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産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会(第8回)-議事要旨

日時:平成28年11月29日(火曜日)9時30分~11時30分 
場所:経済産業省本館17階会議室

出席者

有識者
村井座長、石黒委員、岡村委員、喜連川委員、國井委員、澤谷委員、砂田委員、夏野委員、根本委員、野原委員、松尾委員、松本委員、三輪委員、東原委員、唯根委員、横塚委員
事務方
安藤局長、前田審議官、竹内審議官、渡邊情報政策課長、佐野情報経済課長、師田サイバーセキュリティ課長、田中デバイス室長、中野情報プロジェクト室長、西村生物化学産業課長、境国際戦略情報分析官
オブザーバー
総務省 小笠原課長

議題

  1. 報告
    • 商務情報政策局の取組について
    • 分散戦略WG 中間とりまとめについて
  2. 討議
    • 今後の情報経済小委員会の進め方について

議事概要

サイバーセキュリティ

  • サイバーセキュリティの産業化とあるが、現状の問題はサイバーセキュリティへの投資を誰もしないことであり、それができれば苦労しない。
  • 我が国産業としてサイバーセキュリティにしっかり取り組んでいくのであれば、海外製品を輸入して実装するだけではいけない。国産の製品やサービスを、政府機関やそれに準ずる機関が率先して採用し、育成していくことが必要。ベンチャー企業にとっては、開発等の資金支援ではなく製品を購入する顧客がいることが最も重要。
  • IoTのセキュリティについては、まだ「何年製品を保たせるか」という保守の観点を抜けきれていない。そこから脱皮して、セキュリティbyデザインという考え方を入れていかなければいけない。
  • イスラエル等の強力な売り込みが現状ポジティブにとられているが、戦略的に対峙するべきであり注意が必要。アメリカも、自国のサイバーセキュリティ対策については外国に対しかなりの障壁を設けている。いかに海外に対抗して市場を作っていくか、掘り下げて考えて頂きたい。
  • 海外において実施するサイバーセキュリティ対策研修への参加提案が多い。海外の人材教育を取り入れてしまうと、日本としては弱点をつくることにもなりかねない。逆に日本から輸出できるくらいの教育システムを打ち立てていくべき。
  • ユーザ側はセキュリティ対策に「答え」を求めるが、セキュリティ対策はある種のシナリオをもって対応策をボトムアップで考えるものであり、常に自分の頭で考えることが求められる。そういった意識啓発も必要。

人材育成

  • IT人材について将来数十万人が不足すると推計しているが、それに対応する施策が未踏やセキュリティキャンプだけでは、その不足を補えるとは思えない。文科省等とも連携し、学び直しも含め、もっと抜本的な施策に取り組む必要があるのではないか。
  • データファーストという観点でビジネスモデルを設計する、プロデューサ的な人材が必要。誰がどのように育成していくか検討すべき。
  • 情報教育については、学術会議においても参照基準をつくっている。また、ある大学においては情報学部設立を検討している等、大学側も変化点にある。
  • 以前の委員会において、IT人材育成については産業界からも意見を出してほしいという話をしたが、結局アクションは起こっていない。意見をそのままにせず、実行して頂くことが重要である。
  • 働き方改革の一環として、企業等における「兼業禁止の禁止」をぜひ打ち出して頂きたい。優秀なエンジニアの人材流動性を高める効果もある。

政府調達の活用

  • 政府における先端サービスの導入は非常によい提案。サイバーセキュリティ関連についてもぜひ取り組んでいただきたい。イスラエル製品が多く入ってきている現状には非常に違和感があり、このままでは、気づけば海外製品を買っていただけになりかねず、日本はセキュリティ先進国になることはできない。
  • 政府職員の考え方も、ユーザ側の視点を取り入れられるよう改革する必要がある。デザイン思考の考え方をもってシステムを設計しなければ、良いシステムは作れない。
  • 日本の国や自治体のWebサイトは、世界でも一番レベルが低い。必要な情報が見つからなかったり、Web上だけで手続きが完結しなかったりと、やるべきことが多すぎる。抜本的な見直しが必要。
  • デザイン思考やユーザエクスペリエンスの考え方を活用して、システム全体をプロデュースする人材が行政側に欠けている。そういった人材はエンジニア側にも不足しており、人材育成の見直しが必要である。

分散戦略WGの中間取りまとめについて

  • 情報サービス産業について、エンジニアがクラウド等の新しい分野に進んでいくべきという点は同意するが、大手ITベンダーがファンディングに徹すべしという点は同意できない。大手ITベンダーも、ベンチャー企業等と一緒に新しいビジネスを一緒に作ったり、個別のクラウドサービスを作りシステム利用料を取るといったビジネスモデルに転換したりといった模索をしているところ。
  • IT分野における日本の強み弱みの検証が不十分であり、その点をしっかり把握するべき。また、国内市場だけで戦ってもいずれグローバルジャイアントに浸食されるため、そこにどう打ち勝っていくべきかという議論も必要。
  • ユーザvsプロバイダでなく、対等なアクター同士として考えるべき。また、非常に多くのレイヤーがある中で、特にどこに取り組むかをきちんと決めることが必要。
  • 公共サービス等今後も必ずニーズがあるものについて、テストベッドとしてAPI提供するなどし、地域や中小スタートアップ企業がそれを活用して新たなサービス提供を志向するような環境整備をすべき。
  • 分散戦略WG中間取りまとめは、一定の仮説に基づき将来像を描いたという意味ではよくまとまっている。今後は、具体的に国や企業がどう取り組むべきかを議論する必要。
  • 分散型のアーキテクチャの構築には、膨大なインフラコストがかかる。国全体として、ファイナンス能力とプロデュース能力をどうマッチングさせていくかも考えるべき。

点から面への展開

  • 高齢運転者の事故防止については、自動ブレーキの導入だけでも相当な効果があると思われるが、それだけでは全く「IoT」ではない。面的な展開というと、既存技術をプリミティブな分野で導入する形になってしまいがちなので、政策効果と技術の先進性のバランスを見て、対象とする分野を検討して頂きたい。
  • イノベーションの促進のためには、不必要な規制をなくしていくのが基本的な方向性。面的な展開という意図は理解するものの、新たな規制を導入するというのはイメージが逆行するため、書き方には留意すべき。
  • 規制等で義務づけをすることについては、リスクも常に考えていただきたい。例えばバックオフィス業務へのAI導入については、結果的にベンチャー企業や中小企業等にとって導入コスト等の金銭的負荷が高まるなど、思いがけないマイナスの影響を生じることも考えられる。良い面・悪い面の両方をきちんと検証して頂きたい。
  • これら個別事例の面的展開に取り組むことで、日本の状況が大きく変わるようにも感じられない。長い目で日本がどう世界を変えていけるか、という視点を並行して考えていく必要がある。
  • 規制導入等の政策手法によって面的展開を主導するのではなく、ビジョンを示すことによりアドホックに必要なエコシステムを育て、全体のルール形成を支援するようなアプローチがよいのではないか。

その他

  • IoTの進展によりソフトウェアを搭載した機器も増えている中で、製造物責任の在り方についてしっかり議論を行うべき。例えば、自動運転についても、通信障害が起きた場合の事業者の責任関係等について保険でどう考えるか等、全社会的にこの問題を考える必要がある。
  • ITに関する理解やスキルは個人によって様々であり、新しいシステムの構築等にあたってどのようなユーザを想定するかをきちんと考えていただきたい。
  • ソフトウェア開発の生産性を上げるべき。日本は発注元であるユーザ企業側にIT人材が少ないこともあり、アジャイル開発で遅れているが、新しい技術であるほどアジャイル型の開発でなければ成功せず、新技術の推進も進まなくなる。
  • 魅力あるIT産業に向けた働き方改革は、ぜひ取り組むべき。長時間労働問題を解決するためには、マインドセット、スキル、ビジネスモデル等、様々な角度からアプローチが必要。人材育成ともセットで議論すべき。
  • AIという言葉を適当に使いすぎている。最近の使われ方には2つの面があり、従来の「いわゆるIT」をAIと呼んでいるのが8割で、残りの2割がディープラーニングや画像認識をはじめとしたイノベーションのことを指している。前者は生産性向上には効果があるが、グローバルな競争力にはならない。後者は製造業と相性がよく、「目を持つロボット」の開発や監視・警備、保育園等の見守りでの活用など、サービス面でも新しいマーケットを獲得できる可能性があり、こちらに注力するべきである。

関連リンク

お問合せ先

商務情報政策局 情報経済課

最終更新日:2016年12月22日
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