経済産業省
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産業構造審議会 知的財産分科会 営業秘密の保護・活用に関する小委員会(第3回)-議事要旨

日時:平成26年11月27日(木曜日)10時00分~12時25分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席委員

後藤委員長、相澤委員、飯田委員、石井委員、伊藤委員、岡村委員、久貝委員、久慈委員、齋藤委員、末吉委員、鈴木委員、高山委員、野口委員、林委員、春田委員、三原委員、宮島委員、柳生委員

議題

  1. 営業秘密盗用訴訟の概要と教訓(実原幾雄様)
  2. 米国経済スパイ法について(玉井克哉教授)
  3. 営業秘密保護法制について

議事概要

1.新日鐵住金株式会社に係る営業秘密盗用訴訟の概要と教訓について

  • 新日鐵住金株式会社 参与・知的財産部長の実原幾雄氏より、資料3に基づき、新日鐵住金株式会社に係る営業秘密盗用訴訟の概要と教訓について、ご説明。

2.米国経済スパイ法について

  • 東京大学先端科学技術研究センターの玉井克哉教授より、資料4に基づき、米国の経済スパイ法について、ご説明。

3.営業秘密保護法制について

  • 事務局より、資料5に基づき、営業秘密の流出防止のための制度整備に係る論点ついて説明。
  • その後、自由討議。委員からの主な意見は下記のとおり。
  • 各論点について、大きな方向性については一致。

罰則について

  • 犯罪によって得た収益を個人のみあらず、当該個人の使用者たる法人からも取り上げるというのは、罰則以前の問題。法人からも犯罪収益を没収する規定を設けることは法理論としてもあり得る。
  • 営業秘密侵害罪は、既に法定刑の上限が10年という高い水準になっていて、それ以上に法定刑を上げたとしても、実際には適用されない可能性が高い。法定刑を上げることよりも、実刑判決がでるように社会的な意識を変えていくとか、海外への漏えいという事実を量刑考慮要素とするといった形で、対応していくべき課題であろう。
  • 営業秘密を盗んだ法人に対しての没収は、刑法の法体系との整合性の問題もあるのかもしれないが、是非前向きに検討してほしい。未遂についても賛成。
  • 営業秘密の侵害に対する抑止力の観点から、法定刑引き上げは重要。ただ、過剰な規制となり従業員に不要な萎縮効果を与えないよう、また公益通報の阻害とならないように配慮してほしい。
  • サイバーセキュリティ基本法も成立したところであり、サイバー攻撃への対策について、法制度だけでなく総合的な取組が必要。
  • 23年改正において、刑事事件手続の特則が置かれていることを踏まえると、非親告罪化の方向には賛成。企業が望んでいないのに捜査当局が勝手に捜査するという懸念もあるかもしれないが、営業秘密侵害事件の捜査には被害企業の協力が不可欠であることを考えると、そのようなことは考えにくい。どうしても懸念が払拭できないということであれば告訴期間を撤廃するということも、判断の1つとしてあり得るかもしれない。
  • 営業秘密侵害罪における図利加害目的要件の明確化については、背任罪にも同様の主観要件が置かれているが、これは非財産的利益であっても広く認めてられており、「自分の評価を上げたかった」とか、「勉強のためだった」ということであっても、図利加害目的は認められ得るので、それを参考にできるのではないか。

立証責任の転換について

  • 前提事実と推定規定との間の経験則と、被告の反証負担の程度の2点が、推定規定の導入の政策的合理性を基礎づける要素といえる。事務局案は、その両方の観点からは特に問題ないと考える。
  • 事務局案における「使用して生産することができる」という条件について、方向性は良いと思うが、どのようなものが対象となるのか、より限定的に、明確にしてほしい。
  • 事務局案では、検査・測定技術については対象外となっているが、現場では、検査技術等は物の生産と表裏一体となっており、一律に除くことには違和感あり。
  • 事務局案の汎用的な技術を除くという点は賛成。ただし、物に固有の測定方法もあるので、必ずしも「物の生産」に限る必要性はないのではないか。直接に物を扱わないが、健康診断など、独自の判定方法を営業秘密としてサービスを行っているところもあり、そういったサービスに係る営業秘密についても推定の対象とすべきではないか。
  • 企業は、原告、被告のどちらにもなり得るということを踏まえ、推定規定の制度設計は、慎重に検討すべき。原告の立証負担軽減という課題は共有するが、そのためにいきなり推定規定なのか。文書提出命令の活用促進という方策もあり得るのでは。
  • 「物を生産する方法の営業秘密」という文言で、検査技術等を除くと読めるのか疑問。また、被告側になった場合、反証するには、「盗った営業秘密を使用していないことの証明」をするしかないが、悪魔の証明にならないように気を付けるべき。
  • 差止請求権の期間制限が無くなることも別途事務局から提案されているが、その場合、訴えられるおそれを考慮して、企業は、半永久的に、自社開発であること等の証拠を保存しておかなくてはいけなくなるが、大きな負担とならないか。
  • 利益の剥奪については、まずは民事の賠償、製品の差止等によって果たされるべき。そのために、立証負担の軽減は必要であるが、その手段としては文書提出命令の改善も考えられるのではないか。

除斥期間について

  • 除斥期間の撤廃は慎重に考えるべき。もともと、不競法の差止請求権に期間制限が設けられている趣旨は、権利関係の早期安定の趣旨であったところ、現在においてもなお、それは配慮されるべき。また、差止請求権は物権的権利だからこそ認められるものであるのに対して、営業秘密は不法行為の特則として認められているに過ぎないのであるから、法理論的にも直ちに支持しがたい。
  • 時効・除斥期間の撤廃に賛成。新日鐵の事例など、現実に何が起こっているのかを踏まえて検討すべき問題である。
  • 資料の長期間の保存が必要となるが、企業はその負担に耐えられるのか。
  • 必ずしも、特許法とのバランスを考える必要はないと考える。また、会社としても、重要な情報であれば永久保存となっても構わないということであれば、撤廃してしまっても良いのでは。
  • 不競法は不法行為の特則としての位置づけであるのだから、除斥期間を20年の延長に留めておくという選択肢は、それが良い判断かは置くとしても、あり得るとは思う。

その他

  • 個人情報の世界は、情報の国外持ちだしはあまり問題とならないが、法改正の方向性には特段異論はない。

以上

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最終更新日:2014年12月2日
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