経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会 分散戦略ワーキンググループ(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年6月3日(金曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

有識者
國領座長、石黒委員、井上委員、上田委員、川村委員、楠委員、塩野委員、下堀委員、砂田委員、砂原委員、玉井委員、出口委員、林委員、松井委員、丸山委員
事務方
吉本調整官、佐野情報経済課長、三浦情報通信機器課長、岡田研究開発課長、境国際戦略情報分析官、岡田研究開発課長、田中デバイス室長、田中研究開発企画官、角野国際室長

議題

  1. ブロックチェーン(分散型台帳)、シェアリングエコノミーを活用した新たな産業社会に向けて(事務局説明)
  2. ヤフー株式会社 楠委員 プレゼン
  3. シェアリングエコノミー協会 上田委員 プレゼン

議事概要

1.ブロックチェーン技術について

  • ブロックチェーン技術はビットコインでの注目ばかりが集まっているが、グローバルでは知財の管理や商流管理、ポイント付与機能等の分野での活用ケースも広がっている。
  • ブロックチェーンは管理者がおらず平等に使用できると言われているが、新たなブロックの生成(マイニング)は9割程度が中国で行われているとも言われており、注意が必要である。
  • ブロックチェーンの弱点はプライバシーがないことである。あまりIoTで活用するには向いていない。だが、プライバシーの観点では日本の有する高機能暗号技術はブロックチェーンの活用においてビジネスチャンスがあるのではないか。
  • これまでの情報システムは、何らかの主体が悪者を罰することでシステムが成り立っていたが、ブロックチェーンでは主体がなくてもシステムが成り立ち、これまでコスト高で実現されなかった世界を跨ぐようなシステム構築も成り立ち得る。これらは国際的な犯罪組織の基盤になることも考えられ、懸念される。
  • ビットコインは損害を受けても裁判等で救済されないが、それでもシステムが回っている。システムの在り方として一番大きなチャレンジではないか。
  • 行政システムは既に既存のものがあり、ブロックチェーン等にシステムを移すとなると相当に作業と手間がかかるのではないか。また、既に韓国ではブロックチェーン技術を用いなくても非常に効率化された行政システムを構築している。日本はそれすらできていない。
  • ブロックチェーンに載せることが目的になってはいけない。あくまでアーキテクチャを最適化するという目的の中で、一手段として試していけばいいのではないか。
  • ブロックチェーン技術の専門家は優秀なエンジニアではあるが、暗号技術の専門家ではないし、システム構築のプロでもない。また、データの保存や過去のデータとの接合についても論点となる。ブロックチェーンの活用が様々な分野で今後進むためには、そういった課題を乗り越え、ブロックチェーン技術できちんとしたミドルウェアを構築できるかどうかが重要になるのではないか。
  • ミドルウェアとしてのブロックチェーン技術については、技術開発が重要となる。ブロックチェーンに載せるコンテンツをそれぞれどう処理するかといった技術開発を、国内でしっかりやらなければいけない。
  • 世界ではブロックチェーン技術の標準化といった議論が進んでいるのに、日本がそれら議論の場に出ていないのは問題。技術がどんどん進歩している中、既存の決まったものだけを使い続けていれば凋落は見えている。
  • 実現したい目的に対してどういったアーキテクチャを用意するかというのが本質であり、ブロックチェーン技術の特性から着想したものをアーキテクチャとして実装していくという思考が重要だが、そういった具体的な実現イメージが出てきていないことが問題。

2.シェアリングエコノミーについて

  • 一口にシェアリングエコノミーと言っても、N対Nの複数の個人間でシェアするモデルなのか、企業が不特定多数に貸し出すような1対Nのモデルなのか、またそこで料金を取るのか等、様々に分類できるので、議論の解像度を上げるためにもその整理が必要である。
  • たとえばN対Nで無償で固定資産をシェアするような共同体が発展してくれば、その部分のGDPは帰属計算で算出するしかなく、これまでの経済指標の考え方が変わる可能性がある。
  • シェアリングエコノミーが発展すると、消費者が自身で取得しようとする私有財産への見方が変わり、ひいてはモノづくりの在り方に影響を与えるのではないか。また、私有財産制度が発展している資本主義の国と、社会主義の国とでは、シェアリングエコノミーのとらえ方が異なるのではないか。
  • 今のシェアリングエコノミーに参画する消費者の傾向としては、シェアすれば自身のコスト負担が下がるので、より良いモノを購入してシェアするという傾向があるように思う。タクシーのUberでも、「好きな車に乗りたい」「投資を回収できるのであればもっと良い車を買いたい」といったインセンティブで参加するケースがある。
  • 個人の働き方に関して、クラウドソーシングやLinkedinのようなマッチングサービスが発展していけば、個人は他者からの評価によって能力や人柄を測られるようになり、企業への所属もあいまいになっていく。そうした場合に企業における社員の評価はどう行うのか、企業の収益性の観点からどう人材投資すべきか、といった懸念が企業が改革に踏み切れない足かせになっているのではないか。
  • シェアリングエコノミーでは、これまで法律等のルールに沿って評価されてきた人々が、お互いに社会の中で評価されながら自身の興味関心に従って生きていくという風に、社会システム全体が変わっていくのではないか。
  • 政府の役割としては、そういった動きを邪魔しないというのが基本であり、民間でのルール形成をどう蓄積していくかが重要。
  • シェアリングIDでは、各サービスで共通のIDを使うことで個人への評価を集めやすくする効果があるが、それを使うかどうかは個人の選択である。また、IDを意思をもって使い分けられるというのは重視すべきであるが、その後ろで安全保障等の観点から各IDのトレーサビリティを確保するのも重要であり、これらは別の議論として両立するものである。
  • IDに個人情報や他社からの評価といった情報が集まってくると、どこかの段階でそのIDに公共性が発生する。その場合、私企業がそのIDを管理するよりは、公共機関に情報を預けてそこから必要なデータをIDの方で参照する仕組みにした方がよいのではないか。
  • ID等については、大きなところが集中管理した方が、誹謗中傷などのトラブルも管理しやすいという利点がある。情報を分散して管理する場合、その公共性をどう担保するのか、という問題も考えられる。
  • シェアリングエコノミーは、徹底的に効率化を進めていくという経済的側面と、それにより労働者の職を奪い得るという社会的側面の、両面で政策検討を行う必要がある。

以上

関連リンク

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商務情報政策局 情報経済課
電話:03-3501-0397
FAX:03-3501-6639

最終更新日:2016年7月5日
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