経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会 IT人材ワーキンググループ(第1回)‐議事要旨

日時:平成27年1月22日(木曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

出席委員

有賀委員(座長)、岩丸委員、大場委員、佐藤委員、冨田委員、中谷委員、西野委員、三谷委員

議題

  1. IT人材WGの論点及び検討の進め方
  2. IT人材を巡る現状について
  3. 自由討議

議事概要

1.IT人材WGの論点及び検討の進め方

IT人材WGの論点及び検討の進め方について、事務局より資料2を用いて、説明を行った。

2.IT人材を巡る現状について

IT人材を巡る現状について、事務局より資料4-1、4-2を用いて、説明を行った。

3.自由討議

  • IT人材を考える上で、ITの分野で楽しい仕事ができる環境をどのように作っていくかという議論が重要。その観点で、「攻めのIT経営の推進」は重要。産業界を含めて、検討していくことが必要。そのような人材を育てていく基盤として情報処理技術者試験が存在。
  • 企業からの求人はWeb系が比較的多く、学生もその分野への就職を希望する状況。グローバル化の流れを受けて、「英語が使える」だけでなく、「英語を使ってITの仕事ができる」学生が求められている。
  • IT人材の不足を解決するためには、IT人材の供給量に着目するよりも、生産性を上げることを目指すことが重要。人材の質を高めることや、ツールを使うことが重要である。しかし、受託開発のように個別システムの開発では、大量のITの人材が必要であるし、全体の生産性は上がらない。むしろ、SaaSやパッケージソフトなどに切りかえることで、開発するソフトウェアを減らすことも求められる。
  • 我が国の生産性を上げていくためには、最先端の技術を生み出す人だけではなく、新しい技術を中小企業が使えるように指導出来る人材が重要。
  • 説明にもあったが、子供向けのプログラミング教育に対する関心は高まっている。また、「攻めのIT投資」を推進することは非常に重要。これまでのように顧客に指示されてプログラムやシステムを作る人材ではなく、事業部門などでITを駆使して新たなビジネスをプロデュースするような、新たな人材が必要となっているのではないか。細分化されたIT人材の議論が必要。
  • IT人材の現在の課題は、人数確保ではなくパフォーマンスと質の向上ではないか。これが実現できていないことの最大の課題は、野口課長からの説明にもあったが、海外と比較して経営者がITに関心が無い事。経営者がITに関心がないため、日本ではビジネス誌でIT関連の特集を組むと販売数が落ちると言われている。海外と比べて遅れている。我が国に学際教育がないのも大きな要因。日本では、ITは理系、経営は文系のようなイメージがあるが、そもそも、理系、文系という概念が海外には無い。プロジェクトマネジメントも大学で教えていない。情報セキュリティは、悪い人の盗難などのフィジカルとサイバーで内容が異なり、必要な専門家の能力も異なる。例えば、技術、人のマネジメント、部下への教育力、語学力などが重要。特に、サイバーには英語力が重要。
  • IT環境がここ数年急激に変わった。ベンチャーなど作り手の裾野が新たに広がっており、ユーザからの要求を受けてベンダーがシステム構築するという従来のビジネスモデルを超えた取り組みが始まっている。また、説明にあった「IoT」は重要な視点。マーケットは、モノからコトへ大きくシフトしている。これが重要であることに、製造業の人たちもようやく認識しはじめた。3Dプリンターなど、ハードとソフトが組み合われてサービスが作られる時代。その代表事例であるドイツのIndustry4.0において、実は、人材が重要と指摘されており、自動化されたスマート工場で必要とされる人のスキルが着目されている。同様の議論をこのWGで行うことが重要。
  • 「IT人材」という言葉は時代遅れ。今後は、国民すべてがITリテラシーを持つべき時代。そうでないとインダスリー4.0やIOTには対応できない。IOT時代を目指して、新しいビジネスを作り出せる良質な人材が中長期的に必要。他方、2015年問題など、従来型の巨大システム開発のための人材や情報セキュリティを担う人材が短期的に不足しているという課題がある。双方重要な課題。セキュリティは非常に重要な分野であるが、今回の資料が少ないように思う。他の委員から既に発言が出たが、情報セキュリティはフィジカルとサイバーといった具体的な議論が必要。
  • 質問だが、このWGの重点は、企業が当面必要とする人材の育成なのか、インダストリー4.0のような将来の産業に必要な人材の育成の話なのか。両者の人材は異なるように感じる。

(事務局)両者ともにニーズがあると考えており、WGでは両者を議論して頂きたい。必要とされる人材はそれぞれ異なると考えられるので、混乱しないように分けて議論して頂くよう運営していきたい。

  • 今回はIT人材WGとなっているが、以前は「人材育成WG」であった。数を増やしていく「育成」も重要であるが、人材の「質」の話、労働市場を変革していく話、グローバルな人材を活用する話など、これまでにはなかった幅広い観点で議論が必要なのではないか。
  • シンガポールでは、IT人材の議論をすると小学校から話が始まる。一橋大学学長と理系文系融合の話をした際に、IT教育としてマイクロソフトオフィスしかしていないと聞いたが、シンガポールでは経営大学院にシステムサイエンスの学部があり、他の学部を含めて融合教育がなされていた。シンガポールの首相は、5年後にシンガポールがスマートネーションとなるため人材投資を強化するとスピーチしていた。このようなことを参考にすべき。また、大手SIer企業が海外企業を買収しているがマネジメントが課題。日本のマネジメントは人に依存していて、組織のマネジメントモデルが確立していない。グローバル化における大きな課題。
  • IoTについて補足する。ビッグデータの活用が注目されているが、ビジネスにおいてはデータを収集しただけでは意味が無い。ビッグデータの分析には現実世界を見る目が必要。そのためにはITだけではなく現実世界に通じた人材が必要。例えば、米国ホワイトハウスがPCASTという科学技術政策に関する提言書を2007年に出しているが、そこでサイバーフィジカルシステムズというキーワードを出している。これは現在のIoTに該当。その提言書で強調されているのは、技術ではなく人材育成の話。特に、複合領域や複合専門性が強調されている。ITスキルだけの人材ならば、今後、中国やインドを含む新興国から大量供給される。米国の産業競争力を維持するには、大学などで例えばITと社会学、ITと物というように複数のメジャーを持つ人材を育成することが必要と結論づけている。これを参考にすることが必要ではないか。
  • 人材育成には、中長期だけではなく、短期の教育システムが重要であるが、我が国ではあまり開発されていない。例えば3か月~6か月の企業の新人教育、子供向けの短期教育向けプログラムについて打ち出してくことも重要ではないか。
  • IoTで強調されるのはイノベーションをおこす人材であるが、プロマネやセキュリティなど従来の専門領域の中で必要とされる職種もある。大手ベンダーを定年退職したのち、ITベンチャーで技術顧問となり、プロマネや監査技術などを指導している方もいらっしゃる。このような人材活用も重要。労働集約的な現場がIT業界の問題であり、グローバル製造業のように、単価勝負になるのではなく、価値で勝負しようとのいうのがベースであるが、他方、過去の人材もうまく活用とするというバランスが重要。
  • 多重下請け構造やベンダーにIT人材が偏在している状況など現在の業界構造を変えるだけで、生産性の向上や人手不足解消ができるのではないか。伝言ゲームしかしていない層の存在など不効率部門を解消し、下請けの中に潜んでいる優秀な人材を解き放つことが重要ではないか。
  • プロマネが重要との指摘があったが、プロマネはメンバーを引っ張るメンタルの強さが不可欠。大学教育の現場で感じることの一つは、最近の学生はメンタル面が非常に弱い。また、最近の学生はスキル・特性がバラバラ。選ばれた学生の質を高めていくことは実は簡単。できる学生を伸ばして日本の課題を解決できるような人材を輩出すればよいのか、すべての学生に満遍なく教育してプログラマー的な人材を増やせばよいのか、大学がどちらを目指すべきなのか議論が必要と思われる。
  • オープンシステム、ゲームなど新しいITビジネスにこれまでのやり方で取り組んで失敗している例が非常に多い。日本のIT企業はマネジメント能力が低すぎる。学生の話があったが、きちんとしたリーダーがいれば若い人たちは無駄な苦労をしなくてもよいはず。若い人のクリエイティブな能力に問題があるのではなく、Sier企業のマネージャークラスに問題がある。この層に対する教育などが必要。
  • 日本で起業している人は、日本のIT企業出身ではなく、米国の大学出身やコンサルティング経験者など。自らプログラミングをするのではなく、技術者を探してきて、ウェブ系などニーズの高いサービスを1年以内に立ち上げるというビジネスモデル。日本の受託開発とはまるで異なる。政府系や金融系システムのようなスピードが要求されない確実なシステム開発のニーズはない訳ではないが、ユーザ産業に期待されるスピード感、発想の転換力、マネジメント力などを教育していかないと、優秀な人材は海外流出するのではないか。
  • セキュリティやプログラミングなど子供の教育は重要。今後、IoT人材の育成プログラムをカリキュラム化して、大学と連携して人材育成するような取組を業界団体としても考えていきたい。
  • 2020年に向けて多様な人材が働けるようなダイバーシティ活動やテレワークを進めている。また、業界団体としても、ユーザとベンダーの技術者分布をもう少し見直す必要があると認識しており、対応策を議論している。

以上

関連リンク

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最終更新日:2015年2月10日
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