経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会(第8回)‐議事録

大西分科会長
お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから産業構造審議会第8回地域経済産業分科会を開催いたします。私は本分科会の会長を務めています大西といいます。どうぞよろしくお願いいたします。
前回ご欠席されて、今回初めて会合にご出席の方のお名前だけ紹介させていただきます。
東成エレクトロビーム株式会社の上野保委員です。よろしくお願いします。
一橋大学大学院商学研究科の谷本寛治委員です。よろしくお願いします。
シンクタンク・ソフィアバンク副代表の藤沢久美委員です。よろしくお願いします。
それでは、議事に入ります。まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

横田課長
それでは、配付させていただいている資料を上から順番に、資料一覧、その下に議事次第、委員名簿、その下に座席表がございます。
それから、資料1として、地域イノベーションの施策の資料。資料2として、本日上野委員からプレゼンテーションいただく資料でございます。資料3-1として、ソーシャルビジネス研究会についての資料。資料3-2として、論点整理がございます。資料4-1として、工場立地法の制度見直しについての1枚紙。資料4-2として、工場立地法検討小委員会の報告書(案)がございます。資料5-1として、A3の地方再生戦略の概要は3つ資料がついてございます。資料6として、本分科会の報告(案)と参考資料がございます。
もし不足しているものがございましたら、事務局にお申しつけいただければと思いますが、いかがでしょうか。

大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、最初の議題に入ります。「地域における研究開発基盤のあり方について」ということで、上野委員よりプレゼンテーションをお願いいたします。その前に事務局の古瀬地域技術課長から説明をしていただいて、その後、上野委員からプレゼンテーションをしていただくことになっております。よろしくお願いします。

古瀬課長
地域技術課長の古瀬でございます。
それでは、資料1によりまして、最近の地域イノベーションに係る施策について簡単に説明したいと思います。
1枚目の産業クラスター計画は、平成13年度から始めて今はII期に入っているわけです。このI期の成果は右の上の方に書いてありますが、今まで大体新事業化件数で5万5,000件、データのとれる2,700社ぐらいでみますと、その5年間に大体売り上げが4億増、利益で3,500増という形で成果が出てきております。これからは産業クラスターはより事業化促進のところを強化していくといったことを考えております。
次の2ページは、最近の技術開発事業の実績です。地域新生コンソーシアムは平成9年度よりやっているわけですけれども、約11年間進めた中で、こういった形で今成果が出ておりまして、大まかにいって10年間で約1,000件、そのうちの半分が試作品レベルの実用化に行っています。ただし、事業化まで行ったのが3分の1程度になっております。この事業化に行きましたものをみますと205件行っておりまして、現在までのトータルとしては430億円ほどの売り上げとなっております。
次の3ページは新規要求ということで、地域イノベーション協創プログラムを要求しております。これは産業クラスター計画で3月からネットワーク形成が進んできたわけですけれども、特に供給マスターの研究機関、大学、公設試、産総研といったところの間の強固な連携はまだまだです。それから、中小企業からみるとまだ技術相談がきちんとできていないということで、その辺を強化する。それにあわせまして、地域コンソーシアムでやってきた事業を看板がえをして、イノベーション創出研究開発事業を進めるということで、今要求しているものでございます。
あと、4ページ、5ページは、特に最近地域イノベーションにかかわる各種動きがありまして、先日の11月28日に総合科学技術会議があったわけですけれども、その場で地域における科学技術政策のあり方、それからこの前の予算の地域イノベーション協創プログラムの評価といったものが挙がりました。ここに書いておりますが、福田総理より、科学技術による地域活性化は、実は非常に重要な課題であるということで、来年の春に向けてこの総合科学技術会議にワーキンググループがこれからできまして、来年の春にこの戦略がまとめられることになっております。
最終の5ページにまいります。その2日後に地方再生戦略が出たわけですが、その中でも地域イノベーションの強化あるいは地域クラスターの形成ということで盛り込まれております。こういうこともございますので、当省といたしましても現在地域イノベーション政策に関する研究会を今のところ早急に立ち上げて、来年春に経産省としての地域イノベーション政策の提言をとりまとめたいということで進めているところでございます。
以上でございます。

大西分科会長
ありがとうございました。
それでは、15分間ほどと伺っておりますけれども、上野委員よりプレゼンテーションをお願いいたします。

上野委員
前回、スケジュールが合いませんで欠席せていただきまして、大変失礼いたしました。
それでは、15分くらいということでお時間をいただいておりますので、「中小企業における現状と課題各種施策の必要性について」ということでプレゼンをさせていただきたいと思っております。
プレゼンの概要でございますが、今中小企業を取り巻く現状はどうなっているか。それから、地域イノベーションの協創プログラムの必要性、研究機関同士の連携による研究開発資源の相互活用の必要性、ワンストップサービスによる相談窓口の整備の必要性、リスクの高い産学連携による共同研究開発への資金支援の必要性、中小企業からの提案というところでまとめてみたいと思っております。
「中小企業を取り巻く現状」でございます。私どもものづくりの中小企業は全国に約39万社あるわけですけれども、新しい事業展開をしようとするときに研究開発資源、新たなパートナーとしての企業は、さまざまなリソースが不足しているということでございます。
左側でございますが、従来の地域におけるこの分業体制は、組み立てあるいは切削、プレス、溶接という分業体制でやっていたものが、先端的な研究開発における地域の分業ということで、右側のほうへ行きますと、さらに設計という業務が大変重要になってまいります。そのほかに特殊加工あるいは試験の設備とか、当然のことながら資金とか研究のシーズ、高度な研究開発で必要なリソースが足りないということが現状でございまして、中小企業の研究開発やこのリソースの獲得のプロセスが大変重要で、そのための支援策が必要でございます。
「研究機関同士の連携による研究開発資源の相互活用と必要性」でございますが、企業が単体で研究開発資源を探すのは、シーズを探索するコストが大変かかりますし、企業の場合には人材が不足するということでございますので、この人的資源の投入が大変難しいということでございます。
それから、シーズ情報というのは私ども中小企業にはなかなか入りにくいことが、課題として取り上げられるのではないかと思っております。その下にありますのは、中小企業が大学やTLOとアプローチする、あるいは産総研さんとかNEDOさんとか公設試というようにアプローチする場合には大変ばらばらに、しかも非常に非効率だということでございます。こういう集約された価値や情報の一元的な提供が必要だと考えております。
「技術的な問題を抱える企業へのワンストップサービスによる相談窓口の整備の必要性」でございます。求められることは、中小企業から窓口のところへご相談することになりますと、大学とか産総研さんあるいは公設試、TLOに対して、どこに相談に行ったらいいのかが非常にわかりやすくなるということで、省コスト、短時間での多くのリソースが得られることになるのではないかと思っております。非常に短時間で研究実施の体制を構築したいということになりますと、当然のことながら競争力を維持・向上する必然性がありますし、研究開発を加速することももちろん重要でございます。早期に知的財産化して、事業を防衛する必然性も高まってまいります。非常に早いスパンで市場のニーズに対応していくことが不可欠だと考えております。
次のページは、「リスクの高い産学連携による共同研究開発への資金支援の必要性」というところでとりまとめてみました。〔1〕の大企業からR&D(研究開発)あるいは高付加価値の製品の開発をするときに、私ども中小企業に生産技術機能は非常に重要で、ものづくりではシンクタンクといわれる生産技術機能が私ども中小企業のところへ移ってきていて、それが要求されるということでございます。しかも従来の勘による経営ではなくて、ITを使った経営が求められるようになっていますし、さらに国への文部科学省あるいは経済産業省への公募のいろいろな中小企業支援策が出てまいりますが、そのときに提案することが大変重要でございます。
しかも従来のこういう国の支援策というのは研究開発をし、試験報告書をとりまとめた段階で一応終了ということが非常に多かったわけですけれども、最近では国の税の有効的な活用ということで、事業化が求められるようになってきているわけです。
ニーズと後ろに書いてございますが、その場合に私ども中小企業に最先端の開発テーマ、重要なコンソーシアムへの参加、産学官の連携、もう1つ非常に重要な自社ブランドをつくっていくというニーズが、中小企業の場合に非常に高まってきております。
しかし、右のほうにある課題で、まず中小企業の経営者がやはり地域では非常に重要な役割を果たしますので、そういう大企業からの依頼、国への提案が非常に重要だということを中小企業の経営者がまず理解していなければいけないということでございますし、中小企業経営者そのものをやはり高いレベルへもっていくことも非常に重要です。
それから、2番目が非常に重要でございまして、このようなニーズに対してプロジェクトをマネジメントする必要があります。こういう人材は中小企業の場合は非常に不足しているわけです。このような人材をどうするかが非常に重要だと我々は思っております。
それから、3番目でございます。シニア人材登録といっていますが、最近では新現役といっています。こういう人たちが2007年に大量に流出しますので、この方々を中小企業のこのようなニーズに対して再研修した上で配置する、あるいは支援することも非常に重要だと考えております。
もう1つは、ポスドクの方々が1万6,000人ぐらい居て、現在博士をとろうとする人が1万7,000人ぐらいいるわけですが、この人たちが正規社員として就職をする上でも、中小企業のニーズに対して非常に重要な対策がとれるのではないかと考えています。
経営の課題を解決する内部の経営資源が大変不足していますので、私ども中小企業はいかに外部の経営資源を活用するかということに、非常に重要性を感じているわけでございます。
「中小企業からの提案」でございます。産業クラスター間の連携が非常に重要だと思っています。先ほど古瀬課長からクラスターの説明がありましたけれども、通称TAMA(首都圏産業活性化)協会といわれていますが、私どもはそこのメンバーでございます。ここは非常に重要なクラスターのモデルの地域といわれているわけですけれども、地域の産業クラスターだけではなくて、地域を超えて広域に連携する必要性があるというようなことをこれから提案申し上げます。
それから、「効果的な研究資源共同体の活用方法」「産業クラスター間連携による『R&D-事業化ブリッジの構築』」ということでございます。具体的に私どもは、北陸ものづくり創生プロジェクトという中部局の北陸のプロジェクトと連携を今図ろうとしております。
「中小企業からの提案」でございますが、研究開発をやる場合には研究機関の役割はアーリーステージでは非常に重要でございます。
しかし、研究開発のステージからさらに事業化のところになりますと、民間企業の役割が非常に重要になってくるということでございます。その場合に支援は大変重要でございまして、学術から技術シーズへということで、研究開発資源の連携が強く求められます。
それから、技術シーズから今度は製品開発という段階になってきますと、これもまた支援が大変重要だと思いますし、産業クラスターの連携を取り上げているわけでございます。
製品をマーケットへということになりますと、事業化のステージになるわけですが、この場合にはやはり民間の努力ということで、連携しながら達成していくことになってくると思っています。基礎研究や研究開発から事業化までをつなぐブリッジが、私は大変重要だと思っていますし、クラスター間の連携によるオールジャパンでの実施が効果的ではないかと考えています。
次のページは、「特定分野に特化した研究開発資源の連携体(共同体)を活用する」ということでございます。地域の研究機関が連携した研究開発資源共同体は、極めて有効だと考えています。重要なポイントは、外部からの積極的な利用を促す、利用しやすさということかと思っております。
イノベーションのプログラムでございますが、このコーディネーターの役割というのは大変重要でございまして、NEDOとか公設試、産総研、大学、JSTとかTLOとか、こういうところに対してこのコーディネーターの方々がワンストップでやる。研究開発資源のオープンリソースシステムのサービスの提供者と考えられると思います。
さらに、そのクラスターを編成した場合に、中小企業や大学、支援機関、商社の方々とか金融機関、それから大企業も非常に重要でございまして、そのようにクラスターをとりまとめていく場合には、地域でキーパーソンが非常に重要でございます。その中で新しい事業をするということでございまして、その場合に中心として機能するのが中小企業だと私は理解しております。地域で新しい事業を起こすことによって雇用をふやし、税収を上げる。そのことが地域の活性化の重要な視点ではないかと思っています。クラスター計画による顔のみえるネットワークが大変重要ではないかと考えています。これらのオープンリソースのシステム、要するにサービスの提供者とユーザーが一緒になることによって大きな効果が出ると考えております。
さらに、つなぎをするところが非常に重要でございますが、このところを工夫することによって有効に機能すると考えております。それには、やはり人が非常に重要な役割を担うと考えております。
次のページは、「産業クラスター間連携による『R&D-事業化ブリッジの構築』」でございます。人がつなぐということで考えますと、キーワードは「活きの良い人材の活用・流動化」ということかと思います。産業界における現役のキーパーソンを有効的に活用するということでございます。産業クラスター連携のコーディネーターが大変重要なのではないかと思っております。全国にこのように大きなリソースがあるわけですが、それがさらに連携を深めていくことが重要だと思っていまして、地域のイノベーション、協創プログラムをさらに連携していく。これを人がつなぐ、橋をかけていく、ブリッジの役割だと考えております。
北陸のものづくり創生プロジェクトは、先日私が基調講演にまいりましたら、向こうでも4つの研究会を立ち上げておりました。それをさらに、TAMAと一緒にやりたいと非常に強い要望がございますので、北陸のマイクロナノプロセス研究会と私どもが一緒になって新しいビジネスをやっていこうと考えております。これも企業人材を中心とした頻繁なクラスター間の交流が重要だと考えております。
北陸ものづくり創生プロジェクトの連携ということで、次のページでございます。研究開発資源の共同体、それから「北陸×TAMA企業の広域研究共同体」を構築してやっていこうと考えております。さらに、こういう事業化に最終的な出口を考えておりまして、このようなことがこれから全国に17ある産業クラスター計画のさらに広域に、それぞれが連携し合うことによって、大きな地域の活性化につながるのではないかと考えております。
以上でございます。どうもご清聴ありがとうございます。

大西分科会長
どうもありがとうございました。
それでは今、古瀬課長と上野委員から話をいただきましたけれども、きょうはそれ程たくさんの時間をとれないのが残念ですが、意見交換あるいは質疑応答したいと思います。よろしくお願いいたします。この名札を立てていただくと、私のほうでわかりますのでよろしくお願いします。

松原委員
地域イノベーションについて、まだこれからいろいろな議論が進むのだと思いますけれども、これは質問というよりは注文といいますか、これから進めていく上で少し考慮していただきたい点を1つ述べさせていただきたいと思います。
私自身も研究していますが、1990年あたりから特にイギリスの研究者たち、クックという人たちが、地域的イノベーションシステムの研究を始めて、それがEUの政策の中で取り上げられてきました。現在もそういう動きは非常に活発に行われているのですが、その中でかなり問題点も出てきております。そういう意味では先行しているEUの地域イノベーションシステムの成果、問題点も踏まえた上で、多分EUとはまた違う形での日本でのいろいろな地域イノベーションの議論はあると思いますけれども、ご考慮いただければと思います。
今日上野委員から報告していただいたものは、そのタイプということでいえば、首都圏の西部、多摩地域のいろいろな研究開発が、どちらかというと割合恵まれたところでの話かと思いますけれども、これが日本のいろいろな地域になっていくと、必ずしもそういう研究開発をめぐる条件というのが十分でないようなところもあると思います。また、そういう面ではどのようなタイプの地域イノベーションを考えていくかというようなことも、地域類型も含めた形でいろいろな議論を進めていっていただければと思っております。多摩のあたりを中心にしたもっと詳しい話が本来あるとは思いますけれども、今日は頭出しということで興味深く聞かせていただきました。どうもありがとうございました。

大西分科会長
どうもありがとうございました。鈴木直道委員、お願いします。

鈴木(直)委員
上野さんのお話はほとんどの部分が賛成です。具体的なお話を2点ばかりご紹介しながら、応援演説みたいなことをしたいと思います。
地域イノベーションは日本の将来にとって重要になってきて、産学連携などいろいろな形で芽が出始めていますが、上野さんがおっしゃったように、研究開発の成果を事業化するところが最も難しい点だと思います。例えば、大学発ベンチャーはたくさんスタートしているけれども、事業化されたのはどのぐらいあるのか議論されています。2つばかり例をご紹介したいと思います。
花巻市起業化支援センターで今、白色有機ELの企業が創業に上場を目指して頑張っています。基本の技術は山形大学工学部で研究開発されたものです。したがって山形県の米沢市で開発された技術を岩手県の花巻市で事業化しようとしているのは青森の企業です。東北デバイスという青森の企業が花巻で事業化研究をし、成功して、いよいよ青森で工場を建設して、ビジネスがスタートしていると思います。このように産学連携を広域的に進めているキーは何か。それは今おっしゃったプロジェクトマネジメントだと思います。
花巻市起業化支援センターは、地域のインキュベーターの中で歴史の古いセンターの一つで、そこのインキュベーションマネジャーのヘッドをなさっている方は既に10年以上経験なさっていて、この方が走り回って大学と起業をマッチングをし、事業化を支援なさっているわけです。中小企業がこのようなハイテクの分野で地域で世界を相手に挑戦しようとしているわけですが、これが実現できたキーは、こういうプロジェクトマネジメントをやる事業化コーディネーターがいたということだと思います。
花巻市は地方の中心都市ではございますけれども、多くの域外からの企業がそこで育とうと思って、入居している異色のあるところでございます。
第2点のモデルは、皆さんもご存じの福岡のシステムLSI総合開発センターです。既に成果といたしまして大企業が20社以上集積し、システムLSI関連の中小企業も福岡県内に95社が起業、創業しています。その中心になっているのが、中小基盤機構が建設支援いたしましたシステムLSI総合開発センターです。これは百道(ももち)にございますけれども、その施設の特色は、九州大学のシステムLSI研究センターがあり、文科省支援の知的クラスターの福岡システムLSI研究所があり、福岡県が支援してつくったシステムLSIカレッジという人材育成機関があり、全体を福岡県の産業支援センターが管理運営しているのですが、直接運営しているのにインキュベーション55室とベンチャー用試作、検証ラボがございます。中小ベンチャー企業95社の内43社が入居しているところです。
申し上げたいことは、大学の研究と産学共同開発とインキュベーションによる事業化と人材育成が、同じところで同じマネジメントの下に実施されているということで、大きな成果が出ているわけでございます。今後北九州の自動車クラスターのエレクトロニクス化に寄与しつつあると思います。大学との連携と地域の中小企業の創業支援が一体的、有機的に実現するというシステムをつくることが、地域のイノベーションを促進する上で大きな効果があるのではないかと思います。

大西分科会長
ありがとうございました。続いて渡辺委員、そのあと持永委員。

渡辺委員
上野委員さん、大変参考にさせていただきました。どうもありがとうございました。大変いいお話を承りました。私どもが現在考えておりますことだけ一言申し上げたいと思います。
愛知県の豊田市でございますので、自動車が中心ではございますが、約1,200社の工業関係の製造業といいましょうか、そういった会員が商工会議所におります。それと建築関係で約1,500社の会員の方がいらっしゃいまして、最近のいわゆる国際化の中、あるいは国内でも全く同じでございますけれども、品質あるいは信頼性の向上といったことが非常に重要なことでございますので、それに対して行政と一緒になって試験評価センターをつくっていこうではないかといった活動をさせていただいております。愛知県あるいは豊田市の行政といったところと一緒になりまして、試験評価センターを地域でつくって、皆さんで利用していただくような活動をしていくといったことから、ぜひ国としても考えていただいて、そういったところのいわゆる産学官の連携プレーということでやっていただきますと、地域の活性化にますますつながっていくのではないかと考えておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいということでございます。ありがとうございました。

持永委員
大変興味深い話をありがとうございました。私は1点だけ、経済産業省に対するお願いになるかと思います。
この地域イノベーションといった場合は、従来は3ページにあるようなNEDOとか産総研とか、そういった割とハイテクというところを中心としたイメージだと思いますが、やはり地域というといろいろとまだまだそういうところに追いつかない企業も数多くあります。あるいは、今後この経産省もこれから農商工連携という話が出てくるようでございます。それならやはり農業の技術開発というのも、地域のイノベーションの創出に大きな影響があることをぜひ視点に入れていただきたいと思います。これは霞が関の中の縦割ではなかなか難しいところもあると思いますが、地域には農業の技術試験場とかも相当ございますので、そういったものをぜひ活用していただいて、地域全体の経済活性化につながるような施策をぜひつくっていっていただきたいと思います。
以上です。

大西分科会長
ありがとうございました。それでは、上野委員については委員から賛同する趣旨のご発言があったと思います。コメントをお願いして、古瀬課長には要望が幾つかありましたので、それに答えていただきます。上野委員からは、特にはよろしいですか。
では、古瀬課長、お願いします。

古瀬課長
簡単にお答えします。今この共同体の形成は、全国を大体8ブロックか9ブロックに分けて、それぞれの地域の特徴に応じてつくっていきたいと思っておりまして、それを経産局、産総研、大学等に聞いて、また地域の人にも聞いてやっていくところです。また、松原先生がイギリスとかEUの例をいわれましたが、そういったものを参考にさせていただきたいと思います。
最後に、持永委員から農商工連携の話もありましたが、多分こういった地方になると、特に中小企業は公設試または農業試験場といったところも重要になると思っておりますので、そういうところにも声かけをして、できるところにはそういったものを入れた業態をつくっていきたいと今考えております。

大西分科会長
まだディスカッションがあると思いますが、後の予定もありますので、第1番目の議題については以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。
次の議題は、コミュニティビジネス振興のあり方です。谷本委員からプレゼンテーションをお願いすることになっておりますので、よろしくお願いいたします。

谷本委員
一橋大学の谷本と申します。お手元の資料の3-1と3-2をおあけください。何せ一番最近、研究会がおととい終わったばかりですので、プレゼンテーション用の別途資料をつくる暇などはございませんでした。
ソーシャルビジネス研究会という名前で、この9月から研究会を進めてまいりました。3-1のところで、どんなスケジュールでどんなメンバーが議論してきたかをみていただくものがございます。コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスと確かに併記しておりますが、それはソーシャルビジネスとかソーシャルエンタープライズという言葉がまだまだ日本ではなじみがないからです。地域経済振興という場合には、以前からコミュニティビジネスについて経産省においても、厚生労働省においてもそうですし、いろいろな支援策ということも考えてまいりました。
コミュニティビジネスとは何だという定義もさまざまございますが、非常に簡単に申し上げれば、地域における社会的課題をビジネスの手法を通して解決していこうというビジネスです。
そこで、地域という言葉をもしとれば、社会的課題をビジネスの手法を通して解決していく方法を考えようというのは、広く日本でも、ヨーロッパでもアメリカでも、今ソーシャルエンタープライズという1つのキーワードで語られるものとほとんど重なります。もちろんそれぞれの国などでも地域における課題はそのとおりですが、地域を超えた課題とか、あるいはもっと大きくいえば国際的な課題です。
例えば、途上国支援のようなフェアトレードのようなものまで含むようなもっと広い意味で、社会的な課題というものをいわゆるボランティアで取り組もうというのではなく、ビジネスだからこそできるような雇用を生み出すとか、新しい市場を広げていこうというようなことが、今ヨーロッパ圏においても北米地域においても、あるいは途上国においても議論されております。
日本ではこういうことが余り議論されていなかったというのが片方の事実ですが、実は全くなかったわけではなくて、10年、20年前から地域地域の中では、障害者雇用とか環境ビジネスについてはもうかなり定着しております。
その3-1の表書きの趣旨のところにございますように、さまざまな社会的課題に対する価値観の多様化とか問題の複雑化というものに対して、もちろんこれまでこういう問題は行政が対応してきた部分もありますし、今後も必要であります。
しかし、新しい可能性のそういう社会的課題をビジネスの手法としてやっていこうというものは、こういったソーシャルビジネスという言葉でひとつくくってみていこうということです。ですから、コミュニティビジネスという言葉をやめてソーシャルビジネスをやるということではなくて、コミュニティビジネスという概念よりも完全にかぶさる形で、もう少し大きな概念がソーシャルビジネスとして入ってくると理解していきたいと思って、この委員会では共通理解にしております。
実は、最初のご報告の中小企業振興地域イノベーションということと、かなりこういうソフトな部分で、我々はソーシャルイノベーションという言い方をしておりますけれども、必ずしも新技術の開発ということではない。もちろん障害者雇用において、新しい技術とか環境課題について、新しい技術がビジネスを生み出すことももちろんあります。仕組みとして技術は古いかもしれないけれども、おもしろい取り組みであるとかおもしろいサービスを提供することも1つのイノベーションだと理解しております。従来、中小企業振興といいますと、新技術の開発についてどう資金を流すかについて焦点がぐっと当たってきたと思います。
こういうソーシャルビジネスとなってまいりますと、必ずしもそういう枠組みに乗り得ないようなものも出てきます。例えばNPOで、事業型でやっている取り組みも、東京に限らず全国で散見されます。そうすると、NPOですからいわゆる信用保証の枠組みに乗らなかったり、融資の枠組みに乗らなかったりとか、地方の経産局の中での資金提供の枠組みにも乗らないような場合もあるわけです。
あるいは、ベンチャーファンドにしても大きなリターンを生み得る可能性は比較的少ないかもしれないけれども、そのビジネスが生み出すソーシャルなリターンというものが、その地域に豊かな可能性を生み出す可能性はある。そういうものをどのようにはかるかというようなこととか問題は実はさまざまですが、できればまさにこの分科会の中で、これはこれ、これはこれではなくて、実は大きな枠組みの中で考えていく必要があるのではないかということをまず最初に申し上げたいと思います。
というのは、後でこういったソーシャルビジネスを支援していく枠組みを考えるときに、我々委員の中でも議論しておりますと、既存の枠組みをもう少し幅を広げれば、全く新しい仕組みで支援策を政策的にやらなければいけないということばかり考えなくてもできるのではないかということです。あるいは、もっとソーシャルな部分についての視点というのは、今後もっともっと大事になるけれども、どうもまだまだ既存の制度とか仕組みが、そちらにはまだ間口が広がるような仕組みにはなっていないので、その可能性を我々の中でもいろいろ議論してきたということであります。
それで第1回目では、先ほど申し上げましたようなコミュニティビジネス、ソーシャルビジネスの基本的な定義から入りました。何となくイメージしているような形で議論してしまいますと、議論が広がっていった中で実は結構大きな溝が出てしまうとまずいということもありまして、今申し上げたような定義をベースに置きながら考えました。
3-2のところでみていただきますと、定義では基本的に社会的なミッションをもっているか、社会性、事業性でビジネスの形になっているのか。それがソーシャルイノベーションという形で、そのミッションをビジネスに結びつけていくためには何らかのイノベーションが必要だというような意味で、革新性という言葉を要件としております。
メンバーはソーシャルビジネスを実際に行っている方々、中間支援団体の方、金融機関の方、産業界の方、大学関係の人間というような構成でやってまいりました。こういったビジネスは、もう1つの特徴として、いわゆる社会貢献的な活動をビジネスに結びつけるということで、新しい働きの場を提供する可能性もある。
例えば、若い世代が何か社会に貢献したいという意識は、決して日本の社会が低いわけではないけれども、現実にどうしていいかわからない。あるいは、団塊の世代以降の方々も、定年後は何か社会に貢献したいと思っているけれども、何をしていいかわからない。とりあえずボランティアというような形になる。要するにボランティアでしかできない社会的課題も山ほどあるが、ビジネスだとまた違う新しい可能性を開ける場合もある。
そうすると若いエネルギーとか、あるいはこれまで企業や役所の中でいろいろな経験をされてきた方々の知恵をこういうビジネスの可能性に結びつけていくとなれば、新しい働きの場を提供していく可能性もあり得るだろうということです。ですから、地域地域の中にあるさまざまな課題に対して、例えば子育て支援とか障害者雇用の問題、ホームレス支援とか地域の環境保全、さまざまな課題について地域の中でいろいろな支援を集めていろいろな可能性を考える。あるいは、そこで出てきたヒューマンサービスに関しては、その地域の中で需要と供給が一致していくものでありますけれども、物によっては地域を超えて、あるいは途上国との関係の中で広がりをもっていくビジネスとして、先ほどのような地域でのイノベーション、研究開発での枠組みの中にある程度私は入っていったほうがいいと思っておりますが、そこの部分は私の個人的見解であります。そこまでは必ずしも研究会の中で議論しているわけではございません。
それで、3-2のところの論点整理がございます。ただしこれは、実は1回目から3回目までの研究会での議論をそのままポイントになるところをまとめて、今中間報告をまとめつつあるところでございますが、それを議論するためのたたき台であって、これが研究会のまとめではございません。
実際におとといの夜は、あのときはこういう議論もあったけれどもこういう形にしていかなくてはいけない、もっとここは抜けているとかそういう議論がありました。実際事務局の私どものほうで、おとといあった議論と来年にパブリックコメントを出すような形で準備を進めておりますけれども、最終的に3月の中間報告にまとめるように、今議論を集約している最中でございます。
もう1点申し上げますと、この間、海外調査、国際調査も同時に進めてまいっております。11月にはヨーロッパ、特にイギリス、イタリア、EU本部のほうにもまいりました。来年1月にはアメリカに行って現地調査をする予定でございます。
それから、同時に、11月には国内でのアンケート調査を進めてまいりました。コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスとおぼしきところをさまざまな団体あるいは地方の経産局もあわせてご推薦いただいて、1,287団体にアンケート調査をお送りしました。現在はおとといの夕方の段階で408団体、32%の回収率でございます。そういったことも今資料をまとめている最中でございます。
そういったことも踏まえつつ、現状として支援策のポイントになるところは資料3-2の1ページです。「構成」と書いた、いわゆる目次になっております大きな2と3の部分が今まだ議論の途中でございます。この中をみて、こんな意見ではおかしいではないかと個別に指摘されても困ってしまうのでありますけれども、あくまでこれはおとといの夜に議論をするときのたたき台で、今のところはそれしかまだ出せなかったということであります。大きく2と3を踏まえて、最終的に経産省としてのこういった課題への政策的な枠組みをどう来年度に向けてつくっていくかを検討することになります。
まず、2からみてまいりますと、最初に支援のあり方というところから入ります。ソーシャルビジネスを広げていこう、人材育成をどうしていくのだ、あるいはまだまだこれは知られていない。知られていないといっても、実は先ほど申しましたように、もう10年、20年前からやっておられる。私たちがインタビューに行って、「そういうのはソーシャルビジネスですねとか」「ソーシャルイノベーションですね」なんて言葉を申しますと、そんな言葉があったのかといわれたりすることもあります。ですから、ただその地域で、例えば地域の障害ある子たちに対して何とか働く場を提供してやろうと思って、目の前の課題に一生懸命取り組んできた方ももちろんたくさんおられるわけでありますけれども、いろいろな成功事例を広げていくようなことをこちらが示して、PRしていくことも大事だろう。あるいは、発展段階に応じて、これから起業していくレベルの場合、それから、ある程度発展して事業を大きくしようとしたときにぶつかる大きな問題、特にこの領域ではなかなか資金を得ることが容易ではないという部分がございます。それから、地域における特性もありますし、規模の大小によってかなり違います。そういったところを整理しながら、(2)、(3)に向かって整理をしていこうと考えております。
資金調達に関しましても、この領域の特徴でありますように非営利の形態でやっている事業型のNPOもありますし、株式会社の形態もあります。あるいは、中間組織というものもあります。こうなってきますと、ご存じのとおりこれは法人形態がかなり違うと、資金調達の方法も変わってまいります。
そこで、最初に申し上げましたような既存のいろいろな支援策の幅を少し広げることで、資金調達が可能になるような方法はないのだろうか。あるいは、先ほども申しましたけれども、社会性といってもどう評価していくのか。ファンドをつくっていったり、銀行からの融資を考えたりする場合もただビジネスとしてうまくいくか、いかないかという物差しだけではなくて、そういうソーシャルパフォーマンスというところをどのようにみていくか。実はこれはヨーロッパでもアメリカでもそうですが、まだまだこれならはかれるという物差しがあるわけではなく、どこも今一生懸命で、課題として抱えている問題でございます。
それから、事業支援です。お金が入ることはなかなか難しいということは申し上げましたけれども、一般のベンチャーと同じようにお金だけではなくて、同時に同じようにマネジメント支援ということが非常に重要です。非常に高いミッションを掲げれば掲げるほど、マネジメント上の欠陥であったり不備であったり、足りないところがみえないような可能性もあって、ちゃんとハンズオンの支援をしていく必要がある。だから、そういった領域への新しい働き方を提示すること。人材をどのようにこの領域に引っ張り込めるか。大学や中間支援団体あるいは商工会議所のような場においても、こういったものの可能性を示していくことも必要であろうと思います。
(3)では、これは非常に基本的、基礎的な課題として、認知度の低い部分については社会的寄与とは何なのか。オーソドックスなスタイルですけれども、先進事例のようなものでパンフレットをつくっていくとか、イギリス政府がやっていますように、イギリス政府を少し紹介しておきますと、実はソーシャルエンタープライズに関する部局が、日本でいう経済産業省のような場にありました。今は少し組織がえいたしまして、内閣府の中にあります。Office of the Third Sectorの中にこういった領域の支援をしていこうというものがあります。その中でもソーシャルビジネスのアンバサダーという制度を設けて、地域や学校の中でも認知をしていこうというようなことで、一生懸命支援策をしております。
あと、社会性評価というのを先ほど申し上げたところです。財務面の評価だけではなくて、社会面のパフォーマンスをどう評価していくかという問題です。
それから、法人格というのは、実はNPOと会社の間になるような、まさにこういった事業にフィットするような、地域の社会的課題を何とかやろうと非常に社会性の高いミッションをもっている。
しかし、NPOでやるともちろんそうですけれども、なかなか資本市場にアクセスできないし配付もできない。会社でももちろんできるけれども、イギリスにはその間にチャリティーとCompany limited by Shares(株式会社)の間にCICという法人格をつくって、支援していこうという動きがあります。日本でもそういう可能性が考えられないかということも提案の中に盛り込もうという議論が出ております。
最後のところでは、地域におけるネットワークづくり、プラットフォームづくりを進めていく必要があるということです。そういうところについては、先ほどお話が出たようなところとつながっていく。大きな枠組みの中ではもちろんつながるだろうし、つながらないといけないような気もします。これはこれ、コミュニティビジネスならコミュニティビジネス、あるいはソーシャルビジネスならソーシャルビジネスで、技術開発は技術開発、もちろんそれぞれの課題は違います。それから、必要な資金も違います。
しかし、地域でのビジネス振興、地域の課題、いろいろな資源を活用して解決していこうという視点は違うわけではございません。ですから、こういった場の中でソーシャルビジネスについての可能性をお話しできることと、政策の中に盛り込むことが非常に重要だと改めて感じております。
少し長くなりまして失礼いたしました。

大西分科会長
ありがとうございました。今のソーシャルビジネス研究会でのこれまでの議論の紹介と、先生なりのポイントを説明していただきましたが、皆さんとの意見交換をしたいと思います。15分ぐらいを予定しております。ご発言のある方は名札を立てていただければと思います。松原委員からお願いします。

松原委員
2点ほど、質問と要望になると思いますけれども、こういう研究会でいろいろ議論された成果は大変勉強になりました。ありがとうございました。
それで、その研究会の中でこういう議論があったかどうかをお尋ねしたいのですが、市町村合併がこの間ずっと進んできて、旧町村といいますか、そのようなところのいわば公共サービスあたりのありようが大分問われてきていると思います。そのときにこのNPOであるとか、例えばまちづくり関係の団体であるとか、そのような団体がむしろ旧町村でやっていたようなことを今割合やってきているといいますか、そのようなことをしてきているという事例を私などはよく見聞きしますけれども、そういう市町村合併の話というのは、このソーシャルビジネス研究会の議論では出てきていたのでしょうか。

谷本委員
そういう切り口での議論は、直接はありませんでした。ただ、いわゆる指定管理者制度のように上から下請になるとか、ただ行政をスリム化するためにお金を受けてそのサービスだけをやるというのではイノベーションとはいえない。それから、何か新しい可能性をそこで見出せるかというと、単なる下請では違う。もちろんソーシャルビジネスが下請も図太く受けながら、自分たちの事業の可能性は当然必要だということは議論にはあります。

松原委員
2点目にかかわるのですが、NPM(New Public Management)とか、新しい行政あるいは官民連携のあり方とか、先ほど出ていた指定管理者制度もそうですけれども、そのようなものを取り入れてくるような自治体がふえてきていると思います。そういう中で、特に私が関心をもっているのは、地域内でのお金の流れといいますか、域内でのそういう循環というものをやはりうまく動かしていくことが、ソーシャルビジネスを安定的に伸ばしていく上で重要ではないかと思いますが、その辺の議論はどうだったのかということと、もししていただけるのであれば、そういう点もご考慮いただければと思います。
以上です。

大西分科会長
では、もう一方、鈴木委員、お願いします。最後に谷本先生にまとめてコメントをいただければと思います。

鈴木(孝)委員
先ほどの支援策については、既存の支援策を活用したらどうかというお話だったと思います。私どもは中小企業支援機関なものですから、中小企業についていえば、ベンチャーファンドを通じての資金調達とか、中小企業大学校を通じての人材育成とか、経営アドバイザーを通じてのマネジメント支援があるわけですが、従来の議論の中で1つ、多分今後も詰めていかなくてはいけないのは、厳密な意味でNPOは中小企業に入っていないのですよね。それで法律を直すのかどうかとか、法律に基づかない形ならば、事実上私どももNPOに入っているわけです。ソーシャルビジネスは特にNPOが多いわけですね。その辺がまだ若干関係者のコンセンサスがないので、この機会にそういう資金調達なり人材なり経営支援というところで、中小企業支援機関・支援策をどうするかというコンセンサスが出るといいのかと思います。
法律に基づくものだと法律改正しなくてはいけないわけですが、予算との形でいけば、その予算の範囲内で厳密な中小企業の定義を超えてもできるのか。これは農工連携でも同じことがありまして、今私どもは中小企業関係団体の人材育成をやっています。商工会議所とか商工会の指導員はいいですが、農協とか森林組合とか漁業組合のあれは、中小企業大学校のそういう研修を受けてもらっても、今のところ今の内規だとだめなのです。そういうところが時代のニーズに応じて、中小企業の範囲あるいはその法律を直すのか、法律に基づかないものについては運用上そうやるのか、この辺は関係者のコンセンサスがあると、今のソーシャルビジネスについても一歩前進するという感じがします。

米田委員
2つほどお伺いしたいと思います。1つ目は先ほどの松原委員と重なってしまうのですが、先ほどイギリスではソーシャルビジネスが活発になってきたというお話がありました。その背景には、かつて揺りかごから墓場まで国家がサービスした巨大福祉国家が、いろいろな公共サービスを民間に移転していく中で、民間の受け手が育ったという経緯があったと思います。やはりそういう視点を全く切り離して、ソーシャルビジネスを語られるというのは難しいのではないかと思います。
また、指定管理者制度の話になると、行政の下請的な話というイメージが少しできつつあると思います。今後は規制改革を行い、指定管理者制度を、民間の創意工夫でいろいろな地域サービスを付加していける形にもっと自由化していけば、それこそある程度の定収を得ながら、それに付加していろいろな地域ビジネスを組み立てることもできるようになります。ですから、これはお願いなのですが、ぜひそういう視点もマイナスではなくてプラスの視点で入れていただけたらと思います。
もう一つは質問ですが、私自身が、定年退職した後の熟練技術者、建築技術者の方々と一緒に技術伝承NPOというのをかれこれ8年、事業型NPOで運営しております。それで大変な思いをしているのが、やはり継続的な収入を事業で得るということで、“言うは易く行うは難し”の世界です。私どもは年金をもらうような方が中心ですから、お小遣いペースでみんなできますけれども、それが子供を育てながら実際にそういう方の雇用を賄うところまでいくのは結構大変なのではないかと思うので、その辺を教えて頂けたらと思います。

大西分科会長
藤沢委員のご発言の後、まとめて谷本委員にお答えいただきたいと思います。

藤沢委員
ありがとうございます。質問といいますか、私もこのソーシャルエンタープライズについては大変興味があって、我々も社会企業化フォーラムというのを立ち上げている手前、いろいろ調べたりしていて感じているところを少しご参考に申し上げたいと思います。
つい先々週もアメリカに10日間ほどいて、こういったソーシャルエンタープライズの方々と情報交換してきたのですけれども、やはり一番大きな問題は資金です。今回話をしていて、去年と違って来年は多分お金が半分になるとみんながいっています。アメリカはサブプライム問題で金融機関がみんな減益になっているので、4割から5割寄附がなくなってしまって大変なので、日本から何とかしてもらえないかという話をいってくるわけです。日本も大変ですという話なのですが、要するに資金だと思います。
この資金というのを考えたときに、寄附ということを日本ももっと考えなければいけないのかというと、確かに考えなくてはいけないのですけれども、寄附ほど揺れるものはありません。継続性のあるこういった社会的事業を進めていく上で、やはり寄附は必要だけれども、寄附に頼るわけにはいかない。
もう1つ、その地域内でのお金の循環というのもありますけれども、地域にお金がありますかというとないわけです。私も今もう1つの角度から、地域でどうやってお金を回していくかというので、1つに地域の人たちに海外に資産運用で投資してもらって、少し時間はかかるけれども、その収益を地域でもう一度回してもらえるような仕組みをつくれないかということで、地域の人たちが海外投資をするためのファンドをつくるなどしています。そういうのを考えてみると、先ほどまさに谷本先生がおっしゃったとおり、さっきの上野委員の中小企業の話とこれはすごくつながると思います。
寄附だけではなくて海外に目を向けて、海外で稼ぐことは事業として十分あり得る。例えば、やはりこういうヨーロッパのソーシャルエンタープライズで、完全に事業だけで成り立っている会社があるわけです。発展途上国の人たちに蚊帳を売ったり、水を飲むためのフィルターを売ったりしていますけれども、それで今ずっと黒字を上げています。
では、なぜ黒字を上げられるのですかと聞くと、やはり事業のセンスをもっているからだ、そういう貧しい国に蚊帳を売るときは、安かろう悪かろうでいいのではなくて、最高の技術を使って最高品質の蚊帳もしくはフィルターをつくっていく。そして、常に顧客ニーズをくんで改善していく。そういうことをしていくことによって、やはりユニセフから選ばれる、その国から選ばれるのだと。その話を聞いたときに、これこそ日本の中小企業ができることではないかとしみじみ思ったわけです。ですから、地域の中で先ほどのイノベーションの話がありましたけれども、あそこの中でシーズを見出すところで、国内だけでシーズを探す必要はないのではないか。逆に社会への貢献性、世界への貢献という目線、本当に困っている国々に日本の中小企業がもつ技術がどう使えるかという目線でもこれを考えていくと、実は寄附だけでもない、地域内だけでもない、世界も含めた資金の調達、事業の自立という可能性もあるのではないかと。ここのところ回ってきて感じたところを少し申し上げさせていただきました。
以上です。

大西分科会長
ありがとうございました。それでは、制度上の中小企業とNPOとの関係の問題と、それから米田委員、藤沢委員から特に資金に関連して、こうした団体、ソーシャルビジネスの継続的収入源といいますか、その辺のことについてご質問なりご意見がありましたらお願いします。

谷本委員
手短に進めたいと思います。中小企業基盤整備機構については、我々の研究会の中でオブザーバーとして入っていただいて、おとといにもその議論をしていただきました。大阪府などでも共通のファンドをつくっているという事例も、大阪府の方からお話を聞いたり、まさにいわれたとおりやったりしまして、今の枠組みの中でもかなりできる部分があることを我々も認識しております。しかし、既存の法制度をやはり少し変えていくことが必要な部分もあるだろうと思います。ただ、中小企業基盤整備機構をどうするかという議論を直接しているわけではありませんが、特定の機構なり団体なりファンドだけを我々が何かさせて、これをしてください、あれをしてくださいというよりは、我々の中で出す中間報告はもう少し大きな提言になると思います。今いろいろやられていることを我々も認識しているということでございます。
それから、イギリスでのものをそのままもってきてもという話ですが、その程度は我々研究会の中ではもう当然理解しております。特にいろいろ海外の事例をみている中で、イギリスの施策が一番日本の現状と近い部分があります。それと細かな施策についても参考になる部分が多いという意味で、幾つか参考事例としても考えております。
指定管理者制度については、必ずしも下請でないというのは先ほど私も申し上げたとおりで、ある程度そんなものを含めて受けると、それしかないのではなくて、それをやらないというのは違うと思います。そういうものも引き受けながら、自分たちの事業を広げていくようなことは必要だろうと思います。
それから、これはソーシャルビジネスと申し上げているので、ビジネスでなければだめなのです。ビジネスでできないのであれば、必ずしもビジネスをやる必要はありません。ですから、継続性がないようなものでお小遣い程度だったら、それは地域のいろいろなボランティア活動なり、地域で皆さんが集まった活動でやればいいので、必ずしもすべてこれに集約する必要はないという理解で私たちは考えております。
資金に関しては、実際の現場で携わっている委員の方々から異口同音に出ている話であります。ただ、金融機関の方々からしますと、資金さえあれば何とかなるのかという話もやはりシビアに出てまいりまして、しっかりした事業体制をつくっていないとだめではないかということです。もちろん、それは先ほど私が申し上げたとおり一般のベンチャーと一緒で、おもしろい技術とかおもしろいアイデアはあるけれども、例えば簿記なんてみたことないとか、キーボードなんてさわったこともないという人たちに対する本当に基本的なところからのいろいろな支援が同時にないと、そういう熱い思いとかアイデアは形にならない。思いを形にするための支援策をもう少し広げて考えたほうがいいだろうと、今後も議論を進めていこうと思っております。
以上です。

大西分科会長
きょうは少し議題が多くて申しわけありません。いろいろ有意義な意見交換がありましたけれども、コミュニティビジネスについてはこれから谷本先生のもとでレポートがまとまって、パブリックコメント等を経てオープンになるということで、成果に期待したいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に移ります。地域経済産業分科会報告書(案)等について、事務局から説明をお願いします。

横田課長
それでは、私から3つお話をさせていただきたいと思います。
1点目に、この分科会のもとに設置されております工場立地法検討小委員会の報告書(案)の概要、2点目に11月末に政府でとりまとめました地域再生プラン、3点目に本分科会の報告書(案)ということでご説明させていただきたいと思います。
まず最初に、資料の4-1をごらんください。工場立地法検討小委員会では、昨年3月からこの10月まで14回にわたって、今後の工場立地法のあり方について検討してまいりました。その中で昨年度のこの分科会でご議論いただきました企業立地促進について、例えば工場立地法の特例をどうするかといったことなどについても、この小委員会で検討をしていただいたわけです。現在、報告案についてパブリックコメント中でございまして、明日がパブリックコメントの期限になっておりますけれども、そこで報告書のとりまとめを行う予定になっております。
報告書のポイントでございますけれども、なじみの薄い方もいらっしゃるのでごく簡単にご説明しますと、工場立地法という法律がございます。これは昭和48年に工場立地の調査などに関する法律を改正しまして、工場をつくるときに敷地面積の2割以上を緑地にしなくてはいけないとか、業種によって生産施設の面積の比率を規制するといったような規制を導入しております。
この1.にございますように、その後、公害防止技術が進歩したり、別途環境省でやられている環境規制法体系が整備されたりしてきたといったようなことで、この工場立地法で規制をしていくことについて見直す必要性が出てきているのではないかといったことで検討してきております。
2.にございますように、今後の見直しの方向性ですけれども、特に業種ごとの生産施設面積を規制しているものにつきましては、もう既に必要性が薄れているので廃止することが適当ではないかという点。それから、緑地規制につきましては、緑地であれば今全国一律2割以上です。今、都道府県準則というのがございまして、都道府県ないし政令市であれば1割から3割の幅で、政令で緑地の水準を決定できるという仕組みとか、企業立地促進法において市町村がさらに自分でその水準を設定できるという制度があります。それにしてもそういう規制的な手法をとるのではなくて、もう少し柔軟に、例えばPRTR法のように企業が敷地内の緑地の状況について国に報告し、公表し、市場から評価を受けるといった方式への転換も含めて、抜本的な見直しをしてはどうかという報告書案の中身になっています。
ただ、直ちにこういう法改正ができるわけでもない状況にございますが、法改正を行うまで放置しておくということではなくて、構造改革特区要望等で出されている要望について、早急に当面3点の手当てをすることになっております。
1点目に、敷地外緑地ということです。工場立地法というのは、敷地外に緑地をもつことを原則にしていますけれども、今例外的に工場の周辺区域についてはある種、敷地内緑地として自治体の判断でカウントできるような仕組みがございます。これをもう少し広い範囲について、自治体がガイドラインをつくって認めるような仕組みを入れてはどうかというのが第1点。
第2点目に、今、緑地については敷地面積比率ということで規制しておりますけれども、もともと工場と周辺住環境との調和という観点からすれば、特に既存工場で敷地の中に十分緑地をとることが難しいところについては、ある程度外観的、立体的な視覚でみて十分な緑量があれば、工場立地法の基準を満たしていなくても、あえて適合しないということで勧告を行わないといったような仕組みを導入してはどうかという点。
3番目に、生産施設面積規制については、方向としては撤廃が適当ということですけれども、現状を踏まえて今の規制区部を見直して、できるだけ規制を緩和してはどうかといった報告書案になっております。
以上が1点目であります。
次に、資料の5-1、5-2、5-3がございますので、ごらんいただきたいと思います。
まず、資料の5-1は、10月に政府に設置されました地域活性化統合本部において、11月30日にとりまとめられました地方再生戦略でございます。この統合本部では、各省から地域再生に役立つような施策メニューを集めまして、それを体系的にとりまとめたということでございます。
この中段の左にございますように、政府としては地域活性化統合本部ということで、今まで4つに分かれていた本部を統合するとともに、その中に地域担当別の参事官を置くといったこととか、いろいろな角度から各省連携していくことになっております。この右の箱の省庁横断支援の例の中に、例えば農商工連携といったものを位置づけております。
それから、地域の状況に応じた活性化のメニューをここにとりまとめをしております。一番下の左の箱に地方都市、真ん中に農山漁村、農山漁村の中でも一番右にある、いわゆる限界集落といったようなところで活用可能な施策をとりまとめております。この中にこの分科会でご議論いただいておりますような企業立地とか中小企業の地域資源の活用、クラスターとか農商工連携といったような施策の位置づけをしてございます。
1枚めくっていただきまして、資料5-2に政府全体の地方再生戦略をとりまとめるに際しまして、経済産業省内でも10月6日に大臣特命プロジェクトチームというものをつくりまして、経済産業省としての地方再生プログラムをとりまとめました。ここにも左のほうに来年度予算を主に活用しながら進めていく施策、右のほうにもう直ちに実施を始めておりますいろいろなPRとかキャンペーンが並んでおりますけれども、この具体的施策の中には、先ほど申し上げたのと同様にこの分科会の中でご議論いただいているような項目が並んでおります。
キャンペーンにつきましては、新聞あるいはテレビの報道でごらんいただいているかもしれませんけれども、特に農商工連携促進の観点で、経産大臣、農水大臣が共同して銀座の三越の店頭で地域産品のPRをするとか、12月の頭には北京の三越でやはり両大臣一緒にキャンペーンをするということで、予算を使わなくてもできることを足元から今取り組んでいる状況にございます。
最後に、もう一枚おめくりいただきますと、資料5-3が経産省の地域再生研究プログラムのパーツで、農林水産省と経済産業省で農商工連携についてとりまとめたもののサマリーでございます。中身は先ほどのものとかぶっていますが、この一番下の4のところにございますように、法制度面での検討も入っております。特に農商工連携を進めるための法的枠組みを検討していこうということになっておりまして、実は農商工連携促進2法ということで、2つの法律を来年の通常国会に出すことを今検討しております。
1つは、中小企業事業者と農林水産業者が連携をしながら、いろいろな新しい商品開発あるいは新しい販売方法を開拓していくといったようなことについて支援をする法律の枠組みでございます。この中で、例えば先ほど議論していただきましたソーシャルビジネスあるいはNPO的なものが、そういう活動を支援するときに、今回そのNPOをみなし中小企業ということで、信用保険制度の対象にするといったような試みにトライをしたいと考えております。
もう1つの法律が、実は昨年度この審議会でご議論いただきました企業立地促進法の改正でございまして、この中で農商工連携促進につながるような一次産品関連企業の立地を促進するということで、税制あるいは交付税といったような支援措置の拡充を図っていきたいということで、現在検討しているところでございます。
3番目でございますけれども、資料の6をごらんいただきたいと思います。昨日各委員にあらかじめお送りしていると思いますけれども、この分科会の報告書案でございます。ポイントだけご紹介したいと思います。
まず、1ページ目の「はじめに」でございます。今ご説明をしました政府全体の地方再生戦略、あるいは経済産業省の地方経済再生のための緊急プログラムといった動きがある中で、この分科会でご議論いただいたものをとりまとめたということでございます。
2ページ目は、地域経済の現状でございます。格差があるといわれている中で、一過性のものというよりは、地域ごとの産業構造による面が多いのではないかという中で、対応策を考えていく必要があるのではないかということでございます。
3ページ目に、昨年度にこの分科会でご議論いただいた成果としてできました、いわゆる地域2法の活用状況について紹介しております。企業立地促進法につきましては、11月末までに23道府県で40基本計画ということの同意を受けておりまして、この計画の中では5年間で約2,800件の立地なり10万人の新規雇用ということを目指して取り組みが行われているということでございます。
それから、こういった地域の取り組みを支援するため、国で予算、税あるいは交付税といった支援措置、企業立地支援センターの設置ということで支援しているということでございます。
4ページ目に、前回のこの分科会でご紹介いただきました、鈴木委員の企業立地支援センターの取り組みについてのコラムを掲載させていただいております。
5ページは、各地域の取り組みを促すために、今年の6月の分科会でご紹介しましたけれども、本年3月に企業立地満足度調査を行っております。各地域が企業立地促進に取り組んでいく上では、やはり企業目線で企業の満足度をいかに高めていくかということが重要ではないか。そういった意味で各地域の取り組みのベンチマークになるように、こういった調査を継続的に実施していきたいと思っております。また、アジア周辺諸国との立地競争という時代でございますので、11月末から12月にかけてアジアでの企業立地満足度調査も実施しております。こういったものを参考にしながら取り組みをしていきたいということでございます。
5ページ目の(ウ)のところは、先ほどご説明しました工場立地法検討小委員会での方向性について触れたものでございます。
6ページ目は、中小企業地域資源活用促進法でございます。この法律では都道府県が対象になる地域資源を基本構想の中で指定し、計画をつくっていただくということですけれども、8月末に全国で約8,000の地域資源が指定されていまして、11月末までに163件の計画が認定されております。この中でいろいろなハンズオン支援事務局とか49の都道府県推進窓口、あるいは大企業に地域資源パートナーになっていただくとか、ファンドを創設してここで後押しをしようということで、5年間で1,000件の新事業を創設するということで今確実に取り組みが進んでいるところでございます。
7ページ目に、農商工連携について書かせていただいております。先ほどの地域の格差の背景に、産業構造があるということだったわけで、疲弊している地域は一次産業の依存の比率が高いということですが、実はこの農林水産業というのは成長のポテンシャルをもつ産業ではないか。こういった産業の振興のために商工業との連携が有用ではないか。あるいは、商工業者からみても、こういう農林水産業の経営資源というものは新たなビジネスチャンスではないかということでございます。そういった中で、実際にこの分科会でご紹介いただきましたイソップアグリシステムさんのような事例、あるいは宮崎県の農家経営支援センターでの成功事例、このようなものも参考にしながら、ぜひ積極的に取り組んでいく必要があるのではないかということでございます。
8ページ目に、門脇委員のプレゼンテーションについてコラムとして紹介させていただいて、10ページ目に中西委員、11ページ目に三村委員の代理でしていただきました小林部長のプレゼンテーション、12ページ目に八木委員のプレゼンテーションについてご紹介させていただいております。
13ページ目に、コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスの振興ということで今、谷本委員からご紹介をいただいた内容について記載させていただいております。
15ページ目、16ページ目は、6月12日にこの地域経済産業分科会でゲストとしてお招きしてプレゼンテーションいただきました、NPO法人エティックの宮城さん、16ページにNPO法人フローレンスの駒崎さんのプレゼンテーションをコラムとしてまとめさせていただいております。
17ページの地域イノベーションの創出につきましては、先ほどの古瀬課長のプレゼンテーションと重なりますので割愛させていただきます。
きょうプレゼンテーションをいただきました上野委員のものにつきましては、この後で事後的にコラムとして追加させていただきたいと考えております。
19ページに、前回の分科会でご説明しました近代化産業遺産の活用を通じた地域活性化について記載させていただいております。
20ページ目は、その際ゲストとしてお招きしました北川さんのプレゼンテーションをコラムにさせていただいています。
最後の21ページ目の「結語」です。これはいろいろな分野、多岐にわたっているようで、一見ばらばらのようでも実はかなりつながっている部分が多いのではないかと思いますけれども、ポイントとして地域の強みを生かすということです。その地域の強みを生かす上では、いろいろなネットワークを活用した連携が大事です。そして、その連携を実際うまく回せるかどうかというのは、先ほどもプロジェクトマネジャーの重要性みたいなご指摘がありましたけれども、やはり人の役割というのが大事ではないかということを「結語」として書かせていただいております。
以上でございます。

大西分科会長
ありがとうございました。これについては事前にお送りして、ごらんいただいたかと思います。今の説明を踏まえて、取り扱いとしてはきょうご意見をいただいて、それからパブリックコメントにかけるということで、そのパブリックコメントの内容で取り入れるものは取り入れて、最終的な報告書にするという段取りになります。
委員会としてはきょうが最後になる可能性も高いので、ご意見がある方はこれからの討議の中でぜひ出していただいて、パブリックコメントにかけるものについて、これの改訂版を使っていきたいと思います。
それでは、ご意見がありましたらお願いいたします。あるいは、今3つ説明がありましたので、その工場立地法、新しい施策、地方再生戦略の概要以下のペーパーについてもご質問がありましたらあわせてお願いします。米田委員、お願いします。

米田委員
まず、農商工連携で1つ追加のご検討をお願いしたということで発言させていただきます。きょうお配りいただきましたこの報告書案の中の11ページに、青森県の三村知事の文章が載っております。その中で、地方が衰退している原因には、先ほど出ました農林水産業の衰退がありますが、もう1つ大きな要因として、やはり公共事業が減少する中で、公共事業に従事していた方々の職がなくなっているという問題も指摘されています。公共事業依存からどう民間自立に産業構造を転換していくかが、地方の課題になっています。
青森県における農工商連携は、建設業の農業参入においても必要とされています。
建設会社が農業を始めてもなかなか売り先がないので、商工系の支援も欲しいなどです。三村知事の地元の話もございますので、報告書の中にもできましたらその「建設業の農業参入」という言葉を入れていただけたらというお願いでございます。よろしくお願いします。

大西分科会長
それでは、持永委員。後でまとめて事務局から答えていただきます。

持永委員
3点申し上げます。
まず、報告書についてですが、全体としては地方分権という大きな流れがあるので、その地方分権と地域経済の活性化という関係を何かどこかでコメントをしていただいたほうがいいのではないかと思います。
その関係で工場立地法についてですが、これも当然分権委員会からいろいろいわれていると思いますが、その点は工場立地法がなぜ今後とも国がやっていく必要があるのかについて、経済産業省としてどういうお考えなのかを質問させていただきたいということです。
3点目ですが、資料の5-2の経済産業省がとりまとめられた緊急プログラムの中の10番目のデュアルライフの推進の点は、ぜひ経済産業省としても全面的にやっていただきたいと思っております。
私も4年ほど地方に住んでおりまして、地方の住みやすさという点について、圧倒的に東京との情報非対称性というのを非常に強く感じております。これから団塊の世代が大量に職を第一線から引く中で、その人たちがかなりの割合で地方に住むことになると、地域経済の活性化というのは相当な勢いで進むと思います。
ただ、これはもともと政府というか経済産業省の中で20年ぐらい前に、シルバーコロンビア構想というのがあって、老後を海外や地方で過ごそうという政策があり、それの流れが多分経済産業省の中にも残っていると思います。政府全体として今総務省が割とまじめにjoinという公益法人をつくって、そこで推進されておりますが、どうしても民間企業を巻き込む力が総務省では弱いので、ぜひ経済産業省もその力を振るっていただいて、そのデュアルライフ推進に向けて尽力していただきたいと思います。
以上でございます。

大西分科会長
ありがとうございました。松原委員、お願いします。

松原委員
まだ十分に読み切れていないので、もう少しちゃんと読んでから本当はコメントしたいと思っていたのですけれども、さっと読ませていただいて、正直申し上げて私がみる限りはつながりにくい項目がかなり並んでいるのではないかと思います。もう少しこの項目をうまくつなげないかというのを少し考えていただけないかと思っております。
そして、出てきた最後の結語のところも、ある面では今までいわれてきているようなことをやはり繰り返しているというのがあります。正直申し上げて、もう少しこの分科会の成果として、ある面では新しい観点といいますか、そういうものが出せないかと思っております。
その際、出発点になりますのが、現在の格差問題の捉え方になると思います。地域間格差の要因については、「はじめに」の3行目に書かれていますが、地域ごとの産業構成の相違等の構造的な要因が背景で、地域間の格差の問題が生じているという捉え方になっています。これももう大分前からいわれている話でありまして、果たしてそういうものなのだろうか、私自身にはやはり出発点として疑問に思う点であります。
グローバル化が進む中で、少子高齢化、財政危機といいますか、制約がある中で、結局地域間の格差も従来型とは違う形での新しい側面というのがいろいろ出てきていると思います。特に引っ張っている産業も、電気機械自体もかなりばらついている形で、今までリードしていたリーディングインダストリーである電気機械自体が、国際競争の中でかなり落ち込んできている部分もある。今かなり自動車に頼った形で、輸送用機械が引っ張ってきているという側面があるわけです。ですから、産業といっても工業の中でのリーディングインダストリーの交代も、恐らくその90年代を経た形で今、景気回復期の中でどういう産業がリーディングインダストリーになってきているのか。そして、新しいイノベーションという議論が出てきている意味で、何がこれから日本の経済を引っ張っていくようなものなのかということをやはりはっきりとした形で認識した上で考えていく必要があるのかと思います。
そのときにいろいろ考えますと、やはり企業の立地の動向というのが、ここでも指摘されていますように、大都市圏を中心としたところで、研究開発と製造とが地域的にかなり近接し、スピードをもった形でのビジネスといったようなものがかなり引っ張っている部分があります。そのようなものがある一方で、地方経済に対しては、大都市圏からさらにどういう形で企業の立地を波及させていくかというような話があるのかと思っております。そのような側面と地域の別の角度、グローバルな競争の角度以外のところでいうと、その地域のいわばポテンシャル、資源といったようなものを生かした形で、決してグローバルな形で競争するだけが地域の戦略ではないと思います。ですから、そういうターゲットを変えた形での国内市場あるいは地域市場を目指した形での新しい産業、あるいは既存の産業の強化というのがあり得ると思います。そのときにはやはりここで出てきているような農商工連携やソーシャルビジネス、地域イノベーションといったようなものがあると思いますし、新たな要素として、こういう近代化遺産を使ったような観光をも含めたような形での地域の活性化のあり方があると思います。ですから、私としては、企業立地促進法あたりで考えられているようなものを進める方向として、1つは国際競争力をどうするのかということ、いわば国民経済の中でのリーディング産業、引っ張っていくような地域を明確にさせていく。そして、そこからの波及効果をどのように考えていくかという話を出す。それと、そういう波及効果が及びにくいような地域を自立あるいは活性化していくためには、地域資源を今までとは違う形でどう使っていったらいいかというところをまとめていく、こうした方向性を出していただけないかと思います。
以上です。長くなって申しわけありません。

大西分科会長
ありがとうございました。それでは、谷本委員、お願いします。

谷本委員
手短に2、3点だけコメントしたいと思います。
今ご発言があったところと最初にいわれたところは同じような思いがありまして、項目をざっとみておりましたら、巧みに言葉が入れかわりながら入っているのですが、全体としてなじみ切れていない。もちろんご担当の方々は、短い時間の中で一気に何とか報告書にしなければいけないというのは当然ありますけれども、まだ今年度では多分無理だと思います。この報告書以上のことをもう一回やり直せなんてことは時間的に不可能ですし、当然この分科会あるいは産業構造審議会自体はずっと続いていくものだと思います。ですから、その中でも別に研究会は勉強だけしているわけではない、実際に政策がなければいけないのはもちろんそのとおりでありますし、試行錯誤も必要だと思います。
例えば、先ほど私が報告させていただいたようなソーシャルビジネスあるいはコミュニティビジネスみたいなこと、その前にご報告にあった地域イノベーションの話とは、どのようにして1つの大きな枠組みの中で具体的な課題としてやっていくかというようなことをもう少し枠組みとして考える必要があるだろうし、大きなお金をドーンと落としていくだけではなくて、もっと本当に小さなビジネスになると、研究開発で億円単位のものが要るわけではないですよね。
地域の中でもっとフットワークよくお金を使えるような仕組みに、本当に落としていくようなことを考えることも必要だろうという気がします。本当にそれは大きな枠組みで考えなければいけないと思うのは、例えば今内閣でいっている安心・安全のプロジェクトがございますよね。もちろん個別にはいろいろな暮らしとか生活の安全上にかかわるような課題ですが、やはり地域経済の疲弊がかなり大きなベースになっている部分が多いと思います。暮らしの部分で安全であるとか、安心して暮らせる地域になり切れない部分は、そのベースに産業の衰退とか経済の不活性という部分があると思います。だから、もちろん今私がいっていることは、ちょこちょこと文章を直せばすぐになるということではありませんけれども、もう少し大きな枠組みで全体が練られるような方向にしたい。地域再生戦略も大きな枠組みで考える部分ともう少し個別のところが、今バーッとメニューが並んでいるというレベルだと思います。
もう1つだけあるのは、先ほど米田委員がいわれた建設業です。実際には国交省の建設業課は、工業事業の発注元であり管理者を同時にやっているという対応の難しい課だと私は思います。産業構造を改革していかなければいけないし、建設業もゼネコンから地域の零細まで入れると、40万社ぐらいあるといわれているわけです。大きな枠組みでいえば建設業も経産省の中に取り込みながら、産業構造の改革をするということを何かもっと大きく考えないと、結局従来のパターンでいけば、まさに公共事業をやって上から落としていく。今度は小さくなると、やはり何とか中で回し合うというので、また新たな談合になってしまわないかというおそれもあるわけです。
ですから、農林水産業との連携もそうですけれども、建設業というのもかなり地方の場合には大きかった問題ですので、産業構造を考えていく上では、国交省との連携も必要だろうという気がいたしております。建設業側だけで達し切れないというような感覚はもっておりました。
以上です。

大西分科会長
ありがとうございました。田子委員、お願いします。

田子委員
2点あって、1つはお願いです。地域、地方のいろいろな支援事業などのお手伝いをさせていただくときによく感じることがあります。地域地域の各自治体の方は非常に熱心に事業をされていると思いますけれども、非常に残念なのは、その地域のユーザーといいますか、その地域で事業をされている住民の方々などがほとんど知らないケースが非常に多くて、たまたま何かのご縁で知ったから利用できたみたいなケースが非常に多いような気がしております。
でも、今回もこのように非常にイノベーティブなことを進めているわけですけれども、ここで議論されていることは一人一人の国民といいますか、会社だったり企業だったり個人だったりすると思います。そういう方々が使える施策として、どこに通じているのかといったようなことは、もちろん行政、自治体でもいろいろなPRをされたり、あるいはワンストップサービスのような仕組みでカバーされたりすると思います。しかし、ここで議論されている上流工程といいますか、そこでやっていること自体が国民に、「あなたのこのお仕事にこのように貢献できるのです」といったようなPRの後押しみたいなことをやはり一方でしないと、なかなか全体に行き渡っていかないのではないかという気がしますので、それがお願いでございます。
もう1つは、報告書の中の結論の1つとして、やはりコーディネーターが非常に重要ということがあるかと思います。これもまたいろいろなことを議論されるときに、必ずコーディネーターが非常に重要、あるいは人が重要ということに結論が来ておりまして、次々何か新しいことが全国で始まるときに、いいコーディネーターはいないかということで、いろいろなところでコーディネーター探しというのが行われている実態があるように思います。
私が存じている限りにおいては、いろいろな関係のコーディネーターの方々は非常によくおやりになっていらっしゃると思いますが、かなりそれは属人的な経験とネットワークと知識によっているように思えます。また、その方々の職業として安定していないといいますか、半分お仕事、半分ボランティアみたいな感じで、限られた年限の中でおやりになっていて、契約期間が切れたら終わりになるといったような感じで、印象としてかなり属人的な要素が非常に強いような気がおります。実態として私は把握していないので、あくまで印象ですけれども、例えばこういったコーディネーターのような仕事を企業とかNPO法人とか、ソーシャルビジネスであるとかそういうところに委嘱して、半分身分が安定したような形の中でそういう方を委嘱していくとか。あるいは、とにかく属人的に終わってしまって、そのサービスと情報と成果が、その人とともに去っていってしまうということがないような仕組みづくりというのも一方で考えていただかないと、人がすべてだということでくくってしまうと、少し不安なものを感じてしまうということがございます。
以上です。

大西分科会長
ありがとうございました。鈴木直道委員、お願いします。

鈴木(直)委員
第1点は、松原先生は非常に重要なことをいろいろおっしゃったのですが、それにやや加えるとするとグローバルな視点です。
九州へ行きますと、九州の方々はみんなアジアの中の九州の議論をもう最初になさるぐらいに、国際的な視点が日本の地方に既に根づいているわけです。
例えば、富山から名古屋の高速道路がもうすぐ通じるわけですが、恐らく愛知県の自動車工業は富山港から自動車をウラジオストックへ出荷するだろうと思います。ウラジオストックからサンクトペテルブルグへ行く。そういう企業展開がすべていろいろな形で変化してきているので、国際的に一体各地域はどうなるか。これは恐らく東京で議論することではなくて、各地域で議論なさることかもしれないけれども、やはりグローバルな展開というのは、恐らくいろいろな意味で変化してくる段階でございますので、そういう視野を絶対忘れてはいけない。
第2点は、やはり環境問題でございます。来年は環境サミットが洞爺湖であるわけでございますが、やはり地域問題と環境問題はもっともっとリンクしたほうがいいのではないか。もう一度、CO2削減計画みたいなものを業種別というよりも私は地域別の議論を各地域でしたほうがいいと思います。
県庁に行きますと、電気を消しているようなところもあるわけですけれども、それよりもむしろその県庁の中でいかにCO2を削減するようなシステムを導入するかという議論をしたほうがいいわけでございまして、いろいろな意味でその地域の省エネルギーだとかCO2削減とかを考えたほうがいいと思います。
この間、四日市に行きましたら、四日市郊外に世界の環境技術移転のための研修センターがありまして、既に500以上の技術移転をなさっているそうです。そういう点等々、地域問題と環境とのリンケージみたいな議論をもう少ししたほうがいいのではないかというのが第2点です。
第3点は、このレポートに関してでございますが、やはり少し読みにくいです。例えば、私なんか一番関心のある地域イノベーションの創出を読んでいっても、重要性はみんなわかっているはずだけれども、将来何をなさろうとしているのか。はっきりわかるように書いていただくことが、本当は必要ではないかということが1つです。
ずっと読んでいきますと、重要なことは後ろのほうに書いてあるわけですが、重要なところはみんな終わりに「検討を進める必要がある」と書いてあります。先ほど申し上げましたように、事業化支援のための専門人材の育成等々は重要だということはみんなわかっているはずなので、それをやるとおっしゃったほうがいいような気がする等々、拝見していてもう少しはっきり物をいっていただければいいということでございます。

大西分科会長
ありがとうございました。鈴木孝男委員、お願いします。

鈴木(孝)委員
2点コメントさせていただきます。今回のレポートの緊急性というのでしょうか、今、地域と中小企業が一番問題のときの提言としては、今年度施行されました地域資源活用促進法と企業立地促進法をどう一体化するか。あるいは、ほかの地域イノベーションの施策をどうするのかということです。
というのは、この2つの法律は各省連携してできたという1つの画期的なところがありますし、地域資源は今の農業の活性化あるいは建設業の業種参入も視野に入れて、3つのカテゴリーで今までのものづくり、産地技術だけではなく、農林水産品あるいは観光資源というところを1つの焦点にしています。
地域資源活用促進法は、今そこにある中小企業がその地域の強みを使ってどうするかというところに重点を置いています。
片や企業立地促進法は、単なる補助金とか財政力のあるところではなくて、知恵のある自治体の企業誘致を新しい視点からみようということです。これら2つがどこかで一体的になるということで、今当面の課題に対応できるのではないかと思います。そういった方向でこの両方の法律を束ねた形で、1つの方向を出しているのは、レポートの方向としては大変いいのではないかという感じがします。そういう意味で中小企業政策と地域政策を一体的にして、現下の課題に対応するというような方向だろうと思いますので、私どもは支援していきたいと考えております。
2点目は、今年度より企業立地促進法に基づいて私どもでは日本立地センターさんと共同で企業立地支援センターの運営をやらせていただいています。今後、どのように運用していくかもありますが、企業からしますと、公的なところにどういう団地があるのかというのを相談したいということです。自治体に相談すると自治体が離してくれない。軽く打診しても、もうお客様だと思ってしまう。まだ自分はいろいろなところの検討をしているけれども、そのときにどんなものがあって、どうすればいいのかというところの企業立地のビジネスマッチングみたいなところが欲しいということだと思います。
一方、自治体からすると、補助金とか税制以外に何をやれば中小、中堅企業を含めて来てくれるのか。その辺の企業との本音の議論をしたいというマッチングがなかなか民間では難しいし、我々もそこができにくい。何かその辺が今の企業立地促進法で実際企業が地域に進出するプロセスにおいて、資金ではなく知恵として欲しいというのが、両方から来ているのをどのようにやるのか。私どもの課題でもあるのですが、そんなことを考えています。

大西分科会長
ありがとうございました。門脇委員、お願いします。

門脇委員
端的にですが、今回このコラムにもサマライズしてもらっていますが、やはり地域でどう経済をつくるかが、地域では非常に大きなテーマになっているわけです。中小企業もそうですし、今回のテーマの農工連携もそうです。
そういう意味では、この産業構造審議会という組織自体もテーマがあると思いますけれども、やはり21世紀になって生まれてくる人より亡くなっていく人が多くなってくると、完全に人口のバランスが崩れてきているわけです。そういうことを考えると、地域がどう自立、維持していくかという大きな根本的な状況に今来ているわけです。そういう意味では、大企業が経済のグローバル化の中で、世界を動物的な産業として動く。あるいは、中小企業あるいは農業という部分では、植物的な産業として地域をどう自立していくかという時代に21世紀は入ってきているわけですから、一次産業だ、二次産業だというセクターの概念というのは、地方でも余り意味がなくなってきているということも考えられます。ですから、もう少し大きな負荷の中ではこの産業構造をどうするかという部分では、農工連携あるいはソーシャルコミュニティーというスポット的な部分ではなくて、もっと大きな俯瞰するような動きというものをどこかでアナウンスして、今このステージにこういうプロセスがあるというようなところをどこかに1つのロードマップ的なものでされると、こういう報告書も意義があるのではないかとそんな気がいたします。

大西分科会長
どうもありがとうございました。上野委員、お願いします。

上野委員
時間が大分押しておりますので、手短に申し上げたいと思います。
先ほどの地域イノベーションのところで、キーワードはやはり地域の活性化と、主役は中小企業だと申し上げたかったのです。
それはどういうことかといいますと、全国のクラスターや商工会議所やいろいろなところに呼ばれて、私どもTAMAで活動しているクラスターの説明をするわけです。先ほどTAMAは恵まれているでしょうとおっしゃいましたけれども、実はそうではございません。東京都の名のついた田舎と考えていただきたいと思っています。
八王子とか青梅というところは、全くの田舎の古い体質をそのまま引きずっている面も見られる地域でございます。なぜそれが活性化した1つのモデルになったのかというのは、少し時間が足りませんので、もし必要であればぜひTAMAへ来ていただけたら十分に説明いたします。98年の発足のときからかかわってきて、それで全国モデルになった地域でございますし、それは本当に重要なプロセスがありますので、ぜひおいでいただきたいと思っています。
それで私が申し上げたいのは、各地域で講演に呼ばれていろいろお話をするときに、そこでクラスターをやっておられるのですけれども、必ずしも皆さんが困っている顔をしていないのです。それは何かといいますと、やはりストックをもっておられるということと、必ずしも住環境が悪くないから困っていない。困っていない人たちに、困りなさい、金融支援を受けなさい、中小企業にもっとアプローチしなさい、経済産業省の支援策、中小企業の支援策のホームページをみてくれませんかといっても、別に行かなくてもホームページをみれば、都会にいようと田舎にいようと一緒のはずですけれども、アプローチしてこないのです。「なぜ来ないのですか」というと、「いや、一歩出ない地域なんだ」というので、「そんなことを自慢してどうするのですか」と、私どもは同じ経営者の目線でお話しするわけです。私どもが同じ目線でいうとピリピリとするのですが、行政の説明があったでしょうというと、「いや、わかりにくい説明だよね」というのです。だから、利用者の立場でするということが、やはり大変重要だと私は思います。中小企業支援策にはメニューが100ぐらいありますから、中小企業のホームページをみたらより取り見取りで、どれを使ってしまおうかと困るぐらいあるわけですから。
それで大事なことは、大学やTLO、自治体、金融機関、それから地域の重要な大企業で、各そのセクターです。それで活性化するための組織は全部できているのです。それは舞台づくりだと思います。地域ではその舞台づくりにみんな一生懸命で、上手ないいシステムをつくっている。出口は何のためですか。中小企業はそこに入ってもらわなければいけないのです。中小企業はその舞台に乗っかって、新しいビジネスをやるために国の支援策や自治体の支援策を活用する。そして、雇用を増やし、税収を上げることに尽きるわけです。だから、主役は中小企業だということをはっきり私は申し上げたいのです。
一歩出ないので支援策に手を挙げてこない、そういう人たちをどうするのですか。所得を保障するのですか。そんなことをしていては国は国際競争力で勝てないと思います。だから、そういう面で地域の活性化というのは、各セクターの中で本当に意欲のある人たちが全部そろったところがうまくいくのです。TAMAの場合、全部そろっていると考えています。そろわない人がいる地域は絶対うまくいかないのですから、人ということを先ほど提言した訳です。
では、だめな人がいるときはどうするか。皆で提案して変えてもらえばいいではないですか。そうやって本当に中小企業が主役として、大学の先生方、支援の方、金融機関も巻き込んで、新しいビジネスを立ち上げることではないかと思っています。

米田委員
6ページと7ページですけれども、地域資源活用は結構申請も多くて、なかなかいい効果を上げつつあると思っております。
1つだけお願いがあるのは、このたびある県で、たくさんこの地域資源活用に応募したけれども、結構元気のある地域の企業だけが認められて、過疎の地域の企業がみんなそろって落ちてしまって、県が本当に重点的に振興させたい過疎地にこの制度が使えず残念だったという話があります。
恐らく農工商連携のほうになりますとさらに農村部になりますので、そういうこともおこるかと思います。そこで1つご検討いただきたいのは、いつも申請プランを国に上げて、国がすべて認定するのではなくて、例えば地方自治体特別枠とか重点枠みたいなものを設けることです。過疎の地域で、客観的にみるとなかなかすぐに成長しそうにないプランだけれども、地域としてはこれを是非応援したいというようなものは、国の認定ではなくて自治体の認定で通るような仕組みも加味することをご検討いただきたいということをお願いします。

大西分科会長
ありがとうございました。それでは、課長からお願いします。

横田課長
この3回にわたるご審議を踏まえて、この報告案を用意させていただいたのですけれども、いろいろご指摘いただきましたように、まだ熟度が低い部分もあると思いますので、ただいまご指摘をいただいたことを最大限反映させた上で、パブリックコメントを付し、最終的にとりまとめをしていきたいと考えております。
幾つかご指摘いただいたことについてポイントだけお答えしたいと思います。米田委員から、建設業の農業参入について触れてほしいということについては、ぜひ反映させていただきたいと思います。
持永委員から地方分権と地域への活性化というご指摘がありましたけれども、まさに企業立地促進法も地方分権時代の立地政策といっています。各地域で主体的に、またそのグローバリーゼーションという切り口もありましたけれども、グローバルに考えていただいたグランドデザインを国が後押しするということでございますので、多分ほかの施策も地域の主体的な取り組みというのを尊重しつつ、そうはいっても国は何もしないのかというのではなく、国としてやらなければならないことを支援していくことが大事だと考えております。
工場立地法につきましては、地方分権推進委員会の中では特に議論になっていないのですけれども、工場立地法検討小委員会の中の議論でいきますと、やはり緑を確保するのが国家的にみても大事な観点なので、そういった意味で何か一定の役割があるのではないかという議論になっております。デュアルライフについても一生懸命やっていきたいと思います。
松原委員からご指摘いただきましたように、製造業の中でも起きているようなリーディング産業の変革みたいなところから、もう少し解き起こした中でどう考えていくべきかとか、都市の問題、なかなか自力では活性化が難しい地域の都市との交流の重要性みたいなことについても、何がしか工夫をして入れていきたいと考えております。
田子委員からございました、こういった検討結果なり検討の結果できた施策のPRが重要だという点については、ご指摘のとおりだと思いますので、極力工夫していきたいと思います。また、人材コーディネーターの重要性が属人的な知識に終わらないように、体系的な知識化といったことについてどういう仕組みができるのか、施策としても考えたいと思いますし、報告書の中にも盛り込んでいきたいと考えております。
鈴木直道委員からグローバルな視点あるいは環境問題とか、なるべくはっきり書くようにというご指摘がございました。他府省との調整でいろいろ制度要求で、調整が必要なものについてどこまで書けるかという限界もあると思いますけれども、ご指摘を踏まえて極力はっきり書いていきたいと考えております。
門脇委員から、もう少し産業構造の全体を俯瞰できるようなロードマップみたいなものを入れたらどうかというご指摘がございましたので、この点についてもぜひ工夫をしてみたいと考えております。
上野委員からは最後に大変気合いが入るご指摘をいただきました。主役は中小企業で、やはりやる気のあるところが国や地域を引っ張っていくのだということだと思いますので、そういった精神もぜひどこかに盛り込みたいと思います。
いずれにしましてもパブリックコメントをかける前に、今いただいたご指摘を踏まえて報告書案を修正させていただいた上で、一度各委員にごらんいただいて、その上でパブリックコメントを進めていきたいと考えております。いろいろなご指摘をいただきましてありがとうございました。

大西分科会長
それでは、委員の皆さんには個別という格好になるのかもしれませんが、フィードバックさせていただくということで、それをもってパブリックコメントにかけて進めていくという扱いにさせていただきます。
きょうで年内に予定しておりました3回の審議を終えることになりますので、勝野地域経済産業審議官から一言ごあいさつをいただきたいと思います。

勝野地域経済産業審議官
勝野でございます。皆さん、3回の審議に大変お時間を賜りまして、かつ活発なご議論をしていただきましてありがとうございました。
現在、都市と地方の地域間格差問題というのは、特に政治的に一番大きな課題の1つになっているわけでございまして、そういう中で地域活性化策を一体どうするのかということは、我々も政府の中にいますと日々問われております。なかなか知恵のないところではございますけれども、きょうはこの3回の議論の中でご議論いただきました、例えば地域2法の問題、農商工連携、コミュニティビジネス、地域イノベーション、また近代化産業遺産等々は、まさに当面の地域活性化策で、我々として中心的に提案し、なおかつこれで何とか活性化の一助にしていきたいということで取り組んでいる課題でございます。その課題を皆さんにご説明し、なおかつそこでまたいろいろなアイデアをいただいたということでございます。
私自身はことしの7月からこの地域経済産業審議官ということで、地域政策を担当しておりますけれども、この半年間だけでも、やはり地域政策というのは今どんどん広がっているという実感がございます。例えば、この中でご紹介いたしました農商工連携のように、農水省と経産省が連携して地域活性化をやっていきましょうというような政策で、省を超えるような連携というのが代表的な政策の1つになっているということもございます。
また、例えば谷本先生からやっていただいたソーシャルビジネスは、本当に地域政策なのか社会政策なのか、非常に政策的な領域もどんどん広がっている難しい分野でございますけれども、ここもいろいろなお知恵をいただきながら、新しい政策分野の領域を広げていくということです。
また、例えばきょうもいろいろご指導、ご指摘がございましたけれども、地域イノベーションということ。地域イノベーションは単に閉じた地域のイノベーションということではなくて、これは我々日本国のイノベーション戦略の一翼といいますか、車の両輪の片輪を担うぐらいの大きな位置づけができるのではないかと思っているわけでございます。そのような大きな日本国全体の政策の一翼のような位置づけもできるような施策も、どんどんふえているということでございます。
政府の中でいろいろ知恵を出せという要望だけはたくさん来るわけでございまして、我々も限られたリソースでやっており、引き続きこういった場で皆さんからいろいろとお知恵を拝借していきたいと思います。羅針盤ももたずに航海に出ているような状況でございますので、ぜひ皆さんにはそういったお知恵を拝借しながら、進むべき方向などをぜひとも引き続きご指導いただきたいと思います。
本当にお忙しい中を3回のお時間を賜りましてありがとうございました。

大西分科会長
どうもありがとうございました。きょうは地方再生戦略という資料が出ました。我々の議論は地域振興というテーマで、地方と地域というのは1字違いですが、歴史的に振り返ってみるとかなり大きな違いがあります。地方というと大都市と地方という区別であります。それに対して地域というのは、現場に視点を置くという意味だと思いますが、特にそこには大都市、地方という区別はないということであります。いろいろな政策なり時代の変化の結果、こういう地域という言葉が経済政策について使われることになったわけでありまして、そういう意味では国際競争力と国内における比較優位という両方の面を考えながら、立地政策というのを考えなくてはいけないという時代になっているということです。きょういただいた意見は事務局でとりまとめてくれると思いますので、また皆さんにご相談して、いい報告書を最終的にまとめたいと思います。
10月から2ヵ月にわたって集中的なご議論をありがとうございました。これで一応閉じたいと思います。どうもありがとうございました。

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最終更新日:2008年1月21日
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