経済産業省
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産業構造審議会 知的財産分科会 営業秘密の保護・活用に関する小委員会(第2回)-議事要旨

日時:平成26年10月31日(金曜日)17時00分~19時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席委員

後藤委員長、相澤委員、飯田委員、石井委員、伊藤委員、高橋様(久貝委員代理)、久慈委員、齋藤委員、鈴木委員、長澤委員、野口委員、林委員、春田委員、三原委員、宮島委員、柳生委員、横山委員

議題

  1. 秘密管理性要件の運用と課題について
  2. 「営業秘密管理指針」改訂案について
  3. 中小企業等に対する営業秘密保護を含めた知的財産のワンストップ支援体制について
  4. 営業秘密保護法制について

議事概要

1.秘密管理性要件の運用と課題について

  • 北海道大学情報法政策学研究センター長である田村教授より、資料3に基づき、我が国における秘密管理性要件の運用と課題について講演。

2.「営業秘密管理指針」改訂案について

  • 事務局より、資料4に基づき、「営業秘密管理指針」改訂案について説明。
  • その後、自由討議。委員からの主な意見は下記のとおり。
  • 改訂案については、小委員会における議論を踏まえた修正のうえ、パブリックコメントを行うことにつき全会一致で了承。
    • 「マル秘」表示のスタンプを押すにしても、1万ページを超える文書について1ページごとにスタンプを押すというのはコストがかかりすぎる。一方で、盗まれるときには、1万ページのうちの重要な部分だけ盗まれるということもある。一見して重要な情報であれば「マル秘」表示がなくても秘密管理性が認められるようにしてほしい。
    • 従業員の立場から考えると、当該情報がどのような範囲までであれば共有してよい情報なのか、秘密として扱わなければならない期間はいつまでなのか、といったことが明確化されている必要があると考える。それはこの指針で記載する内容ではないのかもしれないが、別途作成予定のマニュアル等で検討していただきたい。
    • TRIPS条約における「状況に応じた合理的な措置」を求めるということが秘密管理性のコアだと認識。「○○部の文書全部」という場合が、一般情報から全く区分されていない場合の例として挙げられているが、例えば先端研究をやっている部署であれば、部署の取り扱っている情報すべてが営業秘密ということもあるので、例示としては不適切なのではないか。
    • 複数拠点で同じ情報を管理している場合について、現在の案では「拠点」ごとの秘密管理が求められるということになっているが、「拠点」というと、語義のニュアンスとして物理的に距離が離れていることを前提とした文言に感じられる。例えば、本社ビルは1拠点ということになると、本社の従業員全員に周知しなければならないように感じられるが、特に大企業ではそれは難しい。
    • 複数拠点で同じ情報を管理している場合について、「拠点」という文言では地理的な響きがしてしまい、少なくとも特定の法人単位で秘密管理がなされている必要があるように感じられるが、この改訂案の全体の論理の流れからすると、法人単位より狭い範囲における秘密管理がなされているだけであっても、行為者の認識可能性があるのであれば秘密管理性が認められるべきである。
    • 会社の中で情報の秘密管理の程度にバラつきがあると、会社としてその情報を守る気がないのではないかと思われるかもしれないが、現実として部署ごとに秘密管理に意識の差が生まれるのは仕方のないことであり、一部の部署で秘密管理が甘かったからといって全体として秘密管理性が否定されるとなると厳しい。
    • 現実的な範囲としては「部」レベルではないか。特に、行為者の認識という意味では「拠点」というと広い印象なので、柔軟に対応できるといいのでは。
    • 複数拠点で同じ情報を管理している場合については、「情報の管理単位」はどこにあるかということに着目して考えれば良いのではないか。
    • 裁判においては、会社の規模や情報の性質などを考慮して判断することとなる。
    • 改訂案については、かなり分かりやすくなったと思うが、それでも小委員会にいる学者の方や法律家の方、大企業の方たちにとって分かりやすいというだけであり、中小企業の方々たちからすると、まだまだ難しい言葉、日常生活では使わない言葉があちらこちらに出てきている。別途作成されるマニュアルや相談体制などを通じて、もっと砕けた表現により、これを分かりやすく周知できる方法を考える必要がある。

3.中小企業等に対する営業秘密保護を含めた知的財産のワンストップ支援体制について

  • 事務局より、資料6に基づき、中小企業等に対する営業秘密保護を含めた知的財産のワンストップ支援体制について説明。
  • その後、自由討議。委員からの主な意見は下記のとおり。
    • 中小企業向けとあるが、大企業ニーズも多いと思うので対応して欲しい。ノウハウ管理と特許出願の峻別は大企業でも難しく、知的財産協会においても使い分けの基準を作成しているところであり、活用してほしい。
    • 情報の秘匿化を考えるにあたっては、営業秘密と先使用権双方の保護が大事である。今後作成される予定の営業秘密管理マニュアルに加え、先使用権ガイドラインについても改訂して欲しいオープン・クローズの使い分け、技術の一部のみ盗用されるといった先使用権の限界と対応策についても記載していく必要がある。
    • 昨今の状況を踏まえると、たくさんの相談がありそうだが、人員は足りるのか。逆に、人員が足りなくなるくらいたくさんの相談が来るのが望ましいのかもしれないが。
    • サイバー攻撃は高度化しており、日本の中小企業の営業秘密が、このワンストップ支援体制のところに一極集中していると海外に知れ渡るとまずい。その意味であまり目立たないようにやってほしい。

4.営業秘密保護法制について

  • 事務局より、資料7に基づき、営業秘密保護法制の今後の検討事項案について説明。
  • その後、自由討議。委員からの主な意見は下記のとおり。
    • 企業にとっての営業秘密の価値は上昇しており、営業秘密抜きには経営が成り立たないということもあるため、営業秘密保護法制については素早い対応が必要。
    • 次期通常国会への法案提出を目指すべきと考えており、裁判管轄・準拠法等の議論に時間のかかる項目は中長期的な課題として位置づけて、今回の法改正の議論の射程からは外すべき。
    • 実際に新法を制定するとなると、企業側にも一定の情報管理を義務づける規定を置くなどの措置が必要となる可能性が高く、また、新法の意義がどこにあるのかも十分に議論する必要があり、スピーディな法改正が難しくなるため、今回の改正項目として新法を目指すことについては反対である。
    • 図利加害目的要件について、その必要性等についても議論をするべき。その際には、図利加害をめぐる判例がどのようになっているのかを踏まえて議論する必要がある。

以上

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最終更新日:2014年11月5日
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