経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会 IT人材ワーキンググループ(第4回)‐議事要旨

日時:平成27年6月19日(金曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階第3特別会議室

出席委員

有賀委員(座長)、岩丸委員、大場委員、佐藤委員、辻田委員、暉委員、冨田委員、中谷委員、西野委員、三谷委員

議題

  1. 情報経済小委員会中間とりまとめ報告書について
  2. 委員からのプレゼンテーション
  3. 討議

議事概要

以下、委員等からの主な意見

1.情報経済小委員会中間とりまとめ報告書について

野口情報処理振興課長より【資料1-1】、【資料1-2】、【資料1-3】、【資料2】を用いて報告を行った。

2.委員からのプレゼンテーション

暉委員、西野委員、三谷委員よりプレゼンテーションを行い、その後、議論を行った。

  • (大手SIerを使うよりもとんがった中小企業のほうが、元気があって技術力は高いかという質問に対して)大手さんだとたくさんいらっしゃるので、当たり外れというのはどうしてもある。上流のほうにいい方に入っていただければプロジェクトが円滑に回るが、最初からそういういい方が入ってくださるという保証もなかなかない。違う事業部門で活動されていた会社さんを、目をつけて引っ張ってきている。
  • 要は、アジャイルをベースとしながら1人で上から下まで全部やってしまうというような人材が必要だということだろう。まさにこれから必要な人材の方向性そのものだと思う。事業そのものがデジタル化すると、バックエンドのシステム開発も、それにつれて早いスピードが要求されてくる。そうすると、やはりウォーターフォールではできなくなるということが、1つのメッセージだと思う。
  • 自社でコアとなるビジネスを支える仕組みというのは自社内で持ち続けると思うが、それ以外は、逆にいうとSaasだとかにどんどん出してしまっている。残った部分というのは結局従来型の開発ではなく、そういった新しい手法でビジネスに機微に反応できるという仕組みをつくっていかなければいけない。
  • 実際にはいかにプロジェクトマネジメントに長けた人材を抱えるかということのほうが今、課題。システムを開発するという案件のプロジェクトマネジメントというのは、まずプロジェクトマネジメントよりコーディネートの力であり、何は外に出して何は内側にもってちゃんと進めていくかという判断ができるかどうか。中でもつと決めたものに関してはきっちりとつくっていく。かつては大手さんに丸投げ体制でコストも非常にかかっているという状態だったが、それを自社の能力を高めることによって、いいベンダーさんと組んでいいものをつくっていくというふうにシフトしていきたい。
  • 基幹システム的な、非常に期間も長い、時間もコストも高いというところのPMをどうきちっとするかという話と、デジタルビジネスを創造して、もっと躍動感あるビジネスを創造しようという話は、両方違うものになってきている感じはする。特にSaasとかクラウドが進むと、どう使うかという話になってきていて、どうつくるかではなくて、使うにはどうしたらいいのというような形にモデルが、この数年で急速に多分変わっていくだろう。そういったときのマネジメントはどうするのか、この辺は、意外とまだほとんど語られてない部分。
  • 10年前のPMという言葉と今のこれからのPMは相当違う。
  • シンガポールは学校もフロア全部がデザインシンギングのためにつくられているような学校もできていて、全く日本の子どもたちと差がつくなというのは、みていてすぐわかる。そういう意味ではデザインというか、新しい時代に合わせる考え方みたいのは、ITのことだけではなくて、国全体がそういうふうにシフトしていかないとなかなか創造性は発揮できない。国を挙げてやっているところからみると、そういうことを示唆しているのかなというふうに思う。
  • ユーザーの中でも情報システムに今まで携わっていらっしゃった方々が、やはり新しいビジネスそのものを生み出していくように、少しおまえらも入ってこいやといわれている会社と、システム部門なのだから目先のことをきちっとやっておきなさいといわれている会社と、どんどん二極分化するような時代になってきている。
  • ビジネスそのものがデジタルに近いようなところとか、あるいは金融業とかサービス業の皆さんは、かなり二極分化の進むほうに移っていますけど、まだまだ製造業の企業の皆さんは、どうしてもITが道具だというところが多いので、お題があって、お題をきちっとやる。お題そのものをつくるというところにはなかなかいってないというのが現状。
  • JISAとJUASで組んでデジタルビジネスデザインプロジェクトというのをやっとやり始めたが、しょせんは情報村の人たちが集まってやっている世界なので、本当はCeFILあたりにも入ってもらって、実際上はCeFILぐらいでやっていけると、少し社長とかに声が届くかなとか思う。そういう場をどんどん国としてもつくっていっていただけたらなと思う。
  • 政府の中の標準ガイドラインや何かもかなり一緒に書き込んできたところなのですけれども、EVMをずっと言い続けてきて、なかなか定着しない。今回またそれを強く、EVMを基本的に使えということを言い切ったところ。それから人材の話も、PMPにしろ、プロジェクトマネジメント関係の人材にしろ、人材が増えてきているので、その人たちがどう活躍していくのかというところも、上からだけではなくて、その人たちがどう上にあげていくかということがもう一つ大切ではないのかなと思う。
  • 経営トップの方々は、何が怖いかというと、やはり株主の目。株主から言わせないといけない。幾らそれぞれの技術のところで言ってもだめで、株主から評価されるとそれが一番効くはずなので、そういう施策としては(攻めのIT銘柄は)1つのステップが踏まれたのかなと思う。
  • 90年代にITサービスの経営者というのはただの人材派遣で、楽をしてテーブル1つ、電話1丁だけでやっている、このままではだめだぞという、雑誌の特集があったが、そこから25年間変わってないなというのを今改めて感じた。同時に、変わらないなりにそれなりの産業的なニーズがきっとあって、そういう構造になっているのだなという気もしている。
  • 多重下請構造イコール創造性が低くなるというわけでもないのではないかなというふうに思う。IT業界はSEが3Kだ6Kだ、だから人材が来ないとも言われるが、学生に人気のある職業はどうなのというと、みんな3K、6Kだったりする。衛生要因の問題ではなくて、やはり動機づけ要因というか魅力度なのかなと思う。
  • やはり給与水準も魅力の1つ。構造的にみると、IT人材の大半はユーザー側に実質的にはいる。親会社の中に取り込まれているのか、親会社から切り離してIT子会社化されているか、そこが構造の大きな違い。大きな違いは何かといったら、給与。IT業界側の構造問題でもあるのですけれども、これはユーザー業界側の構造問題でもある。
  • 実際大手のSIerさんにびっくりするぐらい中を抜かれている構造というのは、これはやはり問題だと思う。そういったことがなく、品質のいい方を適正な価格で採用することができれば、もちろんそのほうがウイン・ウインですし、ユーザー企業にとってもハッピーだと思う。
  • 子会社だったらどうして給料が安くなくてはいけないのかも大きい問題。仕事ができる人にたくさん給与をくれたほうがいいではないのかという話。もう一つは、親会社比率が8割5分もあるような子会社を子会社として存在させておく意味があるのか。給与政策だけだったら、ある意味では非常におかしな話。
  • アメリカあたりではインディペンデントコントラクターが自分の価値を知っていて、その値段でしか売らないとか契約しない。だから、タイム・アンド・マテリアルベースでもそういうお金をきちっともらってくるというのが普通ではないかなと。やはり75・25の問題というのは、だんだん比率は変わってくると思う。その変わってくる中で、価格構造だとか多重下請構造も自然に解消してくる部分もあるかと思う。
  • これからの世の中は、間違いなく創造性だけが競争力の源泉になる。もうそれはどんな成熟国も皆同じことを考え始めている。いかにそういう人材を育てるか、もしくは、そういう人材を集めてくるかということに尽きる。給与が安ければ多分他のどこかへ行ってしまう、それだけの話。
  • 私はミドルウエアの設計でプロジェクトマネジャーをやっていて、マックス70名から80名をみていたのですけれども、マネジメント力というのは、後に磨かれた。ある分野だと、メーンフレームのところをいきなりやらされてしまうと、そこのところは、そこが得意な人をサブリーダーにつけてやるというような体制でやっていた。技術的にもすぐれているし、マネジメントもすぐれている、という両方長けているという人はあまりいない。中には、マネジャーで技術力が抜群にあって、リードできる人もいたが、そういった人がいるチームは、かなり上手に開発ができていた。
  • 学部生に関していうと、プロジェクトマネジメントをしなければいけないようなプロダクトをつくった経験がないので、仮に教育しても、多分ほとんど実効性はない。そう考えると、大学院生か多分社会人教育でやるべきことなのだと思う。
  • 日本のSI業界とゼネコンというのは非常に本質的な違いがある。多重下請云々のところに関していうと、我々が技術屋の絡みでみると非常に無駄の多いところがあるので、そこは、産業構造のところは経済産業省さん含めていろいろご議論いただければと思う。
  • スタート時点でそもそも国籍とか多様性が全然違うというか、海外の会社では、その国の人だけがいるのではなくて、アメリカやカナダ出身の人だったり、女性も含まれていたりというので、サービスを考える点で最初からグローバルを意識しているというか、せざるを得ないような形で企画が始まっている。一方、日本だと、やはり日本向けにどこの市場をねらっていくのかとか、最初からのスタートが違うし、一人一人に任されている決裁権みたいのが違っていて、すごくスピードが速い。
  • 私ぐらいの世代ですごく優秀な人材というのが、今シンガポールとか、アメリカで就職してしまって、日本で就職するという人がなかなかいなくなっている。シンガポールは国を挙げて人材を誘致している。あと、カナダのバンクーバーの市長さんが、行政を挙げてCGの企業や人材を誘致して、そういう産業にしようということで学会に足を運んで、目ぼしい人たちに直接話をつけていて、アメリカからも流出しているという話がある。(進んでいる国では)国を挙げて何か応援していくみたいなのが非常に多い。
  • 自分が長年勉強していたものがアウトプットされる産業が日本にないと、(魅力が無いと)、アメリカやカナダ、シンガポールで就職しようということになる。人材育成も大事だが、流出をいかにとめるか。日本の場合、給料も低いし、優遇もされてなかったら、やはり海外に流出していってしまうのかなというのは非常に感じる。
  • 大手さんと一緒に仕事をするとスピード感が違うというのは確か。(規模の小さな企業の方が)経験の数が全然違う。
  • 日本のSIerさんというのは、本当にいわれたものを、曖昧なユーザーさんの話を形にするのはすごくすぐれていて、緻密なきっちりしたものをつくるといういい点があるので、その技術をもっている人と新しい発想をもっている人の組み合わせで仕事をするという発想が大手のSIerさんにあれば、もうちょっと競争力のあるものが出てくるのではないか。
  • 若いうちにどれだけ幅広い経験をさせるかということを意識している。もう一つ、お客様と一緒に何ができるのかというところの、まさに創造というところを強化していこうというところも、取り組んでいる。
  • ブランディング的な考え方からすると、魅力を付加することによって人材を育成していこうという発想のもとにあると思う。ブランディングの立場でいうIT人材不足を考えると、そういうハイブリッドな魅力的な存在と、実際、今3Kという言葉の中にある人材とのブランディングの仕方は全く違うという考え方をもっている。
  • 長期的にみると、デザイン思考やハイブリッド思考を打っていかないと、今問題になっている経営層の意識改革というのはなかなか進まない。そういう意識を盛り込むことによって経営層も、すてきな存在なのだなという光を当てる思考性が生まれてくるかなと思う。短期・中期を考えると、もう少し違う視点でITの人材をどうやって増やしていくかという考え方をしていかないと、なかなかこの状況を打破できない。
  • (はこだて未来大学では)プロトタイピング+インテレーションみたいな話については、実践型の中ではアジャイルというのを積極的に開発に盛り込んでやっている。デザイン思考に関しては、情報デザインの先生が、ユーザー・センタード・デザインなどのフィールドサーベイをしてアイデアを考えて、それをシナリオなり、あとはプロトタイピング、その他で実現するということをやっている。プロジェクトマネジメントについては、実践型であれば、プロジェクトをマネージするということを当然やっている。しかしながら、できることに限界がある。

以上

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最終更新日:2015年8月26日
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