経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会 製造産業分科会(第3回)‐議事要旨

日時:平成27年4月3日(金曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

清家分科会長、伊藤委員、鎌形委員、大宮委員、新宅委員、鈴木委員、田川委員、沼上委員、林(千晶)委員、林(真)委員、堀場委員、松島委員、三神委員

議題

  1. ものづくり基盤の整備、稼ぐ力の向上、人材育成
  2. デジタル化が及ぼす変革への対応

議事概要

ものづくり基盤の整備、稼ぐ力の向上、人材育成

新宅委員
  • 人材育成について2点。
    1. 現場:OB人材を活用した生産性向上がある。地方の中堅中小企業の現場の改善の支援が始まっている。最近、ASEAN各国・中国の生産性を調査した。日本企業の中国工場の労働生産性(生産台数/人)は、日本100に対して中国が70、中国のローカル企業は20~30となる。中国の自動車メーカーを例にとっても、生産性・品質に問題があるので、労働賃金格差が5倍の差であっても、生産性向上でコストでも勝負ができる。また、国内工場は年齢構造問題があり、30代あたりが薄いので、ここをサポートする政策が必要となる。
    2. 大学:さまざまな大学でグローバル人材育成を実施しているが、育成した人材が製造業に就職していない。金融・外資系・コンサル系・商社系に就職してしまっている。一方で、企業も日本の大学には期待せず、海外に人を採用しにいっている。製造業の稼ぐ力を向上するためには、学生にとって魅力的な企業づくり、企業にとって魅力的な若者育成の両方が必要で、企業と人材のマッチングが重要。
大宮委員
  • グローバルで稼ぐ力について2点。
    1. グローバル市場で稼ぐにはある程度規模が要る。三菱重工からするとGEの規模が大きく、対等に戦える状況ではないため、相手側の戦略に対してどう対応するかは議論されず、GEが進出しないニッチな分野に進出していく視点が従来は主だったが、最近は少し変わってきたかもしれない。三菱重工と日立が火力の合弁の会社を昨年2月に作り、アルストムというフランスの会社をGEとシーメンス・三菱連合軍がお互い戦って買い取ろうとした。これは、GEが三菱重工と日立の火力の合弁に対して脅威を感じたということであり、三菱重工がグローバルプレイヤーにある程度なれたということだと考えている。
      また、三菱重工と日立が合弁で三菱日立製鉄機械株式会社を2000年に作った。その後、IHIがその合弁の会社に参画し、今年1月にシーメンスの製鉄部門と製鉄プラント事業を統合し新しい合弁会社を作った。当方600億円、相手(シーメンス)2800億円で、通常であればシーメンス側が経営の主導権をとるところ、シーメンス側から当方に経営を主導して欲しいと依頼が来た。これは、2000年の三菱重工と日立の国内再編の結果、強い企業になったとシーメンス側にも認められた好事例。今般の製鉄機械会社はロンドンに本社を置き、シーメンスのプラットホームを導入し、グローバル再編に向けた試行錯誤をしているところ。いわば一つの巨大な実験場となっており、これが成功すれば他の事業へも展開していける。産業構造競争力強化法が整備されたから、国内を再編して、それが引き金となってグローバルな再編をすることができる。ただ、うまくグローバルな再編をしていくためには、国内事業を営んできた企業にとっては大変な転換となるが、会計・人事・ガバナンス制度がグローバル基準に合わせる必要がある。
    2. 電機はなぜ苦戦したか。アップルはマーケティング等による市場と製品のすりあわせをしていたわけではなく、スティーブ・ジョブスの様な天才的な市場の代表者が仕様を決定し、その仕様通りガチャポンとまでは言わないまでも作ることで成功した。今はかえってそれがコモンディティーの罠に陥り、競合他社が追いかけて苦戦している。これからの日本の産業はどう進むべきか考えるべき。
      素材・部品メーカーと機械のメーカーのすり合わせも大事。複合材という材料を十二分にすり合わせると同一性素材の理論に基づく構造とは違った構造形式ができ、新たな技術がイノベートできる。
鈴木委員
  • 人材育成は、短期的、中期的、長期的に分けて取り組まないといけない。
  • 短期的には、例えばパイロット不足・整備士不足の対策でも検討されているが、定年を引上げる、海外人材が我が国で働いてもらえるような制度を作ることが必要。
  • 中期的では、日本の中で女性がいかにして働きやすい職場を作るかが重要。また、航空機産業には、専門知識・グローバル化に対応するための海外との商取引に精通した人が必要であり、そうした人材を広く提供できるような人材センターのようなものを国がやるべき。
  • 長期的には、大学・高校などの教育。例えば専門学校が大学みたいになりたいと思っても大学基本法に則る必要があるため、難しい場合がある。そのため、専門学校よりも少しレベルアップした技術を教える学校を作る必要がある。
  • 欧州ではニート化を防ぐために社会体験をさせることが浸透している。高校・大学に通いながらも働く体験ができ、学生はお金が入り、企業は有能な人材をみつけられるという双方のメリットがある。日本も職業体験のような教育を制度化すれば働く事に意義を見出し、製造業に対する若い人たちの理解も得られるのではないか。
林真委員
  • 一般工業化学物質・医薬品・農薬を含めての化学物質産業について、日本はその物質の安全性を申請してから認可が下りるまでの時間がかなりかかっており、それがものづくりの足を引っ張っている。
  • 認可が遅い一因は、人材不足・専門家の不足が大きい。日本の大学では化学物質の安全性・毒性を教えているところがあまりない。OJTでの教育も限定的である。
  • 安全性は中立でないといけない。今は過剰に安全が求められる傾向にあると危惧している。安全性を少しでも高めようとするだけですごく人員等のコストがかかるので、過剰に安全が求められることをできるだけ排除できるシステムづくりまたは評価の方法論の開拓が必要。
沼上委員
  • たくさんのGNT企業、中堅・中小企業がグローバルニッチに稼げば大きな稼ぐ力になるが、中堅・中小がGNT企業へあがっていく上でボトルネックがあり、GNT企業が更なる大きな会社に成長するうえでもボトルネックがあるため、十分な量の稼ぎにはなっていない。
  • 大企業の下請けばかりの街では新規企業は育たないが、中小企業の集積のようなところからは新規事業が育ってくる。その意味では、産業集積のあり方そのものを考え直さなければならない。
  • 一番重要なものの一つは、人材の流動化。GNT企業は大企業OB人材へ大きな期待をもっている。大企業を45歳で卒業し、その後、GNT企業で第二の人生を過ごす人が増えるといいという意見もあるが、大企業に勤務していた人をGNT企業に送り込んで本当に貢献できるかというと必ずしもそうではない。どの企業でも通用する一般性のある経営のフレームワークを持つ人材を育てていくことが必要である。逆に、長期的には、GNT企業で企業OBが経営者としての能力を高めて、大企業の経営に貢献することもありえるので、日本社会全体の経営者の人材育成にもつながる話である。
田川委員
  • 小さな子供達・若者達にものづくりの楽しさを伝える産業観光というものもあるが、工場が生活圏からなくなり、日本人のものづくりに対する感性が失われてきている。
  • 中堅・中小企業の技術を匠の技としてもっと世界にPRしていくのが重要。クールジャパンはアニメだけではない。全然PRできていないため、中堅・中小企業の技術を一覧で見られる場が必要。
  • 環境技術の外へのアピールができていない。2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに日本の安心安全だけでなく美しさきれいさをアピールしていく必要がある。
三神委員
  • 日本はミッテルシュタントを中堅企業と訳すが、むしろ「独立系」の「適正規模」「専門企業」がドイツのニュアンスに近い。
  • ドイツは連邦制のため、各州が地域ごとに産業構造が弱体化しているところを分析し、必要な夜間講座を州立大学や地域内教育機関に設立する柔軟なコース開発・カリキュラム変更を行うことができるが、日本はこのレイヤーの動きができない。旧帝大とグローバルエリート校が担う分野と別に、地元密着で地を這うようなヒアリングを実施しているのはむしろ地元の旧帝大以外の国立大学・県立大学であり、これらが産業構造の問題を精査し、状況に応じて柔軟なプログラム開発できるようにすべき。
  • データを共有して意思決定する政策をとるなら、プロジェクトごとに制度設計も横断的・柔軟に対応していける省庁側の体制づくりも重要である。我が国は技術志向的に意思決定をする傾向があり、経営学・工学系の専門家だけで戦略や施策を決める傾向があるが、ドイツでは次世代自動車のあり方ひとつとっても、さらに文化人類学や哲学者も入れ、歴史的な転換をどう洞察すべきか深く検討している。
  • 2030年時点でインフラ投資は一巡し、人の移動が盛んになり、世界の識字率も上昇する。このときの人材獲得競争で生き残るために、2030年からバックキャストして、より大局的に戦略を練るべき。
  • 従来と違う、システム設計まで含めるような製造業のあり方・考え方、産業融合を考える際は、周辺の知識サービス業の開発も同時並行で必要である。たとえばTPPによる食品流通が増えたときの食品の競争力は安全性が重要なファクターとなる。日本では、土壌の微生物を1時間で測定できる日本にしかない機器があるが、従来の発想ではこれを輸出することになる。そうではなく、その技術を利用した農地格付けや科学的エビデンスを添えたオーガニック認証など、ルール作りも一緒に輸出することで隣接品目への波及効果を狙うアプローチが必要。
松島委員
  • 伊藤レポートにより、日本の上場企業に大きな流れができ、ここ1年間で変化があった。伊藤レポートではROE最低8%、可能なら10%以上がグローバルでの最低基準とされ、それを達成するための経営変革を各企業に求めたのがこの1年であった。プロの経営者の育成が大事になってくる。
  • アメリカ流のMBAだけでなく、プロの経営者をしっかりと育てる教育機関がなかったことが問題と伊藤教授は指摘している。現役のCEO・CFOを育成する機関が設立されたが、こういった新しい流れの経営改革を具体的に実行する動きが日本にも出てきた。人材育成の話になると現場の人材育成が主になるが、むしろこれからの日本を引っ張る経営者をどのようにして育てていくのかが大事。
  • 企業のIR活動では、企業が言っていることとやっていることが異なることもあり、グローバルベンチマーク策定によりしっかり戦略に合致した行動を企業がとることが重要。
  • デフレ時代の戦略はコスト削減が中心で、いかにして安く作るかが稼ぐ力の源泉だったが、インフレ時代には販売価格を高く設定できないと儲からない。そのためにはブランド力などによる価格転嫁が新しい稼ぐ力になる。
  • そのため、いいものを安く売るという従来型の経営をしてきた経営者の意識改革が必要となり、同時にブランド化という点からも品質が重要視されてくる。日本の製造業のROEは欧米の半分以下だから、これを倍にしないとグローバルなベンチマークには届かない。そういう認識を共有認識として持った方が次のステップにつながる。
堀場委員
  • 当社はGNT100社に選ばれたが、30年かけて米・独・仏・中・印・伯で工場を立て、現地の人間を巻き込んで研究開発も実施したことで、ナショナリズムの強い自動車産業においてデファクトスタンダードとなる参入することに成功。
  • 現在、琵琶湖西岸に新工場を建設中だが、ここでは協力会社も同じフロアで生産してもらう。日本の中堅・中小企業は非常に高度なノウハウがあり、モラルもとても高いため、品質向上の上で不可欠な存在。協力会社を巻き込んで生産性を上げていくが、これには相互信頼がないとできない。
  • 人材について言えば、アメリカでは新たなオペレーションを立ち上げるのが早い。これは、外部から経験豊富な人材を採用できるため、明日から貢献してもらうことができる。一方、日本はそのような流動性がないため、新人を採用して5年ほど教育する必要があり、新たなオペレーションの展開で欧米に遅れてしまっている。
  • 日本の場合は大企業から中堅企業に人が流れにくく、流れてもうまくいかないことが多い。これは、日本の大企業では、一人の受け持つ範囲が狭すぎて、ある分野では世界一の知識を持っていても全体を見ることは不得手で潰しがきかない人材が多いため。何とかして優秀な人材の流動性を高めるような工夫が必要。
林千晶委員
  • 多くの企業でオープンイノベーションが今起こってきている。例えば4月にはヤマハがオープンイノベーションを行う部署を設立した。社内だけでは開発できないものを外部と連携してスピーディに開発するのが目的。
  • オムロンやデンソーなど他の大手企業でも、今まで外部に公開していなかった技術の一部をディベロッパーやデザイナーに共有するなど、外部とのコラボレーションによる用途開発/サービス開発の取り組みが増えている。3月末にオリンパスがリリースした新しいカメラもMITを含めた外部連携から生まれた製品。
  • 一方、商品化するのに数年かかってしまう現実もある。日本企業におけるオープンイノベーションを加速する上で、オープンとクローズドの戦略バランスや、いかにスピード感ある経営判断ができるかが挑戦になる。
  • GoProは単品のメイカーズで1000億円近い売上をあげる会社になった。時価総額は一時期5000億円にも達し、ニコンが6000億円ちょっとであることを考えるとすごいことであり、「高品質」にとらわれすぎず、コンセプトやスピード感のある製品開発の重要性を強く感じる。
大宮委員
  • 企業では持てない施設を国がお金を出すことで次のイノベーションにつながることもある。
  • 技術・人の流動性を担保するには、横連携が大事となる。産総研と大学とのリンクをいかに作っていくかが今後も大事になる。よって、ロボットといった日本がこれから大事だろうと考える大規模な戦略分野は、ナショナルプロジェクトとして立ち上げ、その中に大学も理研も産総研も企業もみんな入れ込み、優先的に波及効果が大きいものを選ぶ仕組みを創っていくことが大事となり、それが技術や人の流動化にも繋がる。
鎌形委員
  • 大学・企業・研究機関が人事的な交流をより活発にしていかないと相互理解が進まず連携もできない。
  • 研究へ補助金を付ける際には、ある一定以上の規模のお金になると、効率が下がり、オリジナリティも下がることに留意すべき。
  • また、若者の研究プロジェクトに100~1000万円ほどの規模の助成をしっかり供給していくことも大事。
伊藤委員
  • 中小企業の経営者は人材のいかに確保すべきかで悩んでいる。
  • 最近の大学生は、自ら考える力が不足しておりすぐに親に相談し、その親が大企業への就職や仕事が厳しければ辞めれば良いとアドバイスするため、採用も定着も困難がある。また、昔は夢を追って中小企業を選ぶ学生もいたが、今は給料・福利厚生が大企業より良くないことが要因。
  • しっかり次の世代となる若者達を育成する必要があるが、昔以上に学校で教えることが増えている。
  • 日本の大手製造業は、コストに見合った価格付けができておらず、大企業が下請けに圧力をかけるなどをしている。環境を相当守っているのだからそうした面をもっとアピールしても良いはず。
  • IoTが今後普及していくのであれば、システムをうまく使って手作業を行うことで、コストが削減され、安定的な品質ができる。
  • 人間がやるがデジタルバックアップというシステムで他の国と差別化を図り、それをパッケージで海外に売り込めるような、大規模IoT以外の小規模IoTも考え、大企業とリンクし、日本独自のシステムを作れるとよい。

デジタル化が及ぼす変革への対応

鈴木委員
  • 航空機は大規模なシステム開発を必要とし、サプライチェーンも非常に広くなり、市場に出した後のメンテナンスに関しても、世界中で使っているエアラインの情報をいかに使うかという点からも、IT化・デジタル化は非常に重要な視点。
  • 現在、MRJの開発が行われているが、やっと始まったところなので、海外のデジタル化の整備状況に比べると我が国はまだまだこれから。
  •  欧米の航空産業ではデジタル化対応に国の資金が入っており、国内誰でも使えるようになり、広く普及したという経緯がある。
沼上委員
  • 経営学者の視点からみるとデジタル化は1つの時代の転換点となる。経営学での議論において、独自デバイスで差別化を図る戦略論の基本パターンが昔はあった。デバイスをできるだけ内製し、時々外販するというやり方である。
  • 水平分業の時代に垂直統合するとコストで負けるという議論があり、デバイスを水平分業により製作し、クローズドにした独自の部分でいかに差別化をはかっていくかが大事という意見もある。
  • しかし、これらの、今までの議論はセットとデバイスの二重構造での議論であった。今度はデバイスとセットとクラウドの三重構造で考える必要がある時代となった。経営戦略の組み立て方というのも視野の広さ、複雑さが格段に高度になった。
  • デバイス屋からすれば、どのくらい投資するかは、そのデバイスがセットに搭載されてどんなクラウドサービスが提供できるのか、その結果としてどれほどの付加価値が生まれるかを見通さないといけない時代。
  • 逆にクラウドを作る側は、どんな付加価値があるデバイスが出てくるのかを常にウォッチしないといけない時代となった。差別化できるものを三重構造の中でもう1度考え直すことがこれからの日本の製造業の重要な戦略となる。
  • 技術系の人間、ソーシャル・サイエンスの人間の両方が互いに学び合わないと戦略が出てこない時代となった。
林千晶委員
  • モノとソフトが連携してきた。メイドインジャパンのセンサーの質の高さは、データの質の高さに繋がり、それにより優れたアルゴニズムが開発できるので、デジタル化は非常に日本にとってのチャンスである。
  • 一方で、全く関係のないデータの横断をしないと価値が生み出せないのがビッグデータの難しさであり、どのデータをどう連携させていくかが一番難しい。
  • オープンなデータ共有をする際には、みんながデータを形だけ共有するオープンコンソーシアムにならないように注意すべきであり、そのためには、固いコンソーシアムにしないことが重要。
  • オープンプラットフォームを前提とするロボット革命の話があったが、産業界としてどのようにオープンプラットフォームを作っていくかより、情熱を持っている個人を巻き込むオープンプラットフォームも含めた二重構造でやっていかないといけない。
林真委員
  • 実験結果データをデジタル化して蓄え、それを使っていくという方向になってきている。そうして蓄えたデータベースをいかにうまく活用できるかは、蓄えられたデータの質によってくる。
  • 実験結果の質について、我が国は世界に負けないものを持っている。しかし、そのデータがいろんなところに散らばっている。省庁間でもばらばらにデータを持っている。データベースをいかにうまく活用できるかは、質の高いデータをいかにたくさん集めるか、一か所に集中させるかというところ。そういうことに関して何か一本化するようなことを考えていけないかと思う。
三神委員
  • アメリカは消費者行動を大規模に分析するというアプローチ、ドイツは比較的BtoB寄りもしくはプロセス重視といった、目的先行のアプローチで情報をつないでいこうとしている。
  • 日本は何をしたいのか、目的が見えづらいがゆえに、どう統合し、どう解釈するのか、どこに対して使っていくのかがイメージしにくい。
  • データ収集はうまくいくと思うが、それをどのように整理するのか、メタデータのところが日本では非常に弱い。
  • 人材のミスマッチに合わせて、たとえばOB人材の登録をするときに出身企業の所属名で書いてしまう。欧米はジョブのレベルを登録するから、検索によるマッチングが可能。どういう情報を集めていくかが非常に重要。
  • ロボットの世界、近未来的で非常に魅力的だが、当面の足元の課題として、日本中の優良の中小企業のイノベーション情報をきちんとデータベース化してほしい。
  • ニーズ先・目的先ありきでどういう情報を作っていく発想が必要。
  • データをあいうえお順、地域順とかにはせず、部品に番号が示されてクリックすればその部品を扱っている企業名・研究所名が出るような設計をしないと意味がない。
  • 日本には機能が良いものは多いが、ラグジュアリーなものはない。その要因は、デザイナーの地位が海外に比べて低いため。ルイヴィトンはたまにアドバイスをしてくれるようなデザイナーに1000万円を出すが、日本企業だと役員会を通せずにそうしたことができない。
大宮委員
  • デジタル化はいろいろな分野に革命を起こすだろう。製造業の視点からでは、ハードウェア間の連携をして、そこに高付加価値を与える機能を与え、製造全体のバリューチェーンを最適化する。
  • 航空機の装備品を中央集中制御する構想が30年前にあったがうまくいかなかった。それぞれの装備品メーカーが強烈に自分のテリトリーを侵されたくないということでまとまらなかった。
  • 近年、装備品メーカはアメリカ辺りで巨大なメーカへと変質している。我々の知識レベルよりも遥かに多くの知識を持っており、コントロールするのも大変難しいが、デジタル化の時代になってきたので、少しコントロールができるようになってきた。やはり、プレイヤーが多すぎるとなかなかうまくいかない。スマートコミュニティのプロジェクトでうまくいかないものもあり、既存都市をスマートコミュニテイ化するにはステークホルダーが多く必要となる。誰がお客か分からず、その調整で何年もかかる。UAEの都市開発のように受け口が一つであれば、参加する企業が多くともそれなりに形になることが多い。みんながwin-winになるようなプラットホームを構築できないといけない。最近のインダストリー4.0で脱落しかかっている企業がいる。シーメンス等の限られた企業が自分達だけでやっても良いと考えているのではないかと考えている。
松島委員
  • 日本は、ものづくりとITの両面からデジタル化への対応を考えていく必要がある。
  • ものづくりについては、現在の日本の自動車の工場でも1ラインで8車種を作るコトができる。生産設備のノウハウをどんどん取られてしまうと競争力が低下し苦しくなるので、海外工場はパラメーターの管理だけで操作できるようにして、重要な部分はしっかりノウハウをブラックボックス化していくことが重要。
  • また、「できあがったものを既存市場に勝てるから売り込む」から「サービスのビッグデータから市場をみつけ、そこに対してどのようなものが投入されたら売れるのか」という新市場開拓に日本は弱いため、強化が必要。こうした発想は、経営者から出した方が近道。そういった発想ができる経営トップの育成が大事。
  • 日本は高齢化が急速に進むため、ポストアベノミクスの中で高齢化対策が必要。自動車の自動走行は過疎化する地方で重要な役割を持つと考えるが、全国一律の法律がネックとなり普及が遅くなるのがリスク。特定の地域だけで使用するルールを定めて早期に対応するなど柔軟な法律の部分的改正が必要になる。特定地域は時速30キロ以内で自動走行を認めるなどの法律改正ができるといい。当然ロボットや設備の自動化も鍵である。以上のようなことを考える、将来の日本高齢化社会を念頭に高齢化市場対策室などができるといい。
  • 参入障壁を築いていくのであれば、ソフトウェア開発も日本語を交えて開発をしていくという考え方もあるのではないか。
  • ブラックアウトや電磁波障害によりデータがなくなることがあるため、企業による危機対応としての東西一箇所ずつのデータセンター設置などの取り組みに加え、国家規模でもそうした防災上の取り組みをした方がいいのではないか。
田川委員
  • 利便化、少量化だけでなく、人とロボットが融合して新たな価値が生まれる価値創造をこれからやっていってほしい。ユーザーの声を反映させる仕組みを作っていってほしい。
新宅委員
  • IoTを考えたとき、どこまでつなげるか、何をつなげるのかを考える必要がある。
  • 日本国内の工場・サプライヤーでつながっていくだけでなく、量産拠点は海外に移っているため、また、その工場は現地のサプライヤーとつながっているので、そことどうつながるかが大事。
  • 中国系のローカル企業でも競争力を高めるために今までのものづくりから日本のような生産システム、いわばプッシュ型からプル型にに移行しようという動きが一部で見られる。しかし、中国の完成品メーカーと日系サプライヤー、日系完成品メーカーと中国のサプライヤーの間にはまだずれがあるので取引ができていないことがある。この両者の取引をITシステムも活用してうまくつながることができ、日本的な生産システムが広がれば、海外での日本の活動もより強化される。
堀場委員
  • デジタル化、IoT化というが、ビジネスモデルをきっちり詰めるべき。何のために、目的はなにかをといったトータルピッチャを描いてからアプローチした方がいい。
  • どんなデータがあってそれをどう使っていくかが大事。
  • デジタルとハードの組み合わせ技術は日本がとても強い。
  • 技術の組み合わせはチームワークが大事であり、日本が強いところ。センスの良い人が少人数でプロジェクトをしていくことは日本が弱いところである。

終わりの言葉

清家会長
  • 人材の流動化が今回の議論の共通の話題となった。人材の流動化は、自分の能力を活かせるところで働ける、必要な人材をすぐ調達できるという点でメリットがある。一方で、極端に流動化が進むと、せっかく育てた人材が他社に行ってしまうこともあり、引き留めにコストがかかるなどのデメリットもある。人材育成は人への投資であるため、投資が回収できないならば企業は人材育成をしなくなるだろう。大事なのはバランスであり、日本企業の強さは社内の人材育成にある面もあるので、メリットとデメリットを踏まえながら考えていく必要がある。

(以上)

関連リンク

お問合せ先

製造産業局 参事官室

 
最終更新日:2015年4月23日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.