経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会(第6回)‐議事録

開会

大西分科会長
おはようございます。本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから産業構造審議会第6回地域経済産業分科会を開催いたします。
私、本分科会の会長を務めております大西といいます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

大臣官房審議官挨拶

大西分科会長
開催に先立って大塚大臣官房審議官に一言御挨拶をお願いしたいと思います。

大塚大臣官房審議官
おはようございます。本日は、皆様御多忙中、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
9月末に内閣が変わりましたが、引き続き地方の再生、活性化が最重要テーマの1つとなっております。当省におきましても甘利大臣指示のもとで特命チームをつくりまして、地方経済再生のための緊急プログラムの作成に力を注いでいるところでございます。
産構審地域経済産業分科会は昨年10月から開催いたしまして、昨年末までの審議で地域活性化総合プランの報告書を取りまとめていただいたところでございます。その報告書を踏まえまして、本年の通常国会で企業立地促進法や中小企業地域資源活用促進法を策定するなど地域活性化施策を進めてきたところでございます。この2つの法律の実施状況は後ほど報告させていただきますが、着実に成果は出つつあるところでございます。
しかしながら、地域間格差をめぐる状況を踏まえますと、さらなる地域活性化対策について検討することが必要との認識に至りまして、今回本分科会を再開することにいたした次第でございます。
地域活性化のためには地域産業の振興が不可欠でございます。しかしながら、地域の実情は一律でないために万能の施策はないということでございますので、さまざまなアプローチで取り組むことが必要と認識しているところでございます。当省といたしましても農業と商工業の連携、コミュニティビジネス、地域イノベーション等々幾つかの施策のパッケージを検討しておりまして、本日よりそれぞれについて御議論いただく予定でございます。
昨年同様、大変短い期間で集中的に議論いただくことになりますが、今回新たに委員となられた方を含めまして、皆様の幅広い御知見と御経験から忌憚のない御意見をいただきまして、一筋縄ではいかない地域活性化に対しまして御教授くださいますようお願い申し上げます。

大西分科会長
どうもありがとうございました。

出席者紹介

大西分科会長
きょうは、審議官のお話にもありましたけれども、委員の新任、再任が行われて、また新しくスタートするという面がありますので、事務局から最初に皆さんの御紹介をお願いしたいと思います。

横田地域経済産業政策課長
それでは、座席順に従いまして御紹介させていただきます。
まず、農業生産法人株式会社イソップアグリシステム代表取締役社長でいらっしゃいます門脇武一委員。
独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長でいらっしゃいます鈴木孝男委員。
財団法人日本立地センター理事長でいらっしゃいます鈴木直道委員。
株式会社コスモピア代表取締役社長、田子みどり委員。
鳥取県商工会連合会会長でいらっしゃいます中西重康委員。
読売新聞論説委員、野坂雅一委員。
東京大学大学院総合文化研究科教授でいらっしゃいます松原宏委員。
長野県佐久市長でいらっしゃいます三浦大助委員。
それから、青森県の三村申吾知事に委員をお願いしておりますけれども、本日は代理で小林商工労働部長に御参加いただいております。
株式会社日本総合研究所調査部主任研究員でいらっしゃいます持永哲志委員。
富士通株式会社常務理事でいらっしゃいます八木隆委員。
慶應義塾大学理工学部教授、米田雅子委員でいらっしゃいます。
それから、オブザーバーといたしまして、総務省自治行政局地域振興課長の渡辺秀樹様に御参加いただいております。
それから、厚生労働省大臣官房参事官の川中邦男様。
農林水産省農村振興局農村政策課、永嶋善隆課長にオブザーバーをお願いしておりますけれど、本日は代理で宮川補佐に御出席いただいております。
それから、国土交通省総合政策局政策課長の渡邊一洋課長にオブザーバーをお願いしておりますけれども、本日は代理で深澤政策企画官に御出席いただいております
経済産業省側のメンバーにつきましては座席表をもって紹介にかえさせていただきます。
以上でございます。

産業構造審議会地域経済産業分科会の公開について

大西分科会長
次に、今回初めて委員に御就任された方もいらっしゃいますので、本分科会の公開について再度確認します。
事務局から資料1に基づいて公開に関する説明をお願いいたします。

横田地域経済産業政策課長
配付させていただいている資料を4枚ほどおめくりいただきますと、資料1が出てまいります。この産構審は昨年10月からスタートしておりますけれども、引き続き同じ方針でやらせていただきたいと考えております。
まず一番目の丸でございますけれども、議事は一般の傍聴を認め、公開ということでございます。次に、配付資料も公開させていただきます。3番目に議事要旨でございますけれども、これは無記名で、事務局の文責で、3日以内に公開ということにさせていただきます。ただし、議事録につきましては、各委員にチェックをお願いしまして、記名式で1カ月以内に公開させていただきたいと思います。なお、特別の事情がある場合には分科会長の判断で議事等の一部または全部を非公開とすることができることにさせていただきたいと思います。以上でございます。

大西分科会長
ということで、特に議事録に関しては皆さんにチェックしていただくということで、事後、お手数をかけることになりますが、よろしくお願いいたします。
分科会の公開について以上のように決まっていて、これに基づいて進めておりますので御了解いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。

配付資料の確認・産構審地域経済産業分科会の再開について

大西分科会長
それでは、本日の議事に入ります。
まず事務局から配付資料の確認と、資料2、産構審地域経済産業分科会の再開についてという資料に基づいて本分科会の再開の趣旨について説明をお願いいたします。

横田地域経済産業政策課長
まず資料の確認からさせていただきます。
まず一番上に資料一覧、次に議事次第、次に委員名簿がございます。それから、先ほど御説明しました分科会の公開について、それから資料2、分科会の再開について、資料3としまして、イソップアグリシステム、門脇委員からの資料がございます。それから、資料4といたしまして、鳥取県商工会連合会からいただきました資料がございます。それから、資料5は青森県からいただいた資料でございます。それから、資料6-1としまして、地方法人二税についての論点メモ、資料6-2が地方法人二税についての説明資料でございます。資料7が企業立地促進法の実施状況について、資料8が中小企業地域資源活用プログラムの実施状況の資料でございます。最後に、資料9といたしまして、今後のスケジュールが配付されております。
もし資料が足りないものがございましたら事務局の方におっしゃっていただければと思いますけれども、追加資料としまして、メインテーブルのみですけれども、鳥取県商工会連合会よりパンフレット「鳥取みぃつけたっ!」を配付させていただいております。
資料の不足、ございませんでしょうか。
それから、今回の分科会で委員の新任、再任の手続をとらせていただきました委員につきましては、大変恐縮ですけれども、封筒の中に経済産業大臣名の辞令を配付させていただいております。これをもって辞令交付とさせていただきたいと思います。
それでは、資料2をごらんいただければと思います。
この分科会は昨年10月から地域活性化に関するいろいろな課題につきまして御議論いただきまして、委員のお手元には今年の1月にまとめました報告書を配付させていただいております。副題が「地域活性化総合プランの実行に向けて」ということになっておりますけれども、この審議会の答申を受けまして企業立地促進法と地域資源活用法の地域二法が成立し、まさに今実施の段階になっております。
ということで、この分科会におきましては御提言いただきました地域活性化対策の実施状況についてフォローアップをいただくとともに、今後またいろいろ出てまいりました課題につきまして御提言をいただき、また今後の施策に反映させていただきたいということで再開させていただきました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。

大西分科会長
ありがとうございました。

農林水産業と工・商・サービス業の連携のあり方

大西分科会長
それでは、今日は再開1回目ということであります。議題が大きく2つ、説明にはもう1つ、6-1という資料の説明があると思いますが、時間を一番かけて議論いただくのは第1番目の議題、農林水産業と工・商・サービス業の連携のあり方についてということで、今日は門脇委員、中西委員、三村委員代理の小林部長さんよりプレゼンテーションをお願いいたします。プレゼンテーションはそれぞれ15分程度で簡潔にお願いするということで恐縮ですが、よろしくお願いいたします。3人の方のすべてのプレゼンテーションが終わった後で質疑応答の時間をとりたいと思いますので、3人の方に通しでプレゼンテーションしていただくということにいたします。
それでは、門脇委員からよろしくお願い申し上げます。

門脇委員
門脇でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回こういうような席は初めてでございますので、どういうような流れで説明していいか、15分となるとなかなか取り組んでいる部分が説明しきれるかどうか、ちょっと不安でございますけれども、かいつまんで今やっていること、これからやろうとしていることを若干御説明したいと思います。
イソップアグリシステム、農業生産法人と書いてありますが、通常の株式会社でございます。農業生産ができる、いわゆる農地を持っている、あるいは農地の売買をできる株式会社である。そういうことで御了解いただければと思います。
平成14年に設立いたしました。これは通常の株式会社でございますけれども、今の農業生産法人の仕組みであっても初めから農業生産法人を株式会社でできるということだけは誤解のないように御了解いただければと思います。
私どもは平成12年頃からいろいろな地域の疲弊が始まっておりましたので、地域の中でどのような経済を構築するか、産学官連携のいろいろな取り組みのフォーラム等がありました。そんな中でイソップアグリシステムを設立してきたことになるわけでございますけれども、国際的な食料とエネルギーの争奪戦が始まっているということも含めて、地域がもっともっとローカルに強みを出さなくてはいけないというのは平成10年頃からいろいろと地域ではやっておりました。
それと地域の課題が農地という農業資源そのもの、経営資源そのものが放棄される。あるいはそれを担い手として担う人もいなくなる。そういうような地域の足元の課題もありまして、そういう意味で1つの枠組みをつくらなくてはいけない。そういう動きがありまして、農業生産法人ができ上がってきたきっかけでございますが、経済産業省、中小企業庁でやりましたコーディネート支援事業というのが平成10年頃にありました。その中でこのイソップアグリシステムを設立したということを初めに申し上げておきたいと思います。
いろいろな枠組みをつくらなくてはいけないということの中で、単純に、あるものをただ結合するだけでは何らイノベーションが始まらないということで、1つの地域戦略といいますか、設計情報、畑から口に入るまでのそういう産業プロセス全体をものづくりとしてとらえようではないかという、そういうコンセプトをつくりました。その中で、組織ではなくて、個人個人がエネルギッシュに、ダイナミックに展開する、そういうものづくり事業体を任意で、我々北海道の東上といいますか、オホーツクという、知床の玄関口に当たります北見市というところが中心となっておりますが、市町村にまたがった事業体をやっておりまして、イソップアグリシステムの直接の圃場は12ヘクタールでございますが、イソップコリドールという、これから御説明申し上げますが、このコリドールは直接構成メンバーの畑が220ヘクタール、そして今これからやろうとしている部分が大体1000ヘクタールの畑を輪作体系の中で付加価値を上げるような、そういう取り組みしようというところを後ほど述べたいと思います。
最終的にものづくりをするということも大事ですけれども、そういう農業が絡むとすれば生産現場に立脚するようなことが流れていかないと、なかなか連携というのは難しいと思っております。そういう意味で地域産業コミュニティといいますか、いろいろ農家の課題、経験者がいなくなるという部分では知的伝承、篤農家の考え方、知恵というものを伝承する仕組みも情報技術の部分で補完できると思いますので、こういう1のコミュニティをつくりながら、農村の畑の生産現場を、勘と経験からある程度システム化することは可能でございますので、そういうところに仕組みをつくって、そこに雇用を導いていく。そんなような取り組みをしていこうということでコリドールという発想ができております。
畑で農産物をつくるだけでは産業として自立できませんので、みずから流通システムをつくろうということでフードクラスターということで、今は大豆と小麦でいかに植物たんぱくを口に入るまで地場で加工できるかというところにチャレンジしているところですが、若干の事例を後ほど述べたいと思います。
イソップコリドール、広域網走支庁管内、今35万人ぐらいでございますけれども、新潟県と同じようなエリアで35万人ぐらいの人口がいる。そんなところで点で結んでいる部分ではなかなかエネルギーにならない。そういう情報技術というネットワーク、あるいは1つの情報を直接発信できる、そういう仕組みをつくって、点在する生産プロセスそれぞれを連携させて、その機能を作動させる仕組みを開発するということで、それぞれの経営資源を有機的に結びつけて、あたかも我々の地域が1つのものづくりの企業体としてコンセプトできないかというのがイソップコリドールという考え方でございます。
イソップアグリシステムという株式会社はそのエンジン役というような形でとらえていろいろな形でシナジー効果を出すという取り組みを今しているところでございます。
概念図はこういうような形ですね。知的営農集団と技術集団、それから地域創造集団のプラットフォームを我々イソップコリドールという言い方をしております。
農業とITの融合。これは精密農業ということで我々は概念を捉えておりますけれども、こういう産業コミュニティをつくって、そこに立脚していろんな連携の足場をつくろうと。それからいろいろダイナミックに展開できる。そういう素地をつくろうということで、農業の生産管理といいますか、プロセス管理をまず現場でつくりながら、それから食品というか、口に入るまでのブランドづくり、そして環境保全というゼロエミッション、地域の資源を使い切る。今年とれたものを在庫しない。今年とれたものを使い切るというよりも、備蓄をしていくということも含めて、安心、安全という、ただ生産物の安心ではなくて、安定して供給できるという安全、そういう冷涼な気候を経済効果に具体的にしていこうじゃないかと。そんな取り組みをイソップコリドールということで提唱しながら進めているということでございます。
1つのビジョンとしてこんなようなビジョンをつくっております。地域の人たちのなりわいを自覚する。ああせい、こうせいではなく、あるいはあるものけなしの、ないものねだりの話ではなくて、みずからやっていることをブラッシュアップして、そういう自覚あるなりわい、それは農業生産法人であり、食品加工であり、流通であり、ホテルのオーナーであり、いろんな人たちの考え方をブラッシュアップするということがまず人づくりといいますか、人がありきで、いろんな組織をつくってもこれは継続しないと思います。自覚ある仲間づくりからプロジェクトをつくっていく。それをスパイラルに展開するような、そんな仕掛けをできないかということで、この左下のところが農業、右下のところが観光ということで、北海道の知床、阿寒、網走を含めて我々のエリアでございますけれども、単純に交流人口をふやすということではなくて、頭が楽しくなる観光をしようということの中で、1つの精密農業ということの中で社会基盤を支える情報産業がやっぱりかなめです。ODCと言っていますけれども、シチズンがCですね。オペレーションとディベロップメント、地域を経営し、地域を開発する住民のための、それが情報産業であろうと。農業も情報産業でありますし、観光も情報産業です。みんなが提案する。そういう生活文化提案型の産業を地域でやっていきましょうという、頭の方に書いてありますけれども、そういうものを地域のグランドデザインというような形でいろいろ提唱しながら、息が切れないように、いろいろ丁々発止でこんな仕組みを今進めているところでございます。
この中で、この四角、紺色で囲んでいる部分が具体的に事業をやっているところです。精密農業実証事業というのが今農水省の生産局の方で協力を得てやっているんですね。それから、右側の農村コミュニティ再生活性化事業、これは農水省の地域振興機構の協力を得てやっている事業でございます。それから、付加価値フードシステムの構築、これは単独で、いろんなそういう制度はありませんので、お互い金を出して、力を出してというところで今進めている。そんなところでございます。
こんなような取り組みで、実際やっているのは、一覧表にするとこんなような事業でございます。
上の方が生産現場です。地中の温度ですとか、GPSという端末、どこで何をやったという細かい作業工程をつくりながら、その作業工程の実績を入れていく。
それから、リアル土壌センシングということで、これは余っている畑をイソップコリドールということで農業委員会から使ってほしい、あるいは買ってほしいという話が現実的にことしも30ヘクタールほど出てきております。そういう意味では、お父さん、おじいちゃんから継続した畑であれば勘と経験でいいのですけれども、全然違った土地を作付するという分につきましては、現状の経営資源をちゃんと客観的に表現できるような、そういうツールがなければ、ただ面積だけで農業経営はできないわけです。土の持っている成分で、アルカリ性、いわゆるpHの関係でつくれるもの、つくれないものとあります。そういう意味で下の方に網走管内の土壌図をGISのデータでみずから民間でつくりまして、いつ、どこが余ってもいいような受け皿をつくろうということで民間でやっております。
それから、リアル生育。これは窒素センサーですね。イネ科中心、特に小麦が中心になりますけれども、元肥を少なくし、可変施肥をして、環境保全型の農業をやろうと。こんなところを今取り組んでおります。それがイソップコリドール事業体の生産現場、今220ヘクタールですけれども、3年後をめどに1000ヘクタールの圃場をこんな形で展開するような構想を今つくっております。
ただ、つくるだけではいけないわけです。それを主体に地域産業コミュニティということで、農業試験場も、それから北見工大という我々地域に工業大学もあります。そういうところを含めて、あるいは農業改良普及所のメンバーも含めて、そういうクラスターをつくって、知恵を融合するということも当然やっておりますけれども、そういうことから1つの品質の高次安定、今はぱらつきの解析をやっているというフェーズですが、最終的には品質の高次安定、環境保全、コスト低減、そういったサイエンス基盤をつくって、だれでも農業ができるような、そういう仕組みをつくっていこうということで、国際競争に対峙できる地域として戦略をやったらどうかということをいろいろ提唱しているところでございます。
具体的には今小麦は小麦でやっているのですが、これからスタートするものでは、特にバイオエタノールの流れもそうですが、これから有機大豆、遺伝子組換えの大豆も、私も北海道の農業振興審議会の委員もやっておりますけれども、遺伝子組換えの問題が非常に問題になっております。そういう意味では畑を特定して、輪作体系を特定していくということで、どこでとれた大豆かというものをきちっと後から情報を入れるのではなくて、生産の計画から、実績からという形での輪作体系の中で、大豆もたかが大豆ですが、いろんなバラエティーが出てきております。これも今農水省の品種の育種の部分では北海道の十勝農試、中央農試が精力的にやっておりますけれども、その精力的な情報を我々も先行していただきまして、それも次のステップの中に組み入れていこうということです。特にリポキシゲナーゼの大豆種がない大豆、たんぱくの部分が非常にいい大豆ですとか、イソフラボンが高い、そういう機能性のものもありますので、機能性もありますというか、機能性の大豆をいかに情報産業として伝えていくかということ。それから、生活文化提案型のものづくりということでぐるっと畑から付加価値をつくるものを地域において、そして末端の機械、ステンレス加工を含めた、そういう一次加工したもので最終加工できるような、そういういろんなレシピを、これも経済産業省の新連携の方のフォーメーションの方で採択されていますので、これを新連携の方で次のステップにいこうということで今進めている事例でございます。
この辺は時間がなくなりましたので読んでいただければと思いますが、精密農業とはというのはこんなようなことでございます。農業を近代的な、企業的な魅力ある産業に脱皮して、後継者が農業をやりたいということを最終目的にしております。
それから、精密農業の可能性ということでございますけれども、生産管理、これは畑といいますか、圃場を勘と経験からある程度システム化して、作業工程を細かく分けることによって、作業をトータル的にやるのではなくて、パーツ、パーツの作業としてやることによって、右下に書いてありますけれども、1つの小麦なり、大豆なり、ジャガイモ、それを全部自分で畑から、施肥から、収穫までというのは非常に膨大な応用科学が必要になります。そういう仕組みづくりの中でパーツ、パーツに作業が入ってもらって、トータル的にものができ上がってくるという、そんなような仕組みの可能性は十分あるということで、それと環境保全、そして最終的には国際化に対峙する、一個人の農家の力ではなくて、地域としてのエネルギーとしてどう戦略を持っていくかというこういう精密農業というのは非常に大きな可能性を秘めた考え方だと思いますので、こういうのを全国に普及するというのは難しいかもしれませんけれども、北海道ではなじむ考え方でございますので、こういうのもサポートできる施策があれば若い農業経営者は意識が高まってくると思っております。
これを少しサマライズしますと、こんなような知恵の融合による地域イノベーションということで、イノベーションというのは新結合だと思いますので、科学技術というものを地域の戦略とする。食という部分では科学技術だと思いますので、それを戦略として食料の問題、環境の問題、それから医療・福祉の問題、そして高齢化の問題、そして地方分権という雇用の創出、こういうところを地域として科学技術、あるいは科学データを共有して、それからダイナミックに、エネルギッシュに動ける産学連携。産学連携にしてもこれは最終的には民間の担い手がなければ何ら産業として生成していかないわけですので、こういうところの共通なプラットフォームをつくりながらプレーヤーを育てていくということが必要かと思っています。
最後になりまけれども、農工連携による地域経済の展望といいますか、若干考え方を述べてみたいと思います。
農業、例えば国で言えば農林水産省と経済産業省というような縦割りになってしまいますと、目先の利益、縦割りの組織の利益に対するいろんな弊害を私もいろいろ経験しております。そういう意味ではその辺のところのシナリオを、特にこれからは農業生産法人というものを国は推奨しております。農業生産法人というのは通常の商法上でいう会社でございますから、会社ということになれば経済産業省も商法上の会社に対する支援というのは可能なわけでございますので、この辺の農業生産法人というのが品目横断の中で、新しい施策の中で、今年、19年から出てきておりますので、こういうところにもっと人ということは農業生産法人でございます。そこにフォーカスを当てるようなシナリオが必要だろうと思います。
そして、ここはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、きょう議事録が全部公開されるということですので、この辺ちょっと気にかかる部分でございますけれども、農業というのはシステマチックな動きをしているようでしていない。そういう意味では農業に対する無知なというのはちょっと表現が悪いかもしれませんけれども、今までも問題を残していたというのは、もっともっと人間関係なり、社会科学と科学技術を地域で作用させるという、その辺の仕組みがないと、1対1でやってしまうといろいろ問題が出てくる。安く買ってやるとか、大量に買ってやるとか、だまされたとか、そんなところで過去農業協同組合というのが出てきた経緯もあるわけですので、そういうことをもう少し地域の戦略としてプラットフォームをつくりながら、それを丁寧にウオッチする。そんな施策も必要なのかと思っております。
まとめますと、農業と工業の連携となれば、ただできた農産物を農協から持ってきて、それを加工するとかという連携は当たり前にやっているわけでございますので、このイノベーションというのは新たな結合、新結合ですので、生産現場からフードシステムという、農業の生産性を上げていく。流通まで変えていく。そして、品質の安心・安全というところもみずから担保していくということになってきますと、相当スケールの大きな、時間的に大きな部分とか、知識もいろんな形のものが出てくる。そういうものをまとめていく。こういう付加価値への担保、あるいは支援する人材はたくさんいるのですけれども、直接プレーヤーに支援するような、そういう仕組みがないと、余りにも支援する側の人たち、組織が多過ぎて、本当のプレーヤーというのは非常に少ないというのが地域の実態だと思っています。あくまでもやる気のあるプレーヤーに直接いろいろな担保をする。そういう仕掛けが必要ではないのかと思っております。
新しいイノベーションの産業プロセスの可視化、あるいは付加価値化というものを担保する新しい枠組みをつくるということで、地域のことは地域で考えるということの中で、国の施策も大事ですけれども、地域から提案するものをちゃんと受ける受け皿をつくる制度もこれから喫緊に必要な課題ではないのかなと私自身は思っております。
ちょっと時間の配分がどうなったかわかりませんけれども、一応地域の事例ということで紹介させていただきました。どうもありがとうございました。

大西分科会長
ありがとうございました。短い時間でしたけれども、要領よくお話しいただきましてありがとうございました。
次に、鳥取県の商工会連合会会長の中西さんからお話しいただきます。よろしくお願いします。

中西委員
鳥取県商工会連合会会長を務めております中西と申します。よろしくお願いします。
鳥取県はよく島根県と間違がえられやすいところに位置しております。地図上では日本海を上にして、山陰両県、右側が鳥取県でございます。その右が兵庫県、その下が岡山県ということで、私はその鳥取県の一番東に位置する鳥取砂丘からやってまいりました。
今、鳥取砂丘はちょうどこの時期、天気さえよければ真っ赤な太陽が日本海にゆっくりと沈んでいくという風景が見られます。そっくりそのまま持ってきて皆さんにお見せしたいぐらいの風景でございます。そんな海岸べりでこれからマツバガニの収穫がございますけれども、カニ料理、活魚料理を専門とする料理民宿を営んでおります。
そんな砂丘の眺めのよさに比べまして、経済的には我が鳥取県は格差の真っただ中で、希望の光を求めて日々奮闘し、格差是正への手がかり、足がかりを平井知事を中心に一生懸命になっている状態です。
先日、ちょうど10月20日でございましたが、鳥取県の未来を考えるタウンミーティングということで、各界、各層の方々の活発な意見がございました。御承知のように行政合併が進み、3200ぐらいあった市町村が今現在では1800程度。それと同時に、あるいは少しおくれて商工会も全国でほぼ同程度の数となっておりますが、商工会自体の合併はまだ進行形の形を各県ともとっております。幸い鳥取県は行政合併も商工会合併も一応の落ちつきを見せております。現在では36商工会から19の商工会となり、さらにその19の商工会を5つの枠組みで広域的に再編し、『産業支援センター』と名づけて今年度4月1日よりスタートしております。
我々商工会連合会は小規模事業者事業全国展開支援事業というものに取り組んでおります。
鳥取ブランド推進プロジェクト、昨年より進めております。鳥取県商工会連合会が中心になって単会の福部町商工会、大山町商工会、それらの特産品を18年度は「食と文化の宝石箱」ということで、鳥取ブランド推進プロジェクト、鳥取県が誇る地域資源、砂丘と大山を核とした食材の開発に努めております。鳥取県のすぐれたこの地域の原材料を活用して新商品を開発し、全国マーケットを目指す目的でありますが、自然豊かな鳥取県の食材はそれをフル活用して、安心、安全、そして健康をテーマに今その可能性を求めているところであります。
原材料となる特産品としてマツバガニ、砂丘ラッキョウ、二十世紀梨、北条ワイン、ホンモロコ、鳥取和牛、大山地鶏等々それらの加工食品をとっとり自慢認証商品として現在41企業、56品目を我々商工会県連が認証制度を設け、販路支援拡大に鋭意努力しているところであります。皆様の机の上に今持ってきておりますけれども、これは砂丘ラッキョウを押しつぶして、漬物の汁と合体をさせてドレッシングをつくったというアイデアものでございます。昨年度はこれを石鍋シェフによって、原宿の南国酒家で「食と文化の宝石箱」ということでプロモーションしたわけでございますが、今年度は「食と健康のコラボレーション」ということで、鳥取ブランド特産品を進めていこうと。そして、自慢の認証商品を使ってやっていこうということで、東京での物産展、またアンテナショップの設置の検討も計画しております。これは県も鳥取市も共同企画でアンテナショップというようなものを計画しております。
また、今年度中小企業地域資源活用促進法に基づいて鳥取県の伝統文化、技術を融合して、Japanブランド確立支援事業で、鳥取因幡ブランドと銘打って、新商品開発プロジェクトも進めているところでございます。
鳥取県では平井知事の提唱するマニフェスト、『元気な産業、しっかり雇用』のキーワードにマッチした事業と位置づけて、これにチャレンジする中小企業を大いに支援、サポートしていこうというふうに張り切っております。
その地域資源とは、農林水産部門では二十世紀梨、智頭杉、杉の加工品です。鳥取和牛。技術研究の面では因州和紙、藍染め、氷温度加工。観光資源としては鳥取砂丘を含む山陰海岸、大山、三徳山等々で、既に鳥取県では180項目を指定し、直近では10月12日、経済産業省により2社が認定をいただきました。因州和紙と智頭杉でございます。世界に通用するインテリアブランドとしてその技術力を活用し、『仕切り』をテーマとした日本の伝統美、和空間の提案をやってみようということで鋭意努力しております。
このJapanブランド確立支援事業は3年間の支援がいただける事業ということで、ぜひともものにしたいと思っております。
これらの取り組みのために『全国展開支援事業』、『Japanブランド支援事業』にしましても、商品開発、生産、流通、販路拡大、成功に導くには当然ながら各分野の密なる連携は当然考えられますし、食材にしましても、その生産と収穫、加工技術、流通商品化、デザイン、ブランド化、販売拡大フォロー、それぞれの分野をつなぎ合わせる連携によってさまざまな方向に転じる可能性があり、そのプロセスに、また事業化、創業化、新たなビジネスチャンスの可能性もあろうかと期待するものであります。
鳥取県もちょうどその取り組みに具体性を持たせるために、「探そう、見つけよう、事業化の種」と題して、明日でございますが、『産学官連携フェスティバル2007』が予定されております。東大阪の人工衛星「まいどおおきに1号」を上げようということで、プロジェクト発起人として有名な東大阪の青木社長をお迎えして、事業化のシーズを探していこうと。そして、研究と事業をカップルセールスしていこうというフェスティバルをあす行うことにしております。当然私も帰りましたらそれに参加させていただくつもりでおります。
活力ある鳥取県にしていくために、我々鳥取県は弱小で、人口も60万、事業所数も全国47位、有効求人倍率も0.7台をいったりきたりということで、数値的には全国の底辺に位置しておりますけれども、豊かな自然ときれいな空気、そして何よりも素直な人柄と人情、全国的にハイレベルな暮らしよさもいっぱい持ち合わせておりますが、いかんせん、産業の基盤となるインフラ整備、また高速道路交通網が立ちおくれているということでございます。日本の高速交通網の縦軸と横軸のちょうど空白になって、切れている地域が鳥取県鳥取市であります。
このような鳥取市でございますが、ようやく平成21年度供用開始の姫路鳥取線は鳥取県東部の地域を活性化するのに最も重要な幹線として待ち焦がれている状態です。鳥取市を中心に東部地区一円で『2009因幡の祭典』と題して一大イベントを1年間予定して、今鋭意実行委員会で取り組んでいるところでございます。
蛇足ながら、さらに山陰道と鳥取、豊岡、宮津、京都まで続く山陰海岸にこのような高規格道路が延びていくことを心から願うものであります。
高速道路が鳥取市につながるというこの時期に企業立地促進法の成立はまさに救いの手でございまして、この立地促進法で早速鳥取県の『地域産業活性化基本計画』が経済産業省に認定されました。10月17日、この間でございます。我々としても非常にわくわくするものであり、産業活性化の夢が大きく膨らんでいき、またそれらを実現していくという気持ちを強く持っているところでございます。
連合会のJapanブランドの育成事業の『仕切り』をテーマにした智頭杉と因州和紙、これは全国の153件の中の2件、国から認定されておりますけれども、頑張ってこれらに力添えをお願いしたいと思っております。
知事のマニュフェストに『食の都、鳥取県』ということで、首都圏でのアンテナショップを鋭意検討しております。インターネットはもちろん、首都圏での物産展、商談会に打って出る鳥取県産業の推進を知事を先頭にしてやっております。
先ほど申し上げましたホンモロコのつくだ煮というようなこともとっとり自慢認証の商標登録をして売っていこうということで、今、養殖業者とホンモロコ共和国というものを設立して、ホンモロコのつくだ煮、薫製、白焼きなど加工品を平成19年度から『全国展開支援事業』で開発していこうというふうにしております。
今後の期待、制度上の改善というようなことでございますが、先ほど申し上げましたJapanブランド、これは3年間の支援がございますけれども、『全国展開支援事業』、『地域資源活用事業』で開発した製品の市場調査ができるようなテストブースの設置ができないものだろうかというふうに思っております。例えば今有楽町に新しいデパートのちょうど地下1階でございますが、『むらからまちから館』というのを全国連で設置しておりますけれども、非常に狭苦しくて、人がすれ違えないぐらいの商品の山になっておりますけれども、こういうものをもっと広くできないものだろうかというふうにも思っております。ただ、『全国展開支援事業』は複数年度の実施が可能になるようにはならないだろうかというふうにいつも思っておりますけれども、計画から実績で、短期間で専門家のアドバイス、産学官の連携などに十分な時間がとれないというようなこともあり、また、成功するまでの継続の事業化、2、3年はしっかりかかるのではないかというふうに考えております。これをひとつ検討していただきたいと思っております。
先ほどのっけから言いましたけれども、地域間格差の是正にぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。鳥取県知事も各市町村の首長と昨日も行政懇談会でこの格差解消に伴う懇談会をやっております。毎日のようにそういう会議を進めておりますけれども、まだまだこれといった特効薬的なものは見つけ出せませんけれども、我々も商品の開発という点で力いっぱいその知恵を出していこうというふうに考えております。
雑駁な説明で、今現在の状況をあっちに飛び、こっちに飛びというようなことの説明に終わりましたけれども、気持ちはくんでいただけるようにお願いしたいということで、何分立地促進、人材育成、この両輪を鳥取県は今必死で手探り、足がかりをつかもうと頑張っているところでございます。
雑駁な説明で本当にお聞き苦しかったかもわかりませんけれども、第1回目のプレゼンはこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。

大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、次に連続で恐縮ですが、青森県の小林商工労働部長さんにお願いいたしたいと思います。

小林部長(三村委員代理)
青森県の小林でございます。
いろいろ国の方で企業立地促進法とかをつくっていただいて、とにかく頑張る地域を応援していこうということは大変ありがたいなと思っています。私どもも一生懸命頑張っているのですが、何かの形で頑張っているということを外にどんどん出して伝えていかなければだめだということで、いろんな本県の強みというものを、ここにもありますとおり、構想という形でまとめて、地域の中でできるものはどんどんやりますけれども、それにプラス外からのいろんなプロジェクトも青森県の方に引っ張ってきて、何とか地域を活性化していこうと、こういう発想に基づいていろんなことをやっております。
その中の農工ベストミックスということなのですが、実は当初この構想のネーミングを考えたときに、一番初めは農工融合という話から出発したのですが、融合という言葉を使いますと、本県は核燃料サイクルですとか、原子力発電とか、核融合の融合にどうしてもいってしまって、ちょっとイメージがどうかなということで、苦肉の策でこういうよくわからないベストミックスという言葉を使っております。実際、中身は融合なんですが、実はこの発想というのは、先ほど門脇委員の方からもありましたとおり、農業が後継者不足だとか、あるいはいろんな問題で悩んでいるというところに、例えば遊休農地があるとか、耕作放棄地が増加しているとか、担い手不足だとか、いろんな課題がある。そこを我々商工サイドから何か入り込んでいくことによって、商工サイドの方にも新たなビジネスチャンスが生まれるのではないかというのが発想の基本でございます。
それと同時に、やはり公共事業がどんどん減っていた中で、建設業がここ数年で相当数ぐらい廃業しているんですね。建設業の従業員というのは、仕事を受ければ会社がどーんと人を集めてきて事業をやるわけなんですが、その集まってくる方々というのは農業者なんですね。ですから、建設業の従業員は農業者がかなりあって、会社全体で見ると、農業に対するノウハウがある。社長は農業のノウハウはないのですが、従業員がノウハウを持っているので、そういうことも含めて、これは私どもの県土整備局もやっているのですが、建設業の農業参入ということで、後ほど事例で細かく御説明しますが、そういった取り組みもあわせてやっております。したがって、今、青森県全体で進めているのは、私ども商工関係と農林、それから県土整備、あと若干教育委員会も絡みながらこの農工ベストミックス構想というものをどんどん今やっているというところでございます。
今日手違いで構想を持ってくるのを忘れまして、画面で大変あれなのですが、大きく簡単に言いますと、3つのプロジェクトを動かしております。1つは生産、2つ目が加工、3番目が販売でございまして、生産についてはこれまでの農業生産ということではなくて、工業的な視点、要は新しい生産システムですとか、新エネルギーだとか、いろんなものを活用した新しい生産方式、これをどんどんやっていこうということ。
それから、2つ目の加工につきましても、単なる加工といいますか、本県はもともと試験研究機関が弘前大学の医学部と組んでいろんな機能性食品という切り口での食品加工、要は農林水産物の中に含まれる有用成分を抽出して、それを人間の生理機能にどう活性化させていくかということで、有用成分の抽出技術、そこは手前みそですが、たけているということから特に加工については機能性食品ということに着目していろんな取り組みを進めております。
それから、3つ目の販売なんですが、これも先ほどの門脇委員からあったように、これまで農協を活用した系統出荷からいきますと、生産者が自分の商品が末端で幾らで売れているか全然わからない。消費者のニーズが全然吸い上げてこられない。農協の系統出荷なので。そこに私どもの商業的手法というんですか、そういうものをどんどん入れていこうと。当然ウェブ市場の活用もそうなのですが、商社を活用していく。例えば私どもも名前を挙げますと、伊藤忠さん、双日、三菱商事、三井物産、住友商事、いろんな商社とおつき合いしながら、加工された商品を売っていく。それから、一番手っ取り早いのが外食産業の方々と手を結んでしまおうということで、ワタミだとかに生産したものを直に出して使っていただくとか、あるいは私どもの知事も一生懸命動いていますが、スーパーに直結ということで、ジャスコだとか、あるいは近々また行くのですが、トヨタ自動車の生協さんだとか、直接そこに入っていって売ってもらうというふうなやり方をしています。この辺、私どもの知事も非常に明るくて、どんどん前向きに動くのですが、いかんせん、宮崎県の東国原知事が出てきまして、もし出てこなければ、軽やかな動きをするのでは全国の知事の中では一番元気かなと思っているのですが、やはり前タレントさんには負けてしまいまして、それでも今は毎週のように本県の農林水産物、加工品を売り歩くために全国を飛び回っております。
そういった構想はその3つのプロジェクトで動かしていこうということなのですが、実際にどういう活動をするかというと、県内の企業の連携を強化していかなければだめだということで、ここにもありますあおもり農工ベストミックス構想推進協議会、農林、商工関係団体、約90名で組織していろんなテーマごとに分科会をつくってやっております。
それから、域内の取り組みもそうですが、やはりそういった取り組みを全国から誘導してくるために、国内で唯一園芸学部を有しております千葉大学とことしの7月に協力体制ということで協定を締結しております。千葉大学は密閉型の植物工場と言われるところでは恐らく日本で最先端だと思っていまして、特に本県の場合、冬になると雪が降ったりしてどうしても農業の生産活動が落ちてきますから、植物工場という、冬でもいろんな生産ができるような仕組みを本県に入れてこなければだめだと。そこは千葉大学さんが全国一だということで、先生方といろいろ協力しながら本県にいろんな技術、ノウハウを提供していただく。それと同時に本県は、大学のいろんな研究の実証のフィールドを提供していこうということで、お互いにウィン・ウィンの関係でやっていこうということで、7月に協定をしております。
それから、3つ目としては、先ほど申し上げました3つのプロジェクトを動かしていくためにはやはり県として何ができるのかということで、いろんなFSだとか、実証研究に対してのいろんな補助金の支援、事業も構築しております。これは県内のいろんな取り組みだけではなくて、外から青森をフィールドとしていろんな取り組みを行う際にも県としてお金を出してやろうということで、プロジェクトを支えていくための仕組みもこういうふうにつくっております。
何点か事例を御紹介申し上げます。
まず生産の関係なのですけれども、これは養鶏業がトリジェネシステムを入れて、電気と二酸化炭素と熱というものをエネルギーというんですか、そういうものを使って生産をしていこうということに今取り組んでおります。トリジェネは私もよくわからないのですが、恐らく国内ではまだ導入事例がほとんどないと思っております。オランダなどでは実用化段階に入っていると思うんですが、本県のような寒冷地において、冬でも農業ができるということからしますと、こういったシステムをどんどん取り入れていく必要があるのかなということで、冬期間を含めた通年の安定した農作物の栽培ということをこんな工業技術というものをどんどん導入して盛んにしていこうという取り組みをしております。
それから、2つ目が先ほど申しました千葉大学からの提案があるのですが、野菜テラスという、これは密閉型の小さな野菜工場、こういったものも導入して、トマトの苗ですとか、ベビーリーフだとかハーブ、単価の高い野菜で、しかも周年栽培を実証していこうということで、これは先ほど申しました建設業社8社がこのシステムを導入しながらいろんな可能性を探っております。いろいろ課題があるのですが、システムがシステムですからきちんと育つのですけれども、これをどうやって売っていこうかということで、域内の産直施設だとかに卸しながら、今頑張っているという取り組みでございます。
それから、次のものは農業高校がやっているのですが、発光ダイオードを使って、そういったハイテクの照明と、雪解けの水、太陽光発電、そういった自然のエネルギーを組み合わせた栽培の技術の研究を行っております。これは将来少子化になりますと今ある教室がどんどんあいていくので、そこを野菜工場にしてしまおうという発想なんですけれども、今は将来教室を想定した栽培を行うために、外にあるプレハブハウスを教室に見立てていろんな取り組みを行っています。特に夏場の暑い時期に栽培が難しいトマトですとか、ホウレンソウ、こういったものを、この図面にありますが、冬に雪を山のようにためておきます。これはなかなか解けません。こういった冷たい水を使いながら、夏の暑さに弱い作物、イチゴだとかホウレンソウ、こういったものを発光ダイオードの照明とかを使いながらやっていこうという、新しい取り組みをしております。
農業高校生にこういった新しい技術開発に直接触れてもらうということで、将来の単なる露地栽培の農業者ではなくて、こういったハイテク技術を十分熟知した若い農業のスペシャリスト、こういった方が生まれてくるのも1つのねらいとしております。
これは加工の方なんですが、新生産システムの事例ではないのですけれども、リンゴを大きくするために枝を切っていくのですが、その剪定枝というのが非常に大量に出てきまして、それを培地で活用して、鹿角霊芝、これはサルノコシカケみたいなキノコの一種ですが、こういった霊芝の中で最高級のものですが、これをリンゴの剪定枝を培地にしてやりましたら通常に育つのですけれども、さらにリンゴの中に含まれておりますポリフェノールを大量に吸収して、鹿角霊芝そのものが持っている効能プラスポリフェノールとか、ほかにもあるのですけれども、そういったものがどんどん吸収されて、非常に付加価値が高くなっているということで、今は粉末にしたりして製薬会社とかに供給したりしておりますが、将来はこういったものをカプセル、あるいはドリンクといったところまで商品化をしていこうということで今研究を進めております。これは弘前大学との共同研究の成果でございます。
それで、最後になりますが、私ども3年くらいこういうふうな取り組みを進めている中で、いろいろ書いています。先ほど言った本県が頑張っているということをどんどん国レベル、日本全国に発信していくというのもそうなんですけれども、一番課題になっているのが、一番下の中小企業者が農業参入するときにちょっとネックがある。結構いろんな生産設備、生産システムを整備する際にはやはり資金、手当てが必要なんですが、信用保証協会の保証を対象に、植物工場、これは定義がはっきりしていないんですね。これが対象にならないがゆえに保証ができないということで、何を言いたいかといいますと、一次と二次の際のところなんですね。植物工場というのは産業分類でどの分野に入るのだろうか。なかなか入らないんですね。中小企業者がこういった植物の生産工場みたいなものをつくるときには、経産省さんの手当てというのは余りなくて、農林水産省の方が手厚い補助があります。ですから、それを使おうとすると、農業生産法人を別立てにつくらなければならない。補助金を入れてくるためにですね。それから、農業者が逆に会社をつくって二次産業の方に入ってくるときというのも何か分類がはっきりしないので、例えば県の中でも農林水産の方に相談にいってしまって、我々になかなか情報が入ってこないとか、いい取り組みではあるのですが、そこのちょうど際のところ、一・五のあたり、ここがなかなかうまく連携が図られていないというところがちょっと悩みかなと、そんな感じがしております。
そういうことで、私どもは県内の取り組みもさることながら、先ほど申しました外からどんどんいろんなプロジェクトを引っ張ってきたいという思いもありますので、こういう構想を掲げながら、実は企業誘致活動もやっております。ねらっているのは例えばキユーピーさんだとか、ああいう植物工場、トマトの工場を持っているところとか、そういうところにもアタックはしております。したがって、工業団地、これは本来そういう目的ではなくて、製造業を引っ張ってくるということで工業専用地域にしているのですけれども、そこで都市計画法も若干変更して、たしか私の記憶では準工にするとそういうものができるということで、売れない工業団地を準工業団地に都市計画変更して、いろんな企業誘致活動もしております。
ただ、いろんな仕組みの中で、担当からこれだけはぜひ言ってきてくれと言われたのが、企業立地の促進税制の対象に食料品製造業というのは入っていないということで、植物工場をつくり、加工していくという過程の中で、そういった対象になっていないものですから、どうも立地のメリットがないというのですか、食料品製造業とかにもいろいろアタックはしているのですけれども、なかなかそういう優遇措置がないので、我々もそういうところは積極的になれないような状態になっています。何で対象になっていないのかよくわかりませんけれども、できればそういうふうなことも御検討いただければと思っております。
とにかくこういうことで、全国に比較すると青森県はほとんど最下位クラスが結構多いのですが、とにかく結構頑張っているということだけはどんどん全国に発信していって、いろんなアピールをしながら、何とか域内での活性化プラス外からいろんなプロジェクトを誘導したいと頑張っておりますので、国におかれましても経産省、農林省、国交省も含めてひとつ何かいい支援のアイデアを考えていただければと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。

大西分科会長
ありがとうございました。
3人の方からそれぞれ違う話題といいますか、農業生産法人、それから商工会連合会の種々の取り組み、それから今の青森県では農工ベストミックス型の新たな産業展開ということで、農業を舞台としながらも、さらにそれを消費者につなげるところまでいろんな格好で加工していくとか、あるいは情報通信を取り入れていくとか、いろんな試みをしている事例、かつ、問題提起も幾つかしていただきました。それを踏まえて、少し時間をとって質疑応答、あるいは意見交換をしたいと思います。
御意見、御質問がある方はこのネームプレートを立てていただきますと、その合図ということにしたいと思いますので、大勢いて、タイミングを図って手を挙げるのも大変だと思いますので、意見があるという方は意思表示をしていただきたいと思います。御意見の開陳が終わったらこれを横にして元に戻していただきますとありがたいと思います。
それでは、松原先生からどうぞ。

松原委員
大変興味深く3人の方から話を聞かせていただきました。
1つ気になった点は、この話、地域活性化にかかわる農工連携や特産品をいろいろ商品化していくような話というのは70年代後半あたりからずっと言われているような話というふうにも思っておりまして、どの辺あたりが新しい話なのかなというふうなことを気にしながら聞かせていただいておりました。恐らく農工連携という言葉自体はある面ではもう大分使われ過ぎている話であって、むしろ農工ではない部分、すき間を埋めるような部分というところに私自身は注目したいと思っております。
それで、門脇さんに私は質問をさせていただきたいのですが、特にサブタイトルのところに情報技術というのが入っておりまして、そういう面では単に農と工をつなげるだけではなくて、そこにいわば高度な技術、特に情報技術というのを入れてきているところに私自身は関心を持ったのですが、こういうものを担っている人材というのはどういう形で北見のところで生まれてきているのか、育ててきていらっしゃるのかというのをお尋ねしたいんです。

大西分科会長
では、門脇さん、お願いできますか。

門脇委員
一番大事なのは人だということは初めも終わりもそうなると思いますけれども、まだ育てるということではなくて、まだまだ創生期だと思います。そういうことの中でいろいろ理念なり、ビジョンなりを提示して、それにいろんな角度から持ってくる。そのためのいろんな取り組みなり、あるいは1つの仕組みを見せたり、あるいは一緒に先進地の事例を見たり、そんな形ですけれども、先ほど申しましたように、このきっかけが中小企業庁でやられたコーディネート活動支援事業というところに手を挙げた。その手を挙げたときには北見商工会議所の中に我々マルチメディア協会という任意の団体、任意の団体といいましても大学もメンバーに入っておりましたけれども、そこでマルチメディアについていろいろな研究というか、1つのフォーラムがあったんですね。そこの中でいろいろな課題というものを精査までいきませんけれども、検討していた経緯があります。その中でコーディネート活動支援事業ということで、農家の若い人たちは自分のつくったものをどうやって口に入るまで、あるいは当時まだインターネットはありませんでしたから、パソコン通信で産直したいとか、そんな話題が地域でも農協の青年部等で我々のマルチメディア協会に講師で来てくださいということの中で若い青年たちと出会いがあった。
もう一方、食品加工、水産加工もそうですけれども、安いものであれば、海外から輸入して、加工しても、地元のポテトでコロッケをつくる。だけども、市場に出してしまうと原価が高いもので、なかなか国際的な輸入のものに勝てない。そのためには自分たちで、ここでとれたものでつくったものだということに対する付加価値といいますか、何らか差別化、量は出せないかもしれないけれども、区別化をしながら、地域の観光ホテル、知床ですと阿寒ですとか網走に来る人たちにここでとれたものを口に入るまで何とかできないかという、そういう課題がありました。私がそのコーディネートをずっとやってきたわけですけれども、そのきっかけの中で思いが1つの形になってくるということの中で、農業法人も、若い農家の人たちも、これは一農協ではなくて、いろいろ単協がちらばっていましたので、その中で1つの農協という単位ではなかなか組織ができないということの中で、会社をつくろうじゃないか、あるいは任意の団体をつくろうじゃないかというような話がコーディネート活動事業が終わった後もずっとつながってきたわけです。
その中で、食という部分では責任があるものです。今回いろいろな形で現出していますけれども、当然我々の部分でもHACCPという考えを8年前からずっと考えていましたから、そういうことの中でITということをインターネットを含めてだんだんわかってきたという環境が出てきて、おぼろげながら言っていることとやっていることが少し近づいてきたかなというプロセスで、たまたま私もITの会社の経営もやっておりますので、コーディネート活動を支援したということで、だれか社長をやれと言ったのだけれども、結局最後までやってくれという形で、私、今たまたま農業生産法人の社長もやっておりますけれども、それぞれ若い農業生産法人が個別にまた農業生産をつくっています。それもイソップコリドールという形でまとめて1つの思いを形にしていこうということですので、まだ完全に育ち切っておりませんけれども、特に北見には工業大学もあります。そういう1つの連携ということの中で、北見工大も農工連携ということで文科省の事業を3年かけてやっております。そこにもいろいろなメンバーを投入しながら、少しステージを変える、そんなこともできないかという、継続をすることで、少し見えてきたのか、これから見えるのかなというところでございます。まだ完成形ではないということだけは申し述べておきたいと思います。

松原委員
ありがとうございます。
1つだけ、農業高校の卒業生と、工業高校の卒業生、それから北見工大の卒業生、どういう卒業生の方がこういう情報技術を担っていらっしゃるのでしょうか。

門脇委員
情報技術自身は北見工大の出身が多いですね。実際に工業高校というのは今我々のメンバーにはいないですかね。農業高校と北見工大の出身者、あとUターンを含めて、お父さんがやっていたので、こういうことをやっていくのはおもしろいなということで帰ってきたということも含めて、全然違ったところからUターンで入ってきているというところです。お父さんはなかなか伝授できないのだけれども、こういう仕組みがあると、思いを情報コンテンツに落として、プロセス管理することによって、お父さんは知恵を出すけれども、息子はその仕組みを盗み取るのにスピードアップを図るというようなところが1つの今の現況というところでございます。

松原委員
ありがとうございました。

大西分科会長
野坂委員、お願いします。

野坂委員
私も3人の委員の方のお話、大変興味深く伺いました。
私が感じたのは、今回農工連携とか農工ベストミックス、忘れていけないのは、日本の農業の課題だと思います。国際競争力をつけなければいけない。あるいは市場開放にどう対応していくのか。そういった視点から考えますと、従来から言われていますけれども、担い手農家の育成だとか、あるいは規模の拡大、そして生産性の向上ということだと思います。
そこで、門脇委員に伺いますけれども、生産性の向上について御提案されている農業とITの融合ということは非常に私からすると有望なのかなと思いますが、具体的にこれまで取り組まれていて、生産性の向上が上昇したというようなデータがあるのかどうかということ。
それと、松原先生の質問にも関係しますが、雇用を拡大しようというお話をされましたが、具体的に今何人ぐらい雇用されて、その雇用者というのは増えているのか、それについて教えていただけますか。

大西分科会長
あと4人ほど御質問があるようですので、質問を最初にまとめて伺って、それからまとめて御回答いただく。時間の関係でそうさせていただきます。
順番に、では、三浦委員。

三浦委員
市長という立場で門脇さんに現実的な話で恐縮なんですが、実際私ども農村地帯ですから、農業の工業化というのは待ったなしの課題であるわけなんですよ。既に農工連携基地をつくろうという話が始まっておりましてね。やろうとすると、どうしてもエネルギーという問題に到達するんですね。熱源をどうするか。山の中で日照時間の長いところですから、太陽光発電ということはありますけれども、まだまだ熱効率からいってとても太陽光発電なんて実際にできる問題ではありませんし、そこで今私どもで計画しているのですが、ごみ処理が今自治体でどこでも本当に困っているんですね。しかも生活は向上一方ですから、なかなか減らない。
そのごみを使って、今溶融炉という処理の仕方があるわけですよ。1800度ぐらい出るんですよ。この熱源を使って農工連携基地を今つくろうとしているんですがね。きょう環境省の方は見えていないのですが、これからごみは資源としては無料ですよね。それで1800度の熱が出るものですから、それを使って熱供給しようという計画が始まっている。ただ、まだごみ焼却炉というと迷惑施設でありますから、地元で嫌われるのですが、今の溶融炉を見たら全く迷惑施設ではないわけです。しかも今は埋め立てとか焼却とか市町村は苦労して分けていますが、溶融炉をつくれば埋め立てのごみはほとんどなくなりますし、焼却灰は再資源として利用できますからね。そういうごみを使ってエネルギーという問題を解決できますと、農工連携基地というのはできてくるのではないかと思って、今実際私どもの市で計画が始まっているものですから、日本じゅうごみは無料の資源ですから。環境省の方にでも提案して、溶融炉は全国に大分できています。見れば本当に迷惑施設ではないのですから。一挙両得ですからね。ひとつそんなことを考えると効率的かななんて思って、現実的な話で恐縮ですが。

大西分科会長
ありがとうございました。
では、持永委員。

持永委員
私は3人のお話を大変興味深く拝聴させていただきました。
特に今回の経済産業省の問題意識、地域再生においての農業の役割というのがこれから大きいのではないかということで、私もまさにそのとおりだと。地域によってもいろいろなところがあると思いますが、特に割と今の過疎と言われているところにおける農業の役割というのは非常に大きいのではないかと思っているところでございます。
そういう中で小林部長にお伺いしたいのは、特に農業のこれからを考えたときに、市場としては日本だけではなくて、海外をも視野に入れて輸出をしていくべきと考えられるわけですが、その際商社の活用ということが非常に重要ではないかと思っておりまして、そういう意味で、青森県では商社と連携をとられるということは今後の方向性として非常に重要なことではないかと思っているわけですが、その際、非常にネックになるのは、多分系統、農協との関係というところ、そこについて商社を活用するとどうしても農協を排除するというようなことが出るかと思いますが、その辺についてのフリクションなり、あるいは農協との連携関係、その辺についての現状をお伺いしたいということが1点と、もう1点、門脇委員にお伺いしたいのは、今お話がいろいろございましたけれども、農業の担い手というのは非常に重要だという中で、農業者の育成、農業高校の出身者が何人かいらっしゃるという話がありましたが、教育における農業教育というか、そういうものの課題について何かありましたらお話をお伺いしたいと思います。
以上です。

大西分科会長
米田委員、お願いします。

米田委員
大変勉強させていただきましてありがとうございます。
青森県の小林部長にお伺いしたいのですが、最後に事業を進めていく上での要望というのが出たのですが、今、一次産業、二次産業、三次産業、運用をまたがった形でいろんなことをやろうとすると、どうしてもいろんな業種割の規制というのが問題になるのではないかと思います。その中の一端が例えば商工系の金融と農工系の公的金融のはざまに落ちるという話が出ていたと思うんですが、それだけではなくて、やはり今、農業は農業単独で霞が関の方でいろいろルールがあるわけなんですが、実際地方にいきますと、建設業の方が建設業だけでこれからずっと公共事業をやっていけるかというと、そうじゃなくて、建設会社の方が農業もやり、林業もやり、建設業もやりながら、何とか地域を支えていくということで、地域産業が自立していくということもすごく大事ではないかと思っていますが、多分その中のいろんなモデルケースも出ているのだろうと思います。そういった業種ごとの弊害というのがまたほかにもいろいろ感じられておられるかどうかというのをお伺いしたいと思います。
ちょっと提案なのですが、きょうのテーマは農工連携となっておりますが、私、建設業の農業参入を支援していまして、実は農工をいろいろやっているのですが、一番困っていますのが販路拡大でございまして、できれば農工商連携という、商も入れた形の名前に変えていただけますと、現場の人間としてはありがたいなと思っております。
以上です。

大西分科会長
鈴木直道委員、お願いします。

鈴木(直)委員
きょうは第一次産業といいますか、農業が地域の基盤になっている地域の方々のお話でございますけれども、基本的には第一次産業そのものを高付加価値化する、産業化するというのがポイントだと思いますけれども、その際にも例えば門脇さんのお話を聞きながら非常に実感しましたのは、リージョナルリーダーといいますか、地域の中で、地域の先行き、あるいは地域の競争力、あるいは地域そのものが持っている力というものを認識しながら引っ張っていくリーダーがたまたまおられる。恐らく中西さんもそういう方だと思うんですね。都道府県知事さんとか市長さんがおられるけれど、これはいずれかわられる方なので、民間の中で地域をまとめて引っ張っていく方の重要性はますます高まるだろうと思うんですけれども、門脇さんにお聞きしたいのは、そういう地域リーダーの方々の横のネットワークみたいなのがおありなのかどうか。恐らく苦労話がお互いにあるだろうと思いますので、その辺が非常に重要だと思います。
同時に、門脇さんのお話を聞きながら、北見大学等々の産学連携をやっておられるのですけれども、国、あるいは公共団体のいわゆる公設試験機関ですね、農業試験場とか、工業試験所だとか、つまり縦割りにいろんな試験所ができているわけですが、恐らく農工連携等々が進むと、試験所そのものが持っている知識、経験というのを農工という横割りで協力関係をつくって、大いにバックアップしてもらう仕組みが必要ではないかと思うんですけれども、その辺、いかがなのかなというのが第1点の問題です。
第2点は、中西さん、地域問題で私どもいろいろお聞きするのですが、もちろん鳥取、島根というのは大変なのですけれども、例えば鳥取と島根の県境の付近、松江からずっと広がる地域というのはある意味で工業集積が既にあるわけですね。おたくの鳥取から出雲までの間を考えますと。人口も80万ぐらいになるわけです。申し上げたいのは広域連携といいますか、もう県境なんていうのは産業振興に関係ないので、民間の方々、商工会とか商工会議所の方々が県を超えて協力関係を結んで、地域全体の発展に持っていくというようなお考えを持っていかれるといいのではないかとかねがね思っているのでございますが、その辺、いかがでしょうか。
それから、青森県の話で、きょうの青森県のお話、確かに私も青森やっているなという印象は物すごく受けましたし、千葉大学の技術まで引っ張っていって頑張っておられるのですが、心配しているのは、先ほどから出ている青森県の中でそういう将来産業を支える人材をどのように育てておられるのか。あるいは進める企業体といいますか、地元の産業、企業を活用なさろうとしているわけですが、アイデアとか弘前大学等々のアイデアは非常にいいんですけれども、これを支える企業体をどう引っ張っていかれるのか、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。

大西分科会長
時間の関係もありますので、恐縮ですけれど、お答えの方は手短にお願いできたらと思います。
質問をまとめますと、門脇さんに、生産性の向上に何かデータがあるのかと。
同じく門脇さんに対して、雇用数はどのくらいですかという御質問です。
それから、これも門脇さんですが、ごみ処理の溶融炉の廃エネルギーを農工連携に活用するというアイデアについてコメントがあればと。
それから、小林部長さんには、商社機能が必要になる、利用するというお話がありましたけれど、農協と商社の関係をどういうふうにさばいておられるのかということであります。
それから、門脇さんに対して、教育の課題ということですかね。新しく参入する人に対する教育の課題ということです。
それから、小林部長さんに対して、建設業の可能性ということですかね。建設業を中心とした多業化というのをどういうふうに考えて。

米田委員
縦割り、業種割りのいろんな規制とか弊害に対して、ここに書いてある要望以外にもいろいろお困りのことがありますかということです。

大西分科会長
ということです。
あと、事務局に対して農工商連携ということでいった方がいいのではないかと。
それから、最後、鈴木さんからの御質問では、これは門脇さんに対してですね。縦割りの現在の業態に対して横の連携というのをどういうふうに考えていくのかと。
それから、中西さんに対して鳥取と島根、2県をまたがる広域的な事業というのが必要ではないかと。これについてどういうふうにお考えなのか。
それから、青森県の小林部長さんに対して人材の育成の問題、これはさっきとも少し重複しますが、その課題についてお答えいただきたい。
済みませんが、手短にお願いできたらと思います。
では、門脇さん。

門脇委員
生産現場の生産性ということですけれども、常に同じ規模でやっているものはないので、定量的にこれだけありますという部分は、大体7、8%ぐらい農業資材が下がっているということははっきりしていますけれども、それだけが効果ではなくて、あくまでデータのギャザリングをしながら、またこの畑を使ってくれという話が出てくる。それにどうアプライするかという、そちらの方に情報を蓄積しているということですので、今までの既存の我々イソップのグループの仲間の、例えば小麦なり、ビートなり、1ヘクタールに当たる農業資源というものでは5%ぐらい、10%までいっていませんけれど、7、8%ぐらいダウンしているということだけはデータ的にとれていますけれども、それが結果ではなくて、まだまだ上がったり下がったりする。圃場によって違いますから。それは定量的にはここでは申し上げられませんけれども、効果が出ているということだけは言えます。それと、同じ人が同じことをやっているのではなくて、ビートをつくる人はビートをつくる人で、ことしは違う畑でビートをつくる。小麦のグループは小麦をつくる。大豆は大豆をつくる。そういう輪作体系でやってきて、自分の畑で毎年輪作体系をするのではなくて、大豆のプロ、小麦のプロ、ジャガイモのプロという形で、横断的にそういう情報を使おうという話になっていますので、効果はこれからだと思います。
それから、雇用の問題ですけれども、イソップのグループ、生産者が今7人、中小企業を含めた構成メンバーが7社、そんな形で構成していますけれども、純粋な農業生産の社員という部分では2名しかいません。あとは農業生産の現場の人たちがお互いの畑をやりながらイソップの直営圃場もやるということでやっていますので、雇用という部分では平成14年にできて、直営の圃場が12ヘクタールしかありませんので、3年後に先ほど言いましたように200ヘクタールから5年後には1000ヘクタールぐらいのグループの圃場をやっていくという部分ではプロパーを今のところは5名ないし8名を雇用しなくてはいけないなという事業計画を立てておりますけれども、まだまだ成果という部分では微々たるものでございます。
それから、エネルギーの話でございますけれども、我々もイソップコリドールの中でゼロエミッションというのが1つ大きな科学技術を導入しようということでアエンカスイを使ったり何なりして有用物をとるということと、畑に返していく。飼料化していく。畜産関係のメンバーも入っていますので。今、長野の市長がおっしゃいましたように、循環型の地域をつくる部分でごみの問題、特に網走管内は、知床、網走、阿寒が中心の都市でございますので、ホテルから出る残渣が相当多いんですね。これは肥料化の話ですけれど、畑に入れるということはいろいろな加工品が入ってしまって、畑はごみ捨て場ではないということで、どういう資源を使って農作物をつくって、農作物の残渣を肥料にするかという部分では非常に大きな循環をしないと資源にはできないという課題もあります。そういうバイオマスをどういうぐあいに地域の資源に使うかという部分では、集め方が物すごく難しいと思うんですね。大きな施設をどんとつくってエネルギーにするということはいいのですけれど、小さいものを集めてくるというところのコストなり、そのものはただかもしれませんけれども、エネルギーにする際に集約していくという、その辺のところが非常に課題なので、これは行政も含めながら、NPOというプロフィットは出なくても、1つの地域の課題というものをそのままの形でギャザリングする仕組みができればいいのかなと。特に我々はキトサン、キチン、この辺も農産物に対する効能がございますので、試験研究機関ともやっていますけれど、地域のものは全部使い切る。それも持続可能な形で使うということに科学技術というものを入れて、みんなが応援できるような環境をつくれればと思っていますが、いずれにしてもバイオマスエネルギーについては集めるまでのプロセスが一番課題だと思っております。
先ほどの溶融炉、この仕組みはわからないので、ぜひ市長に教えてもらいたいと思いますが、いずれにしてもエネルギーに対しては我々も大きな課題だと考えております。ちょっとコメントできるような立場にございませんけれども、こんなことで勘弁していただきたいと思います。
次に、教育の問題でございますけれども、ただ、生産現場の技術を教えるということは当たり前ですけれども、トータルフードシステムということの中で、農業が与えられている位置づけですとか、全体的な1つの自分のポジションというようなところをわかることによって非常によく出てくるというのは今までの我々の取り組みの中でも見えますので、例えばジャガイモにしても、ニンニクにしても、自分たちでとれたものを知床のグランドホテルで食べているとか、我々がつくった生パスタを阿寒のグランドホテルで食べているとか、そこでそれぞれのメンバーが、ちゃんと言葉を出して、ここでとれたものをここで粉にして、13%の高質小麦をつくるのは大変難しいんだけれども、高質小麦をつくってパンをつくっている、生パスタをつくっている、そこのソースはここのだれだれのところのニンニクをソースにしていますよと。そこを言うことによって若い人たちもやる気が出てくる。大消費地に出すのではなくて、地域で顔の見える環境を使うことによって、だんだん自信がわいて、では、全国展開、全世界展開という可能性はこういう情報通信を使えば可能かなという、そんな形で、全体的な取り組みの位置づけをちゃんとしっかり教育するということが必要かなと。日本の課題も含めて、地域の課題も含めてですね。それを担うという、そういう意欲を植えつけるのが必要かなと思っています。
それから、いろいろな産学連携の中でも来年をめどに北海道も農業試験場、工業試験所、畜産試験所、すべてが独立行政法人にするということで、一本化するために今動いておりますけれども、これは財政の問題ではなくて、いろいろなことが重複していますので、そういう意味ではちゃんとしたヒエラルキー組織というのも大事かと思います。私自身もいろいろなところで同じことをやっているのですけれども、それは最終的に問題意識を持っている人が聞きに行かない限りは絶対に足元にはそういう情報は流れてこないという意味では、組織をたくさんつくっても、やる気のある人が情報をとりにいって、それを現場に翻訳するぐらいの力がないとなかなか生のデータは使い切れないかなと思いますので、そういうネットワークの部分をやるためには私も道内ばかりではなくて、全国にいろいろ地域で頑張っている人たちのネットワークをつくりながら、お互いのブラッシュアップというよりも、翻訳するためにどうしたらいいかというようなところはネットワークをつくりながらやっているという1つの過程の話でございますが、結論は出ていませんけれども、そんなところで今進めています。
答えになっていないかもしれませんが。

大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、中西さんに、鳥取、島根の県境を越えた連携という質問です。

中西委員
県境を越えた連携ということの一番のキーワードは観光だと思うんですよね。宍道湖を中心にして境港、米子、松江、あそこの観光ルートを設定すれば必然的にもう県境はなくなってきてしまうわけです。御存じかもわかりませんけれど、この間、アシアナ航空が韓国から日本に来る観光客はどんどんふえているのに、鳥取の米子におり立つ搭乗率が下がっているから、米子-ソウル便はやめようかということを、それは待ってくださいということで、平井知事、迅速に対応していただきまして、今、試験的に搭乗率を上げていけば考えようかという段階的にきている。それは鳥取県と島根県に魅力があるのか、山陽側に魅力があるのかわかりませんけれども、宍道湖を中心に米子、境港、松江、そして出雲、玉造という温泉と観光地というものをつなげば、県境ということは考えられない。遠くでない将来に道州制ということも考えていかなければいけないということもあって、観光をキーワードに1つしている。
この間は、東側に、我々鳥取砂丘と山陰海岸国立公園を結ぶというのは、京都の丹後半島から山陰海岸が始まっているわけです。あれは世界でも5つの指に入るぐらい地質学的に珍しい地域だそうでございまして、ジオパーク構想でいこうじゃないかということで、鳥取、兵庫、京都という集まりを各県の知事さんを交えてした。当然のことで、山陰海岸国立公園というのは、鳥取砂丘の東側の砂の丘だけが国立公園ではなくて、山陰海岸だということになれば、鳥取、兵庫、京都という連携は当然のことであり、そこにはやはり観光ルートというものが1つの大きなキーワードとなって、天橋立を見て、砂丘を見て、三朝に泊まる。そして、出雲大社に行く。宍道湖の夕日を見て、皆生に泊まるというパターン。いろんな方策をつくっていかなければいけないのではないか。それに鳥取県だけを周遊していただくということに韓国の方から魅力がないのではないかということで、鳥取、島根、岡山、広島も交えて中国地方を周遊できるような方策の観光ルートが必要なのではないかということをこの間も話し合っておりました。
当然のことながら、そこには地図上の線があっても、観光に来る人は、県境なんて関係ないのでありまして、信号のない道路があればどんどん行ってしまうということで、今、四国の方が鳥取県を回るのに1日で回れる。四国からずっと上がってきて、山陰道を回ってぐるっと中国縦貫道から帰ってくる。しまなみ海道と瀬戸大橋を通れば四国から十分に回って帰ってこられるというルートもあるのでございますから、一応県境を越えての連携というのは観光を抜きには考えられないのではないかというふうに考えております。

大西分科会長
ありがとうございました。
それから、小林部長さん、幾つかありますが、手短にお願いできたらと思います。

小林部長(三村委員代理)
まず商社と農協の関係なのですが、既に農協、経済連とか国内はルートができています。商社を使うのは海外向け、例えばリンゴで申しますと、我々シンガポールから北上して、今は大連、北京とかで売っているのですが、そのときにはやっぱり商社の力というんですか、現地の情報をとるのが一番効果的かなと思っています。これまで農家でリンゴ園を持っている方でも農協を通さないで商社とつながっていったり、あるいは私どもがやっている海外貿易という視点から私どもの方にすり寄ってくるケースが結構あって、そういうのはこちらも拒まないでどんどんそういうルートをあれしてくださいということで、商社といろいろそういった情報をとりながらやっています。ロットが大きくなりますと、商社機能を使って海外にどかん、どかんと売っていくということで、これは差別化はされているのかなと思っています。
それから、業種ごとの弊害につきましては、いろんなことはやっていますが、出てくれば、それは今の構造改革特区制度とかいろんなことを使いながら課題を解決していくというところでありますが、先ほど事例で申し上げましたのは、私は中小企業者と言いましたけれども、実は電気メーカーでございまして、カラーフィルターをつくっているメーカーが農業にいきたいと。しかも売れない工業団地に進出してくれるみたいな話になりましてね。だけども資金手当てがどうのこうのとなったときに、やはり植物工場的なものがいろんな制度の融資も含めての対象になっていないということで、資金繰りに大変困ったという例を申し上げたわけでございます。それ以外に特にこれをどうしてくれというのは聞いてないです。
それから、企業体の引っ張り方とか、人材育成も含めてなのですが、私もいろんな構想をつくるときは、勝手につくっているわけではなくて、結構あちこちからいろんな話がきて、では、県としてまとめてやろうかと。まとめて必ず推進母体をつくります。何とか協議会とかとやりますと、結構それはマスコミを活用して紹介宣伝すると、わんさか集まってくるんですね。その中でいろんなアンケート調査とかをやると、確かに農業と工業の融合という大きな切り口はそうなんですが、中を見てみますと、それぞれ目指しているところが違うので、そこをもう少し小口の研究会レベルでまとめてやる。そうすると志を同じくする連中が情報交換することによって、いろんな新しい発想が出てきたり、その単位ごとに例えば千葉大学の先生でも千差万別ありますから、送り込んで人材育成も兼ねてやっているというやり方をしております。
例えば農工ベストミックスを進める中で、今はやりのバイオ燃料という話も出てきまして、これも私どもが音頭をとってやりましたから、実に170社ぐらいの組織体ができましてね。これも稲をどうするかというところと、建設廃材をどうするかとか、加工のリンゴの搾りかすをどうするかとか、みんな目的が違うんですね。バイオエタノール1つとってもですね。そういうふうにくくり方を変えてやると、また同じ連中が集まって勉強会とかというふうなことになっていくので、これは県がコーディネート役に徹していればうまく進んでいくのかなと思っております。
それから、これは私どもに聞かれた話ではないのですが、さっき工業系と農業系の試験研究機関の話も出ました。実は課題が同じでございまして、もともと製造業のための食品加工ということで私ども工業試験場というものがあったのですが、どうしても農業者が農協単位で一次から一・五に向かおうというところで、農業系にも加工のセクションができています。これが同じ食品加工から見ると二重投資みたいになっております。私ども独法化を目指しているんですけれども、実にそこをえいやっということで今やろうとしているのが、これは恐らく全国で初めてだと思うんですけれども、農業系と工業系を全部合体します。そこで食品加工というものが一元化されるということで、まさに農工ベストミックス、いろんなことを進めていく上ではこれからは試験研究機関が一本化されますので、非常に効率的にいろんな技術指導とかもやっていけるのかなというふうに考えております。
以上だと思っております。

大西分科会長
ありがとうございました。
まだ議論が続きそうですが、時間の関係もあるので、第1番目の議題はこのくらいにさせていただきます。いずれにしても古くて新しい話題、農工連携ですが、特にそれが重要性を増してきて、かつ、特に農業は行政の役割というのが伝統的に大きな分野なので、その縦割りの問題がいろんな意味で新たな展開に対して変革していかなければいけないという時期を迎えているような気がいたします。また、この点は深めていきたいと思います。

経済活性化の観点からの地方法人二税について

大西分科会長
次は、経済活性化の観点からの地方法人二税について、事務局から資料6に基づいて説明をお願いします。
企業行動課長、柳瀬さん。

柳瀬企業行動課長
企業行動課長の柳瀬でございます。
お時間の関係もありますので、手短に資料6-1を使って御説明したいと思います。これから地域活性化策を御議論いただくに当たって、現在話題になっております地方法人二税、これは法人住民税、法人事業税を称したものでございますけれども、これの取り扱いというのが大変大事な論点になるだろうということで、経済活性化の観点からの地方法人二税についての視点を整理した紙でございます。
1枚目の真ん中辺を見ていただきまして、最初の視点でございます。地方法人二税が税収の遍在性及び不安定性をもたらしているということでございます。
その下の棒が立っているところを2つ見ていただきたいのですけれども、地方税の中でこの法人事業税、法人住民税の法人二税が住民1人当たりどれくらい都道府県に入っているかという比較でございますけれども、一番1人当たりの収入の多い東京都と一番少ない長崎県を比べますと、法人二税は6.5倍の開きがあるわけでございます。その次の行の一番後ろを見ていただきますと、地方税収全体で1人当たりの格差は3.2倍でございます。その隣、地方消費税の遍在を見ていただきますと2.0倍でございまして、そういう意味では法人二税が地方税収全体の2割を占めてございますけれども、これが高い遍在をしていることが都道府県、あるいは市町村の格差をもたらしているということが1点目でございます。
その次の棒のところで、法人二税、もう1つの問題がありまして、大変景気の変動によってものすごくふえたり、減ったりする差が激しいということでございまして、安定的なサービスを提供される自治体の財源としては極めて上がったり下がったりが激しいということで、(1)の矢印のところでございますけれども、これは単に格差の問題にとどまらず、今後地域経済の活性化を図っていく上での悪影響というのは避けられないのではないかというのが1点目でございます。
2つ目に、法人実効税率、法人税は国税、地方税がございますが、これは国際的に見て極めて高い水準にございます。1ページ目の一番下を見ていただきますと、表面的な税率で見ると、日本は国税、地方税を合わせて40%を超えてございます。アメリカでもほぼ40%ぐらいですが、ヨーロッパはほぼ30%ぐらいになって、さらに引き下げ競争をしてございます。アメリカもいろいろな政策減税で法人負担を下げる方向に動いてございます。
そこで、1ページ目の下の矢印のところを見ていただきたいと思いますけれども、単にこれは企業の負担の重さというよりは、企業はどんどんグローバルに活動拠点を選択し始めてございます。そういう意味では余りに過重な負担を法人税率でかけると、地域への立地拠点が世界に動いていくという意味で、地域活性化に悪影響を及ぼすおそれがあります。さらに一部自治体では地方で法人に対する標準税率を超えて超過税率をかけているわけでございます。これは個人住民税と比較しますと、個人住民税で超過税率をかけている自治体はほとんどないわけですけれども、法人二税については、例えば市町村であれば半分強の団体の方が超過税率をかけているということで、ますます企業負担が拡大して、海外に出て行く要因になっているということでございます。
1枚めくっていただきまして、裏側の2ページでございます。3点目の視点といたしまして、企業活動はどんどん広域化して、グローバル化をして、持ち株会社とか組織形態が多様になってございます。そういう意味では法人所得課税は地方税よりも国税の方が国際的に整合的であるし、納税者としての企業にとって使いやすいというポイントでございます。
具体的に申し上げていますのは、下に3つ棒が立っておりますけれども、まず世界的に見ると、地方税収の中で日本ほど法人所得課税のウエートが高い国はほとんどないということで、極めて日本に特異な状態でございます。日本の地方税収の中で法人所得課税の比率は2割を超えてございますが、ドイツ、アメリカのような連邦制の国でも11%とか3.8%、イギリス、フランスはないということでございます。そういう意味では国際的に見ても地方税と法人所得課税はかみ合わせが余りよくないということではないかと思います。
具体的に見ますと、2つ目の棒ですけれども、国外所得についても地方法人二税は一応課税の対象になってございます。例えば法人住民税ですと、二重課税の調整のメカニズムは持っておりますけれども、まずは海外所得も含めた全世界所得が課税標準になってございますし、法人事業税、これは都道府県税でございますけれども、海外の子会社からの配当まで課税対象になっているということで、地域における受益と負担の関係という意味ではそこにずれが出ている可能性があるということでございます。
3つ目に、連結納税制度を国は導入いたしましたけれども、地方にはないわけでございます。ということで損益通算ができない。具体的に申しますと、子会社がある地域で、子会社が赤字ですと、利益はありませんので、所得に対する課税が行われない。税金がかからないわけですけれども、これが事業所であるとすると、事業所自体は赤字であったとしても、本社やほかの地域の営業所で利益が出ていると、全体を通算して従業員で配分いたしますので、赤字の事業所であっても自治体に税金を納めるということで、子会社形態をとるのと、事業所でやるのとで、その地方に税金を納めたり、納めなかったりするというのも必ずしも整合的じゃないかなということでございます。
今後地方法人二税はいろんなところで議論されると思いますが、こういった経済活性化の観点も踏まえていただきたいということでございます。
地方、一方で地方法人二税は、現状において地方税収の2割を担う大事な財源でございますので、ただこれを減らせというのは無責任なことでございますので、地方にとって適切な歳入をどうやって確保していくか。これは具体的に消費税がいいのかどうか、いろんな議論がありますが、それはきちっと是正、抜本改革の中で議論していただきたいということでございます。
以上でございます。

大西分科会長
今の議論を徹底してやると随分時間がかかりそうなのですが、今、経済産業省の現在の見解ということで説明があったと思います。これに対して何か直接的な御質問があれば。

松原委員
どうもありがとうございました。
ちょっと調べていただきたいのですが、遍在記は確かに6.5倍というのは出されているのですが、分布状況ですね。県別ぐらいでも構いませんし、やはり頑張る地方といいますか、地域に対して水を差すような側面もあると思いますし、企業立地促進法の企業立地の観点からも矛盾するといいますか、そうした部分もあるのかなと私個人は思っておりますので、そういう面では法人住民税自身が地域経済に与えている影響というのは正確に分析していただきたいと思います。その上で議論されたらどうかなと思います。

大西分科会長
三浦委員。

三浦委員
ちょっと伺いますが、これは外へ出して意見を聞いているのですか。そこだけちょっと。というのは、実はインターネットで5県の知事さんから反対声明が出ているんですよ。だからどうなっているのかなと思って。そこだけちょっと。これから議論するのか、もう公にしていろいろ聞いているのか。

柳瀬企業行動課長
これは今日ここでお示ししているわけですけれども、ただ、5県の知事さんから出たのは、産構審でも別の、去年までやっていました新経済成長戦略部会の方で出したものに対して5県の知事さんの御意見が出ていたと思いますけれども、当時ちゃんと責任を持って地方税収は確保すべきだと最後のところがなく、地方法人二税は下げるべきだという議論に対して御意見をいただいたと思っています。
それから、松原先生のはちょっと調べた上でまたお返事をさせていただきたいと思います。

大西分科会長
この扱いはきょう御報告していただいたということでいいんですね。ここで議論して何かを決めるということでは。
ということで、情報提供という、今の段階ではそういうことでございます。

地域活性化総合プランの実施状況等について

大西分科会長
それでは、もう1つ報告していただく事項がありますので、そちらに移ります。
これも事務局からお願いいたします。地域活性化総合プランの実施状況。

山本立地環境整備課長
お手元の資料7をごらんください。企業立地促進法の実施状況ということでございます。
1枚めくっていただきますと、企業立地促進法の概要でございますが、ポイントだけ言いますと、地域の強みを生かした企業立地を進めていく。そのための基本となるのは左側にあります各地方自治体でつくっていただきます基本計画、これは国が同意をするという仕組みをとっております。これに基づいて右側の、先ほどの課税のところ、予算措置などの支援措置が受けられるということになりますので、この基本計画が物事のスタートということになってまいります。
次の2ページ目でございます。この基本計画の策定状況ということで示しております。白いところが第1号同意、ピンクのところが第2号同意ということで、それぞれ7月、10月に計画の同意をしたところでございます。これによりますと、真ん中の表のところを見ていただきますと、立地件数、合わせますと、2500件の立地件数を今後5年間で見込む。それに対します雇用の増加が9万人ということで、企業立地によります地域経済の大きな効果が期待されるということになっております。
計画の内容は、3ページ、4ページにございますが、これは省略いたします。それぞれ地域の特徴を生かしていただきまして、1つの県全体を対象とした計画であったり、あるいは県の中で複数の計画を持ったりという、さまざまなそれぞれの創意工夫を生かした計画をおつくりいただいているという状況になってございます。私どもとしてはこういう地域の計画に対して、税制、予算措置などで支援していく。こういう予定になっているところでございます。
さらに、現在28計画になってございますが、来年3月までには41道府県71計画まで増えていくだろうと。さらに来年度、20年度になりますと、それが90件ぐらいまで増えていくだろうという見通しを持っているところでございますので、全国各地でこのような動きが進展していくものと期待しているところでございます。
簡単でございますが、以上でございます。

岸本経営支援課長
中小企業庁の経営支援課長でございます。
続きまして、資料8「「中小企業地域資源活用プログラム」の実施状況」について、資料に即して御説明を短時間でさせていただきます。
表紙の裏をおめくりいただきまして、今の地域資源活用促進法でございますけれども、今年の6月29日に法律が施行になっておりまして、8月31日に47の都道府県それぞれ、農林水産、産業技術、観光、この3つの分野で地域資源を御指定になっておりまして、トータルが8354でございます。そのうちの主なものは3ページから4ページにかけて記載しておりますが、時間の関係で説明は割愛いたします。
続きまして、今月の12日でございますけれども、これらの地域資源を活用した具体的な中小企業、あるいは農協ほかの事業計画の第1回目の認定をしております。これは先ほど中西委員の方からもお話がございましたように、全国トータルでは153件、うち、鳥取は2件ということでございましたけれども、農林水産、鉱工業品、観光資源、それぞれについて認定がなされております。その代表的な例につきましては5ページに記載してございます。
この地域資源法の今後の予定でございますけれども、当面経済産業省としましては5年間で1000件の認定をいたしたいということで、第1号認定は153、15%になったわけでございますけれども、年度内にもう1度、各経済産業局ごとに認定をいたしまして、初年度については200件を超える認定を目指しております。またこの認定の前、あるいは認定の後の支援こそが重要であろうと思っておりまして、6ページをごらんいただきたいと思います。
今回の地域資源法に基づく補助金というものが認定事業者に対して交付されるものとしてあるわけですけれども、ビジネスプランを策定する前の構想段階の支援措置でありますとか、実際の認定申請をする段階のアドバイスといった施策を中小企業基盤機構、あるいは全国の商工会議所、商工会に対する助成事業という形でこのように御用意をいたしております。
この中で、先ほど中西委員の方から全国展開事業の複数年度化について御意見がございましたけれども、確かに全国展開事業はこのページに載っておりませんけれども、Japanブランドと並んで地域資源の活用、あるいは農商工連携について重要な施策であると思っておりまして、複数年度化の可能性についても現在検討いたしております。
7ページ以降は、金融、あるいは税制についての認定事業者向けの特例を記載しておりますけれども、時間の都合で割愛いたします。
最後に、地域資源法の位置づけ、14ページでございます。これは本年6月のいわゆる骨太方針、経済財政改革の基本方針、それから先週国会で行われました甘利経済産業大臣の挨拶の該当部分を抜粋しておりますけれども、現下の経済社会情勢の中で、地域資源の活用プログラム、あるいは地域資源活用促進法の活用というものを重点事項として位置づけてございます。
私からは以上でございます。

大西分科会長
企業立地促進法、地域資源活用プログラムの実施状況について説明していただきました。この分科会にも関係がある2つの施策の実施状況ということですが、何か御質問がありましたら。
ちょっと短い時間でありましたので、ごらんになって質問があれば事務局の方に問い合わせていただきたいと思います。

次回日程等について

大西分科会長
それから、最後の方ちょっと慌しくなりましたが、きょうの予定を終了いたしましたので、次回について横田課長から説明していただきます。

横田地域経済産業政策課長
資料9をごらんいただければと思いますが、次回は11月20日、火曜日、10時から12時まで、その次は12月12日、水曜日、2時間半で1時から3時半まで予定しております。場所につきましては決まり次第また追って御連絡したいと思います。
それから、もう1点、米田委員の方から農工連携ではなくて、農工商でというお話がございましたけれども、議事次第なり、資料2に書いてございますとおり、農林水産業と商業、工業、サービス業を含めた連携ということで、きょうの御議論も踏まえながら施策の検討をしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

閉会

大西分科会長
それでは、時間をちょっと過ぎて大変申しわけありませんでした。第6回地域経済産業分科会をこれで閉会いたします。御出席どうもありがとうございました。

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最終更新日:2007年11月21日
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