経済産業省
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産業構造審議会地域経済産業分科会(第9回)-議事録

  • 大西委員

    本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまより、産業構造審議会第9回地域経済産業分科会を開催いたします。

    本日、八木委員の席には、富士通株式会社政策渉外第三部の堀越統括部長が代理出席で着席いただいております。よろしくお願いいたします。

    それでは、議事に入ります。まず事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

  • 横田課長

    それでは、お手元の資料を順に確認させていただきます。

    一番上に「議事次第」がございまして、それから「資料一覧」「委員名簿」。

    資料1-1として、「地域イノベーション研究会中間とりまとめ案について」、資料1-2で、A3の一枚紙がございます。資料1-3が中間とりまとめ(案)の本体でございます。それから資料1-4として参考資料がございます。

    次に、資料2-1としまして、「ソーシャルビジネス研究会報告書(案)概要版」、2-2として報告書(案)の本体がございます。

    それから資料3-1、3-2、3-3として農商工関連2法案のポンチ絵がございます。

    資料4-1としまして、「工場立地法の制度見直しについて」ということで、小委員会報告書の概要、それから資料4-2として告示案がございます。資料4-3として小委員会の報告書をおつけしております。

    最後に、各委員のほうには郵送させていただきましたけれども、2月にとりまとめていただきました本分科会の報告書を配付させていただいております。

    もし不足ございましたら事務局のほうにお申しつけいただければと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

  • 大西委員

    本日は、本分科会においてとりまとめた報告書に沿って政策が既に具体化されつつありますので、進捗状況を説明していただいて、それに基づいて意見交換を行いたいと思います。

    それでは最初に、「地域におけるイノベーションの創出に係る施策について」ということで、事務局から説明をお願いいたします。

  • 古瀬課長

    地域技術課長の古瀬でございます。

    資料1-1から1-4まで地域イノベーション研究会中間とりまとめの資料として用意いたしました。まず資料1-1でございますが、この地域イノベーション研究会は、「背景」のところに書いてありますように、昨年11月28日の総合科学技術会議におきまして、議員の有識者ペーパーとして、科学技術による地域活性化のあり方のペーパーが出ております。その報告を受けて、福田総理より、この春までに戦略を作るようにという指示がございます。それを受けまして、地域経済産業審議官の私的研究会として、1月10日を第1回目といたしまして、今まで4回開催いたしました。

    この3月24日に中間とりまとめの案を検討したところでございまして、それの本文をそのまま資料1-3として配付しております。これにつきましては、この第4回の研究会のさまざまな意見、または今後いろいろなものをブラッシュアップいたしまして、次回は4月18日の予定で最終とりまとめを行う予定でございます。ですので、この中間とりまとめ案は今後まだ多少変わっていくということを前提にみていただければと思います。

    一枚で全体のポイントというのをまとめておるのですけれども、それは後ほどにいたしまして、まず検討に当たっていろいろ研究会のほうで検討しました資料をもとに簡単に説明いたしたいと思います。

    資料1-4の参考資料をちょっとみていただきたいのですけれども、これをめくっていただきますと、まず、地域にはたくさんの元気な中小企業、または大学・公設試、これが約1,600、それから研究者が14万を超えております。それから大学発ベンチャーも今約1,600社あるわけですが、これをみますと、各地域にこういった形で、まさにイノベーションを担うプレーヤーがこれだけいるということがわかるかと思います。

    それで2ページ目でございますが、これは国の地域科学関係予算を内閣府のほうでまとめておりますが、国全体の科学技術関連予算のうち、大学運営費等の基盤的なものを除きますと、約2兆円超あるわけですけれども、そのうち地域の科学技術振興予算として、全省庁合わせて約750億になっている。全体として3.6%のウェイトであるということがわかると思います。

    3ページにいきまして、都道府県等、地方では科学技術関連予算はどうなっているのかというグラフを載せておりますが、都道府県の科学技術関連予算というのはだんだん減っている傾向がございまして、特に中小企業の技術的な支援をしております公設試の状況も厳しいものがあります。

    それから4ページ以降、現在、施策を行っているもののデータをつけております。4ページ、5ページで、皆さんもご存じかと思いますが、産業クラスター計画の現状をまとめております。第I期で約5万件の新規事業開始件数がある。創業、第二創業を合わせれば800件超、こういった成果が出ております。

    5ページ目に今までの活動の内容のグラフを載せておりますけれども、この産業クラスターは産学官のネットワークを形成、苗床づくりということがポイントでございますが、その活動としてこういったことが行われているというものでございます。

    6ページはインキュベーションでございまして、今まで中小機構が整備しましたもの、また整備中も入れて33ございますが、それの状況をここに載せております。

    それから7、8、9はざっとみていただきます。これは、研究会にあわせて産業クラスター参加企業、任意に3,000社を抽出しましてアンケートをとっております。約1,000社の回答があった中のものですけれども、この結果をみますと、外部機関にどういったことを期待しているのかといったことについては、共同での開発であったり、試験・評価・検査、相談・アドバイス、パートナーの紹介、それから販路開拓へのサポート、こういったところによりニーズが高い。それから人材面でいいますと、企業にいる、特に中小ベンチャーは、開発を担う技術者の不足、それから市場ニーズを把握するマーケティングとか営業関係の人が少ない、ということが出ております。

    それから9ページへいきまして、これは大学に対する期待というところを聞いておるのですけれども、地域にある大学は、イノベーションを創出する大きな機能をもっているということでこういう結果になっておりまして、大学が保有している試験機器、研究設備の利活用、それから研究者のアドバイス、それから試験・検査・評価、人材、こういったものが出ております。

    10ページ以降は研究会のほうで先進事例として集めたものの一部をまとめております。「情報家電ビジネスパートナーズ」というのは近畿のものづくりのクラスターの中でできた仕組みでございまして、こういった、三洋、シャープ、松下というような大手企業と中小ベンチャーとのマッチング、常設の商談支援システムでございまして、なかなか大手にすぐれた技術をもっていっても提案を聞いてもくれないと、または大手側からすれば、有象無象、すぐれたベンチャーとかいれば会いたいのだがと。途中にこういう推進機関、または事務局をはさむことによって、こういう仕組みができております。今後はこういったことをほかの分野に展開したいといったことがあるのではないかと考えられます。

    それから11ページは、産業クラスター、今まで域内のネットワークづくりをI期でしてきたわけですけれども、最近では、クラスター間で、特にクラスターマネージャーを核としまして、こういう広域での連携というものが出てきております。今後こういったクラスター間連携とか、また海外も含めた広域展開、こういったものを志向していく必要があるということでございます。

    12ページは、大学を中核とした拠点形成の例を、北大の北キャンパスの例だけ挙げておりますが、ここでは、もともと農場であったところにいろんな施設が入ってきております。JSTのプラザであったり、それから道の公設試があったり、これから中小機構のインキュベータもでき、その中にうまくお互いネットワークできるような仕組みができている、といった例でございます。

    13、14は、公設試について、かなり地域にとっては、特に中小企業の技術支援にとっては重要な機能をもっているということで、1つは、公設試はもともと自治体の機関ではありますが、こういった形で例えば、これは岐阜の例でございますが、家具は非常に広域でやっています。四国の紙に関しても、やはり特化して広域にやっているような例があります。それから、岩手県では公設試も独法化をしておりまして、トップも民間から来ていただいている。そうすることによって、かなり地域の技術支援、経済波及効果が出ていると、こういったものも出ております。

    それから15ページでいっておりますのは今検討中のものでございますが、技術がなかなか社会に普及しないと。それには制度的な障害もあるのではないかということで、それを突破するために、スーパー・テクノイノベーション特区、仮称でございますが、こういったものを検討しているところでございます。

    こういった現状を踏まえまして、資料1-2のA3のものをみていただきたいのですが、現在こういった現状、課題、それから政策の基本的方向、具体的施策といったことでとりまとめ中のところでございます。

    問題意識としては、先ほどの資料にありましたように、地域には技術力をもった企業、または大学・公設試、研究者、こういったところがその潜在力があるが、それがなかなかその潜在力を生かせていないのではないかということでございます。

    それで左下のほうに3つ課題をまとめておりますが、1つは産学官の連携不足ということで、今まで産学官のネットワーク形成ということをやってきているわけですけれども、例えば大手企業の積極的な参加が少ないであるとか、広域連携ということで多少は出てきておりますけれども、この連携がまだ不足しているとか、または出口の事業化支援機能がまだまだ脆弱で、イノベーションが次々に起きるような状況になってないといった産学官の連携不足の課題がございます。

    それから2番目に、既存組織・行政区域の垣根といったところで、例えば研究開発資源の活用が大学とか、またはその地域の公設試の中にとどまっているということでございます。実際にはお互い持っているリソースを相互利活用することによって、その企業への支援サービスというのがもっとできるのではないか。企業や公設試からもそういった声が来ておりまして、ただ、既存の組織の壁がなかなかその垣根を超えていないという問題があるのではないか。これが2点目でございます。

    それから3点目は、インフラ・人材の劣化と不足ということで、これは産業支援人材のところと、実際の中小企業ベンチャーのプレーヤーの人材、こちらが両方とも地域においては不足している。それから大学等の知見を産業に活用するための拠点の不足ということで、これはいろんな大学、中小企業が大学連携型のインキュベーションを今までしているのですけれども、まだまだそういったものが必要であるといった声がございます。それから後は、公設試が脆弱化しているといった問題がございます。

    こういった課題がある中でどういう形で地域のイノベーション政策を進めていくかといったことで、連携、オープン、集中、この3つをキーワードにしまして、5つの施策の方向というのを出しております。

    1つ目は、地域クラスター施策のさらなる推進と成長ということで、経産省は産業クラスター、文科省は知的クラスター、進めているわけですけれども、それにつきましてさらなる、例えば事業化支援の強化であるとか、クラスター間連携を進める。広域、国際的展開、それから地域クラスター等の一層の連携強化によって、シーズ創出から事業化に至るまでシームレスな支援をつくっていく、こういったものが1点目です。

    2点目は、地域の大学等のポテンシャルを生かして地域活性化の推進をすべきだと。内容としましては、大学を中心としました産学連携集積拠点形成。具体的には、大学連携型のインキュベーションを経産省としてつくっていくということが1点、それから2点目は公設試の機能向上ということで、例えばプロジェクトの中で必要な機能強化を図るとか、今の公設試が委託で取得して持っている機器があるのですけれども、そういったものを企業にも利用開放していく。これはその後のところに出てきますけれども、必要な物品管理法とかそういったもので制限されておりますので、これをできるような省令改正等の手続が必要になっておりますが、そういったこと、または公設試の研究員の研修ということで機能を高めていくということが2点目でございます。

    3点目は、地域の研究開発資源のオープン化の推進ということで、20年度事業で地域イノベーション協創プログラムといったことを始めますが、その中でイノベーションの共同体形成事業ということで、大学、公設試、それから産総研の研究機関同士で、持っている設備とか人材とか、そういったものをなるべく共有化して、オープンして、ワンストップができるようにしようということを始めます。そういったものをより進めるということで、先ほどいいましたように、委託費で購入した設備をちゃんとオープン利用できるような所要の手当てをするといったことが3点目でございます。

    4点目が人材の発掘・育成・育成ということで、地域でこういったイノベーションを起こすには、いわゆるコーディネーター人材をどうするかというのが1つと、それからもう一つは、ポスドクと大学と研究者が中小企業、またはベンチャーにちゃんと目を向けていけるようなことということで2つ挙げております。1つは、コーディネーター人材、いろんなところの組織にいろんな名称でいるわけですけれども、それが企業のOBであったり、スキルがなかなか足りないということで、これを横につなぐ全国ネット、それから弟子入りの研修のような実践的な研修、こういったものを実施して、人材の質、またはそういった人たちのキャリアパスとしての形成を支援していこうというのが1点。それからポスドク等の人材と企業とのマッチングのようなことをして、または長期インターンシップのようなことを進めて、こういったニーズにこたえていくということでございます。

    それから5番目が制度改革ということで、先ほど資料がありましたけれども、スーパー・テクノイノベーション特区プロジェクトの検討。この中には、設備のオープン化のために必要なものとか国立大学法人の出資規定、こういったものを盛り込んで、中間とりまとめ案として出して検討しているところでございます。

    簡単ではございますが、以上でございます。

  • 大西委員

    ありがとうございました。

    それでは、今のご報告に関連する意見交換、あるいはご質問を受けたいと思います。当分科会の委員でもこちらの委員も兼ねておられる方もいらっしゃると思いますので、補足的なご意見も結構だと思います。よろしくお願いいたします。

    では、最初、松原委員から。

  • 松原委員

    昨日送っていただきました中間まとめを慌てて読ませていただいたのですけれども、きょう説明していただいたことを含めて意見を述べさせていただければと思います。

    資料の1-2で書かれている大筋というのは、私自身も同じような感想をもっておりまして、そういう面では、地域の課題であるとか基本的な方向というものについてそれほど異論はないのですけれども、もう少し要望ということで申し上げたい点があります。それは、この資料なんかもそうですが、非常にたくさんのケースについて、そしていろいろな事業について数字でとれるようなものというのを挙げられてくるわけですけれども、私の基本的なスタンスとしては、もう少しじっくり考えるといいますか、もちろんじっくり考える余裕がない時間的な制約の中でやられているとは思うのですけれども、そもそも地域イノベーションというのをどういうふうにとらえたらいいのかということを落ちついて考えてみる必要があるのではないかなと思っております。

    それは、こういう中間まとめを読みますとますますそういうふうに思うのですけれども、ターゲットといいますか、地域イノベーションの結局のねらいは何なのかということをしっかりと押さえる必要があるのではないかと。

    それは私は2つほどあると思うのですが、1つは国際競争力をどうするかという問題であって、それは有機であるとかナノとか再生医療であるとか、そういう非常に最先端の、そして国際的な競争の激しい分野、これをどうするかという。それは必ずしも地域に基づくかどうかという議論はあるかと思いますが、私自身はかなり地域に根差した形での国際競争力のありようというのがあると思っておりまして、そういう面では、大学、それから、ここでは大企業も非常に重要な主体として出てくると思いますし、国際的な、学問的な研究所の連携であるとか、大企業の提携とかいうのも戦略に入れた話があると思います。

    そこの話と、2番目の点というのは地域の競争力といいますか、あるいは活性化とか、そういうものを重視する地域イノベーションというのがあると思うのですが、そこをなんかごちゃごちゃした形でやられるよりは、私は切り分けた形で、しかもイノベーションのありようも、非常にラディカルイノベーションといいますか、非常に難しいイノベーションの部分と改良型といいますか、ものづくりの蓄積に根差した、ここで出てきているようなものづくり、元気な中小企業の力をさらに強くするような、あるいは更新、連携を進めるようなタイプのものとを切り分けた形で、この政策の方向性というのを出すべきではないかと思っています。これが1つです。

    もう一つは、効果については、事業化というものが出てますが、さらにその先の効果というのを恐らくその地域の活力とか競争力では求められていると思うのです。それは雇用であったり、あるいは付加価値額の伸びであったり、そこまで、恐らく性急かもしれませんけれども、求められていると思うのです。そういう面でいうと、今の地域イノベーションでいろいろ議論されているのは、まだまだそこまで非常に距離があるような話であって、その距離というのをやはり縮めないと、地域イノベーションの議論の迫力といいますか、そういうものがないのではないかと思うのですが、その辺も考慮していただけないかなと思っております。

    大きくは2点ほど要望させていただきました。

  • 大西委員

    ありがとうございました。3人の方に発言していただいてからお答えいただきたいと思います。米田委員、お願いします。

  • 米田委員

    今回のとりまとめ案で私が注目しておりますのは、地域の研究開発資源のオープン化の推進というところと、それからスーパー・テクノイノベーション特区という新しい構想です。ぜひよい形で実現していただきたいと思っております。

    ただ、現実にスーパーテクノ特区でいろんな新しい技術を開発しても、それを実用にするまでにいろんなハードルがあるというのは、実は皆さんそれぞれの立場でそれぞれご経験を積まれていることだと思います。やればやるほど、ここ掘れワンワンみたいに次から次へと出てくる制度的課題というのもあると思います。新しい技術を例えば公的なものに応用するときにはある程度実績がないと採用されないというような規制から始まって、あと、各自治体とか各試験機関がもっている特許をどうやってみんなで共有化してオープンにしていくかと、技術をオープンにしていくかという、横割りの弊害の垣根を越えるとか、さまざまな問題がこの中には出てくると思うのですね。

    その分、逆にいえば、特区構想を1つ打ち出されるというのは、だからこそ価値があるともいえるわけで、ただ、もう少しお聞かせいただきたいのは、現実にはどういう技術的課題とか制度的課題を想定してこの特区というのをアピールしていかれる予定なのかということを少し教えていただければと思います。

  • 大西委員

    鈴木直道委員、お願いします。

  • 鈴木(直)委員

    委員として私も参加したのですが、ちょっと別の観点で。

    先週、福井に行きまして、オンリーワン企業だと自分が思っている中小企業が98社あったのですね。小冊子をつくられて、産業労働部長から拝見したわけですが、申し上げたいのは、中長期的に技術に自信を持ち始めている中小企業は今非常にあるということ。ところが、今景気の踊り場になってきて、恐らくこれから少し厳しい時代が来るだろうと思うのですが、最初に影響を受けるのは中小企業であり、特に地域だと思うのですね。ですから、こういうすばらしい長期的な対策をとるチャンスは今年中ぐらいしかないのではないかというぐらいに、つまり、中小企業がそれぞれ余裕、長期的視点で対策がとれるうちに、この地域イノベーション対策を推進していただきたいというのが地域に行った私の感想です。

    そういう観点でいきますと、本日いただいた報告書はよくできていると思うのですけれども、750億という大きな地域イノベーション予算を実施する段階で有機的に相互に協力し合った連携体制ができているのかという点が問題です。これはむしろ地域の方にお聞きしたいわけですが、案外がばらばらであって、それぞれが独自の政策をしていて、総合的な効果というのがないのではないかなという疑念をもっているわけなのです。ここで最後にお願いしたい点は、今の地域グループが強力に、今のうちにいろんなことをやっていただきたいと思っているわけですけれども、きょうの結論を実施する体制をぜひつくっていただきたいとお願いいたします。

    関係省庁もあるので大変だと思いますが、今の方々がイニシアティブをとって、この地域イノベーションを推進しようとしている。ここに書いてございますいろんな機関があるわけですが、それがばらばらでなく、相互に協力し合って、地域の中小企業のために実施できるような地域イノベーションを推進するような強力な仕組みをぜひおつくりいただきたい。そうすると、地域もそれに対して大変歓迎するのではないかと思っております。

  • 大西委員

    ありがとうございます。それでは、上野委員。

  • 上野委員

    今回、資料1-2で地域イノベーションのとりまとめを書いていただいて、これは大変よく整理されているのではないかと思っています。この中で、先ほど松原委員からのお話がありましたけれども、地域の活性化というポイントについて非常に重要なことを私は提言したいと思っています。

    クラスターの関係でも、地域でいろんなクラスターがあり、多摩の事例をぜひ説明してほしいという要望がありまして、多摩地域で私どもがやっている成功事例のお話を申し上げます。地域の人たちの枠組みをつくる、要するにクラスターでいい枠組みをおつくりになるわけです。しかし、それはあくまでも舞台づくりであって、その中から何を出口として期待できるのかというと、私はやはり、新しい事業や新しい仕掛けをして、そこから雇用を増やし、そして税収を上げるということに尽きるだろうと思っています。そのときに、舞台の上で活躍する主体はだれかというと、私はやはり中小企業そのものだと思っているわけです。

    ところが、地域では枠組みをつくることにすごく皆さん熱心でありますが、しかし、その中小企業の人たちが呼びかけをされると、渋々舞台に登場するというようなことがあるのです。なぜ積極的に手を挙げて、多摩のように提言しないのか。多摩の中小企業はもっとやかましくて、行政の人たちに、どんどん提言しますし、支援機関の人たちにも本当に積極的にアプローチするわけです。ぜひこういうことやりたいのだけれども何とか支援してほしいとか、たくさんの意見が出るのです。地域の中小企業の人たちをどのようにしてその舞台の中で、本当にこのようないい支援策や、それから中小企業の支援策をみてもたくさんの支援策がありますし、それをクラスターという中で提案することによって、本当に地域の連携も進みますし、大学の先生とも自分たちが主役でアプローチしていくべきだと思っているのです。中小企業の経営者をもっともっと啓蒙するということが私は一番重要なのだと思っています。彼らが入ってこないで、幾ら支援策を作り、それから広域連携ということを言っても、やはり結果的にはうまくいかないのです。中小企業の経営者が本当に課題としてとらえていることを一歩踏み出してやれるように、もっと活動の中で強く進めていきたいのです。

    それで、この中でも、地域の活性化の主役は中小企業ですということをぜひ織り込んでいただきたい。ここにたくさん参加していると。ものづくり300社の認定を2年連続やっていただきましたし、今年もやっていただくということを私も提言しているわけですけれども、ぜひこの中に、中小企業が地域の活性化の面では主役だということをはっきりと言葉の中で入れ込んでいただいたらいいのではないかと思っています。

  • 大西委員

    ありがとうございました。

    ご質問、ご意見、あるいはご提案が寄せられましたので、古瀬課長のほうから対応をお願いします。

  • 古瀬課長

    四人の方からお話を伺いました。

    まず松原先生のおっしゃったことは、研究会でも同じような議論がございまして、1つは、地域は多様性があるということ。その地域にある潜在的なものが違うということで、幾つか類型、少なくとも2つ、国際競争力をねらうようなものと、それからまさに地域の活性化に根差すようなもの。国際競争力をねらうようなもの、それと地域の活性化は多分両輪でうまくやらなくてはいけないものですが、その例としては、例えば北大のこの例とか、京大の桂キャンパスの集積等いろいろあります。あとの地域の活性化でいうと、例えば長野のクラスターなり、また信州大学のA-RECというところが産学のほうでもうまくやっていたりとか、また岩手大に北上市が支援して金型の研究センターをつくったりしておりますけれども、地域の実情にあわせてそういう類型化したことは考えていかなくてはいけないと思っております。

    その効果のところも、短期、中期、長期で、地域のイノベーション、特にクラスターというのは実際には、海外の例をみても、二十数年、30年かかっているわけでして、ただ、喫緊の課題として、今の地域の具体的な企業が抱えている課題というのはなるべく早く対応していかなくてはいけないので、それをやるということと、あとは、出口として、そういった環境がきちっと中長期的に当然整備されているといったことも考えていかなくてはいけないと思っております。

    それから米田委員から2つ、強いご支援のお言葉をいただきましたが、ここでは、1つは、施設、そういう研究資源のオープン化というのは非常に重要だと思っておりまして、20年度からは、まずは今もっている設備をお互い規約などを作って、オープン化を進めようと思ってます。あとは、今、実は国の委託事業で取得した機器というのが実際には大学とか公設試にはございまして、それは今の制度上は研究をした者しか無償貸付ができないということになっておりまして、特に公設試においては、それが利用企業にいくとさらに企業にとって使えるということがありまして、例えば地域コンソでは今10年間ぐらいやってきているのですが、そのうちの200機器ぐらいは企業への利用開放をしたいというニーズが出ています。大体1機器当たりですと30企業が使えるようになるので、そうすると、それだけでも6,000社が実際に使えるということで、こういったことはぜひ進めていきたいと、今財務省といろいろ話をしているところです。

    イノベ特区のほうは、技術だけやってもなかなか世の中にちゃんと普及しないということで、今検討で挙がっているのは、例えばITSみたいなものとか医療の臨床前などで制度的に制限があるということで、こういったものにはどんなものがあるか、具体的なニーズを今産業技術環境局のほうで検討しているところでして、そういったものができていけば、その制度的な面と技術的な面を両方解決して、実際世の中に普及できるような、まさにイノベーションを起こすということができるのではないかということで今検討しているところです。

    それから鈴木委員と上野委員、地域のプレーヤーとして、そういう技術開発型企業というか、中堅中小企業が重要だといったことだと思います。今回のアンケート調査でも、そういった技術力をもった企業がいても、人材が、特に開発するための研究者がどうしても採用できないとか、またはマーケティングとか経営の人がいないという回答が実際に挙がってますので、そういったところを見据えて、何かサポートできないかと考えております。

    その一つとして、大学にポスドクなどの研究者がいるわけですが、そういう人たちが企業のことをなかなか知らなかったりするのですね。知らないということで結局企業にそういう人材がいかないというので、そういったものをマッチングすることをやってあげるとか、または、いわゆるコーディネーターの人材で優秀な非常に実績のある人がいるとかなりいろんなことをサポートできる、または地域も超えて広域でも始めるので、そういう人たちをきちっと育て、横のつながりをしていく。こういったものを進めることによって、まさに地域の中心となる中小企業が活躍できるような環境をこういった政策で進めていきたいと思っております。

  • 大西委員

    その実施体制についても、鈴木委員が触れられていたようです。その点はいかがですか。むしろ国におけるということですかね。

  • 鈴木(直)委員

    いろんな政策を各省でやっておられ、地域はそれぞれに対応なさっているとは思うのですが、各省連携の相互連携による活性化を進める必要があります。つまり、レポートの内容を実施しなくてはいけないのです。ぜひ実施できる体制を、各省との協力のもとに、中央にもおつくりになるし、できれば地域にそれに関連した体制ができれば、各省間の協力がうまくいって、より成果が上がるのではないかと、そういう趣旨です。

  • 古瀬課長

    提言だけではなくて、実際に実行せよということだと思いますので、これはきちっと、例えば文科省とか、また関係のところにも足を運んで、そういう実行体制をきちっとつくっていきたいと思います。

  • 勝野審議官

    補足的に説明させていただきますけれども、今回の地域イノベーション研究会は、まず何を目指しているのかというのを一言でいってしまいますと、産業クラスター計画をもう一回しっかりと推進していくということ。そのために今何をやるのかということを検討しているというところでございます。

    ポイントは幾つかあるのですけれども、今課長のほうからご説明いたしましたけれども、1つは、やはり大学というものを、地域活性化、あるいは日本の産業活性化の中にもっと中心になっていただいて、産業との連携を徹底的に推進していくということ。つまり、大学が地域活性化の中心的な担い手にこれからなっていただきたいというメッセージを強く出したいと思っております。もちろん、この大学の機能というのは、先ほど松原先生もおっしゃっていただいたように、世界を相手にした最先端の分野もあるわけでございます。そういったところも産学連携で何らかの仕組みをつくってさらに進めなければいけない。これも地域イノベーションの大きな片方の車輪だと思っております。

    もう一つは、地域はローカルの産業の課題がいろいろございます。その地域課題を解決する過程で大学の果たす役割は非常に多いわけですね。現にいろいろ先進的な取り組みが行われております。そういったところもやはり促進するような枠組みをつくっていかなければいけない。この両輪ですね。世界を相手にする産業の連携、それとローカルな、地域のいろいろな産業課題を解決する大学の役割、産学連携ということで、そこは大学というものを大きく位置づけて、イノベーションの大きな担い手になっていただきたいということが1点ですね。

    それと、各委員の先生からいろいろご指摘がございましたけれども、連携ということをやはりもう少しやらなければいけない。実は我々も地域政策をいろいろやっておりますけれども、必ずしも有機的連携が、委員の先生からご指摘いただいたように、できていない。例えば産業クラスター政策の中でもいろいろなメニューがあるわけです。例えばネットワークの推進機関とか拠点機関とかあるわけですけれども、要するに組織ごとの連携も必ずしもよくとれていない。あるいは、産業クラスター計画の中で実は地域コンソみたいな研究開発手段もあるわけですけれども、例えばその研究開発に参加した人、地域コンソに参加した人がネットワークに参加していないとか、あるいはインキュベーションということで、大学と連携をとりながらインキュベーションを整備する。その中でいろいろなベンチャー支援策を講じているわけですけれども、これが必ずしも産業クラスター政策、あるいはネットワークの中でもきちっと位置づけがないというような。実は産業クラスター政策、今2期目になっているわけで、連携を目指していろいろ取り組みをやっておりますけれども、必ずしも十分ではないということもございまして、そんなあたりも再度強化をしたい。ご指摘のように、各省庁間の連携も、特に文科省とはいろいろとこれまで連携を図ってきたつもりでございますけれども、さらにやらなければいけないなと思っております。

    それと、750億円ということでありますけれども、実は国の科学技術の予算というのは3.5兆円、その中から大学とか国研にいっているのが1.5兆円ですから、分母は大体2兆円ぐらい。それの中で750億円、わずか3.5%ということでございまして、そのあたりの数字もちょっと小さいのかなということを今回はっきりとさせていただいているということでございます。そういった研究開発のところも何らかの形で充実するということが必要になってくるのかなと。

    それと最後は、特に出口、最後のゴールは、やはり新規産業、新規事業の創造ということがこの地域イノベーションのゴールでございまして、ゴールを意識した、出口を意識したようなメニューの追加といいますか、新たな政策の展開というところを議論しているということでございます。

    3点ぐらいが、今回の地域イノベーションで中心的な課題として議論しているところと問題意識だということでご紹介させていただきました。

  • 大西委員

    ありがとうございました。これについては、さっきの最初のご紹介にもありましたけれども、最終とりまとめの会が4月に予定されているということでございますので、きょうの意見、あるいは提案なんかもその最終まとめの中で生かしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

    特に大学が重要な役割ということでありますが、さっきの3.5兆円の中に大学運営費交付金とか科研費、これが相当なウェイトを占めていて、実際にはこの中で地域に根差した研究をやっているとか、あるいはそういった志向をもった大学も随分ふえているので、国立大学が法人化されて、ある意味で一つ一つの大学が将来方向を探っているということなので、地域との関係を深めつつ、存在意義を高めて、かつ、そこから国際的に通用する研究成果も出していくというような新しい大学の仕組みというのは必要だと思いますので、ぜひ経産省からの働きかけも重要なのではないかなと思います。よろしくお願いいたします。

    どうぞ。

  • 米田委員

    ちょっと最後に補足的に1つだけ。もしご検討いただけましたらありがたいということで聞いていただきたいのですが、大学は今おっしゃったとおりの機能に加えて地域振興に必要となる人材を育てる場としても機能すると思います。例えば大学の先生だけでなく、社会人の方が先生になられて、大学という場をもとに、その地域が必要とする人材を育てるというものもございますので、そういうことも入れることをご検討していただきたいと思います。

  • 大西委員

    地域といって、東京が地域の対象になるかどうかわかりませんけれども、私のところも、昨年10月からまちづくり大学院という、このイノベーションと少し角度が違うか、末端という感じでありますけれども、社会人の大学院をつくって。そこは社会人の先生もたくさんいるし、かつ、入学した学生が相当な蓄積をもっているので、学生同士で教え合ったら、経験を紹介し合うだけでも随分参考になるというか、役に立つという話も出ているのですね。おっしゃるように、そういう仕組みを活用していく場というのが少なくとも大学にはあるので、うまく使うというのも一つのやり方だと。

  • 勝野審議官

    ご指摘のとおりだと思いますね。地域で大学が果たしている教育、人材育成というのは非常に大きな役割だと思っております。そういう問題意識から、地元のほうから大学に対していろいろな要請があるのです。場合によっては財政的な支援もするので、ぜひそういった知識のいわば要請に基づいた人材育成をしてくれないかというような議論、要請が随分ございました。

    実は今まで制度的に縛りがございまして、地財法という法律があって、地域がそういった課題解決型の人材育成なんかを要請して、場合によったら大学に対して寄附するということをやってもいいですよという気持ちのあるところもあったのですけれども、残念ながら、旧国立大学については、国庫に対する地方自治体からの寄附というのは制約されていたわけです。これは実はつい最近、総務省が抜本的に改正いたしまして、地方自治体から大学に対する寄附については、これは制約をほとんどなくしていくということになりましたので、大いにそういった教育面などでも、地域と連携した大学と、教育で大きな役割を果たしていくと、そういう道筋もできつつあるということでございます。

  • 大西委員

    有意義な議論、ありがとうございました。

    次の課題もありますので、最初の議題については以上といたしまして、次の議題、コミュニティビジネス、ソーシャルビジネス振興のあり方に移りたいと思います。これについては、「ソーシャルビジネス研究会報告書(案)」が配付されておると思います。谷本委員からご説明いただくことになっております。よろしくお願いいたします。

  • 谷本委員

    谷本でございます。

    お手元資料2-1のパワーポイントのものと、それから報告書(案)、2-2をお手元に開いていただければと思います。

    ソーシャルビジネス研究会の中間報告につきましては、この分科会におきまして、前回、12月のときにご報告させていただきました。そこでは、まだ研究会のほうも議論の途中でございました。ですから、こういう議論をしておりますという中身と議論の過程、それからどんな方向でまとめていこうとしているかをお話しさせていただきました。

    それをベースにしながら、分科会での報告書は既に2月に出ておりますけれども、研究会としましては、パブリックコメントに付すという形にまで報告書(案)をまとめました。その間、委員のみなさまや事務局との調整をいたしまして、今皆さんのお手元にある報告書(案)という形で出ております。約20分でということでありますので、ポイントをかいつまみながらご説明させていただきたいと思います。

    まず最初に、パワーポイントをめくっていただいて1枚目、それから報告書(案)のほうの1枚目、「研究会の趣旨」のところであります。ここは細かく説明いたしませんけれども、地域のいろんな課題について、地域の人材、地域の資源を活用しながら取り組んでいこうという話であります。最後にもお話ししたいと思っておりますけれども、どちらかといいますと、これは新技術の開発というような面とは少し異なります。いわゆるものづくりとか新しいテクノロジーの開発ではなく、どちらかというともっとソフトな面ですね。地域における課題に取り組む。地域といいましても、地方という意味ではないですよね。、東京も一地域だと思っておりますが、地域における環境なり教育なり福祉なりのさまざまな課題について、それをビジネスの手法を通して解決していこうと。これまで、NPO、ボランティアという形でこういう問題に取り組んで、もちろん政府が取り組まなければいけない課題いっぱいあるけれども、地域の人たちが自分たちの問題を自分たちが主役となってやるということで、この10年余り、NPOの活動もそれなりに進行してまいりました。

    最近注目を集めておりますのは、課題そのものをビジネスの手法を通してやっていこうということで、地域にかなり根差した場合には、コミュニティビジネスと言われたり、もう少し広い課題を扱うときにはソーシャルビジネスという言い方をしたりしております。

    めくっていただきまして3ページに、どういう定義かということを書いております。社会性、事業性、革新性。まさにここでもイノベーションということが非常に重要なポイントになってまいります。ここのイノベーションが、先ほど申し上げましたように、新技術や新素材の開発ということもかかわってくる場合もあるのですが、福祉の仕組みとか、障害ある人たちを雇用する仕組みをつくっていくということもイノベーションであって、それを私どもはソーシャルイノベーションという言い方をしております。

    そういった社会的な課題をビジネスでやっていこうとするときに、そこをつないでいくイノベイティブな取り組みというものがなければいけない、それがなければなかなかビジネスとしては成り立っていかないという話であります。

    5ページ目でありますが、前回の12月の分科会の際に、研究会の議論の中身、進行過程についてお話しさせていただきました。ここでは、それ以降、11月からことし1月にかけまして2種類のアンケートを行いました。それはソーシャルビジネスを担っている事業者に対するアンケートと、そういうサービスを受ける側・利用者側というふうに2つのアンケートを行いました。

    詳しくは後ろ33ページ以降に基礎データとして出ております。ポイントは5ページ以下のところにありますが、こういったスタイルの事業というものは最近スポットを浴びつつあるのですけれども、まだまだ全国的には認知度が低いということ。それから実際にどういう事業が行われているかというところをみると、地域活性であったり、福祉であったりとか、教育、環境といった地域に密着した分野がかなり中心として行われていることがわかります。

    それから組織形態でありますけれども、NPO法人がかなり実際には多い。これは、もともとボランティアを中心に、あるいはアドボカシーなんかを中心にやっていたNPOが一部事業を行うという場合もありますし、初めから福祉サービスを提供するものもあります。会社ではなく、NPOをあえて選択したという人たちもいます。いわゆる事業型のNPOですね。会社という形態は約2割でありますけれども、非常にミッション性の高い、アメリカなんかでは、バリューオリエンテッドとか、ミッションオリエンテッドとか、バリューレッドとか、そういう形容詞をつけた社会志向型の会社も非常にたくさんございます。

    実際現状をみておりますと、小さな規模なものが、中小企業というよりはもっと小さい、零細企業の規模のものであります。年間収入が1,000万から5,000万が約4分の1でありましたし、1団体当たりの従業員は、常勤ベースでみますと4人以下というのが過半数であったとか、いわば小さなベンチャーであるという現状だと思います。どういうことを政策的に期待しているかということもアンケートで聞いております。それは少し後でまとめてお話ししたいと思っております。

    一番最後に、2ページの下のほうにも出ているのですが、アンケート結果から若干の、粗い試算でありますけれども、現状、ソーシャルビジネスの市場というのは大体2,400億円ぐらいあるのではないかと。事業者数は、これは個別にカウントしたという意味ではないのですけれども、約8,000。それから雇用規模は3.2万人ぐらいかなと。これは推計でございます。

    これをみて、何だ、こんなものは大した規模ではないではないかという見方ももちろんできます。しかし、こういう社会的な課題についてビジネスが取り組むということについては、これまで、ある意味、それは政府の仕事だろうとか、あるいは偏見もあったと思うのですね。10年前、20年前ですと、高齢者や障害者相手に商売しているのかとか、障害者集めて事業を行って、あいつは変わっているなとか、変わり者だなと。このあたり時代状況が変わってまいりました。価値観も多様化してまいりました。特に福祉に関しては、施設をつくって措置するという仕方の福祉政策ではなくて、中には高度な障害をもっておられても働きたいと思っている方がいる。そういう人たちに対してどういう雇用、就労の機会を与えていくことができるか。これはビジネスでないとできないことなのですね。

    このビジネスにかかわるどういう課題があるかということをまとめたところが10ページであります。そこでの基本的考え方というのは、パワーポイントでいえば3枚目、裏のところをごらんください。基本的には、まだ確かに萌芽期と言える領域ですが、そこにはいろんなイノベイティブな取り組みが見られる。いろんなステークホルダーがかかわりながら新しい試みをし始めている。こういったところに対してどういう支援の方向があるかということが、パワーポイント3枚目の下の左側、緑色で囲った2つのポイントを挙げております。

    特に今回ここで挙げている中でユニークだと私ども思っておりますのは(2)のほうでありまして、ここにありますように、いろんなステークホルダーが実際にはその社会的な取り組みにかかわっていると。非常にカリスマティックな経営者なり起業家というものにスポット当てられがちなのですが、そういう人たち1人で社会的な課題をビジネスにするということはなかなかできない。先ほども議論のあった産業クラスターのように、非常に明確に、ある産業領域、ある地域で、例えばナノテクとか、あるいはワインであるとか、いろんな分野ごとのものづくりがその地域の中で相互に協力し合いながら一つのクラスターを成しているというものでは明確にはないのですけれども、私どももこういった事業をみてみますと、ソーシャルイノベーションクラスターとでもいえるような状況が見られる。まだまだこれははっきりと明確に定義しにくいものでありますけれども、地域の自治体がいろんな形で現在の枠の中でも支援したりとか、地域銀行が融資の枠を広げようとか、あるいは大学でも例えば地域づくりなり、ソーシャルビジネスに関する新しい学科や授業が最近でき始めたりとか、学生たちの自発的なグループがあって、そういう事業に手を挙げていこうというような動きが出始めている。

    この13ページ以下のところから支援策について大きく5つ挙げております。それで、例えば一番最初に社会的知名度を上げていこうということがあるのですが、1枚めくっていただきまして14ページをみていただきますと、いろんなステークホルダーに期待される対応と書いてございます。例えば図表5の、「各主体に期待される対応」。研究会の中ではこんなふうに議論していました。普通は行政はどういうことができるのか、どういう支援をするのかということを課題として挙げていくことが中心になるとは思うのですが、実は地域の中でいろんな主体、事業者からみればステークホルダーがそれぞれの役割をもって、それぞれがいろいろ有機的に動いていくことがなければ、通常のビジネスでもそれはなかなか簡単ではないですが、特にこういう社会性の強い課題についてやっていこうとする場合には、そういった協力がなければなかなか難しいと言えます。

    明確にそういう事業をやっている人たちは、初めからこういうことを意識してネットワークを組もうとやってきたわけではないのだけれども、結果としていろんな人たちがいろんな場面でサポートしていく中でネットワークができている。事業をやっている人たちも気がつかないけれども、実は我々が外から第三者の目でみると、いろんなつながりがそこでうごめいているというものがみえたりいたします。

    そんなこともあって、ステークホルダーごとの課題を5つ、ここで挙げました支援策の中でも課題として書いております。まず今みていただきました社会的な認知度を上げていこうということであります。これは、ソーシャルビジネスなんかが非常に活発なイギリスにおいても、大学のみならず、初等、中等教育なんかのレベルでこういったビジネスのあり方を紹介するようなこととか、あるいは地域によって新しく事業を興そうとする人たちに、こういうビジネスの可能性もあるのだということを知らしめるような活動を、政府がすべてイニシアティブとってやっているのではなくて、いろんな中間支援団体とともに、サポートするような形でやっている。これは後でも出てまいりますが、日本の場合には、中間支援団体、まだそれ自体も萌芽期であります。そこの中間支援団体自体をまた強化していこうということも施策の中で考えております。

    2番目に資金調達の円滑化についてであります。実はこういった事業に対する資金というものを調達していくことは非常に難しい。収益性、担保性ということだけで評価してしまうと、なかなか既存の金融機関の物差しにはひっかからない場合がある。収益性はそんなに大きくないかもしれないけれども、しかし、例えば障害者雇用であるとか、高齢者雇用であるとか、ホームレスの雇用であるとか、そういったことで地域に与える社会的な影響というものは明確な数字としては確かに示しにくいのでありますが、そういった社会的な影響とか効果ということもある。

    ですから、例えば金融機関であったり、あるいは何らかの公的、私的なファンドのようなものがアメリカにありますけれども、やはり収益性と同時に社会性をきちんと評価できるということも必要だと。もちろんビジネスとしてやろうとするのですから、もうからなくても全然いいんだではないのです。実際事業者の側も、事業計画や資金繰り表をきちんと示せるということも必要だと。NPOが主体となっている事業者も多いわけでありますので、そこのところについての評価のあり方も考えていかなければいけないなという問題があります。

    それからソーシャルビジネスを担う人材の育成、それから事業展開への支援、それから事業基盤の強化であります。実は(1)というのはそうでもないのかもしれませんけれども、(2)、(3)、(4)、(5)というのは、ソーシャルということを特につけなくても、中小企業振興、地域イノベーションといったところと私はかなり共通する部分があると理解しております。

    資料の23ページ以下になります。じゃ今後どういう期待される政策的な取り組みがあるのかということについてまとめたものがここであります。以下6点においてまとめております。それはパワーポイントの右、3ページの右側、黄色いところに書いたものであります。そこのところは一つ一つ丁寧に説明する時間がございませんので、ポイントだけお話ししたいと思います。

    まずソーシャルビジネスなどを担っていく事業者が生まれ育つための土壌を創出していこう、そういった意識を醸成していこうと。認知度向上のためのキャンペーンや成功事例集なんかをつくったりしていくことが1つ。それから2つ目は、社会的課題を関係者全員で共有し解決していく場づくりですね。いわゆるプラットフォームのようなものを地域ごとにつくりながら、先ほど申し上げましたような関係するさまざまな地域のステークホルダーの人たちが地域にかかわる課題、あるいは地域を超える課題、あるいは国際的な課題についてみんなで議論できるようなネットワークというものをつくっていく。これも先ほどの地域イノベーションと考え方は一緒なのだと思います。

    それから3番目、先ほど少し申し上げました既存の中小企業支援する方策というものは、実は各地域の経産局もそうですし、都道府県単位でもたくさんあります。そういったものの枠を少し広げて、例えば対象NPOなんかも含めようと。これまではNPOというのは対象になっておりませんでしたので、そこに資金が流れない、あるいは補助金なんかも流れなかったりしたものがあります。例えば環境のISO14000とろうとか、あるいは品質の9000とろうとしても、NPOには支援の補助はありませんでした。ですから、大きな枠組みをつくるということより前に、まず既存の中小企業振興施策について少し間口を広げる。そうすることで社会的な企業やNPOの形態をとっているものにもサポートすることが可能になっていくだろうと。

    資金調達に向けた環境整備ということにつきましては、先ほど少し申し上げたところでございます。

    それからソーシャルビジネスを担う人材育成の部分であります。これにつきましては、先ほども少し申し上げましたけれども、こういった事業が今注目を集め、いろんな人たちが関心をもって実際に事業を行ったり研究したり支援していこうとか、いろんな場でかかわり始めておりますけれども、まだ本格的にこういったものが、大学や、あるいは中等教育の中で入っているわけではありません。こういったものを少しずつ広げていく努力も必要であろうと。

    いろんなアンケート調査をしても、若い世代の人たち、あるいは団塊の世代の人たちも、何らかの形で社会に貢献したいと思う人の数は非常に多い。内閣府なんかの調査でも、60%、70%の人たちが社会に貢献したいという数字があります。でも、具体的に何をするかという際、ボランティアよりももう少し何かこれまでの経験を生かしたいとか、もう少しビジネスとして何かできないだろうかと思ういろんな世代の人たちがいる。ですから、そこに一つのいろんなおもしろい可能性を示すことで、埋もれた可能性がそこでまた広がってくるのではないかということであります。

    それから最後は事業基盤の整備であります。これも少し先ほど申しましたけれども、その地域におけるプラットフォームづくりであったりとか、あるいはソーシャルビジネスに相応しい法人格をつくるということも一つの提案です。イギリスにはチャリティと株式会社の間にこういった社会的な事業にフィットする制度を、法人格をつくって振興していくということもやっております。そういったこともできるかどうか考えていくことも大事だろうということであります。

    政策として実際にもう平成20年度から、もうすぐ20年度でありますけれども、具体化されつつございます。コミュニティビジネス、あるいはソーシャルビジネスを支援していくための人材育成であったり、中間支援の機関を強化していく拠点づくりということについて、予算の中にこういったものを少しずつ入れ始めております。行政がどういう形で支援できるか、この報告書が最終的に年度末でまとまりますので、そこでそれを受けて21年度予算に向けて新しい動きが出てくると思います。

    最後に一言だけ。地域イノベーションという先ほどの議論では、ものづくり、新技術の開発ということがどうしても中心になりますけれども、地域の課題、あるいは地域の資源を活用する、地域に根差した取り組みをやっていくという場合には、ハードなテクノロジーの部分もあるし、あるいはこういったある意味ソフトな部分についていろんな取り組みが行われる。できれば、この議論はこの議論、先ほどの地域イノベーションは地域イノベーションで別だというふうにせず、地域でのいろんな中小企業、零細企業の振興策でありますので、できるだけ中に組み込みながら進めていただきたい。先ほどの報告書は来月でまとまるので、急には無理かもしれませんけれども、そういったものも含めながら、今のところはまだ芽でありますから、まだ大きな産業の柱になるわけではないですが、こういった地域に根差した取り組みというものにもう少し目を向けながら、いろんな資金とか施策を進めていくことも今後重要かなと思っております。

    以上でございます。

  • 大西委員

    どうもありがとうございました。新しい分野であるソーシャルビジネスに着目した研究会の報告書が既にもうこの格好でまとまったということですね。

  • 谷本委員

    ええ。実は2月にまとめて、パブコメを出しました。パブコメ出して、先週末で締め切りまして、幾つか来ております。実はあした、最終の研究会がございます。パブコメについてもちろん議論するのですが、根本的に報告書について、これは見直さないといけないなというご意見はなくて、少し中長期的なご意見であったり、若干誤解であったりとかですね。ですから、基本的にはこの方向で、あす、研究会を踏まえてまとまる方向でございます。

  • 大西委員

    はい。それでは、今のご報告に対してご質問、ご意見がありましたら、少し時間をとって意見交換したいと思います。よろしくお願いします。

  • 田子委員

    私は小さな会社を経営しておりますけれども、最近すごく感じてますのは、金融機関がベンチャー企業とか中小企業とかに対して非常に後ろ向きになっているのではないかなという気がすごくしております。それはやはり一部のそういう企業の不祥事があったりとかいうこともありますし、株価が下がったということもありまして、そういう中小企業とかベンチャー企業にたくさん投資しなさいという国の動きがあるときは、借りろ借りろとすごく、要らないといっても借りろといって来るのですけれども、現状はどちらかというと、要らない人には貸したいけれども必要な人には貸したくないという態度が、大手銀行にはおしなべて非常に感じております。

    そういうのを考えると、ソーシャルビジネスがもう少し規模も小さくて、立ち上がって間もないところも多いということになると、資金面の困難さというのは本当に簡単に推測できるといいますか、そこが最初に行き当たってしまうのではないかなと思います。そういうところが金融機関から資金を導入しようと思うと、事業体そのものは複数の方々の善意で成り立っていても、だれかが個人保証するとか、担保を提供するとか、株式会社と同様に、だれかが大きなリスクをしょわないとやはり発展できないというのが現状ではないかと思っておりまして、しかしながら、解決しなければいけない社会的問題、私の場合、女子社員をたくさん使ってますから、出産、育児と仕事の両立なんていうのはやはりこういう分野が解決してくれるのではないかなと期待しているのですけれども、そうなってくると、やはりファンドもキャピタルゲインだけを目的にしたファンドではなくて、一緒にその事業をきちんと事業として成り立っていくように育成して参加していくようなファンドができるべきではないかなと思っております。

  • 大西委員

    野坂委員、お願いします。

  • 野坂委員

    大変示唆に富んだ研究報告だったと私思いました。質問があります。

    それはコミュニティビジネスとソーシャルビジネスの定義について書かれている部分であります。CB、SBという省略形でありますけれども、ソーシャルビジネスについては、主な事業対象地域が国内、海外を問わないと書いてございますが、現状の説明をみると、そんな広がりをもっているところが今はまだないのではないかなと思います。その点、矛盾を感じるのですが、いかがかと。

    また、むしろ地域の活性化とか地域の再生という意味では、国内、海外を問わないということよりも、地域でのソーシャルビジネスの展開、そちらのほうにむしろ重点を置いて書かれてもよかったのではないかなと思います。ここが、冒頭にこういう定義、CBとSBの違いを書いていながら、やや違和感を感じるところであります。

    もう一点は、知名度がなかなかないと。これは私どもマスコミの責任でもあるかもしれませんけれども、知名度を高めるために、おやっと思ったのですが、政策の方向性の6番目にあるイギリスとかアメリカの基盤づくり。いきなり法人格で新たなものというのはなかなか難しそうな気もしますけれども、認証という意味であれば、何か経産省として、これは国が考えているいわゆるソーシャルビジネスのモデル的なものですよということで認証するようなものができれば、社会的な知名度も上がり、それをベースに、先ほどの田子委員のような資金面での調達がしやすくなるような基盤づくりになるかもしれないなというような問題意識をもちました。

    以上、感想というか質問というか、2点述べさせていただきました。

  • 大西委員

    ありがとうございました。持永委員、どうぞ。

  • 持永委員

    大変時宜にかなった報告書ではないかと思います。それで、今の野坂委員とちょっとダブるのですが、CB、SBというのをわざわざ違えていう必要があるのかなということが1点です。あと2点、中小企業支援施策を活用して支援するというのも、もちろんそれはそれでいいと思うのですけれども、やはり社会性というところがこのソーシャルビジネスにとって非常に重要なところでございますので、環境とか、あるいは人材とか、そういった個別の政策における助成みたいなものというのを考えていく必要もあるので、そういう意味では、経済産業省だけではなくて、むしろ、もちろんオブザーバーに入っていらっしゃるということだと思いますが、やはり内閣全体としてこのソーシャルビジネスについての位置づけというのをきちっとして、それぞれに対しての政策的な対応というのをしていくべきではないかと思います。むしろそれぞれの政策においてソーシャルビジネスと連携することで行政コストを下げるという効果が当然あるわけで、そこをぜひ検討していただきたいということです。

    それからもう一点、特に人材ですが、2007年問題といわれている団塊の世代が、再雇用制度が活用されて、当初期待していたほどには人材市場には出てきてないのですが、今後、団塊の世代の方々がそれぞれ地域に戻っていくときに、その活躍の場としてこういったビジネスというのは非常に雇用の受け皿として意味があると思います。そういう意味では、何かそこに人材を結びつけるようなマッチングシステムみたいなのを今後検討していくと、ソーシャルビジネスの新たな展開が期待できるのではないかと思います。

  • 大西委員

    ありがとうございました。では、渡辺オブザーバーの方。

  • 渡辺オブザーバー(総務省)

    今のお二方の話とも似ているのですけれども、ソーシャルビジネスとコミュニティビジネスの違いというか、典型的なソーシャルビジネスというのは、前たしかヒアリングでお聞きした、病児保育をやられている、ああいう非常に志の高いものが多分典型的なソーシャルビジネスなのかなと想像しているのですけれども、一方で、私なんか、地域振興という立場で全国の、集落の維持も難しいような田舎で、一番有名なのは上勝町の葉っぱビジネスというのがありますけれども、ああいうのとか、農家の女性が自分のところでできた産品をちょっと加工して新しいものをつくって売るとか、それからシャッター通りの商店街に空き店舗を利用して新しい喫茶店とかレストランをつくって、そこに人を呼んでくるとか、そういうような、いわゆるコミュニティビジネスの典型的な例も、地域振興という、地域にとって一番大きな課題なわけですよね。そういうところで人を若干なりとも雇ってビジネスをしていくということ自体が非常に社会的な意義は大きいのではないかなと思うのですけれども、そういう典型的なコミュニティビジネスというのがこれに入らないのかなと。

    つまり、コミュニティビジネスというのは何か非常に気高い理想をもったビジネスということで、価値判断というのを非常に含んだ概念で、そういったものを特段取り出して応援していくという趣旨なのかどうかというところをちょっとお伺いしたいというか、むしろそういうコミュニティビジネス的なものも非常に価値のあるものだとは思いますので、そういうものもぜひ応援していただければというお願いでございます。

  • 大西委員

    ありがとうございました。幾つかご質問なりご意見出ましたけれども、これは谷本先生全部お答えいただくのでよろしいですか。じゃ分けて。谷本先生、最初に総括的に。

  • 谷本委員

    まず定義のところですけれども、ソーシャルビジネス、あるいは社会的企業という言葉使いは、実は国によってもかなり違うのですよね。出てきた背景も違うのです。それをどのように日本の土壌の中で理解するのかということはそんなに簡単な問題では確かにないですよね。

    ソーシャルビジネスの一番のポイントであった社会性といったときに、地域振興はそこに入らないということではないのですよね。もちろん地域におけるさまざまな課題ということを先ほどから申し上げておりますように、それは環境の問題であったり、教育の問題であったり、福祉の問題であります。そういったものをビジネスとしてやっていこうとするときに、なかなか事業化しにくいという問題がございます。ですから、そこにイノベイティブな取り組みが必要である。ソーシャルイノベーションが必要だというところが一番のポイントであります。どちらかというと、ソーシャルビジネスをかなり広くとっております。

    ここで先ほど、海外に事業展開していくというのではなく、フェアトレードなんかを事業としてやっているということです。事業者自体はどこかの地域にあるわけであります。実際にそのマーケットは日本市場全体かもしれません。しかし、ただ輸入して売るだけではなくて、途上国の貧困層に対する支援もそこに入ってくるわけですよね。そういう意味で、必ずしもその地域だけにとどまるものではないという意味で、ここではそういう言葉使いをしております。若干誤解があるようであればちょっと直さなければいけないのですけれども、基本的には、より広い、いろんな事業を含んでいるものをソーシャルビジネスと呼ぼうと。

    しかし、地域でこれまでずっと行われていたコミュニティビジネスという言葉がかなり、ある意味定着しております。コミュニティビジネスの中にも実は多様性があります。この4ページの図のように、限りなく重なっているのですよね。しかし、旧来のコミュニティビジネスよりもう少し社会性の強いものであったり、あるいは特定の地域ということに必ずしも限定しなかったりとか、あるいは先ほど申し上げましたような途上国の支援をビジネスでやっていくことも入ってくる。

    コミュニティビジネスの中には、広い意味では確かに地域振興にかかわるかもしれないけれども、地域のスモールビジネスのような、必ずしも明確な社会性ということでない地域でのいろんな事業も入っています。それらはソーシャルビジネスというものからは外れる、この図のまさに左側のところになってくるのかなと思います。

    それからもう一つ、中小企業施策の拡大、経済産業省での報告書ですので、それをかなり意識した部分でもあります。既存の中小企業支援施策について、やはり少し間口を広げることでかなり支援の輪が広がると思うのですね。当然これは社会的課題といっているだけですので、ものづくりということだけでございません。先ほどから申し上げているように、いろんな課題がありますので、例えば地域の環境保全について環境省が支援するとか、あるいは障害者雇用については厚生労働省がというように。この手の問題について研究会なり、こういう審議会の中で議論されたことは実質的には初めてだと思います。ですから、今回、経済産業省が一つのリードをとってこの議論を進めてきたわけですけれども、できればもう少しいろんな広がりができていけば私もよいと思っております。

    認証についても、金融機関の方々がメンバーの中にこの研究会におられまして、国がそういう認証をしてもらうと融資しやすいという議論も確かにありました。しかし、すべていわゆるお上のお墨つきでいいのかという議論もありました。事業体としても、事業としてきちんとそこを評価してもらえないとだめなのだという強い意見もありまして、それぞれの役割についてここではまとめたということでございます。

    とりあえずそれだけにしておきます。

  • 大西委員

    それでは、立地環境整備課長さん、山本さんからお願いします。

  • 山本課長

    ほとんどお答えいただいてますが、ソーシャルビジネスという考え方、先ほどご説明ありましたような3つの視点、要は社会的課題をビジネスの手法として解決する。それを両立するために新しい手法が必要ですので、革新性が必要だと考えております。一方で、コミュニティビジネスという言葉は従来からも随分定着しているものもございます。先ほど総務省の渡辺課長からありましたようなところもすべてコミュニティビジネスだと我々も考えております。したがって、ソーシャルビジネスというのはやや広い概念ではございますけれども、特に地域で根差したものはコミュニティビジネスとお考えいただければと考えております。

    それから中小企業関係の施策の適用ということも今回の施策の中で申しておりますが、やはり資金の調達というのは非常に大きな課題でございます。そのための対策として、既存の中小企業施策をうまく適用できないかというのは一つの大きな命題ではございますが、一方で、このコミュニティビジネスなりソーシャルビジネスをきちっと社会的にも認知させる、それを客観的に評価できるような手法、評価の物差しとか呼んでおりますけれども、そういったものの開発も来年度予算の中で実施できればと考えております。

    また、この認証に当たりましても、国が認証するというのも一つのやり方かもしれませんが、むしろこういうコミュニティビジネスをいろいろ各地域で興していくためには、谷本先生のお話がありましたように、ソーシャルビジネスクラスターではありませんが、各地域で例えば協議会のような形で、それを求める方、あるいはそれを事業として実施する方、そういったことをマッチングさせることによって事業をいろいろつくっていくような土壌ができないものかということもこの予算措置で今検討しているところでございますけれども、例えばそういったような機関の中で認証などの制度を組み込んでいくというやり方も一つのやり方ではないかと考えております。

    いずれにしましても、今回のさまざまな提言の中で、すべてではございませんが、幾つかの点については来年度予算の中に盛り込み、これを具体化していくということで取り組みを進めていきたいと考えております。

  • 米田委員

    ちょっと教えていただきたいのですけれども、このいただいた紙の2番の「ソーシャルビジネスの定義」のところで、社会的事業をやっているという、今日本にある一番大きなグループとしては公益法人があると思うのですけれども、それと今度のものの位置づけってどうなっているのでしょうか。難しい質問かもしれないので先ほど質問するのをちゅうちょしていたのでございますが、公益法人とこのソーシャルビジネスの関係というのも1つちょっとお考えになっていただいて、もし何らかの形で書き込めるようだったら書き込んでいただきたいと。

    今、公益法人改革の中で、新たな受け皿としてのソーシャルビジネスということも少し期待されている面もあると思いますし、また公益法人そのものが限りなくこれからはソーシャルビジネスに近づいていくというフェーズもやはりあるのではないかと思っております。今、NPO法人そのものが公益法人改革の中でどう位置づけられるかの問題もあると思いますので、簡単ではないと思いますが、ちょっとその辺も書き込めるようでしたらお願いしたいと思います。

  • 山本課長

    このソーシャルビジネスの事業形態はさまざまな形態があろうかと思っております。我々のアンケートの中でも、半分ぐらいはNPO、それ以外、残りは株式会社であったり有限会社、いろんなさまざまな事業形態が実はございます。先生ご指摘のような公益法人も、今回公益法人の新しい制度ができてまいりますので、その場合は社会性を大変重視したものと一般的なものと大きく分類がこれからなされてくることになると思いますが、特に社会性の強いものは、こういうソーシャルビジネスの担い手として活躍していただけるという可能性もありますし、あるいは既存のNPOの人たちがそういう新しい新型の公益法人のほうに事業形態を変えていかれるという可能性もあるかと思っております。

    申し上げたいことは、私どもは必ずしも、組織の形態ですね、これを狭い意味で限定しているのではなくて、そういう社会的課題が解決していただくあらゆる主体のものをソーシャルビジネス、あるいは地域に根差すものはコミュニティビジネスとしてとらえさせていただいているというところでございます。

  • 谷本委員

    一言だけ。私ども、組織選択という言葉も使うのですね。つまり、その事業にふさわしい組織の形態を選んでいく。ある事業にとっては非常に大きな初期投資が必要だという場合。資本市場から資金を集めなければとても億単位の寄附なんて集まるわけないというような場合には株式会社を選択するでしょう。社会性を強くアピールしたい、あるいはそういうミッションをもってやることで広げていきたいということでNPOを選択する方がいる。ですから、今課長がいわれましたように、形態でみるというよりは、組織の事業でみていって、ふさわしい事業を選択していく。中には、複数の組織を使い分けながら、組み合わせながら実際に事業をされている事業者の方もおられたりしますね。

  • 大西委員

    ありがとうございました。あしたで最終的な報告書のとりまとめが行われるということで、来年度、一部は事業化されるということでありますので、成果を期待させていただきたいと思います。

    以上2つが、今進行している研究会の報告書ということでありました。

    あと、ほかに幾つか議題がありますので、そちらに移りたいと思います。次の議題が、お手元の議事次第にありますように、農商工等連携関連の2法案と、それから工場立地法にかかわる生産施設面積規制緩和などに関する告示改正の案について、これは横田地域経済産業政策課長から、報告、提案していただきます。お願いします。

  • 横田課長

    それでは、お手元の資料の3-1をごらんいただければと思います。

    前回の12月12日に行いました分科会で、11月30日に政府としてまとめました地方再生戦略、それから同日にとりまとめました経産省と農水省での農商工連携の推進策についてご報告をいたしました。この分科会の報告書も踏まえて、それをさらに具体的に進めていくために、2月8日に閣議決定されましたけれども、農水省と共同してこの農商工連携2法案というものを今国会に提出しておりますので、ご報告をしたいと思います。

    この法案は、3-1の1枚目にございますように、農商工等連携促進法案という新法と、それから昨年成立しました企業立地促進法の改正法と、この2つの観点から農商工連携を進めていこうという中身になっております。

    まず最初に新法のほうですけれども、1枚おめくりいただければと思います。この分科会でも、農商工連携のさまざまな取り組みについてご紹介をいただきました。なかなか一次産業、二次産業、三次産業の壁があるものですから、農商工連携の取り組みというのはまだまだ一般的に広まってないのですけれども、ただ、そういう中でも、この左下にあるような取り組みというのが少しずつみられているのではないかなあと考えております。

    ここで紹介しておりますのは、北海道江別市の例で、ハルユタカという栽培の難しい小麦を使った江別小麦めんというものを、ラーメンですが、開発しまして、年間300万食売り上げるとか、あるいはその下にございますのは福岡県の事例ですけれども、小役丸さんという旅館業者の方が、地元の農家30戸くらいと連携しまして、減農薬野菜を使った料理をレストランで提供しています。ウェディング事業なんかもやっておられて、年間200組くらいそこで結婚式を挙げられるような非常に大きなビジネスになってまして、農家の方はこのレストラン向けへの販売だけで月50万から100万ぐらいの売り上げになっているということで、そうなると、息子さんや娘さんも、やっぱり農家継いでやっていこうかということで、非常に活気が出ているといったような例がございます。

    こういう農林水産業者の方と中小企業者の方が連携をして新しいサービスとか新しい商品を提供する、あるいは新しい販路開拓していくことを支援するような仕組みとして、今回、この新法案を策定したところであります。

    計画の中身は2つございまして、今申し上げましたような中小企業者と農林水産業者の方が共同して作成しました連携計画について、この下に書いているような金融面の措置を中心とした支援を講じていくというものと、それから右のほうに支援計画とございますけれども、先ほどのソーシャルビジネス研究会にもご参画いただいているのですけれども、例えば山梨で活動している「えがおをつなげて」というNPO法人、曽根原さんという方がやっておられますけれども、都市と農村をつないだり、地域の農産品を使ったレストランを都会で営まれるとか、あるいはいろんな営農体験みたいなことを通じて、都会の若者が実際農家を始めるとかいったいろんな活動をしているNPO等ございます。

    こういう農商工連携をお手伝いするような形の計画について、先ほども、NPOであるとなかなか金融面の資金調達が難しいという話がありましたけれども、この法案の中では、みなし中小企業ということにして信用保険法の適用対象とするといったような措置を講じるという中身になっております。

    それからもう一枚おめくりいただきまして、企業立地促進法のほうでありますけれども、この農商工連携も、これは実際うまくいって新商品ができたと。かなり規模は大きくなっていきますと、じゃ新しい事業所をつくろうとか、新しい工場を建てようとかいったようなことになってまいります。昨年つくりました企業立地促進法、この分科会でもご議論いただいてつくったわけですけれども、地域の強みを活かした立地を進めていくということで、これまでの地域立法ではなかった業種限定というのが全くなくて、地域が好きに立地を進める業種を選んでいただくということで、農林水産関連業種ももちろん対象になっていたのですけれども、ただ、税制とか交付税とか、そういう支援措置の中身をみると、業種によって少し厚いところと薄いところがあって、企業立地促進法も、これまで108の計画が出てきてまして、北海道から九州までずっとできているわけですけれども、計画をつくられたところで農林水産関連業種を盛り込んでいた地域もあったのですが、例えば税制の支援措置が農林水産関連業種が対象になっていなかったということで、非常に残念だという声もありました。

    ということで、今回、農商工連携を進める観点から、この税制の対象に農林水産関連業種を加えて、かつ、投資規模も、機械で3億、建物で5億と非常に大きなものしか対象にしてなかったものですから、これを10分の1くらいの水準に下げるとか、交付税措置についても投資規模の小さなものも拾えるといったような支援措置を拡充するという措置を講ずることにしております。ということで、新法と企業立地促進法の改正でこの農商工連携を進めていきたいと考えております。

    今日は資料をお配りしておりませんけれども、このほかに、経済産業省と農林水産省とそれぞれ予算措置も100億ずつ準備しておりまして、経産省関連ですと、輸出促進とか、ITの活用とか、あるいは知財の保護とか、人材とか、いろんなメニューがありまして、地域の実情に応じて選択して使っていただけるような形になっております。地域の現場でも経済産業局と農政局が緊密に連携するような体制になっておりまして、ということで、今も共同でPRを行っているところでございます。

    それから資料4-1をちょっとごらんいただければと思います。これも昨年12月の分科会のほうでご報告しましたけれども、この分科会の下に設けられております工場立地法検討小委員会というところで、この工場立地法の制度の見直しについて検討してまいりました。

    資料4-3として、最終的にまとまりました小委員会の報告書をつけております。今回、この報告書を受けて、具体的な規制緩和措置を行いたいということでご説明をさせていただければと思っております。

    工場立地法自体は、前回もご紹介しましたけれども、1.のところに書いてございますように、主な規制として、生産施設面積規制と緑地規制と2つございます。生産施設面積規制については、9,000平米以上の大きな工場については、業種によって、その生産施設について一定の面積以下にしなくてはいけないという規制になっております。それから緑地規制については、工場敷地面積の2割以上をもたなくてはいけないという規制になっております。小委員会の報告書の中では、いろんな公害防止技術の発展とか環境法規の整備が進んでいるので、かなり抜本的に見直すべきではないかと。特に生産施設面積については廃止も含めて検討すべきではないか。あるいは緑地の規制についても、PRTR法みたいに、面積を義務づけるのではなくて、情報公開を通じて企業に努力を促すとか、あるいは、工場だけではなくて、もう少し地域全体のアメニティとしての緑の位置づけみたいなことも考えるべきではないかというご指摘をいただいております。

    ただ、これはもう少し検討しなくてはいけないということになっています。ただ、抜本見直しをするまで何もしなくていいということではなくて、当面3点ぐらいの規制緩和をすべきだということになっております。

    1枚おめくりいただいて、3項目並んでおりますけれども、これは実は米田委員が委員をされておられます規制改革推進委員会のほうからも、来年度早々ぐらいに措置しなさいということで宿題を受けているものですけれども、1つは、先ほどの生産施設面積規制について、現行規制を残すにしても極力緩和しなさいということですね。それから2番目に、特に工場立地法の規制が導入される前に建った工場については、2割という緑地をもってないところがございます。それが建て替えをするとなかなか緑地がとれなくて、建て替えられない。したがって、老朽化したまま放置されているということがございます。そこは少し、例えば500メートルとか1キロとか離れたところにある緑地とか運動場、こういったものもちょっとカウントしてもらえると建て替えも進むということで、この緑地範囲の拡大をするという話と、さらに、3番目にありますように、緑地面積は、ある程度、外観的にみて一定の緑量が確保されているというときには規制をクリアしてなくてもいいのではないかという、3点がございます。

    1点目の業種ごとの生産施設面積規制については、その次のページにございますけれども、SOxとかNOxとか、そういう環境負荷排出物の業種ごとの量によって規制を行っておりましたけれども、前回、平成16年に見直しをした後、また少し変化があるということを踏まえまして、もう一度産業界の実態を調査しまして、今回見直しを行うことにしております。

    この中で、今までは上限4割ということにしておったのですけれども、これを65%に引き上げるとか、それから刻みも、15の上は20、30、40となっておりましたけれども、そうすると実態的には25%とか35%でもいい業種も5%切られてしまうものですから、刻みも小刻みにしようということで、ここには代表的な業種の例を書いておりますけれども、こういった数字に見直しをしたいと考えております。

    この準則の案につきましては、資料4-2ということでお配りさせていただいておりますけれども、工場立地法上、この準則の改正をする際には産業構造審議会の議を経なくてはいけない、意見を聞かなくてはいけないということになっているものですから、この場でご審議をいただければと思っております。

    最後に、一番最後のページをごらんいただきたいのですけれども、小委員会の報告書には入っていなかったのですが、前回小委員会でご議論いただいてご承認いただいておりますけれども、太陽光発電施設についての規制緩和ということもあわせて行いたいと考えております。実は風力発電については同様の議論がありまして、余り人がいない海岸部とか山間部に立地しているような場合については、もともと工場立地法というのは工場と周辺住環境との調和ということが目的なのですけれども、そういう調和を図るべき住環境がないところであれば緩和してもいいかと。特に太陽光発電については、先ほどのNOx、SOxといった環境負荷排出物もないということで、今回仮にこういう基準を満たしていなくても、自治体の判断で、違反ですよという勧告は行わないことができるという措置をあわせて講じたいと考えております。

    以上でございます。

  • 大西委員

    ありがとうございました。今のご報告の最初の2つというか、農商工等連携促進法案と企業立地促進法改正については動きを報告していただいたということでありますが、最後のものについてはこの分科会の所掌事務の一つでありますので、意見を求められているということになります。よろしくお願いいたします。

    最初の2つについて、もし何かご質問がありましたら、ご発言いただきたいと思います。農商工関係ですね。

  • 松原委員

    方向としてはもちろんこれを進めていくべきだと思うのですけれども、ちょっと最近気になっていることがありますので、一言だけ。

    先ほどのソーシャルビジネスでもちょっと発言しようと思ったのですけれども、先ほど来出ているアウトカムといいますか、地域の経済産業構造というのが今どうなっているかということなのです。ソーシャルビジネスも、それからイノベーションも、それから今回出てくる農商工連携もそうですけれども、いろんな形で施策が打たれてきていると思うのですが、この間、企業事業所統計の広域市町村圏のデータが出てまいりまして、2001年から2006年のいろんな数字をみてますと、やはり相当深刻な、特に事業所の従業者数の産業別の変化などをみてみますと、もちろん地域によって違いがありますけれども、従業者数が減少している、そのような広域市町村圏が出ております。

    この分科会でも、単位としては広域市町村圏のようなものを基本的な単位として実態分析をしながら課題を出すという話があったと思うのですけれども、そういう面でいきますと、こういう2006年以降の施策、新しいのが出てきているので、今後、要するに試されるということになると思うのですけれども、やはり実態をしっかりと押さえた上で、どういう地域経済産業のありようを考えるかということをぜひ考えられた上で、こういう政策を位置づけられたらどうかと私は思います。

    以上です。

  • 大西委員

    ありがとうございます。持永委員、お願いします。

  • 持永委員

    2点、ちょっとご質問というか、意見にもなるのですが、話を伺いしたいのです。

    農商工連携、非常に細かい質問になりますけれども、そもそも、法律では食品製造業についてほかの業種と一緒であったと、対象になっていたと。税制上の支援がなかったということで、それで、ここの交付税措置の要件緩和というところで食品製造業だけが他の業種と比較して非常に下がってますよね。ほかは2億円ということで、これは何でこういうことになったのかということをお伺いしたい。

    それからもう一つの工場立地法関係で、1つは質問で、もう一つは意見になるのですが、業種別の面積比率がいろいろ変わってますが、これはどういう理由によってなっているのかということ。

    それから、この報告書の中にも工場立地法についての役割は終わったという意見があると書いてあるのですが、地方分権の時代において、こういった緑地規制は、地域住民の声を反映すればいい問題であり、市町村なり都道府県に任せればいいではないかという議論は、多分正論として相当強いと思うのですよね。特に、今後分権改革委員会がいろいろと議論していく中でこれが取り上げられるとそこが出てくると思うので、その点について、なぜ引き続き国が規制するのかということについての理由を教えていただきたい。

  • 大西委員

    それでは、最初ちょっと農商工連携関係についてお答えいただいて、工場立地法については、ほかの方もご意見があると思いますので、そのお答えが終わった後もう一度意見を求めて、それでまとめてお答えいただくということにしたい。よろしくお願いします。

  • 横田課長

    交付税措置については、これは食品製造業などということで、農林水産関連業種ということですけれども、特にこういう業種については中小企業者が多いということで、投資規模も非常に小さいということで、この業種については引き下げ措置を講じると。そういうことで、農家からしますと、例えばトマトにしても、生食で出荷するにはある程度大きさの規格がありますので、ちょっと大きかったりちょっと小さかったりするとそれを廃棄しなくてはいけないというような状況がございますけれども、そこに例えばケチャップ工場とかトマトジュース工場があると、そういう規格外のものも非常に活用できて、非常に農林水産業の活性化にはなるということで、こういった食品関連産業の立地というのはぜひ農商工連携の観点から積極的に進めていきたいと思っておりまして、そういう中で投資規模の小さいようなものもぜひ支援対象にしたいということで、今回、租特の対象に加えると同時に、交付税については投資規模要件を大幅に引き下げることにしたということでございます。

  • 大西委員

    工場立地法について、ご意見、ご質問がありましたら。

  • 谷本委員

    農商工連携、新しい試みだと私も前から聞いておったのですけれども、これが広がるという可能性はあるのでしょうか。つまり他省庁に。先ほどの持永委員の意見ではありませんけれども、例えば環境省と環境産業に関して協力するとか、あるいは厚生労働省と福祉の問題についてとか、それがソーシャルビジネスなんかももっと広げるという意味にもかかわると思うのですけれども、そういう可能性はあるのかどうなのかなと思いまして。

  • 横田課長

    企業立地促進法も今6省連携体制ということでやっておりますし、普通、一つの省で何でもかんでもできるということはほとんどありませんので、そういった意味ではどんどん課題ごとに各省連携をしながら私どももやっていきたいと思っておりますし、きょうも各省からオブザーバーで来ていただいてますけれども、各省も快く一緒に連携しようということになってますので、課題ごとに積極的にやっていきたいと思っております。

  • 大西委員

    それでは、工場立地法のほうに話題を移したいと思います。今、持永委員のほうから生産施設面積の業種ごとの割り当ての根拠といいますか、それの点と、地方分権下で工場立地法の、特に緑地の規制を分権化するべきではないかというご意見がありました。ほかにご意見、ご質問があればお願いします。

    その点について、事務局からお答えをお願いします。

  • 横田課長

    もともと、工場立地法の生産施設面積規制は昭和48年に導入されましたけれども、そのときに業種ごとのSOxとかNOxとか、そういう環境に負荷を与えるような排出物の量をそれぞれ業種ごとに測定しまして、その排出量が多い業種ほど生産施設面積を小さくするという設計になっていました。平成9年と平成16年に2回見直しをして、環境負荷排出量が減った業種についてはこの生産施設面積規制の水準を少し緩和するということをやってきたのですけれども、それを今回もう一度各業種ごとにそのデータをとりまして見直しを行ったということなのです。

    今回は大幅に改善しているようにみえるところがありますけれども、実は平成9年と平成16年に見直しを行ったときには、例えば15%だった業種が、本当は環境負荷排出量の減少からみると3割ぐらいまで緩和してもよかったような業種についても、運用で1段階しか緩和しないという、ちょっと値切るようなことをやってきたものですから、今回はそういう値切りをなくして、昭和48年のこの規制水準導入時点からみてどれぐらい環境負荷排出量が減っているのかということで、根っこからもう一度、どれだけ緩和できるのかという試算をした結果、かなり大幅に各業種ごとに緩和することが適当だということになったというものであります。

    もともと小委員会の報告書の中では、特に生産施設面積規制については、例えば環境負荷排出量に着目した規制であれば、大気汚染防止法とか環境法規でやっているのだから、これは屋上屋の規制ではないかということで、規制撤廃ということも指摘されていますので、これは継続的な課題として検討したいと思いますけれども、今回の見直しを行うことによって、生産施設面積には倉庫とか事務所は含まれず、生産施設の面積ですので、実態的にはこれがネックになって増設ができないとかいったようなことはほとんどなくなるのではないかと考えております。

    2点目に、もう分権の時代なので国が一々決めなくていいではないかというご指摘については、もちろんそういうご指摘もあると思うのですけれども、一方で、特に緑地面積規制については、全く国の規制がなくなってしまって地方に任せてしまったときに、どんどん今度は緑を減らす方向にいってしまうのではないかという指摘があります。そういった意味では、やはりナショナルミニマムとして何らかの規制といいますか、ルールがあったほうがいいのではないかという議論と、これは実は両方議論がありまして、なかなか、分権時代だからすべて任せればいいということでコンセンサスが今のところまだ得られてない状況にあります。

  • 大西委員

    ほかにご発言がありましたらお願いいたします。

    ご承知のように、工場立地法についてはいわゆる工場立地関係の3つの法律、制限法と工配法と、3つのうちの1つで、ほかの2つはもう既に廃止されているわけですが、それは工場を大都市から地方に移転させるという大きな政策の流れの中でできた一連の法律で、その大きな政策の柱が既に変わってきている、変わっているということでなくなったわけですが、工場立地法については、具体的には緑地を確保するというのが非常に重要なポイントの法律でありまして、この緑地を都市に確保するということ自体は現在でも必要なことだという認識があるわけです。

    ただ、一般の住宅では、特にこれだけの面積の緑地を確保しろということはいわれないわけなのに、なぜ工場だけがそうした義務を負わされるのかというのは非常に大きな問題点でありまして、そういう意味では規制緩和という必要性があるということであります。他方で、工場は都市の中でかなり大きな面積を占めているので、かつ、臨海部と非常に重要な場所にあるということで、そこに緑地が確保できると非常に効果的だし、これまでの法律の運用の中でかなり緑地が確保されてきているという事実もあって、これが全く規制がなくなり、緑地のところにどんどんいろんなものが建っていいのかという議論も確かにあるのですね。

    その中で効果的に緑地を確保しつつ、かつ、私見では、緑地は工場だけの責任ではなくて、都市全体の責任なので、まちづくり、都市計画の中で工場地帯を含めた緑地のあり方を整理して、計画的に緑地を確保していくということが必要なのだろうと。そうした動きの展開、進行の中で立地法のあり方というのも整理していく必要があるのではないかなと、これは私見ですが、思っていまして、現在の段階ではそのいわば過程にあって、少し細かな緩和がいろいろ行われているということではありますけれども、規制緩和の要求にもこたえつつ、実態的に都市で工場が共存できるような方向を目指して改定が行われていると。今回については具体的な生産施設面積の規制とか、さっき挙げられました3点についての緩和が行われたということであります。

    特に追加のご意見どうぞ。

  • 米田委員

    1つ前に戻って大変恐縮ですが、農商工連携でございます。このたび農商工連携が法案として出されたというのは大変私としては喜ばしいことですが、ここに書いてあることだけではなくて、実は我が国の政府は農業とか工業、商業、建設業という業種の壁を超えてみんなで協力し合える体制に向かって進んでますよというメッセージを強く訴えるということも非常にインパクトがあって、大きい一面ではないかと思っております。ここに挙げられた実際的な取り組み以外にも、政府としての業種の壁を超えた地域振興ということのメッセージを伝える努力をさらに一層していただきたいと思います。よろしくお願いします。

  • 大西委員

    じゃその方向でぜひよろしくお願いしたいと思います。

    今の工場立地に関する準則改正については、産業構造審議会の場で承認を得ることが必要であります。産業構造審議会イコールこの分科会ということになりますので、分科会での承認をいただきたいと思います。事務局から報告のありました改正案について、承認ということでよろしいでしょうか。

    (「はい」の声あり)

    どうもありがとうございました。

    それでは、以上で本日の議題は終了です。最後に、事務局、それから審議官にごあいさついただくことになっています。じゃお願いします。

  • 勝野審議官

    どうもきょうは大変朝早くから、お忙しい時間、私どものために割いていただきまして、ありがとうございました。

    地域の活性化というのは、今の内閣でも最重要課題の一つに取り上げられているところでございます。政府全体としては地域再生戦略というものをつくりまして、各省庁がそれぞれの手段でいろいろな活性化対策に努めているということでございます。

    我々、2つの方法でやっているということでありますけれども、1つは、要するに内なる資源を最大限活用しようではないかということでございまして、きょうご議論いただきました地域イノベーション、産業クラスター、あるいはコミュニティビジネス、農商工連携、こういった地域にある資源を最大限活用して地域の活性化を図っていこうではないかというのが1つ。それともう一つの大きな方向性としては、外の資源の最大限活用。これは企業立地、外から地域にない資源を呼んできて地域活性化をやっていこうではないかと。この車の両輪で政策を展開しているということでございます。効果がすぐにあらわれるかというところがあるわけでございますけれども、こういった取り組みをしっかりやることによって、必ずや地域の活性化としても前へ進むものではないかと考えている所存でございます。

    きょうは、いろいろな議題でさまざまな貴重なご意見をいただきました。これを私どももしっかり受けとめまして、個々の施策に反映させていただきたいと思っております。引き続き、冒頭申し上げましたように、非常に重要な政府としての課題でございますので、委員の皆様方に貴重なご意見、ご質疑、ご指導、ご支援をお願いしたいとお願い申し上げまして、一言でございますけれども、ごあいさつとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

  • 横田課長

    それでは、これをもちまして、第9回の分科会を閉会したいと思います。ありがとうございました。

――了――

 
 
最終更新日:2008年5月8日
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