のお客様に大変人気がありまして、ふだん行けないいかがわしい店の前をはっちゃん・ぶんちゃんが通る。実はこの「オンパク」というのはまだまだ1万人弱ぐらいしか受け入れられていないのです。これが彼らの新しいまちづくりとか、お客様を外に出させて地域に少しでもお金が落ちる仕組みといったことを地元の人がプログラムをつくって運営していくという1つの形をつくり出しています。今からの温泉地も多分こういう流れになるのではないかと。
これは、私は全くかんでいないのですけれども、長崎県のさるく博です。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、全国で初めての博覧会なのですけれども、パビリオンを一切つくらなかった。町全体を博覧会のパビリオンとして、町全体に42コースのマップをつくりました。そのマップをつくるプロセスが2年をかけて市民プロデューサーという100名の方々が自分たちでマップをつくり上げて、市民が300人ガイドをするのです。ついこの間終わりましたけれども、1,000万人の参加者がいたということで、一応大成功ではなかったかといわれているのですが、実はこういう仕掛けで町を回遊するという1つの新しい動きが出ております。
さて、これは長崎県の平戸で今、少し取り組んでいる自立化した組織とは何か。実はこれが大きな課題になるのですが、1つは観光協会というのをとってみますと、観光協会であろうが、商工会であろうが、今までは観光業者から会費をいただいて、その方たち向けにサービスをやっていたというのが観光協会なのです。これからの観光協会というのは、平戸に来ていただくお客様や来訪者に情報を提供して、その対価としてお金を勝ち取る。そのために実は旅行業のサービスをやったりとか、広告代理店のサービスをやったり、施設の管理委託や物販業という、地域をコーディネートしながら自立化した何らかの新しい事業を興すことができるのではないかと。こんなことを今、地域の方々と模索しながらやっております。
最後に、今までお話ししたのは非常に狭い地域の話ですが、今度は九州という少し大きなくくりで、これは昨年、経済産業省とか九電と一緒にジョイントしてやったものですが、韓国人向けポータルサイトという韓国の個人旅行者を九州にダイレクトに呼び込むサイトを立ち上げようと。ターゲットはウェルビーイングというのです。非常にお金もちの女性。日本と同じようなお金もちの30歳ぐらいの独身女性がいるわけですが、そういった方々に金・土・日という週末だけ九州に来ませんかと。実はソウルと福岡は1時間10分です。釜山から船で行きましても2時間50分です。なんと片道9,000円で来られます。大阪よりも近いです。そういった彼女らに九州の伝統的和風旅館をダイレクトにブッキングしていただこうというサイトをつくりました。これは九州全体で伝統的和風旅館であれば、日本にもたくさんそういったところはあるのですが、九州だというイメージをつけて、ある絞ったお客様にその情報を提供していくという仕組みでブランディングをしていこうという発想です。
最後ですが、実はお手元に、委員の皆様には「大人の長旅・九州」というのを配らせていただきました。実は観光1泊2日であれば、これは観光業者しかもうからないのですけれども、これが1週間とか2週間、その地域に滞在するということになりますと、今度は生活用品を買ったり、病院に行ったり、散髪をやったりとか地元の市場で買ったり、商業や農業、観光業、まさにいろいろなものが複合的に連携するサービス産業になっていきます。実は全国に先駆けて、団塊の世代をターゲットに1週間以上、長期滞在していただくプログラムをつくりました。九州で5地域つくりまして、別府、阿蘇、佐世保や五島に50名の方々が1週間、ちょうど今、長期滞在をしておられます。そういう彼らの行動形態をみると、実は宿泊費自体は1週間で2万円とか2万5,000円と大変安価なのです。実際にその地域に行くと20万円とか25万円消費するという形態があります。実はそういった形で、やはり来外者、お客様に来ていただいて地域にお金を落としていただくという仕掛けで地域を経済化、活性化していくという方法。最終的には、その地域に住んでいただく。その地域のよさをブランディングして定住につながっていくような施策があるのではないかということで、事例としてご紹介させていただきました。以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、3つ目の報告は米田委員、お願いします。
米田委員
米田でございます。きょうはどうぞよろしくお願いいたします。
建設業の新分野進出多角化という面から地域活性化について、いろいろ情報提供させていただきたいと思っております。きょう、私ちょっと間違えまして、新聞記事が入っていると思うのですけれども、それを委員限りとするのに、皆様に本来お配りするべき資料まで委員限りといってメールを出してしまいましたもので、皆様にお配りする資料がないもので、今、急遽パワーポイントを入れまして、傍聴の方はこちらをみていただければと思っております。よろしくお願いします。
きょうのお話を聞いておりますと、とても明るい未来が開ける地域の方が多くて非常にうらやましいなと思ったのです。
先に新聞記事の2ぺージ目の方を開いていただきたいのでございますが、ここに「沈む『官頼みの島』」ということで、公共依存の離島が今、公共事業がなくなる中で、どんな悲惨な状況になっているかというような記事が出ております。こういった離島ですとか過疎地を4年間ずっと回って、公共事業がなくなる建設業の方々に新たな分野に出ていって、何とか少しでも自立型の産業を興していただこうということで、農業ですとか介護、実際にいろいろな分野のビジネスに出ていらっしゃるところを450社ぐらい調べまして事例集を出版するとともに、いろいろなところで講演会をやらせていただいて、みんなに少しでも、いつまでも公共事業ばかりに頼っていないで自立型で事業を興しましょうということで活動してきた人間でございます。
きょうは、この地域活性の中に建設業とか農林水産業を入れていただけるというので非常に喜んでおります。と申しますのが、私はいろいろなところで講演するのに、相手先は商工会だったり、中小企業基盤機構とか、そういうところの主催も多くて県も多いのですけれども、どうも行きますと、経産省がおやりになられるこういった地域振興は、中小企業マイナス農林水産省マイナス建設業というイメージがどうもありまして、過疎の進む地域において、公共事業の減少がどれだけひどいものをもたらしているかというのをちょっと先にお伝えしたいと思いました。
よくよく考えてみると、地域格差が拡大しているのには、過疎の進む地域において主要産業は何か。農林水産業、建設業、それに役場、この3つでございます。要は、農協と建設会社と役場ぐらいしか勤めるところがないところで、その3つがすべて縮小に向かっているというところがどうしようもないところであります。
しかしながら、何と建設業は600万人おりまして、農林水産業を全部合わせても300万人で、倍の方が建設業で働いております。なおかつ公共事業は、平成10年以降、小渕内閣の大型補正を最後に平成16年までに約3分の1の市場が失われております。国内のこれだけの巨大産業の市場が数年間で3分の1失われるということが、一体どれだけ地方の地域経済に対して打撃を与えているかというのは、私は地方ばかり回っているので、前回、2回とも地方講演で来られなかったのですが、本当に痛いほどわかっておりまして、もっと抜本的な、このまま行ったら集落が消滅してしまう。集落が消滅した後に農業地や山が本当に放置されると荒廃してしまう。地方の社会基盤が荒廃した後で日本の発展はないということをつくづく思っております。
結局のところ、打ち出の小づちなどはなくて、地方の方々は、今、皆様が一生懸命支援していらっしゃるように、少しでも自立型の産業を興す努力にしか結局、解決の光はないのです。建設業の方々というのは、どちらかというと依存心が強くて受注型でございますので、みずから企画して物を興すということが余りない中で、一生懸命意識改革していただいて、先に進もうということをやっているわけなのです。その中で、もう既にいろいろな企業が多角化しておりまして、ことしの7、8月に建設トップランナーフォーラムというのを行わせていただいたところ、経産省からもアドバイザーでお越していただいたのですが、それをみていただいてもわかりますように、全国から350人の建設業の経営者が集まりまして、自分たちの新分野進出の大発表会を行わせていただきました。介護とか観光とかいろいろあるのですが、きょうはちょっと農林水産業に特化してお話をしたいと思っております。
と申しますが、結局やはり過疎の進む地域の農林水産業をどうもう一回発展していくかということに、1つの地方再生の切り札があるのではないかと思っているからです。きょう、本当は事例をいっぱいもってくればよかったのですが、時間がないと聞いたもので、この下の方をみていただきたいのですが、尽きるところ、従来型の農業に戻ったとしても結局、採算はとれないわけです。だから、どれだけ新しいビジネスモデルがつくれるかというところにかかっているのです。
1つは、例えば建設会社で今すごく多いのが農作業受託に出ております。農業はみんな高齢化しておりますので、農作業受託に出ると相当需要があります。そこに建設業は工程管理を持ち込んでおります。今までしたら、田んぼをどれだけ大きくして機械を入れるかというのが生産効率アップでしたが、分散した農地であっても、そこに建設業の工程管理を入れると、人と機材をどう転用して回していくかで生産効率をアップさせる。これは北海道の方では農業コントラクターという一般名詞になるぐらい参入が続いておりますし、地方でも、四国の方では愛媛県の金亀建設さんというのが、今300枚の田んぼを預かっておられますが、そこは道路と田んぼの多能工化、両方できてうちの社員というのをやっておられて、道路と田んぼの工程管理が同じ表に出てきます。きょうは道路の現場が少ないから田んぼにいっぱい行こうよということで、従業員を遊ばせないということをやっております。農作業受託のお金は建設業の約2分の1です。建設業が1万2,000円だとしたら、農作業は6,000円以下です。その中で、ばかばかしいねといえずに今は仕事がない日々が多うございますので、6,000円でもありがたい。そこに工程管理を持ち込んで1.5倍、2倍にして何とか採算をとろうとしているのが現状です。建設業の農業参入で黒字が出て、すごくもうかっていますという事例は余りありません。非常に農業は厳しいです。しかしながら、雇用を維持できるレベルまでは引き上げることができるということを最初に申し上げたいと思います。
2番目に上げておりますのは農家のフランチャイズ。建設業は農業土木をやっておりますので、実は田んぼの中で仕事をしております。その方々がいい堆肥をつくって、それでおいしいホウレンソウとかおいしいお米をつくった。これは岩手県の蒲野さんですけれども、おいしいホウレンソウをもって三越に一生懸命売りに出たら、おいしいことがわかった。そうしたら、今度は三越から安定供給してくださいといわれた。蒲野建設さんは自分のところで10ヵ月つくった熟成堆肥を農家30件に分けまして、それで同じようにホウレンソウをつくってもらって三越に出荷する。そうしたら、三越の安定供給がオーケーになるということで、岩手県の蒲野建設さんは九戸村というところで、本当に山しかないというようなところなのですが、そこでホウレンソウをつくって地場のブランドにしているというようなことがあります。
農業名人と企業の新たな連携というので、農家ですばらしい稲作をつくられる、ひとめぼれをつくられたら日本一という石井稔先生を副社長に迎えて、建設会社が5社集まってヒーローという会社をつくりまして、石井先生の農法でお米をつくって、石井先生指導の米ということで高値で東京に直接売るというようなことで成功して、今現在80ヘクタールやっているような建設会社も出ております。
事ほどさように、実は異業種の農業参入をしますと新しいのがいろいろ出てくるのです。それをいかに育てていくかということが今とても大事だと思うのですが、ここで皆様方に声を大にしてお願いしたいのは、一番苦手なのが販路開拓なのです。受注業者です。一生懸命つくります。でも田舎です。なかなか販路開拓はできない。そこできょう、商工会議所の方も中小企業基盤機構の方もいらっしゃるのでお願いしたいのは、もう建設業だ、農業だ、商工会などというような業種の枠を踏み超えて、商工会が一生懸命売っていただいてもよろしいのではないかと。先ほど販路開拓でLLPとかいろいろなものが出てきておりまして、きょうはすごくいい勉強をさせてもらったと思うのですけれども、そういう方々が手を差し伸べて、建設業が異業種で農業に行って新しいものを生み出して、それを地元の商工会が売ってくださるということをやったり、観光協会が一緒にブランドをつくっていただいたりというようなことが起こっていくことがやはり地域おこしだと思っておりますので、こういったビジョンの中にぜひそういう面を出していただけたらと思っております。
農業だけではありません。林業も実は日本を山を復活させるのは、住宅も含んで林業のユーザーは建設業なのです。ユーザーが販路をもって直接山に行って木を切ってきたらどうなるかというと、すごい革命が起こります。今その芽が出始めております。きょうはそれを説明する時間がないので、大変残念なのですが、いってみれば林業土木をやっている方が作業林道をつくるノウハウで1列道をつくって、それを全部列状間伐にしてしまう。そこから全量木を搬出してくる。そうしたら、切り捨て間伐になることなく木がもってこれる。今度はユーザーがその木を漏れなくむだなく使う設計や工法を開発すれば、地産地消で回していって加工場まではきちんと、これは国の力が要るのですけれども、大型の加工場に集成材工場からバイオマスのエタノールをつくる工場まで一緒に合わせたような最新の工場をつくって、来たものを漏れなくむだなく使う。使うのは建設業が地産地消でみずから多く使えば、実はもっと林業の可能性も出てくるのです。
それをいうならば、実は漁業もでして、私は離島を回っておりますけれども、漁業だって、本当はみんな新しい魚種の養殖をやりたい。いろいろなのがありまして、実は隠岐の島の方では肉牛生産に出ている飯古建設様が結構取り上げられるのですが、あそこは実は定置網漁業もやっておりまして、そういう中でいろいろな創意工夫をしているのですが、何せ漁業権というものが大きな阻みになっております。異業種から漁業をみますと、日本の製造業の浄化技術を使えば、もっと日本の養殖は画期的に進歩するのではないか。あと、規格外の魚を底引きでとっても、みんな流通にならないといって捨てています。しかしながら、日本の今のIT技術というのは、いろいろな規格の違うものもロジスティックスに回せるようなものがございます。そういうものを組み合わせれば、もっといいのではないかというようなことが多々ありますので、もうもとに戻りますけれども、農業、工業、商業、建設業という縦割りの壁を超えて、みんなが力を合わせて地域づくりが起きる体制をぜひこのビジョンの中にうたい込んでいただきたい。そして、一つ一つの芽は、私は今450社の事例をもっておりますので、適宜情報提供させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
最後に、工業立地の方がおられるので、ちょっとお願いしたいのですが、地方の工業団地がいっぱいあいております。今、野菜工場が非常に進歩しております。実はきのう、おとといも広島県世羅の方にみにいったのですけれども、やはり中国が食糧を輸入する日が近いことを考えれば、今こそ工業団地を野菜工場団地に変えようという運動を、できれば価格を非常に下げていただいて、特例で長期貸し付けなどをつくっていただけますと地方に産業も生まれると思いますので、そういうことも含んだ広い視野に立ってのご審議をぜひいただきたいと心から願っております。早口で済みません。ありがとうございました。
大西分科会長
どうもありがとうございました。
きょうは盛りだくさんで報告していただいて、時間がかなり押しておりまして、当初はもう少しゆっくり質疑応答の時間をとっていたのですが、今から10分ぐらい、今の3つのご報告について意見交換、あるいは質疑応答をさせていただくということになります。ご質問、ご意見のある方は例によって立てていただいて、藻谷委員から、どうぞ。
藻谷委員
毎度遅刻しまして申しわけありません。よく知っているつもりの話を再度聞かせていただき、また、米田さんのお話を伺いまして大変勉強になりました。ありがとうございます。
私は、お三方のおっしゃっていたことが、それぞれのパーツパーツを合わせると同じことをおっしゃっているのだと思います。井手さんが今、八面六臂のご活躍をされているのですが、ずっと薄いかかわりで、やはりほかの地方で同じようにつまはじきにされて苦闘されている人に手助けをするのですが、私が手助けをすればするほど地元からつまはじきになっていくという現実に、別に私が出なくても同じなのですが、大変苦労していまして、本当に井手さんのような方が全国にいらっしゃればと。あるいは、まちづくりカンパニー、この間、たまたま2期工事の開業日に偶然居合わせて、粂原さんの琴を聞きながらドライブしてきまして、非常ににぎわっていたのです。列がついていました。それで、その横に3期と書いてありますけれども、新しいものが立ち上がっていて、まさに民間同士の連鎖が具体的に起きていると。その背景に補助金なしで運営されている6人の職員のいるエンジニアリングのできる、ある種のゼネコン機能をもったまちづくり会社を立ち上げられたことによってそれが可能になったのですが、まさに井手さんが書いている、中間にある支援組織の採算がとれたものができたと。
しかし、そのときに思うことを1つだけ言わせていただきますと、種金がだれがもっているかというケース。飯田市の場合は、やはり飯田市が陰、裏で、それから飯田の民間がそもそも最初に市が出る前にすごく支援をしてきたと。それから補助金をいろいろなところでうまくとってきて支援いただいたということで立ち上がると。黒川温泉の場合は旅館組合がちゃんとお金をリザーブする仕組みがつくってあって立ち上がると。ところがさっきの波佐見ですとか平戸もそうかもしれないのですが、恐らくお金が地元に全くない中で徒手空拳で立ち上げなければいけないと。後者の方の事例が圧倒的に多いので、では、飯田や黒川みたいにお金がちゃんとたまる仕組みをつくってからやったらどうかという意見になるのですが、多分、飯田にしたって30年の末にようやくこれが来ているわけで、今、我々が飯田の猿まねをして30年後、40年後に成果を出すべきだと思うのですが、とりあえず30年間ぐらいは成果が出ないと思うのです。それで、その前にお金のない人たちをどう支援するのかということが非常に大きな課題で、補助金を有効活用してほしいと同時に、もう1つの方法として、やはり既存組織がもっている会費などを有効に回せないかということをつくづく思っております。
それはどういうことかというと、ちょっとこの分野に余りかかわっていない人が考えると、市がもっているお金や商工会議所のお金や商工会がもっと有効に支援すればいいではないかというように全員考えるのですが、飯田のような非常に見識のある市を除いて、あるいは飯田であっても商工会議所の場合はそうですが、ほとんど既存のそういう団体は、予算をただ集めて消化しているだけで全く機能していない。実は中小企業庁のものも、どうしても商工会や商工会議所を入れてという仕組みにせざるを得ないわけですが、本当の話、彼らを入れることによって機能しない例が8割ぐらいだと思います。入れなければ機能するのが、入れることによって本当に機能しなく例がです。そういう仕組みにしなければいけないというところを本当はもう1段枠を落として、純粋に最初からやる人の連携組織をスクリーニングして、そこしか支援しないと。商工会議所や市や市役所は通さなくていいという仕組みにできないかということを理想論ですけれども、常々思っております。
大西分科会長
3人、プレートが上がっているので、井手さんは答えですか。
井手委員
答えです。
大西分科会長
ちょっと最後にまとめて答えを。井原さんからどうぞ。
井原委員
米田先生の今回のご提案の点は、実は既得権者がいるので、それがやはり邪魔になっているのです。いわゆる農業協同組合、漁業協同組合、例えば養殖をするのに海水を引こうと。これも漁業権の問題が出てくるわけです。ですから、この前、集積法のお話も出てきましたし、今の工業団地のお話もそうですが、ぜひこれは1次産業のための集積地をつくっていただくと、農協、漁協関係なしにいけるものがあるのです。例えば、1つは酪農の問題ですと、やはりふん尿の問題がある。ふん尿処理の問題というのは、その辺の環境破壊にもつながっていきますので、できれば、そういう集積をすることによってふん尿処理もできる。もう1つは、例えば牛などを飼うとチーズ、乳製品工場ができるとか、そういうのは1軒ずつつくるのではなくて、やはり集めて一緒にやれるような補助というか設備を考えられると、こういった形の新規分野にどんどん入っていけるのではないかと思います。ですから、今までは補助をするというと農協ですとか漁協に補助をするというところから、やはり仕事をするのだという個人のところに目を向けて、これからの施策を考えていただければと思いました。どうもありがとうございます。
大西分科会長
中村委員。
中村委員
初回の第1回目に経産省のロビーにまいりましたときに、全国の鉱山の鉱石が展示してありまして、非常にうれしく思いました。と申しますのは、私は石見銀山の町で今、仕事をしております。その中で医療用具、義肢装具とかをつくっているのですけれども、そういう鉱業、日本有数の鉱山にはすばらしい歴史をどこももっていて、世界各地の知識が集まった町だと思うのです。先般も少し申し上げたと思いますが、やはりそういうノウハウとか伝統を地域資源ということで大きく評価していかなければいけないし、活用していかなければいけないと思っています。
その中で、私どもも厚生労働省の義肢装具士法という法律がありますので、医療専門職としての採用が中心になったりするのですが、それだけでいきますと、どうしても地域雇用が少なくなって限られてしまう。何かもう1つできないかと思っていましたのですが、十数年前から女性の乳がんの対策の人工乳房とか骨腫瘍の対策でということで、手、指が欠損された人などのことも製作しております。その中で、もう1つ最近、大腸がんなどでストーマがどうしても必要な方がいらっしゃる。そういう方は日本人でありながら、生活様式も食生活も違う中で外国の製品を使わなければいけない。そういう問題もぜひ私どもで少しずつチャンレンジしていこうということで、実は5、6年前から燃えております。大体1つのことをやりますと私などは10年ぐらいかかってしまいますので、こつこつやっている方なのですが、ぜひまたご理解いただきまして、全国の障害者の方、あるいはストーマの方たちの装具も今からつくってまいります。決して資金援助してくださいとは申しませんけれども、いろいろな面でのご理解をいただければ、今60人、70人の企業が雇用も2倍になっていくのではないかと思っておりますし、それが世界の方々のがん対策の一助にでもなればということも考えて努力していきたいと思いますので、ご理解とご協力をいただければと思っております。以上です。
大西分科会長
渡辺委員、お願いします。
渡辺委員
豊田商工会議所の渡辺でございます。先ほど米田先生と藻谷先生からご指摘いただいた点については、「商工会議所、頑張れ」という激励として承りました。ただ、最近の商工会議所は全体として非常に変わってきているのではないかと考えております。いわゆる単なる補助金の受け皿としての活動だけではなくて、国や地元自治体に対してさまざまな提言活動を活発に行っていることもご理解いただきたいと思います。例えば豊田市の場合ですと、改正まちづくり三法に対応しまして、商工会議所を中心として中心市街地活性化協議会を立ち上げました。先ほど飯田市の粂原先生のお話にもありましたように、集合住宅と工業、あるいは農業も含めたコンパクトなまちづくりをしていかなければ、中心市街地は活性化しないとの理念のもと、行政と連携してまちづくりに取り組んでおります。
また、第1回会合で山田委員からまちなかのマンション工場のお話がありましたが、そうした取り組みは中心市街地や中小企業の活性化のための豊田市の取り組みに大変参考になると感じております。豊田市も広域合併により、面積が合併前の約3倍、愛知県の18%程度の面積になりました。人口は大きく増加しておらず、農地や山林の割合が増加していますので、今後それをどう活用していくべきかという点についても検討しています。日本は資源がない国ですので、そうした農業や林業の資源をいかにうまく活用するかという点についても、これからの大きな課題ではないかと思っております。
大西分科会長
どうもありがとうございました。
それでは、井手委員と米田委員にレスポンスをいただきます。
井手委員
申しおくれましたが、私、この1月に会社を立ち上げたばかりでございまして、実は従業員が3名ということです。ある先生に、この間、いよいよ私も起業して中小企業の一員になりましたといったら、何いってるんだ、井手君、君はまだまだ零細企業だろうと。そうか、まずは零細企業から始めるのだと思った次第なのですが、実は自分もリクルートという会社にいたときは全く思っていなかったのですが、自分で会社を興して改めて思ったのは、やはりキャッシュフローなのです。私は商工会議所さんとかここにいろいろご関係の、いわゆる本省から1回受けられる機構とかたくさんいらっしゃると思うのですけれども、何とかキャッシュフローの面と事業の着手日と最終的には事業の完了の期をちょっとぐらい後ろにずらせないか。要はいろいろなすばらしいモデル事業とか補助事業も私の感覚でいうと、10月ぐらいから着手して、最近は2末で納品しろとかいろいろいってくるわけです。そうすると、ほとんどの事業は半分使われていないと私は思っているのです。実質パワーとかを含めて費用対効果が出るようなものが4割ぐらいしか使われていないというのも実態なのです。ですから、これはいかに着手日を早くしてあげて、キャッシュフローとしてお金を出してあげるかと。いや、完了を中間だから国は3末でもやっても4末までいいよ、5末までいいよという仕組みを何かつくるだけでも、同じ1,000万円でもいわゆる1.5倍ぐらいの価値がありますよというのが1個です。
もう1つ、先ほど藻谷委員のお話で、実はこの波佐見のNPO法人の場合は300万円の種銭を、自分たちで1人1万ずつ集めて300万円集めたのです。ですから、全くの自己資金で始めたのです。実は彼らがブレイクするきっかけは、国交省さんのあるモデル事業を使って、これが全国的に、ある分、彼らが田舎の町に行くと、なんと国のモデル事業になったという大層な話でありまして、そういう意味では、実は国の事業とかそういったものは、地域の眠れる人たちをある部分掘り起こして、ブームアップしていくには非常に効果があるわけです。ただ、そこが先ほどおっしゃられたように、商工会議所が主体とならなければいけないのか、観光協会がとか、そこだけはやはり企業がとかといわれると、まさに今、水面下から上がろうとしている人たちがもう一歩上がり切れないという現状もあるのではないかということで、実はそういうコンソーシアムの組み方みたいなことの柔軟性は非常に重要だと思っています。
大西分科会長
もう1つ議題があるので、米田委員、1分ぐらいで、済みません。
米田委員
どうもありがとうございます。先ほど渡辺委員がいわれたように、日本は資源のない国なのですけれども、ちょっとよく考えれば、雨が降ったら草が生えて木が生えるというのはすばらしい資源でございまして、山には緑があって、日本の近海は世界最良の漁場でございまして、本当にきれいな水があるというのを考えると、やはり山の幸、里の幸、海の幸をどうやって使うかというのが、この地域振興の中の1つのターゲット、その資源をどう使って皆様方のような、井手先生のようなノウハウですとか、そういうことをぜひお願いしたいと思っております。
1つだけちょっときょういえなかったことを追加したいのですが、実は政策投資銀行の藻谷委員に聞いていただきたいのですけれども、縦割り金融の弊害というのが非常に起こっておりまして、中小企業の金融公庫からお金を借りますと、農林水産業に使ってはいけない、農林水産業から使うと普通の方に使っていけないという縛りがありまして、実は今起こっていることは何かというと多角化なのです。建設業と農林水産業、農林水産業はほかの食品産業とかの兼業会社が起こっているのですが、そこにおいて、今の公的金融の縦割りというのは非常に面倒なことになっておりまして、建設会社が例えば肥料をつくるときに微生物を培養するのですけれども、その微生物から環境浄化ビジネスに行こうと思うのです。そういうのはどこにも乗っからないのです。そういうはざまに落っこちるぐらいであれば、今、金融政策を一本化するのであれば、ついでに縦割りのパイプもとっていただいて、みんなが自由に使うようなお金をつくるということもぜひ提言に、経産省はそういう意味ではちょっとニュートラルでございますので、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。
大西分科会長
ありがとうございました。
それに対するご意見もまたおありかと思いますけれども、さっきいった事情で次の議題に入ります。
横田地域経済産業政策課長から企業立地促進支援について、ご説明お願いいたします。
横田地域経済産業政策課長
お手元の資料6をごらんいただければと思います。
きょう、活発にご議論いただいておりますように、地域活性化をしていく上で、これをやればすべてうまくいくという特効薬はないわけでありますけれども、前回の分科会で企業立地に関するご意見をいただきました。これまでの議論を踏まえて、当初、第1回目の分科会でご議論いただいた集積活性化法ということで地域産業の活性化をやってきたわけですが、来年6月に期限を迎えるという中で、この分科会の議論を踏まえながら、新たな企業立地促進支援策について考えていく必要があるのではないかということで、きょうは、この議論のたたき台を用意させていただきました。
それで、これもこの分科会のキーワードの1つだったと思いますけれども、地域の実情はさまざまですから、国が1つのひな形を示して、その方法にという時代ではないのではないか。そういった意味で、この資料の2ポツのところにありますように、地域の産業を活性化していく上でいろいろなパターンがあるだろう。それをうまくやっていくためのポイントが1ポツにございまして、これも今までの議論の中で出てまいりましたような、地域としてグランドデザインをしっかりと書いていく必要がある。それから、地域としてしっかりとコミットメントを行っていく必要がある。できれば、こういった取り組みは広域的に行っていくことが効果的ではないかということで、こういった取り組みを促すための法的枠組みについて検討していきたいと考えております。
支援措置でありますけれども、右側の中に幾つか箱がございますが、今、大きく3つぐらいのものを考えております。1つが規制緩和、2つ目が予算とか税制とか交付税、こういった支援。3つ目がいろいろな地域でご相談にのる協議会といったことでございます。
まず規制緩和については、前回、立地センターの鈴木委員からもご説明がありましたように、農地転用とか工場立地法、こういったような規制がネックになっている。しかも、企業のニーズはスピードなのだということで、迅速化ができるような枠組みを考えていく必要があるのではないか。それから、予算の方では、前回、佐久市の三浦委員からご指摘がありましたけれども、産配補助金でせっかく託児所とかハード整備をやってきた。これがなくなったといったご指摘がありましたし、山田委員からは、第1回目に貸し工場というのは、大田区の集積活性に非常にいい効果があったというご指摘がありました。そういった意味で貸し工場とか研修所、あるいは託児所といったハードの支援とか、きょう、人材の話がございましたけれども、人材育成、あるいはコーディネーター、こういったハード、ソフトの予算措置、あるいは設備投資減税とか自治体に対する交付税、こういった支援を行っていく必要があるのではないかということです。
最後に、企業立地支援の上から3つ目のポツにございます関係省庁連絡会議ということなのですが、資料を1枚おめくりいただきますと、実は先週の火曜日に甘利大臣以下、ここの2ポツにございます6省にお集まりいただきまして、局長級の連絡会議を発足いたしました。先ほど申し上げた規制緩和は、構造立地法とか農地転用だけではなく、これも鈴木委員からご紹介ありましたように、企業が立地する際に50ぐらいのいろいろな諸手続があるということでございます。そういった意味で地域、あるいは企業からのご相談に対応して、立地のスピードアップを図るために各省いろいろ連携しながら対応していく必要があるのではないかということです。中央だけではなくて、ブロックレベルぐらいでは、こういう各省連携の窓口をつくり、いろいろと相談があった場合には専門家も擁しながら、これに迅速に対応していく。こんな体制整備ができたらいいのではないかということでございます。私からのご説明は以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
9月に新内閣が発足したわけですけれども、その所信表明演説で都市と地域という言葉が1回ずつ使われているのです。都市は、都市と農村の格差是正という文脈で、地域は、たしか地域資源の有効活用といいますか、そういう文脈で出てきます。数は少ないのですけれども、何となくこれからの新しい方向を示唆しているのかとも思います。
振り返るとこの間、10年ぐらいの間、どちらかというと地域政策はスクラップの時代だったわけです。やはり古いものを壊さないといけない。そこにいろいろな規制だとかしがらみがあったので、新産・工特法を廃止したり、工配法を廃止したり、あるいは規制ということでは工場制限法を廃止したりということをやってきたわけですが、普通はスクラップ・アンド・ビルドで、片一方で新しいものをつくってきているのですが、なかなかそこがみえなかったわけです。そういう意味で、さっきいったような政策基調の変化、変化といえるかどうかわかりませんけれども、そうした動きもあるので、ビルドを考えていく時代、また客観的にもそれが求められているのではないかと思うわけです。その意味で分科会の着地点の1つに新しい制度をつくって、それで、きちんと地域の振興を図っていくということが必要なのではないかと私も考えるわけですが、今の課長からの提案というか、資料のご説明は、そうした方向を経産省としても考えているということであります。
ちょっと余り時間がなくなってしまったので、もしこれについてご質問、ご意見がありましたらご発言いただきまして、これは継続してご紹介いただけると思いますので、きょう多分積み残しになると思いますが、また次回にご意見いただきたいと思います。どうぞ。
高橋委員
富士通の高橋でございます。今、課長からお話がありました1ポツのところの特に戦略的と地域の強みというところ、それから、広域的というところでちょっとコメントをさせていただきたいのですが、これは非常に大事なところだと思っておりまして、特にここのスコープの中にグローバルな視点をぜひ入れていただけたらありがたいと思っています。
先ほどからいろいろ先生方がお話の、例えば地域でコストの問題、品質の問題、あるいは地域力の利用の問題、いろいろ出てきておりますけれども、今後やはり地域にはダイレクトにグローバルにどう競争していくかというのが非常に大事になってくるなと。私どもITは、この前もちょっとお話をしましたが、生まれたときからグローバルの競争をしなければいけないところにいるものですから、コンペティター、あるいは海外の様子をみていましても、中国やベトナムでも各地域がダイレクトに、そこでの地域に力をグローバルに商売していこうというのが出てきておりますので、これからの法的枠組みのところには、ぜひそれをスコープとして入れていただければありがたいと思います。
それから、広域的というところで、これは、場合によっては日本の地域ということを超えて、日本の中で1ヵ所こういう拠点にするのだとか、戦略的な視点というのも経済産業省が中心になるようなところでないと、なかなかできないことなのかと。例えば、物流拠点ということで上海が非常に大きな港、東京湾の10倍ぐらいのものを計画、あるいはそこに飛行場と道路等を集約する予定、アジアの中の物流のハブにするというようなこともいっておりまして、こういうことに対抗するのは、やはり国が相当戦略的にしないとなかなかできないことなのかと思いますので、広域的のところにスコープとしては日本全体、あるいはアジアの中でというのも少し入れていただけるとありがたいと思います。
それから、3ポツのところで、これは私ども会社ですが、例えば三重県、中村委員の島根にも進出しておりますけれども、企業立地のところでは非常に迅速にやっていただけるのですが、実際には工場なり会社を運営していくときにいろいろな問題が出てきます。この運営に当たっても継続してスピーディーに、かつ産業界とのパイプを維持していただくような、立地に当たってのことだけではなくて、ぜひその後も少しご考慮いただければと思います。以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございます。3人の方が名札を立てておられますので、今12時ちょうどになりましたけれども、少し延長させていただきたいと思います。
それでは、佐藤次長、お願いします。
三村委員(代理佐藤)
私、代理出席で発言することをお許しいただきたいと思いますけれども、出席するに当たりまして、上から、これはぜひ言ってこいといわれましたので発言させていただきます。
青森県は、全国的な景気拡大基調の中でも産業雇用の状況は非常に厳しい状況が続いております。今、横田課長から新法のお話がありました。地域経済の活性化と一口にいいましても、大都市圏に近接している地域と一律に支援がなされた場合、地域間の格差は非常に拡大するのではないかと懸念しております。したがいまして、そういうところから今回の活性化法の検討に当たりましては、地域全体を画一的にみるのではなくて、産業基盤が脆弱な地域には特にご配慮いただくことが地域間格差の是正、全国的な地域活性化につながるものと考えてございます。
また、関東以西に産業が集積していると考えられますけれども、国としてはそのリスクを考えた場合、北にもぜひ産業を集積させ、リスクを分散させるべきではないかと考えてございます。以上です。
大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、松原委員。
松原委員
次回に向けて要望したいことを幾つか上げさせていただきます。
1つはグランドデザインのイメージが出ておりますけれども、グランドデザイン、あるいはイメージというような言葉で出ていますように、どちらかというと、ちょっとぼやっとしたような感じを受けるわけです。これからの新しい法的な枠組みをつくる際には、きちんとした分析、ポテンシャルに基づいて、いろいろな提案をされるべきではないかと思います。今まで出てきた議論とかかわってきますけれども、やはり新しいものをつくっていく際には、以前のものの問題点をしっかりと押させていただきたい。ちょっとこれは当たっているかどうかわかりませんが、総花的であったり、ばらまき的であったりするようなものではなくて、先ほども出ておりましたけれども、やはり重点を絞った形での戦略的な方向性を出していただけないかと。
新しい方向性として出てくるのは、やはり広域的というところで私は前からいっておりますけれども、ブロックレベルでのきちんとした地域経済の活性化策、それから、企業立地促進策というのを既存のポテンシャルをちゃんと把握した上でやるべきではないかと思っております。そういう意味では、これから出てくるものを非常に期待したいと思いますけれども、そういう面では、前回ありました就業達成度のような分析、それから、国内回帰の冷静な分析といったようなものを踏まえて、何に重点的に投資していくべきかということをしっかりと押さえていただければと思います。以上です。
大西分科会長
ありがとうございました。
では、鈴木孝男委員、お願いします。
鈴木(孝)委員
私も代理で発言させていただくことをお許しいただきたいと思います。
2つありまして、1つは、先ほどのプレゼンの中で米田先生からお話のありました工業団地は地方でも、まだたくさんうまく使えるのではないかと。確かに私どももそういう問題意識をもって、岩手県で野菜工場に入居していただいている例、あるいは今、青森県のお話がありましたけれども、青森県の中核工業団地でも、ホタテの貝殻を道路の舗装材に役立てていくようなそういったもの。それから、今、例えばバイオディーゼル燃料をつくるために広大な北海道の団地に菜の花で油田をつくるというようなプロジェクト。それから、中には非常に売るのが難しい、寄りつきの悪いところにできてしまった工業団地に思い切って養豚場、あるいは食肉加工場をつくっていくのはどうだろうかといったような取り組みもしております。既に前回もお話に出ておりますけれども、やはりそういった際には用途、それは工業団地に課されている用途もございますし、地べたにかかわっている都市計画の場合もあるわけでございますが、そのあたりについて規制を緩和していくことが非常に重要であると思うのが1つ。
それから、やはり規制を突破していくことをスピーディーに実行するためには地元の市町村長のハートに火がつくことが非常に大事ではないかと思っていまして、そういう地域市町村の首長のコミットメントに背中を押してあげるような仕組み、インセンティブが必要ではないかと。
これに関連して、もう1点だけ。貸し工場の話のご紹介がありましたけれども、これは必ずしも東京とか大阪といった都市圏の周辺だけではなくて、地方圏でも有効な場合、特にレディーメードで企業の集積、あるいは地場の企業の建てかえ、増設を応援する際に有効だというケースがあると思います。ただ、あくまでも貸し工場というのは必要条件の整備にすぎないわけでありますし、さらに、当初の入居企業が卒業した後では、その貸し工場の建物にまた空きが出たときにどうするのかといったことも含めて、責任をもって運営していくためには地域のコミットメントというのは、ここでもやはり非常に重要ではないかと考えております。以上でございます。
大西分科会長
ありがとうございました。
盛りだくさんのご報告と活発な議論をいただきまして、どうもありがとうございます。時間になりましたので、きょうはこのくらいにしたいと思いますが、最後のところで、新しい法的枠組みとして経産省から今後の方向が示されたわけであります。地域活性化というのが1つのアウトカムになると思いますが、地域の強みを生かして戦略的な企業立地、あるいは地域資源の活用というようなさまざまな施策を実施していくことが必要であると。その場合に、例えば規制緩和というのも1つの柱でしょう。しかし、これだけでは特に地方圏ではなかなか活性化が難しいということで、財政の一定の役割というのも必要だし。ただ、財政だけでは今の日本の状態では息切れしてしまうのが目にみえているので、これが民間の投資をいかに誘発していくのかというリンクをきちんとつけていくことが大事だと考えるわけであります。その意味では、ぜひこうした新たな法的枠組みをさらに詰めて、この分科会の当面のアウトプットにできればと考えます。
次回は最終の分科会になりますので、新たな経済社会環境下における地域経済の活性化のあり方について、これまでの議論を踏まえて事務局で報告書案をとりまとめて、皆さんにご提示させていただいて、ご討議いただきたいと思います。
今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。
横田地域経済産業政策課長
お手元の資料7にございますように、次回は12月19日火曜日、きょうと同じ10時から12時でお願いしています。また、詳細は追ってご連絡させていただきます。
大西分科会長
それでは、きょうはこのくらいにさせていただきます。どうもありがとうございました。

——了——

関連リンク

 
 
最終更新日:2006年12月19日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.