経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会 保安分科会 ガス安全小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成26年6月9日(月曜日)15時00分~17時30分
場所:経済産業省 別館3階 312各省庁共用会議室

出席者

委員長
豊田委員長
委員
青木委員、秋山委員、梅村委員、大河内委員、織委員、倉渕委員、早田委員、立原委員、辻委員、水流委員、東嶋委員、冨田委員、堀委員、三浦委員、安田(慎)委員、安田(進)委員、吉川委員、和田(眞)委員
事務局
寺澤商務流通保安審議官、村上産業保安審議官、吉村保安課長、佐藤参事官、大本ガス安全室長、横島ガス市場整備課長、濱田石油流通課企画官、岡部製品安全課長 他

議題

  1. 南海トラフ、首都直下型地震を踏まえた災害対策について
  2. 経年管対策の加速化について
  3. ガスシステム改革の保安規制のあり方について
  4. その他

議事概要

各議題の審議状況、委員の発言は以下の通り。

1. 南海トラフ、首都直下型地震を踏まえた災害対策について

  1. 日本ガス協会より資料2-1について、事務局より資料2-2について説明した後、委員より、次の意見があった。
    • LNG受入れ基地は海岸にあり、護岸で守られているが、護岸の近傍の地盤が液状化して流動するという現象が起きる。地盤の違いや震度の違い等で起きる・起きないもあるが、そういった点を今後考慮して欲しい。
    • 今回、受入れ基地をもっている大手のみの結果となっており、南海トラフでは静岡県等も非常に大きな地震動になると想定されているので、受入れ基地がなくとも高圧ガス導管が通っているところを考慮して欲しい。
    • 首都直下地震について、いくつかの震源を考えて、そのうち一つで震度7が該当すると推定。申し上げたいのは、いろんな震源の位置を考えたうちの一つだった、と。これはまさに地震想定の難しいところ。重要なのは起こる可能性・確率をそれなりに考えて作られているもの。ここでは想定されていないが、M8のもう一つ大きいものがあり、それは再現期間が非常に長いため、今回の内閣府見直しにも扱われてなかったが、再現期間・発生確率もどこかで考慮しておかないと、数値が一人歩きしてしまう。起こりやすさ等を軽視することなく、地震動について考えていただきたい。
  2. 事務局より、本日の議論を踏まえて次回の小委員会において中間報告を行う旨報告を行った。

2. 経年管対策の加速化について

  1. 事務局より資料3について説明した後、委員より、次の意見があった。
    • ガス事業者についても、周知・折衝の当事者になり得るため、本件について明確な法的根拠になるような通知があればよいと思う。
  2. 本件については、提示が出来るタイミングで報告するという事で了承された。

3. ガスシステム改革の保安規制のあり方について

(i) 検討にあたっての全般的な議論について

  • 新規参入者を含めた全ての関係者が何らかの役割と責任を持って協働することで、更なる保安の向上に繋がる制度設計とすることが社会の利益増進やガス関連産業の発展に資すると考える。特に大規模災害時においては全ての関係者が何らかの役割と責任を持ち、早期の復旧に向けてお互いの利害を超えて万全な対応が出来る制度とすることが望ましい。
  • 今回の改革によって、自主保安を含めた保安レベルが低下することがないよう、十分な配慮が必要。保安レベルを向上させていくためにも、働く者の努力が正当に評価されて、やる気を生み出す制度設計としていただくようお願いする。
  • 電気はともかく、ガスについては現行制度で問題になっていることがほとんどなく、一般の家庭の人達がそのように感じていない中で、家庭用まで自由化することにどのような良いことがあるのか想像できない。何が起きるか想像できないため、自由化そのものに不安を感じる。ましてガスの保安については一つの家庭だけでなく、周辺にも大きな影響を及ぼすので、更に自由化を心配していることを理解いただきたい。
  • 関係者間で協働して現在の保安レベルをどのように維持していけるのかについて、誰が技術を持っており、誰がネットワークを持っているのか、誰が1番コストパフォーマンス良くサービスを提供できるのか、まずは保安のあり方をしっかりと議論してから、その次に責任のあり方を議論するべき。
  • ガスの場合は「区域」、ある特定地域における安全・安心というものをどうしても考えなくてはいけない。消費者にしてみても、土地や建物の所有者等、非常に複雑に入り組んでいる。灯外内管に関しても、借家の方の場合には、当然所有者が灯外内管の安全について担保して欲しいと思うが、そこがきちっと安全管理されているかどうか、借家の人たちにはそういう情報をもたらされてはいない状況にある。そうすると、区域における安全・安心をどういうやり方でうまく戦略的に見えるものにするかは、何らかの保安責任をプロが負わないといけないのではないか。所有者が異なることと、これから高齢社会、超高齢社会になってくるときに、認識未一致の問題でそれを全うできるのか、更に複雑さが増してくると考えている。
  • 新規参入は、経済学上は色々な事業者が入り、競争が起きればサービスが良くなる他、料金が安くなるということが起こると思われている方も多いのかもしれないが、基本的には、保安や安全を“コスト”と思っている事業者に参入されたら大変なことになる。参入障壁という人がいるのかもしれないが、それと安全は違う。セットで考えてもらわなければ困る。これからどんどん高齢化して一人暮らしが増え、丁寧に説明しなければならない時代になっており、社会情勢がすごく変わってきているところに、経済理論だけで保安や安全が守られるのかということを考えると、それは怖い。
  • 保安はリアルタイムに可視化が必要。新たな挑戦であり、リスクをとった保安投資が厳しいということであれば、ネットワーク事業者に依頼することが担保されることも必要であるが、自分たちの意思で保安オペレーションを形成するという強い気持ちを持った事業者にチャンスを与えることは重要である。
  • 電気以上に、ひとたび事故が起こると、周辺に及ぼす被害が非常に重大であるというガスの特質性を決して見逃してはいけない。
  • 当然自由に選べるとなると販売事業者は二転三転することになり、その間の保安情報が適切に受け継がれないと大変なことになるので、情報の一元化も新しい制度の中にきちんと義務付けることが重要。
  • 最終的には消費者の安全担保が最大限の目的であり、そこを決めれば拙速に決める必要はない。ただ、ある程度、競争原理を入れることによって、消費者に安全が担保されたうえでコストが下がれば消費者の利益に還るのではないか。
  • 本日の議論では、「保安責任」という言葉について、様々な受け取り方があった。法律的な保安責任や、一般の消費者が保安責任と聞いて頭に思い描く内容など、受け止め方が人によって違っており、この辺りは制度設計の中で少しわかりやすくして頂き、その内容を前提として、ガスシステム改革の自由化議論につなげて頂ければよいのではないかと思う。

(ii)論点1:技術基準適合維持義務について

  • 今までの保安規制のあり方について、これまで家庭分野については、自由化はまだ早く、需要家も、ガス管を自分のものだと思っていないため、そこまで踏み込むことはないという風になっていた。平成14年の議論から大分経っているが、今に至っても特に一般の家庭や小口の需要家の方たちがガス管について、自分で責任を負わなければならないという意識が高まったとは全く思っていない。
  • 平成14年に「需要家の自己保安責任意識の醸成・確立がまだできていない」と言われてから、ねずみ鋳鉄管の更新すらまだ完結していないという事実がある。目に見えない場所のガス管が当たり前のように守られてきた需要家に対して、月日の経過によって意識が醸成されることを期待してはいけないと思う。
  • 大口に関しては需要家に責任を持たせても良いと思うが、小口、特に一般消費者の部分に責任を持たせることはかなり難しいと考える。
  • 基本的に、資産区分と保安責任区分を整合させるというのが自然だと考える。整合していれば、先ほど経年管対策で議論したような周知の問題についても、全く違う絵姿が描ける可能性がある。また、小口の灯外内管と灯内内管を区別して考えるということに関しては、ねじれの問題が生じているのは灯外内管の方なので、ここで区別をしてもあまり良いことはないと思う。

(iii)論点2:技術基準適合維持義務以外の内管漏えい検査等のあり方

  • 資料4中「技術基準適合維持義務等」から「緊急時の対応義務」までの4つとも、大口・小口という需要家の規模に関わらず、全て新ガス導管事業者が一義的に保安を担うことが適当ではないかと考える。技術基準適合維持義務、内管の漏えい検査、ガス消費機器の周知・調査義務については、新ガス導管事業者がガスの配管の図面等保安の情報を一元的に管理できるというメリットがある。これにより効率的かつ確実に保安の継続性が保たれ、保安業務は分離することなく、一元的に実施・管理すべきものではないかと考えている。
  • 委託形態になると、新ガス導管事業者と新ガス事業者の調整や連絡業務が発生することになる。特にガスの緊急停止など、迅速に行うべき対応に調整業務がなくなることについて、保安上のメリットがあるのではないか。
  • 消費者の立場から言うと、ガスの購入先は変更したとしても、保安については、導管事業者に連絡することは不変であるとすれば、安心感が持てるのではないか。
  • 保安の責任ということは、保安義務を担うことだと思う。導管事業者が義務を負ったから、保安について全く無関心だと言うつもりはない。特に消費機器等の情報は小売事業者が把握しているので、保安に必要な情報は導管事業者に提供するなど、協働しながら保安レベルの維持向上を図っていければと考える。
  • 大口については、平成7年から自由化が進められ、その中で保安はどう担保されるかを随分議論した結果、今のような形で小売事業者が責任を負い、ただし相対委託ができるという考え方になった。新規の参入率は着実に増加している一方、事故件数は増えておらず、現行の制度は機能しているという評価が得られている。従って、機能している制度を変える必要はないというのが大口についての考え方である。
  • 小口について、保安向上の観点から小売事業者が保安責任を担うことが適当であると考える。新規参入を考えている事業者は、色々なビジネスモデルを考えて参入し、それ自体はガス市場の活性化につながるため、全面自由化に期待されるメリットと考えて良いのではないかと思うが、どのようなビジネスモデルを考えたとしても、保安に関してできることは必ずある。小売事業者が需要家保安について考えることを止めてしまっては、必ず欠落する保安維持活動が出てきて、保安水準が低下すると思う。新規参入を考えている事業者として保安についても考えることを担保する意味を含めて、保安については新規参入者に責任を持っていただく。ただし、それが参入障壁になってはいけないので、保安のノウハウや体制を持たない事業者も入り易くするという観点から、実務としての保安業務は既存のガス事業者が積極的に受託するという考え方であり、特に緊急時の対応については、特殊性もあるので、全面的に既存のガス事業者が受託する。
  • 近年ガスは大変安全になったが、昭和50年頃は都市ガスのCO中毒で年間に100人程度亡くなっていた。その後、規制の強化やガス事業者の努力により、年間の死亡者が1人いるかいないというレベルまで安全性が高まっているが、基本的にはリスクが高いエネルギーであることを認識して議論を進めるべき。ガス供給者は保安と一体となって事業に参入することが重要であり、保安に対してフリーハンドでマーケットにプレイヤーが参入できてしまうと、これまで構築してきた保安体制を維持できないというリスクが高まると懸念されている。制度設計の際には、自主的に保安を向上することがインセンティブになるような制度となるように、検討を進めていただきたい。
  • 保安制度の運営と体制については、慣れている人、あるいはエリアに特化している人、技術がある人が担うことは当然だろうと思う。一方、保安責任を誰が担うかということについては、道義的な責任と法律的な責任を分けて考えるべき。ガスという、扱い方によっては危険なものを取り扱う事業者が、道義的な責任を負うということは、関係者の皆さんは当然そう思っていると思う。ところがこれが法的責任ということになると、日本の企業の多くの方はそこは負いたくないと言う。ただ、実質上道義的責任を負っている場合に、もし保安体制は別の得意な人がやるとすれば、法的責任と道義的責任との間にどれ程大きな差が有るのか、その点を少し慎重に議論頂きたい。

(iv)論点3:簡易ガス事業に係る保安のあり方について

  • 簡易ガス事業が液石法に移管された場合の保安規制の整合性に関する論点について、液石法に移管されたとしても、保安に関しては同様の責任を持って、あるいは安心を与えるという形で進めて頂きたい。
  • 簡易ガス事業が液石法に位置づけられるということになれば、その保安規制は当然液石法でという考え方が自然。ただ、その良否を保安の観点から判断する材料として、例えば簡易ガスでの事故率や、LPガス販売事業での導管を使用した70戸未満の供給者の事故率といったものを比較しないと、何とも言えないのではないか。

(v)論点4:消費段階におけるガス事業法と液化石油ガス法の保安規制のあり方

  • 都市ガスとLPガスの保安規制の整合性について、都市ガス自身もCOを含まないガスになってきており、比重は違うが同じ可燃性ガスと言うことであれば、「消費機器に係る法的な義務は同じでよい」という考え方は自然かと思うが、これについても消費機器に係る都市ガスの事故率、LPガスの事故率を比較して、どちらに寄せた方がよいかを議論すべきではないか。

(4)その他

  • 事務局より、御意見については6月13日午前中までにメールにて提出をお願いすること、それとあわせて、本日の御意見等を踏まえ、次回の小委員会は、6月25日に開催する旨説明。

以上

関連リンク

お問合せ先

商務流通保安グループ ガス安全室

 
 
最終更新日:2014年6月16日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.