経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会(第4回)‐議事要旨

日時:平成18年12月19日(月)10:00~12:30
場所:虎ノ門パストラルホテル新館6階「アジュール」

議題

  1. 産業構造審議会地域経済産業分科会報告書(案)について
  2. 就業達成度について
  3. 地域産業活性化法案(仮称)について
  4. 産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会における検討状況について

出席者

大西分科会長、井原委員、上田委員、神野委員、小嶋委員、鈴木孝男委員、鈴木直道委員、高橋委員、田子委員、中村委員、野坂委員、藤沢委員、星野委員、松原委員、三浦委員、三村委員、藻谷委員、山崎委員、山田委員、米田委員、

議事概要

(1)産業構造審議会地域経済産業分科会報告書(案)、就業達成度、地域産業活性化法案(仮称)、及び産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会における検討状況の4点について、事務局より説明。その後、自由討議。委員からの主な発言概要は以下のとおり。

  • 報告書(案)は、簡素でわかりやすい。地方においては、集約化を図っていくことが必要。市町村合併でも集約化を図らないと効率化は図れず。一方、一次産業を集積することにより、工業開発が可能。このように、集約化は重要。
  • 風力発電所に関して、風力発電所は、観光資源になるものの、自然界では奇異なものだし、景観的にも奇異。風力発電所の立地には再考が必要。
  • 報告書(案)では、人材育成の重要性が強調されていると認識。ハード・ソフト両面で人材の減少・不足は深刻な問題。専門職を育成できる機関をつくることが必要。その際、文科省との連携が重要。金型の世界でも、韓国や中国では専門家育成に取組中。日本は対応が不十分。早期の実施面での対応が必要。
  • 人材不足という点では、医療分野も同じ。医師や看護師だけでなく、介護士、病院事務職、薬剤師も不足。こうした少ない資源で効率的にサービスを提供するためには、中心市街地を活性化し、人を誘致していくことが必要。
  • 報告書(案)の産業クラスターの部分に「顔の見えるネットワーク」と書かれていることは評価。ただし、今後の課題として、量から質への転換やビジネス化に取り組むことが必要。また、地域資源の事業化に注力することも必要。
  • 地域活性化への取り組みを行う中で、縦割り行政の弊害あり。今回の報告書において、関係省の連携が明示的に記載されており、評価。今後の取組に期待。
  • ラジオで、営業や技術に関するノウハウを持つ団塊の世代が、中国等にヘッドハンティングされているケースがあるとの報道。これらの熟練した人材の流出を防ぐ手だてが必要。
  • 一律でない地域の現状に対応した支援施策を行うべき。また、各種支援メニューの組み合わせによる、きめ細かい対応が必要。
  • 地域振興のキーワードは「スピード」。報告書(案)もスピーディにまとめたことに意義あり。法案に関して、企業立地に関する手続面もスピーディになるようお願いしたい。
  • 人材育成支援について、福岡県においては専門技術職育成機関に関する支援を実施。こうした機関への支援を政府にもお願いしたい。
  • 産学連携に関して、中小企業と大学の連携が不十分。大学が、地域の中小企業のニーズを求めて動くような取組を支援すれば地域資源の有効活用に繋がる。
  • 経済産業省には、地域産業活性化法案や地域資源活用プログラム等各種支援施策があるが、企業のアクセスが少ないのが現状。企業経営者まで伝わるような支援策を検討すべき。
  • 上海、大連等の中国の自治体首長は、企業の営業本部長のごとく自ら企業誘致等に取組中。日本の首長もそうなるべきだし、経産省もバックアップすべき。
  • 法案に関して言えば、地域産業の活性化の最終目的は、地域の住人の生活や文化の質が向上することと認識。企業が立地する際に社会貢献度合を重視させるような法律になることを期待。
  • 報告書について、専門家には分かりやすいが、コミュニティビジネス、NPO、個人等には読みづらい部分あり。国民一般から理解を得るにはまだ工夫が必要。地域住民のコンセンサスを得ながら企業立地等を進めることが必要。
  • 報告書(案)にある「グローカル」という言葉は是非浸透させて欲しい。中山間地方は、主に県境に分布しているため、県を跨いだ取り組みが可能。そのためには、大学の活用が需要。
  • 風力発電所について、地元でも設置による自然環境への影響が問題。地域の歴史や物語を無視した設置は将来に禍根を残すことになると懸念。
  • 報告書(案)は、コラムがあり読みやすい。グローカルという観点からは、先般、エルピーダ社が台湾に新工場の立地を決めたショックは大。海外流出に歯止めをかけるためにも、できることから迅速にどんどん対応すべき。
  • 地域資源は、ヒト、モノ、カネ、情報と言われるところ、報告書(案)はカネについて記述不足。地域ファンドの活用支援やコミュニティバンクへの税制優遇等、地域のカネを地域で有効活用する仕組を今後の検討課題とすべき。
  • 工場立地に関する緑地面積の緩和について、CO2削減にかかる記述が必要。グローバルスタンダードを謳うのであれば、環境保全への記述も入れるべき。
  • 地域に根ざす金融機関として、リレーションシップバンキングのアクションプログラムを実行中。今後も継続して実施。新法を早期に成立させ、地域を応援して欲しい。
  • 報告書(案)では、地域が企業に対し様々な優遇策を講じることが強調されているが、企業による社会や地域への貢献が評価される時代にあって、地域と企業が一体となった地域活性化が必要。
  • アジア諸国との立地競争に対応するに当たって、自治体のダンピング競争にならないよう、国内回帰の理由等を分析し、冷静な判断が必要。
  • 既存工場の存続・発展を図ることも重要な課題。既存工場の設備更新に対する支援策や老朽化した既存工業団地のリニューアルを検討することも重要。
  • 集積活性化法廃止後の取組をもう少しはっきり書くべきではないか。また、大企業と中小企業の結合を重視した国際競争力の強化やイノベーションの推進をもっと書き込むべき。支援措置については、こうした観点から重点投資すべき。
  • 法案の協議会について、市町村及び都道府県の枠を越えた広域的な圏域をベースとしたものも可能とすべき。また、地域性にこだわらない産業部門単位での協議会設置も検討すべき。
  • 法案の協議会の受け皿として、産業振興機関等が考えられるが、そうした機関がない地域も存在。様々な主体が実施できる制度にすべき。
  • 就業達成度の評価指標につき、都市部が必然的に高い評価となるような指標にならないよう注意すべき。また、高い評価を得た自治体に対し、国が何らかの支援をする仕組を検討すべき。
  • 新法に基づく支援策について、大都市圏も含めて全国一律で支援すると、地域間格差は拡大する懸念あり。財政力が弱い地域、産業基盤が脆弱な地域には特段の配慮をお願いしたい。
  • 東京以西に集中する産業集積地を、リスク分散の観点から北海道、東北地域にも整備すべき。
  • 産業振興のための公共投資は別枠にするよう国交省にお願いしたい。
  • 緑地基準の緩和について、気候変動等問題も頭に入れ、CO2削減の方向性を考えていくことが重要。法案に関しても、環境面に配慮した発展モデルを薦めるべき。
  • この報告書(案)に基づく産業振興施策を打ち出しても、個別市町村は必ずしも発展しないと認識。地方活性化総合プランというからには、産業振興を考える個別市町村が対応できるような支援策を打ち出すべき。
  • 内需に対応した地域が増えてきているので、工業中心の産業振興施策ばかり打ち出す必要なし。
  • 精密機械産業の集積がある長野県諏訪地域では、有力な技術をいかしたブランド化に取り組んだが、マーケティング能力がなく成功せず。マーケティング関連の有効な支援策を考える必要あり。
  • 地域格差があるというが、実はどこの地域でも人手不足。高齢者の活用に加え、専業主婦の就労が問題解決の決め手。この点をふまえた支援策を講じることが必要。
  • 地域の個性を重視するのは良いことであるが、それらを評価するのは非常に困難。データベースや評価基準をきっちりと持つことが必要。
  • グランドデザインを描くにあたって、その地域に、必要な人材や能力がどれだけあるかを分析することが必要。この点は、本来、産業クラスター計画で評価すべきところ、評価しておらず。今回の法案はこうした問題点を補填していると理解。
  • 現在の産業振興支援策には様々なメニューがあるが、物流コスト、エネルギー、用地に関する問題あり。こうした問題への対応を検討することも必要。
  • 既存工業団地のリニューアルを支援すべきという意見に同感。その際、就業者を確保できる仕掛を整えるべき。
  • 報告書(案)のサブタイトルを「地方」活性化総合プランではなくて、「地域」活性化総合プランとすべき。
  • 就業達成度の指標に関して、(1)敷地面積が1,000mの工場を対象としている理由が不明、(2)生産性の評価について、量ではなく質で見るべき、(3)研究開発投資に対する指標も必要。
  • 現場の実態を踏まえると、報告書(案)の「企業立地等の促進」の部分に、「各種申請の簡素化に努めるとともに」を追加すべき。
  • 法案に関して、ブロック単位で協議会をつくると、組織が大きくなりすぎて、「かゆいところに手が届く」体制となるか疑問。県単位での協議会設置等、草の根的な取組が可能となる体制にすべき。
  • 農地転用について、思い切ったリフレクトが必要。また、電気料金の割引も必要。
  • 法案は、総務省の頑張る地方応援プログラムの流れとも合致。自治体のワンストップサービスを推進する仕組が重要。
  • 国土形成計画においても地域活性化策を検討中。この中で、国際競争力強化やグローバル化という視点から、地域ブロックレベルでの地域活性化推進を位置付け。
  • また、インフラ整備等横断的に使える交付金制度を目玉とした法案について、国交省で検討中。

(2)続いて、事務局から回答

  • 地球環境への配慮も大事であるが、工場立地法は工場周辺の住環境への配慮の観点からの規制で限界がある。省エネ法や温暖化対策法など個別法での対応により、それぞれの目的を果たしていく所存。
  • 就業達成度については、指標には様々な側面があり、すべての指標で高い評価を得ることは不要。地域ごとの強みは何であるかを計るための指標としてご活用頂きたい。
  • 地域間格差については、法案を施行した結果、地域間格差を広げるようなものであってはならない。良い地域も悪い地域も含めて全体を押し上げるような支援策となればよい。地域の実情を勘案しつつ、施策展開をおこないたい。
  • 北への移転について、立地の選定については企業の判断如何によるが、例えば、企業のリスク分散の観点からは、北への集積が売りという側面もあるのではないか。
  • かゆいところに対して、ブロックレベルでの協議では、細かなニーズを拾えない可能性があるため、都道府県レベルにおいてもワンストップ化をすすめていきたい。

(3)産業構造審議会地域経済産業分科会報告書(案)及び産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会の検討結果(以下、報告書(案)等という。)については、委員各位の了解が得られた。なお、一部の委員からご指摘のあった修正意見の扱いについては、分科会長に一任された。

その後、報告書(案)等はパブリックコメントに付し、その結果を踏まえ、最終的なものについて、委員各位の了解を得ることになった。

(4)今後のスケジュールについて、事務局から、現在検討中の法案に関する基本方針、就業達成度の実施結果、工場立地法の抜本的見直しに関する検討状況等について、来年4月以降、分科会にご報告し、必要事項についてご討議いただく予定である旨、説明した。

文責:経済産業政策局地域経済産業グループ地域経済産業政策課

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最終更新日:2006年12月27日
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