経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 割賦販売小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成26年11月13日(木曜日)13時00分~15時00分
場所:経済産業省本館2階東3会議室

出席者

委員
池本 誠司 日本弁護士会連合会消費者問題対策委員会委員
岩崎 薫里 日本総合研究所調査部上席主任研究員
大谷 聖子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会消費者相談室副室長
尾島 茂樹 名古屋大学大学院法学研究科教授
小塚 荘一郎 学習院大学法学部教授
沢田 登志子 一般社団法人ECネットワーク理事
鈴木 基代 独立行政法人国民生活センター相談情報部長
二村 浩一 山下・柘・二村法律事務所弁護士
藤原 靜雄 中央大学法務研究科長教授
丸山 絵美子 名古屋大学大学院法学研究科教授
山本 豊 京都大学大学院法学研究科教授
渡辺 達徳 東北大学大学院法学研究科教授
専門委員
與口 真三 一般社団法人日本クレジット協会理事・事務局長
オブザーバー
浅沼 清保 イオンクレジットサービス株式会社取締役兼常務執行役員営業本部長
沖田 貴史 ベリトランス株式会社代表取締役執行役員 CEO
島貫 和久 三菱UFJニコス株式会社常務執行役員営業本部 ECビジネスユニット長
杉本 直栄 株式会社ジャックス相談役
山田 正人 消費者庁取引対策課長

議題

クレジット取引の環境変化に応じた事項(討議)(3)

議事概要

事務局から資料2及び資料3に基づき説明、その後、資料3の各項目にそって討議を行った。委員の発言概要は以下のとおり。

1. 「加盟店の調査についてどの定度の措置が望ましいか」について

加盟店情報交換センターの運用状況等について

  • 議論の前提として、加盟店情報交換センターの情報はどのように活用されているのか確認したい。これが機能していれば、前回までに指摘されたようなトラブルは生じないのではないか。
  • 新規に加盟店契約を締結する際には必ず照会する。また、他社への情報提供のため、トラブルにより解約した加盟店の情報等、幅広く登録する。悪質な事業者には法人名を変えて営業する者もあり、代表者の氏名等も活用している。
  • 情報の正確性という点に留意が必要。競合する事業者が、事実と異なる苦情情報を登録することで営業を妨害することも可能であり、苦情情報が登録されているからといってただちに当該加盟店を排除するのは危険。
  • 法令上、義務づけられている登録の範囲にはマンスリークリアの取引及び決済代行経由の取引は含まれないという理解でよいか。また、実務面では、どのような運用か。
  • 法令上、マンスリークリアは対象外だが、決済代行経由かどうかは、契約や取引実態により様々なケースがありうるのではないか。実務面では、加盟店契約は一つの加盟店について一つであり、マンスリークリアと包括信用購入あっせんについて取扱いを分けてはいない。
  • 加盟店情報交換センターにいかに情報が集約されたとしても、加盟店契約を締結する・解約するという最終的な判断は各社が総合的に判断することとなると思う。この点は、支払可能見込額調査において、指定信用情報機関の情報を参照することが義務づけられているが、与信判断自体は総合判断と位置づけていることと類似するように思える。このように、情報が集約されることに過度に期待せず、かつ、有効に活用していく観点が重要。

必要な措置の程度について

  • この論点は国内のアクワイアラーを前提とした議論か。
  • 国内の加盟店と契約する者については、内外を問わず同様のルールを適用すべきではないか。
  • 国内のアクワイアラーは自社の事業上のリスク管理の観点から加盟店について一定の措置を講じている。制度として一定水準を求めるべきものではない。一定の水準を求めると、ある種の取引を一律排除することにもなりかねない。現在、各社が行っている措置を尊重すべき。
  • このような市場の健全化を考えるとき、大きく2つのモデルが想定できる。まず、保険代理店モデル。これは、各保険代理店を保険会社に対応させ、対応する保険会社が各代理店の行動規範に責任を負担するもの。他方、プロバイダーモデルがある。これは、事後的に不適正を消し込んでいくモデルで、動画サイトを例にとると、アップロードする際には特段のチェックは無いが、著作権侵害があればただちに削除するイメージ。今回の議論についていえば、仮に上手く機能すると想定できるのなら後者を適用できるのではないか。
  • 海外経由の取引のみを規制するのは、通商交渉上の問題があり困難だろうが、海外経由の取引についてルールを適用することは必要。また、海外法人を偽装した日本法人のようなケースで柔軟な適用が可能であれば、実効性が高まる。
  • ルールと民事上の責任との関係にも留意すべき。一件一件の加盟店契約の判断について個別に責任を検討するより、ルールのもとで一定の相場感を形成していくのがよいのではないか。
  • 悪質な事業ではなくとも、国内アクワイアラーと契約できないケースは多いので、プロバイダー型の方がよい。本来、国内アクワイアラーが得られる収益を海外に奪われているのではないか。また、前回まで検討していた実態の問題と対応した論点となっているか、国際ブランドのルールに基づいて解決できる事項にも留意して検討すべき。
  • 平成20年改正で、特商5類型(訪問販売etc)の取引にかかる個別信用購入あっせんについて加盟店契約時の調査が法定されたが、調査事項は厳しいものではない。この分野で個別信用購入あっせんが減少したのは、個々の契約時に求められる追加的な調査の負担が重かったことが原因と考える。したがって、契約時に一定の調査を求めても取引を過度に縮減させることにはならないのではないか。加盟店に係る基礎情報の確認なしに事後の管理を行うことなどできないはず。
  • 今回議論されている加盟店の調査のうち、課題が生じているのはECだと思うが、EC事業者はどの程度存在するのか。調査を議論するに際して、調査の対象となる者の規模感があると議論しやすい。
  • 国内の各アクワイアラーは、過去の経緯等から、現在のような、契約時に厳しい審査をしており、このモデルに急な変化を求めるべきではない。今後、2020年に向けてクレジットカード利用環境を拡大する観点でも、モデルを激変させることによって、各アクワイアラーに負担を生じさせて、円滑な取引を維持できるのか懸念が大きい。
  • 現在の各アクワイアラーの審査を尊重すべきである。これまでの議論において、国内アクワイアラーはまっとうな加盟店と契約する一方、海外経由のアクワイアラー・決済代行業者の一部が悪質な加盟店と契約していると考えられるところ、国内アクワイアラーが行っている調査をより厳しくするという議論は成り立たない。
  • イシュアーからの苦情情報の活用は重要な論点。アクワイアラーに対し、如何に情報を届け、活用するかべきか、検討が必要。
  • 消費者からの苦情等はまずイシュアーに入る。しかし、イシュアーの中には相対的に事業規模が大きなアクワイアラーに遠慮して調査を求めなかったり、担当者がブランドルールを十分理解していなかったりするケースもあると聞いている。イシュアーからアクワイアラーに情報をしっかり伝えてもらいたい。

2. 「加盟店の調査を行う主体をどのように捉えるべきか」について

  • 加盟店においてカードが利用できるのは、国際ブランドからライセンスの供与を受けているアクワイアラーと加盟店が何らかの取引を行うからであり、加盟店の調査について責任を負うべきなのは、原則としてアクワイアラー。しかし、近年、小規模なアクワイアラーが大規模な決済代行業者と契約するようなケースも生じており、このような場合、決済代行業者の方が実効的に加盟店に係る措置を執れることもある。したがって、アクワイアラー、決済代行業者双方を責任主体と捉えてはどうか。論点メモの記載に沿っていうと、「法律関係」よりは「実質的な影響力」を重視すべきという考え方。
  • 決済代行業者にも多様な営業形態があるなか、契約に関与する主体として一律に責任主体と捉えるべきではない。米国では、加盟店の業務処理を代行するようなエージェントをサードパーティーエージェント(TPA)、アクワイアラーの業務を一部代理するようなエージェントをペイメントサービスプロバイダーと呼んでおり、日本においても類似の概念整理が必要。
  • ここで議論されている「責任」とは何か。現行法は、イシュアーを対象として規定が置かれているが、この義務を移すという観点か。
  • 制度上の行為義務を求める名宛人という観点。実質的に機能すること、容易に潜脱されないこと、対象となる主体が明確であること等の観点から検討すべき。
  • 行為義務に限らず、何らかの措置を執れる主体と考えるべき。
  • 決済代行業者の定義を明確化しないと議論が進まないのでは。
  • 上述のような責任を負うべき主体をどう定義するか検討してはどうか。
  • 前回資料5にあった、包括加盟方式と包括代理方式でも議論が異なるのではないか。また、アクワイアラーや決済代行業者に何らかの義務を課すことで、イシュアーの責任が無くなるということでいけない。
  • 包括代理型にあっては、アクワイアラーが直接加盟店契約を締結しており、決済代行業者による審査は予備審査という位置づけだが、加盟店に係るトラブルは決済代行業者が連帯して責任を負うことが多い。トラブルが生じた際の経済的負担はアクワイアラーではなく決済代行業者に発生するため、決済代行業者経由の取引にあっては、アクワイアラーの審査の目安が異なっているというケースも散見される。
  • 加盟店をクレジットカード利用ネットワークに参加させるか否かを判断しているのは、形式的にはアクワイアラー。しかし、実質的な影響力という観点を法文等で上手く表現することが可能なのであれば、実質を重視すべきではないか。
  • 前回までの議論でチャージバックへの言及があったと思う。イシュアーを含む全体の連携の問題と捉えるべきではないか。例えば、チャージバックが機能して加盟店に金銭が交付されないということになれば、当該加盟店は自然と退場せざるを得なくなるのではないか。
  • 契約関係か金銭の交付かという二項対立で捉える必要はない。アクワイアラーが決済代行業者の適切な管理体制を確認すれば、個々の加盟店について直接確認する必要はないという考え方も可能。
  • 契約はアクワイアラーが締結しているのであり、責任を負うべきだが、海外アクワイアラーと契約する決済代行業者については責任を負わせるべき。総じて、実質を重視すべきでは。
  • チャージバックが十分機能すれば、規制は不要ではないか。また、現在のアクワイアラーの業務を尊重すること、一定のリスクを負担して幅広く加盟店と契約する者の事業を壊さないこと、いずれにも留意が必要。現段階では実態が不明な点もあり、次善の策として、カード番号を保有する者に情報管理を求めるという観点から、まずは決済代行業者に登録を求め、その上で得られた情報も踏まえ、義務のあり方を検討するというやり方もあるのではないか。
  • イシュアー・アクワイアラー・決済代行業者と全ての者に別々に義務を課すべきではない。クレジットカード取引、とりわけ大半を占めるマンスリークリアはたかだか数%の加盟店手数料のみを収入源とする非常に薄利な事業。義務付けによって、コストを増大させ、正常な取引まで破壊しかねない。
  • アクワイアラーが決済代行業者をしっかり確認すべき。カード番号情報の管理基準であるPCI-DSSにすら準拠していない決済代行業者と契約するアクワイアラーも存在しており、各社の意識にバラツキがある。現在、市場の健全化はモラルに依存している状態で、モラルの高い者ほど取引機会を逸するという意味で、モラルと経済的インセンティブの不一致が生じている。一定のルールに服すべき。
  • マンスリークリアの取引についても対応の要否を検討すべき。

3. 「上記のような措置をどのような枠組みで確保するか」について

  • そもそも措置不要という発言もあったが、イシュアーを中心とした現行法の構造は健全ではない。悪質事業者が加盟店となってしまっている問題と健全な事業者を加盟店網から排除してしまっているおそれ、このいずれにも対処するため、取引全体として捉え、最低限のルールに服させることが必要。この際、問題のない事業者に余計なコストをかけないことには、もちろん留意が必要。
  • 自主ルールへの言及があるが、法的なルールを前提としたものでないと機能しない。決済代行業者が何社程度存在しているのか、当局も把握していないのが現状であり、既に機能していないというべき。海外経由の取引も共通の法的なルールのもとに置くべき。

以上

関連リンク

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商務情報政策局 商務流通保安グループ 商取引監督課

 
最終更新日:2015年1月14日
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