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産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会 分散戦略ワーキンググループ(第5回)‐議事要旨

日時:平成28年6月21日(火曜日)16時00分~17時40分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席者

有識者
國領座長、安念委員、井上委員、上田委員、川村委員、楠委員、塩野委員、下堀委員、砂田委員、砂原委員、玉井委員、出口委員、林委員、松井委員、丸山委員
事務方
吉本調整官、佐野情報経済課長、三浦情報通信機器課長、渡邊情報政策課長、岡田研究開発課長、滝澤情報処理振興課長、境国際戦略情報分析官、田中デバイス室長、角野国際室長、植木研究開発企画官、長谷情報経済企画官

議題

  1. 新たな自律・分散・協調型アーキテクチャ・技術戦略等に関する、これまでのWGの議論の整理(事務局説明)
    自律・分散・協調に対応した技術戦略の検討状況について
  2. 丸山委員 プレゼン
  3. 松井委員 プレゼン

議事概要

技術戦略の方向性について

  • 歴史的に技術の将来像予測は予測した方向に思った通りに行ってないことが多い。例えばOSは、Taligent系が有力視されていたが、結局のところWindows95でインターネットが爆発的に普及するきっかけになった。今回の提示されたシードは学術的に意味あるものだが、どれが抜け出すのかはわからない。そうした状況を踏まえて国の役割を考える必要がある。歴史を参照すると、国がユーザーとなったお金の面では間違いはなかったと思う。日本のコンピューティング産業が発展したのは国がしっかりとしたユーザー目線を持ち、電電公社がそれに合わせて技術を磨いた結果。ビットコインもユーザーとしてお金を動かしている人が侃々諤々の議論をしているので、今のところうまく機能している。
  • 産業として、アプリとハードの間が抜けており、基礎研究の衰退と関係があると思われる。抽象的な層におけるマイクロービスをつなぐようなソフトウェアは新しいアーキテクチャのために、まだ世界とは勝負がついてないと考えられる。AIにシステム全体最適化機能を持たせるかどうかの議論はあるが、最適化の技術は日本の強みであり活かすべき。
  • ハードウェアとソフトウェアのインテグレーションが、車やメカトロニクスのとこまで実装されているのが日本の強み。その上で、人とシステムがどう関わっていくかという点を踏まえて優先順位と時間軸をしっかり検討すべき。
  • フォグというのを考えると、自動運転が前提になっているように思える。運転中のコンテンツ情報などを入口にして、そのフォグ領域もまたGoogle等に持ってかれるのではないか。一方で、将来の移動に関しては、山手線や新幹線等の鉄道は残っているはずで、そうした面は日本特有のフォグとも考えられ、海外展開含めて議論すべき。
  • 世界の中で日本がコントロールできる協調・競争ラインはどこか見極める必要がある。日本独自の突き抜けた技術は無いのではないか。ゲームの世界も非競争領域のレイヤーが上がってきており、AIの領域も顕著にそうなってきている。Googleはビジネスのコアとなる領域を持っており、その外側の領域を非競争領域として広げるコントロールをしてビジネス展開している。
  • メーカーの経営者は、もやっとした方向性はわかっているはず。別の観点の話をすると、技術領域に関する人材像が見えてなかったりする。自社内にどんな技術者がいるのかどうかさえ分かってない。経営者の頭の中を技術の人材という面で整理してあげないとせっかくの戦略が足踏みすることになるかもしれない。
  • 下請け構造のような産業構造自体にも、自律・協調・分散のような構造を適用することが必要ではないか。そうした面で新しい市場創造できると良い。

データの価値・活用について

  • 価値の源泉はデータに収束しそうになっている。産業知はまだ日本の武器として奪われていないので、これを生かすべき。
  • 情報が分散化・偏在化していく世界。センサーをばらまく投資コストとのバランスは重要。機械学習は価値密度を上げることである。投資の限界費用部分は、コモンズエコノミーのような概念になり、国の役割への示唆になるのではないか。
  • データが分散化する世界では、収集コストが上がり、データの価値が下がってしまうのではないか。しかし、目的外使用を認めるとデータ収集コストも下がることが可能で、さらにいろんな事に使える利点がある。
  • Googleは目的外使用が出来ているだろう。我々はサービスを受ける際に前に進まないのでいつのまにか同意するボタンを押している。日本ではデータを分析したい会社はお客との接点を持ってないのが課題。Googleは長い期間で戦略を練っているはずだ。Androidもデータが集まるのは5~10年かかったはず。向こうが10年単位で戦っているのに、日本が1~3年の戦略で動いていたら戦いにならない。
  • 先進的なユーザーの利用が、新しい技術の競争力を増強している面がある。そうした中で公的セクターの役割が出ると良い。

国民性とその集合体の国について

  • デジタル系の面ではグローバルで勝つための投資としては、ベンチャーは一桁くらい足りない。韓国(ブロードバンド)、エストニア(デジタル化やブロックチェーン活用)は空振り覚悟で行ったと思う。国としてそれくらいの気概で進んでくれると、企業としても米企業に負けるかなという気持ちから入るのではなく、ひょっとするといけるかなという気持ちで進むことが出来る。
  • 日本は、歴史的に技術ブームが来ると、そこにしかお金がつかない。今だとAIブーム。中国は、米国からスパコン向けチップを供給してもらえなくなったから、自らチップを作って、(特にスパコンブームではない最近)世界一のスパコンを作った。分散投資は非常に重要なのだが、そうした日本人的習性をどうするかは悩む。サービスにはやっとお金を出すようになってきたが、データにお金を払う文化を作れるかどうか。
  • ピュアな議論をしていてまるで危機感がない印象。韓国が当時ブロードバンドを本気で推進したのは、国として背に腹は変えられない状況だったのではないだろうか。もう少し危機感が見えないと、現実の解に結びつかないのではないか。政策の見える化が重要。
  • GoogleやAppleの話になると、日本の会社の経営者は勝てないと割り切って一歩引いてしまう。社風や国民性が変わらないといけないが、意図して変えようとしなければならない。だが、そんなことはほぼ不可能に近い。だとすると、今の国民性を活かすしかない。ディフェンシブな価値は日本人にとってはかなり重要。つまり、少々過剰な安心・安全なパッケージは国内では大変需要がある。実は他の国もできるだけ安心・安全は欲しいはず。そうした強みを伸ばしていくしかない。

今後の検討課題

  • 新しいビジネス領域が生まれつつあるという点について共有・議論できた。今後、そこで勝っていくための国の役割含めたHOWが検討すべき課題である。

以上

関連リンク

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